カテゴリー: ビジネススキル

  • 会社のインバスケット試験に合格する。必要なスキル、解答のコツ、ポイントを速攻で解説、おすすめ教材も。

    会社のインバスケット試験に合格する。必要なスキル、解答のコツ、ポイントを速攻で解説、おすすめ教材も。

    会社の昇格試験では、論文や面接に加えて、インバスケットが課せられる場合があります。
    インバスケットは、なかなかくせ者です。徹底した対策に取り組まないと合格するのは困難です。
    この記事では、昇格試験のインバスケットに合格するために必要な要素と、解くためのコツ、日頃から取り組むことを紹介します。
    「インバス」と略して呼ぶことが多いです。




    インバスに合格するには

    本記事をはじめインターネットコンテンツを読むだけで合格するのは大変難しい、というのが現状です。
    合格のためには、参考書や問題集での対策や専門の書籍を読む、といったことで頭をインバス的な思考にすることが必要になります。インバス試験の数カ月前、できれば半年前くらいから毎日、少しずつでもいいのでインバスの問題集や専門書籍に触れることをおすすめします。

    インバス解答に必要な要素

    仕事案件の優先順位付けや、自分の取るべきアクションの適切な解答力が問われます。詳細について次の項で説明します。
    インバスの問題を解く上での必要な要素は以下になります。

    多くの情報から、関連したものを結びつける

    インバスでは、基本的には、お仕事案件が20件程度用意されます。それらの案件の関連性を見極めてつなぎ合わせるセンスが必要です。
    案件ひとつ1つを読むと、それぞれが独立しているように見えますが、絶妙に関連性が仕込まれています。

    極端なケースで見てみます。自分は着任して間もない総務課長、という設定で、仕事案件の一部。

    1. 製造ラインでの生産性が5%ダウンしているとの事業所内レポート
    2. 課員のAさんから、同課員のBさんのことで相談事がある、と言われている
    3. 社員の一部の交通マナーや歩行マナーが悪い、と近隣から苦情がきている
    4. 廊下が暗い、と別棟からクレームが入っている
    5. 課員のBさんが仕事がつまらない、辞めたいと言っている、と係長から伝言

    これらの案件は、それぞれ独立したものに見えますが、案件の細部を読んでいくと関連があることに気づきます。

    たとえば、上記の案件5を読み進めると、「日常の仕事にも注意が散漫となり、担当である備品の在庫管理や発注業務にもミスが目立ち、退勤後の素行不良もうわさされている」といったことが最後のほうに書かれていることが多いです。この内容を知ることにより、ほか案件との関連性を敏感にとらえることができます。案件5以外の詳述は省略しますが、ひととおり読むと以下の関連が分かるようになっています。

    Bさんは仕事が嫌で、散漫、いいかげん
    ⇒担当の電気配線工事発注をしなかった
    ⇒いくつかの棟で照明の不具合発生
    ⇒製造ラインでも照明に不具合あり
    ⇒視認性低下で作業効率ダウン

    Bさんはむしゃくしゃして素行不良へ発展
    ⇒Bさんの退勤後の歩行マナーが悪化
    ⇒近隣から苦情が寄せられる
    ⇒係長は現状を報告
    ⇒Aさんも心配して相談を要望

    このように事象の関連を見抜くことで取るべきアクションへと移すことができます。
    Bさんの仕事へのモチベーション低下に関する情報(案件5)は、以下のふたつの問題に関連していきます。

    • 工場の生産効率の低下
    • 近隣からの苦情

    逆算すると、近隣からの苦情(案件3)は、工場生産効率低下(案件1)には直接は関連していません。Bさんのモチベーション低下から枝分かれしたそれぞれの事象になります。

    このような関連を、20件ほどの案件の中から見付け出す練習が必要になります。

    次から次へと問題をこなす、頭の瞬発力

    インバスにはさまざまなタイプの試験がありますが、どの試験もたいてい時間が短く設定されています。一例を挙げます。問題を短時間でこなせるような、頭の瞬発力が必要です。

    選択式問題の一例を挙げます。以下の内容を15~20分程度で解答します。

    • 約20の仕事案件(メール、書き置きなど)を読む
    • 取るべきアクションを選択肢20個ほどの中から上位数個を選ぶ
    • 各アクションに関連する仕事案件を列挙する

    だいたいの内容をさらって、次の案件を読む、というやり方をします。「これはどういう意味だ?」「ここは重要ポイントなんだろうか?」と迷いが出た瞬間に、次の案件読みやアクション選択に行動を移して、無意味に時間が流れることを防ぎます。
    最初に読んだときに意味不明だったことが、案件全体を把握した後で明らかになる、ということもあります。

    自分に向けられた仕事案件の全体像をまず把握することに全集中力を注ぎましょう。
    その後に細部を読み直す、というスピーディーな流れで取り組むことが基本です。




    文章を速く読む

    仕事案件や問題文を一字一句読む、というやり方は、インバスではふさわしくありません。試験時間が短いからです。
    インバスで文章をを読むときには、とにかく要点をつかんで速く読む、ということが重要です。

    ある仕事案件を読むときは、
    ✕ 文章を読む
    ○ 情報をつまむ
    ということです。イメージは、以下のような感じです。オレンジ色の部分を主要な情報として把握します。

    総務課長 鈴木様

    いつもお世話になっております。渉外課・課長の佐藤です。新しく着任なさったとのこと、同じ総務部内の課長としてよろしくお願いします。

    早速ですが、総務課の管轄の内容でご連絡させていただきます。
    事業所の近隣の住民からいくつかの苦情が何件か寄せられましたので、お伝えします。

    苦情の内容は、ここ数週間で当社の社員とおぼしき歩行者のマナーが悪い、とのことです。以下のような状況のようです。
    ・歩きタバコ
    ・信号無視
    ・ポケットハンド
    ・ゴミの投げ捨て
    ・歩道からはみ出して歩行

    昨年はこのような事態はなく、苦情が寄せられることもありませんでしたが、今年に入ってから増えはじめました。
    苦情を寄せた住民の一人にヒアリングを行ったところ、「最初は、マナーの良くない人が一人か二人くらいいるな、と感じていたが、少しずつそういう人が増えていった」と話していました。
    おそらく、マナーの悪い人がいて、その人を見たほかの社員がまねしていった、ということだと考えられます。こういう歩行マナーOKなんだ、という感じですね。

    交通・歩行マナーの改善をするよう全社的に呼び掛けたり、新しいルールを作る、といった対応を急がないといけない、と総務部長は話しているので、鈴木課長に近く指示がいくと思います。もちろん当課も協力します。
    あと念のため、自部門のスタッフに交通マナー違反をしている人がいないか、確認しておいたほうがいいです。一部の間では、交通マナーの悪い人の中に総務の人もいる、といううわさもあります。ちなみに当課にいませんでした。まさかとはとは思いますが総務課も確認してみてください。

    おそらくほとんど引き継ぎなく着任されたばかりで、ほかの仕事の調整・対応などがあると思いますが、本件は早めの対応をおすすめします。近隣住民とのやりとりを終えた後の具体的施策の策定や全社通達は、総務課のミッションになります。

    よろしくお願い致します。

    オレンジ色になっている部分は、結果として重要な関連事項になりますが、それが分かる前でも、以下のような理由で重要性を感じ取ります。

    • 自分の部門のミッションである
    • 直属の上司が急げと言っている
    • 問題が起こった時期が書かれている
    • 部下やメンバーについて書かれている
    • タイトルに直結する内容に書かれている

    本筋から逸れた補足内容と感じたことは読み飛ばします。
    速く読む、というのは、すべての文章を速く読むのではなく、書かれている文章の全体像をつかみ、自分のポジションでのミッションを把握する、ということです。




    インバスケット問題の種類と対策

    インバスのにはさまざまな種類の問題があります。ここでは、4つの種類とその対策について簡潔に説明します。

    依頼案件の優先順位付け

    優先順位付けはインバスの基本です。優先順位付けの基本が固まれば、インバスの大部分をマスターしたようなものです。

    どの書籍や問題集にも出ていますが、インバスの優先順位は以下の2つで決まります。

    • 重要度
    • 緊急度

    重要度と緊急度が高い例

    • 自部門の対応不備による、プロジェクトの運営・企画の停滞や、顧客からのクレーム
    • 部下の、ケガや病気による長期休業、実務からの離脱
    • 上位組織からの通達、課員へのブレークダウン指示

    重要度と緊急度が低い例

    • 部下の愚痴や、ほかの社員の悪行の告げ口
    • 食堂や売店のリニューアルのお知らせ
    • 終業後セミナーの申し込み案内

    以下のパターンですと、どちらが優先順位が高いでしょうか?

    • 重要度は高いが緊急ではない
    • 緊急度は高いが重要ではない

    インバスの世界では、「重要度は高いが緊急ではない」の優先順位が高いです。

    緊急度が高く重要度が低い例

    • 明日までの制服の追加申し込み
    • 健康セミナーの出欠回答の催促
    • 忘年会の店の予約、出欠確認

    重要度が高く緊急度が低い例

    • プロジェクトの企画立案、資料作成
    • 課員の人材育成計画と実行
    • 古いルールの改定による生産性向上の実現

    インバスで、優先順位が高い案件は、放置すると自分の統括する部門の組織運営に支障をきたすものです。自分の責任により会社の利益貢献に影響する、と考えられる場合、優先順位を高く設定します。

    起こっている事象そのものに重みがあっても、自分のミッションではない場合、優先順位は高くはありません。たとえば、自分が技術課長の設定で、以下のような案件です。

    • 部品の納品が遅れて製造ラインが停まっている
      ⇒調達部や製造部のミッション
    • 会社の地域イベントで社会貢献し、会社のイメージアップ
      ⇒技術課長としての組織運営ミッションではない

    これらは、重要度は「中」に位置付けることが多いです。

    依頼案件の関連情報の選択

    関連案件を結び付ける試験パターンはいくつかあります。
    関連案件の選択は主に以下のパターンが多いです。

    • 全案件の中から優先度の高いものを選択させて、それに関連する案件を残りの中から選ぶ
    • 全案件を読んだあと、別に用意された「取るべきアクションの選択肢」から優先度の高いものを選び、それに関連する案件を選ぶ

    関連案件をうまく結び付けるには、少し大変ですが、各案件の中身にすべて目を通すことです。一字一句読むことが必要なわけではありません。書かれている内容を把握することが大切です。

    たとえば、「部下の現業務への愚痴」は重要度・緊急度共に低い案件として定番ですが、愚痴だと分かった瞬間に読み飛ばすのはよくありません。その愚痴を読み進めると、「担当の発注業務にもやる気が出ない」といったコメントがあり、別の案件で「供給先部門から納品遅延のクレーム」が書かれていたとします。そうすると、「やる気が出ない」から「発注がおろそか」になり、「納品が遅れる」となって関連していきます。愚痴に対応する優先度は低いですが、対応優先度の高いクレーム案件に対して関連案件扱いになります。




    業務計画策定

    業務計画策定は、誰に何をいつまでにやらせるかを判断する問題です。何を重視してその計画判断を行ったかも解答します。

    問題の例
    (イメージです。実際の設問ではありません。)

    現在、商品A1800個、商品B2800個、商品C1600個生産している。工場Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳの4カ所でコントロールして、商品A・B・Cの生産数を3倍に増産する。
    どの工場に何を何個生産させるか、プロジェクトリーダーの立場として解答する。
    前提条件
    ①現在の生産数/日
    ②その製品の最大生産数/日
    ③各製品の品質力
    ④最大数以上生産時のコスト/100個

    工場Ⅰ
    ① A1000個、B300個、 C生産無
    ② A1500個、B1000個、C500個
    ③ A中、 B高、 C中
    ④ A8万円、 B8万円、 C8万円

    工場Ⅱ
    ① A生産無、B2000個、C100個
    ② A不可、 B2500個、 C500個
    ③ A-、 B中、 C高
    ④ A-、 B2万円、 C3万円

    工場Ⅲ
    ① A生産無、 B500個、 C1000個
    ② A1000個、 B1500個、C1500個
    ③ A低、 B低、 C高
    ④ A2万円、 B3万円、 C5万円

    工場Ⅳ
    ① A800個、 B生産無、C500個
    ② A1500個、B不可、 C1000個
    ③ A高、 B-、 C中
    ④ A9万円、 B-、 C9万円

    ■問い1
    どの工場に何を何個生産させますか?
    ○に数字を埋める
    工場Ⅰ A○個 B○個 C○個
    工場Ⅱ A○個 B○個 C○個
    工場Ⅲ A○個 B○個 C○個
    工場Ⅳ A○個 B○個 C○個

    ■問い2
    何に重視して決めた生産計画ですか?
    納期/品質/コスト/顧客満足/戦略

    [br num=”1″]
    解答のコツ
    答えはひとつではありません。何通りもの組み合わせがあります。
    てきとうに当てはめただけでは難しいかもしれませんが、何回か当てはめなおすとうまくはまっていきます。
    各工場に自分で当てはめた数字が何を重視した割り振りになっているかを確認して、納期/品質/コスト/顧客満足/戦略のいずれかを選びます。
    今回の例では、「何日以内に対応する」という制限はありませんので、うまくはまりやすいです。

    前提に、以下のような条件が加えられることもあります。
    技術部長 「戦略的に進めたい」
    技術課長 「コストを抑えたい」
    営業部長 「顧客満足度を優先」
    工場長  「最短の納期でいく」
    品質部長 「品質を重視したい」
    ⇒采配決定後に各人へ事情の説明を行います。

    これは、役職者の意向に沿うのではなく、采配の内容に合わせた言い訳をすれば問題ありません。
    たとえば「コスト重視」で生産を行った場合、品質部長には、
    「今回はコストを重視しました。品質重視で生産計画を組むと納期が大幅に遅くなり、機会損失を招き、競合メーカーにシェアを大きく空けられてしまう」というような説明を行うことになります。
    選択式であれば、それほど難解ではありません。




    日常の仕事で心掛けること

    目の前にある仕事を日々こなすだけ、というスタイルの人は、インバスケットの考え方を吸収するのが大変かもしれません。日常業務の中でさまざまな心がけをすることにより、インバスケットに自然に慣れてきます。

    優先順位を付けながら仕事をする

    普段から、自分に発生する仕事がどのような重要度と緊急度かを意識しながら取り組むといいでしょう。
    上司や同僚と話すときにも、重要度と緊急度の両方高い業務には、時間をかけてでもしっかり議論します。
    緊急度が低いときには、
    「大切な話をしたいのですが急ぎではないので、ご都合のいいときに少しお時間を下さい」
    重要度が低いときには、
    「すみません、些細なことですが急ぎなので一瞬だけお話ししていいですか」
    と、扱いを区別します。
    重要度と緊急度のどちらとも低いときには、自分で判断して解決してから事後報告するか、重要案件の話の後におまけで付け加える程度に話します。
    業務を片付ける際にも、重要度と緊急度の高いものに注力します。
    このような具合に緩急付けて業務を扱うことで、物事の優先順位付けや力を注ぐボリューム感も備わってきて、インバスケット的な考えに染まってきます。

    自分がやるか、メンバーがやるか見極める

    自ら行う業務か、または同僚や後輩に任せる仕事か、常に考えるのも重要です。何でかんでも自分でやってしまうのは、インバスケットを解答する上では何の訓練にもならず、ビジネスマンとしてもふさわしくありません。
    「これは私の仕事ではない」というスタイルは良くありません。上司と話をして「私たちの仕事で発生する○○の業務を△△チームで一括して担当してもらいたい。その代わり私はさらに上位の□□に注力する」という提案をします。または、自分の範疇で後輩に任せるか、自分でこなすか判断します。

    インバスと実際の仕事の違い

    緊急度が高く重要度が低い、という業務があります。これはインバスケットでは、緊急度が低く重要度が高い案件より優先度が下ですが、実際の業務では、必ずしもそうではありません。
    たとえば、長期利益計画を検討しているときに、健康診断の日程変更について電話が掛かってきたら、とりあえず日程調整に応じるわけですから、インバスケットの考え方には反しています。

    現実の仕事とインバスケットでしっかり線を引きながら、バランスよく業務にあたるとストレスがありません。

    おすすめの教材

    インバスケットに関する教材は、多くの出版社から出ていますが、おすすめ教材は、インバスケット研究所が発行しているものです。優先順位付けや案件処理、計画判断など、多くのジャンルに分かれた参考書から、模擬試験教材まで品揃えが豊富です。自分の会社で課される試験の内容に合わせて選ぶことができます。
    インバスケット研究所、問題集商品一覧ページ
    (ただのリンクです)

    問題をスムーズに解答するために、インバスについて書かれた本を一冊読破し、自己流ではなく公式の考え方を習熟する必要もあります。さまざまな本がありますが、基本的なことが丁寧に書かれた本がいいでしょう。インバスケット研究所が書いている以下の本がおすすめです。

    インバスケット思考(鳥原隆志 著、WAVE出版)

    理論的に解説するような難しいものではなく、実際に自分がインバスの主人公になって実感しながら読み進められます。レベルアップを図ってたくさんの本を読むにしても、この本を読んで基本を固めることをおすすめします。

    まとめ

    詳細な問題解決から教材の推薦まで、さまざまな紹介をしました。昇進、昇格には避けて通れないインバスケットですが、以下の取り組みを徹底することで突破できるでしょう。

    • 書籍を読んでインバスケット的な考えを習熟
    • 問題集で解答の訓練を重ねる
    • インバスケット思考で仕事をする

    とにかく、日頃からインバスケットを意識して準備することで、本番の試験問題にもスムーズに頭が働きます。昇進、昇格による新たなステージに向けて取り組んでみてください。







  • PowerPointを使った会社の資料作りはかんたん、作成例でデザイン徹底解説

    PowerPointを使った会社の資料作りはかんたん、作成例でデザイン徹底解説

    PowerPointを使った資料作りを、実例を用いて徹底解説します。

    ダメダメな資料からスタートして、少しずつ手入れをしながら、誰にでも伝わる資料に仕上げていきます。

    早速スタートしましょう。

    最初に作った資料

    以下のような資料から始めます。「品質改善に関する説明会」の告知で、人通りのある廊下に掲示する、という想定です。

    文章、文字、配置、色、イラスト、どれを取っても褒められる要素は何ひとつありません。
    ごみ捨て場の貼り紙か、詐欺広告のようです。
    このいまいちな資料も、レイアウトに気を配るだけで見映えが改善されますので、これから、まず4つのレイアウト改善を行います。
    その後に各要素の改善、応用編としてデザイン要素を入れていきます。

    レイアウトの解説に特化した記事もあります。
    お仕事で資料を上手に作るコツ、例を挙げて資料作成の基本、レイアウトを解説




    レイアウト改善1 スペースの確保

    全周にスペース(余白)を確保

    スペースを確保するだけでも見やすくなります。タイトルと内容の間にもスペースを設けることですっきりしました。
    入りきらない場合には、文やイラストを削減するのですが、ここでは要素のサイズを小さくして、後で削減します。

    レイアウトの改善2 揃える

    要素の配置を揃える

    各項目タイトルに対して内容の頭を揃えると、項目に対する内容が明確になり、対応表のように見えてきます。
    イラストは、縦横長さを揃えてぴったり並べると、スペースが生まれ、目線もスムーズに流れます。

    レイアウトの改善3 グルーピング

    関連する要素をひとつの塊にして、関連しない要素とのスペースを取る

    この資料のタイトル以外の部分は、以下の3つの要素に部類分けできます。

    • 前書き
    • 概要
    • イラスト

    これらの塊でグルーピングすることで、見た瞬間に情報を部類分けできるようになります。

    レイアウトの改善4 強調する

    強調させるべき所を大きく目立たせて、そうでない部分との差別化を図る

    最初に作った資料では「説明会に参加頂きますよう」と「クレーム削減」が、太字やアンダーラインにより強調されていました。しかし、この資料の内容からして、本当に強調すべきことではありません。この資料の作り手は、そこに気持ちがあったのでしょうが、この資料で最も伝えたいことは明らかに、説明会の日程や場所、またはプロジェクトや説明会の存在です。

    レイアウトがそれなりに整ったので、この後は各要素を見ていきます。

    不要なイラストを削除

    イラストは、必須でなければ削除

    ビジネスには不向きなイラストが多く使われていたので、すべて削除しました。イラストを使うことで内容の理解を促進できるような使い方でなければ、使用は避けるべきです。そのテイストにより資料の雰囲気を左右してしまいますので、注意が必要です。
    大きく使ってイメージを一発で代弁してくれるような使い方ができなければ、一切使わずに内容で勝負します。

    枠線

    枠線をすべて廃止

    背景要素の枠線は、落ち着きのないイメージが増してしまいます。囲いの内側と外側に対して別の色を使うことになるため、色の数が増えてうるさくなり、境界線も複数発生します。
    タイトルと内容の間の境界線も含めてすべて廃止することですっきりします。文章や内容に十分集中できるようになります。
    下の3つの四角の各コーナー部分の丸みを廃止しました。角丸になると形状が複雑なので、必要がなければ直角を採用します。角を丸くするのは、以下のような場合です。

    • 金属パネルやプラスチックパネル、部品などの角が尖っていると危ない
    • シールやステッカーの角が尖っていると、そこから剥がれやすい

    資料で、どうしても角を丸くしたいなら、角丸寸法を統一し、徹底してその形状を全ページに使い続けます。
    角を丸くすると、印象としては「親しみやすさ」となります。

    背景色、文字色、影

    背景の色、文字の色を修正し、下の3つの四角に設定されている影効果を廃止

    背景の色を、標準色のピンクや紫などビジネス向きではない痛々しい色から、落ち着いた色に変えることで、全体的な印象が洗練化され、情報の信憑性が増します。ちなみに青系は、色として、誠実・慎重・落ち着きなどの性格をもっているため、この資料の「品質」のイメージと合うため採用しました。
    真ん中の項目に使用されていた赤文字も、すでにグルーピングされて存在感がありますから、わざわざ派手な配色にする必要はありません。
    影効果は必須ではありません。ボヤっとして見にくく、要素情報が無駄に増えるだけなので、廃止したほうが見やすく上品になります。

    フォント、スタイル、行間

    文字フォントをゴシックに、スタイルは標準、文章の行間を空けて、見やすく、読みやすく

    これまでは、タイトルにデザイン書体、内容部分に明朝体を使用していました。デザイン書体は、文字の判別がしにくい上、幼稚な印象が増します。明朝体は、小説のような長文には向きますが、この程度の文字量なら視認性を優先します。よって游ゴシック体で統一します。游ゴシック体は、読みやすく、視認性も優れた、クセのないフォントです。
    文字スタイルは、基本的に標準でいきます。タイトルや項目名に施されていたアンダーラインを廃止します。アンダーラインは、文字が読みにくくなるだけで、強調目的としてはいまいちです。
    文章の行間はびっしり詰まっていましたが、適度にスペースを設けることで、読みやすくなります。行間を整えることでスペースが足りない場合には、文字を小さくするだけでなく、不必要な情報を削ぎ落とすことも考えます。「注意事項:私語厳禁、は、当たり前」という判断で、丸ごと削除しました。
    せっかく行間を手入れしたので、項目名の文字数を2文字に合わせます。これで、項目名と対応する内容が、きれいに配置されました。

    囲み

    囲み(背景)を見直し

    内容部分全体に敷かれていた背景を無くします。タイトル部分と十分にグループ分けされていますので、塗りの必要はありません。どうしても色バックを敷きたい場合は、無駄な境界線を作らないためにも、囲むのではなくバック全体を配色します。
    背景の塗りを廃止したら、下の3つの四角の色をキーカラーの青系に変更します。これによって色の統一感が増します。

    文章、内容

    内容へのてこ入れ、余分な情報を削除

    タイトルは、「~の内容についてのお知らせ」となっていますが、内容に関することは、まったく記載されていません。どう見ても「説明会のお知らせ」です。端的に「説明会」で区切って問題ありません。

    前書き部分は、
    「プロジェクトを実施することになった」
    ⇒口頭で伝えるならあってもいいですが、わざわざ文章で書き表すほどでもありません。タイトルに「プロジェクト」とあるので、分かりきっています。よって削除OK。
    「事業部長が後押しする~」
    ⇒このように、プロジェクトの存在アピールや説明会開催に関する情報提供を主とした1枚資料には、誰々がどうした、という内部事情は余計な情報です。これも削除です。
    「下記の概要をご覧頂き」
    ⇒言われなくても読むことが想定されますので、余計なことは書かなくても大丈夫です。ちなみに、「下記の」は誤りです。「下記」と書いたら、下に「記」「以上」と記します。

    各項目部分は、
    「目的」
    ⇒詳細過ぎます。説明会の中で言えばよいことなので、削除します。
    「内容」
    ⇒あってもいいですが、これも説明会で話せばOK。

    下の3つの四角の中身ですが、キャッチフレーズか、目標か、対象物か、位置付けがバラバラで何が言いたいか分かりません。真ん中の四角の中身を分解して並べてみました。「製品」「サービス」「工程」をそれぞれ漏れなく品質工程させる、とパッと見で分かるようにしました。その下に主管部門名を明記して信憑性を確立させます。

    もし各部門への個別連絡をしない、一斉メール配信が遅くなった、という場合は、「日程」と「場所」の2行のサイズを大きくしてもいいです。

    ビジネス資料の基本としては、だいたいこのくらいまで出来ていれば、OKです。


    まとめ

    資料を上手に作れると、情報の整理、問題点や訴求ポイント把握が明確になり、ビジネススキルアップだけでなく、周りへのアピールにもなります。ぜひ本ページのテクニックを生かしてみてください。







  • 後輩・部下に、昇格論文の書き方を指導して合格させる、指導例つき

    後輩・部下に、昇格論文の書き方を指導して合格させる、指導例つき

    後輩や部下に昇格試験の論文を指導するようなポジションになったとき、どのようにすればいいのでしょうか。
    自分が受かったときに論文を体系的に学んだ人は問題ありませんが、なんとなくやって受かっちゃった、という人は指導するのが大変だと思います。
    この記事では、会社の昇格論文指導をどのようにするか解説します。自分の人材育成実績にも役立つことでしょう。




    やってはいけない指導

    やってはいけない指導について、知っておきましょう。このやり方では、受け身になり、言われるがままにやるだけです。考えることもしなくなるため、指導相手の上達が見込めません。

    書き方をひたすら説明する

    「眠くなる講義」と同じです。基本的にはおもしろい内容ではありませんので、やる気に満ち溢れた相手ならまだしも、頭には残りにくいです。考えさせる時間を設けて引き込む必要があります。

    ここはこう書く、と答えを教える

    「こういうお題では、このように書きます」と教えるだけでは効果はありません。指導相手は考えることなく「そうなんですね」と受け止めて終わりになります。自分の業務と照らし合わせて考えさせないと書けるようになりません。

    書かせて直す、の繰り返し

    とりあえず書かせてそれを添削して、と繰り返して少しずつ改良していく、というのは効率が良くありません。その論文を自力で書けるようにならないと意味がないのです。基本を押さえて、少しずつ書かせながら膨らませるほうが、かえって近道です。

    論文試験がなぜ課せられるのか説明する

    会社が、昇格や昇進に際して論文試験を課すのには理由があります。それを説明します。
    論文試験が課せられる理由を知っておく必要があるかというと、以下の通りです。

    • 理由も分からず論文勉強してもモチベーションが上がらない
    • 会社が求めていることが分かれば、論文に書く視点が定まりやすい
    • 「試験があるから勉強」ではなく、「なぜ?」と本質を追求する

    3つ目は、根本的なところ捉える着眼点を先輩・上司として見せるために言います。

    まずは、本人に考えさせます。ある程度考えさせた上で、伝えてください。
    会社が昇格・昇進に論文を課す理由:

    • いずれは幹部クラス候補として、会社の利益や発展に必要な高い視点、経営目線を有していることの確認
    • テーマに沿った考えを、限られた時間で的確に文章で表現するビジネススキル

    横並びで同じ試験を受けさせる、とか、論述の最低限のスキルを見る、論文があることで日常の業務を改めて振り返らせる、などほかにもさまざまな理由があります。それらもひととおり伝えてもいいかもしれません。しかし「論文試験」である理由は、上のふたつに集約されます。面接では細かい考えや論述を聞くには短すぎます。
    会社によってはほかの理由もあるかもしれませんので、あれば付け加えてください。




    目標を設定する

    何事にも最終ターゲットがないと、モチベーションが上がりません。先の見えない取り組みだと、途中で練習しなくなる可能性があります。終わりがないことで、果てしなく練習論文を持ってこられても、こちらも大変です。

    目標はもちろん、試験合格 ⇒昇進 ⇒給料アップ、ですが、書くことにおける目標が具体的ではないので、ここでは「どの程度の論述スキルまで到達するか」を話します。
    以下のチェックポイントを設定します。

    1. 前書き ⇒詳細内容 ⇒まとめ、のメモ書きを短時間で作成できる
    2. 自分の業務の中から事例を柔軟に引き出し、論文テーマに当てはめられる
    3. 文章、内容、構成、テーマへの的確な記述により正しく論文が書ける
    4. 制限時間内に高品質な論文を書ける

    指導相手の初期レベルにもよりますので、相手に合わせて「いつまでに○○、そのあと□□」という感じで進めます。指導相手のモチベーションが切れないよう工夫が必要です。

    しゃべることを書かせる

    こちらがまとめたものを提供すると、たくさんある資料のひとつとして特別感がありません。読んでもくれないかもしれません。
    こちらがしゃべることを自分で筆記させることにより、自分だけの特別なメモになり、頭にも入り、特別感が出ます。まとめて文で表記する練習にもなります。「帰ってからそのメモを自分なりにまとめて、今後書くための参照用にして」と促すのもいいかもしれません。

    論文に合格するための必要事項を知ってもらう

    昇格試験の論文に合格する要素は、会社によって基準が異なる部分もあると思います。一般的に必要なこと、自分の会社特有のこと、を伝えます。
    まず相手に考えさせます。おそらく簡単には出てこないでしょうから、その後に説明します。説明しても肝心なところは言わず、相手に言わせるようにします。それでも出てこなければ、答えを教えます。
    最初に考えさせることで、後から聞いた答えのインパクトが強くなり、頭に残りやすくなります。

    昇格論文合格のための要素で一般的なことは、以下になります。

    1. テーマに対してふさわしい記述がされている
    2. 少ない誤字脱字での正しい日本語文章で記述されている
    3. 前書き、本論、まとめ、のような読みやすい構成になっている
    4. 自分の業務経験をもとに、実績や自らの工夫ベースで書かれている
    5. 経営目線や業務改善、リーダーシップ、生産性向上などの、会社の発展につながる記述がされている

    1つひとつの根拠:
    1は、「質問されたことに的確に答える」という基本中の基本。
    2は、部下のお手本になる管理職にいずれなっても、恥ずかしくないように。
    3は、物事の筋道を立てて論理的に結論に導く、管理職、リーダーとしての素養を見る。
    4は、業務の確たる実績を有し、何が良かったか把握し、テーマに応じて即座に説明できる瞬発力。
    5は、そういう視点をもっていることが、管理職候補として不可欠、ということ。

    5は少し注意が必要です。「出題されたテーマによっては、あまり書きすぎないように」と伝えます。また「リーダーシップ」「生産性向上」などのキーワードも連発させないことです。用意した文を書いただけ、テーマに合致していない、との判断を下される可能性があります。




    指導相手の記述力が低ければ、まずメモ書きから

    自分が論文練習をしたときには、自分のレベルやペースに合わせて進めれば問題ないですが、他人を指導する場合、その人のレベルによって指導する方法は異なります。

    論文記述が苦手な人には、まず、要約メモ書きから始めてもらいます。おおよそ以下のような構成です。

    1. 前書き
    2. 仕事について簡単な説明
    3. 主題、問題、課題
       ・事例1
       ・事例2
    4. 事例に対する自分の取り組み詳細
    5. 今後の取り組み、抱負
    6. まとめ

    (自身の会社の論文スタイルに合わなければ、それに応じて修正してください)
    各項目、数行程度で書いてもらいます。まずは論文の全体の流れを把握してもらうことが第一歩です。

    昇格試験の論文をスムーズに書くコツ。要約メモを作って試験合格へ

    論述が得意な社員は、論文記述の基本スタイルを知っていますから、この工程をスキップしても問題ありません。書かせた練習論文の質が良くなければ、この手法を勧めてみます。

    文章を書くことが苦手な人に、文章の基本を丁寧に教えたほうがよいのでしょうか? おそらく文の書き方まで教える必要はないと思います。

    文章を上手に書くための6つの基本、例文で解説

    そこは個別に学ばせるか、論文添削のときに、ピンポイントで教える程度で問題ありません。論文合格には、飛び抜けて上手な文章である必要はないためです。




    自分の工夫を入れさせる

    昇格論文では、一般論を長々と掘り下げて書くのはふさわしくありません。自身の業務経験や実績から、テーマにうまくはめ込んで分かりやすく文章で表現する、というのが会社の論文の一般的な書き方です。一般論を書くとすれば、前書きや取り組み事例を書くところで、世の中の動向から自分の仕事に落とし込むときくらいでしょう。

    アピールする事例のところでは、とことん自分の工夫を入れることを伝えてください。業務での大きな成果が出せていない人でも大丈夫です。小さな成果であっても、そこに以下のような視点があれば問題ありません。

    • 問題点を抽出する感度
    • 会社や組織、部門の発展
    • その目標達成への工夫
    • プロセスを踏んだ対応
    • 周りの人を巻き込む積極性

    たとえば、
    「共有フォルダの中のファイルを整理した」
    という、頼りない実績しかないときでも、書き方次第で大きく見せることは可能です。少し長いですが、いかにも高い意識で取り組んだように内容を膨らませた記述例をご覧ください。

    テーマ: 生産性向上

    チームメンバーの事務処理作業に多くの時間が割かれ、本業の開発業務に専念できないことが問題になっていた。
    全メンバーの1カ月の事務処理総工数は、数十時間に及んでいる。この原因を追究したところ、共有フォルダ内の必要ファイルのカテゴリー分けの不備、多すぎるフォルダ数、階層の深さ、などにより無駄なPC操作による時間のロスが発生していることが明らかになった。
    これを解決して業務効率を向上させるために、フォルダ構成の刷新を実行することを決め、以下のアクションをとった。

    • 最も時間が掛かる操作の聴き込み
    • メンバーの意見集約による新構成提案
    • 新構成による作業短縮時間の算出
    • フォルダ構成の組み換え作業

    これらを進めるにあたり、メンバーやリーダーとも逐次情報共有を図りながら協議を重ね、必要に応じて先輩メンバーにも作業の協力を仰いだ。単純なフォルダ整理ではなく、需要の高いカテゴリーの重点的なユーザビリティ向上、不要なファイルの破棄、ショートカットやリンクの整備といった、生産性向上を実現するためのあらゆる手段を取り入れた。
    結果として、作業時間半分への短縮が実現され、開発業務に専念できる環境が整った。また余裕時間で、月に一度の「品質向上ミーティング」の開催も可能となり、密度の濃い業務品質へと導くことができた。
    そもそも、この事務処理が必須なのか、作業そのものを集約できないか、という協議も関連部門との間で進めている。‥‥(続く)

    書き方やプロセス、自分なりの工夫を入れた感じを出すことで、大きな実績に見えます。今回の「フォルダ整理」くらいのことであれば、そのこと自体は長く書かせないようにします。そこに至る問題意識や周りを巻き込む姿勢が前面にくるようにし、目線を高くもつように伝えます。

    後輩・部下の書く実績があまりにも少ない場合、単純作業に徹しすぎている証拠です。会社での人材育成の上でも問題があり、やらされ仕事により思考停止に陥ってしまうことも考えられます。1人ひとりのスタッフに、主体性をもって自分の判断や工夫で仕事を進めるミッションを与えることも、組織として必要な人材育成です。

    思考を働かせて仕事の成果をあげる5つの方法、実用例で解説

    もし論文試験まで期間があるなら、現在の業務に加えて新たなミッションを追加することも考慮しましょう。これにより、指導相手の成果と意欲が向上することも期待できます。




    実践させる

    論文が苦手な人には、まず要約メモを書き始めてもらいます。最初は1週間与えて問題ありません。そのかわり、しっかり考えてもらいます。
    優れた要約メモを1回目で持ってきたら、早速すべて書かせてみます。
    要約メモがいまいちでしたら、何度か続けて流れをつかむことに慣れさせます。メモ書きすらまともにできないと、長文は到底読めるものではないのが目に見えています。

    提出日に期限を与える

    練習論文や要約メモを自宅で書いてきてもらうことになると思いますが、提出期限を与え、守らせましょう。

    期日に余裕を与えたり、出来てない場合に延長したりすると、次回以降の期日に対してもルーズになり、時間内に物事を達成するマインドが低下します。

    論文を書くことに慣れてきたら、少しずつ期日を短くして、集中して書かせるようにします。最終的には実際の試験時間を設定して書かせるところまでもっていきます。

    社会問題や時事ネタには気を配らせる

    指導相手が、あまり経済や社会問題に関心がなければ、今からでも毎日少しずつ最低限の情報を取り入れるよう伝えます。
    論文では、基本的に自らの取り組みや会社の発展を中心に書きますが、内まった記述になるのはよくありせん。ところどころ以下のようなフレーズを用います。
    「世界的な不景気の影響を受けて個人消費が冷え込んでいるため」
    「原油の高騰により仕入値が上がっているため」
    「政府の施策により各企業の義務範囲が広くなり」
    これらは、料理のスパイス的な効果があります。世間一般の動向だけでなく、業務関連の学会やその分野のトレンドを追うことも同じです。

    論文が良くなるだけでなく、書くことそのものがアピールにもなります。
    世の中の動向を論文に取り入れることによるメリット:

    • 自社との比較や、前提、背景を添えることで論述の幅が広がる
    • 広い視野をもち、業務と関連付けるセンスをアピールできる
    • 社外での環境変化に追従していることをアピールできる

    もし論文テーマとして、「自社の○○の状況を、世の中のスタンダードと比較して論ぜよ」のような感じで出題されたら、日頃から新聞やニュースから情報を得ていないと書けません。
    世の中の情報をキャッチして自分たちの仕事に適用する感度は、いずれ管理職になるなら必要になるスキルです。昇格するなら、社内外の両方の情報を取りにいく訓練が必要になる、ということです。

    書くネタがなければ今からでも実践させる

    論文に書くネタがなければ、まだ昇格には遠い、ということになります。
    論文に嘘は書けません。書く内容が足りなければ、真実を書くためにも、今から足りない部分を業務で実践させましょう。

    書くネタが本当にないのか、あらためて日頃の業務を振り返るよう勧めましょう。以下の記事には、日頃の業務の中にありそうなアクションを100以上集めています。

    昇格試験の論文を書くネタ、知っておくと使える22の記述材料

    いきなり大きな仕事をさせるのは難しいかもしれませんが、取り組みの意識を変えさせます。「共有フォルダの整理」でも、ただ整理するだけでなく、周りの人に色々質問して意見を集約したり、協力を仰いだりするだけで、書くネタが増えます。あとは、書き方次第です。

    実際の指導シミュレーション

    これまでの指導内容の中から、さわりの部分だけ指導のシミュレーションをしてみます。論文の指導だけに留まらず、今後の成長を視野に入れた人材育成視点での指導です。前提は、
    自分: マネージャーの補佐的ポジション
    相手: 若手、論文は苦手、ルーチン業務中心

    自分「いよいよ昇格のための論文試験を受ける段階に入って来ましたね。論文を書くのは得意ですか?」
    相手「いや、苦手ですね、大学の卒論は書きましたけど、教授が、直せ、って言ったとこ直しただけですから。」
    自「今以上にステップアップするには、昇格試験の論文に合格しないといけませんね。なぜ論文試験が課せられるかか知っていますか?」
    相「分かりません、なんでですか?」
    自「ちょっと考えてみてください」
    相「足きりのためですよね」
    自「論文である理由は?」
    相「文章が書けるかどうか見るとか」
    自「それもひとつの理由ではあります。論文の中で多くのことを書かせることで、文章力以外に、ほかのことも分かりますが、何か思い浮かびませんか?」
    相「その人のやった成果とかですかね」
    自「そうです。それ以外に、何かありませんか? 論文のテーマ、つまり出題されることは、
    “生産性の向上”
    “会社の発展”
    “これまでにない事業の立ち上げ”
    のような、平社員には少し高いレベルの内容ですよ。」
    相「ああ、課長とかのレベルで物事を考えることができるか見るってこと‥」
    自「そうですね。ではここから、私が話すことをドンドンメモしてくださいね。
    その論文を書いた人がいずれ幹部クラスになっても大丈夫か、利益や発展を考えられる経営者目線をこの段階でもっているか、ということを会社は確認したいわけですね。そして、先ほどあなたが言った、文章力に関すること、試験には制限時間がありますから、その文章力を‥」
    相「時間内に正しい文章で、、正確な内容で答えを出せるか?」
    自「正しい文章で正確な答え、そうです。テーマに沿った考えを、限られた時間で的確に文章で表現するビジネススキルをもつことが、マネージャークラスには必要になってくるんですね。論文が課される理由、だいたい分かりましたか?」
    相「高いレベルの視点、時間内で正しい答えを文章で出す、って感じですか」
    自「だいたいそんな感じでいいです。先ほどメモした内容をまとめて、もう一度考えてみてください。なぜこんな論文を書かなきゃいけないのだろう、と分からずにやるより、根本的な理由を理解して進めたほうが方向性も定まるでしょう。」
    相「会社が私たちに何を求めてるかってのは、なんとなくつかめました。」
    自「論文の理由を理解したところで、目標の話をします。今回論文試験に望むわけですが、どのようなレベルを目標にしますか?」
    相「昇進して給料上げるってことです」
    自「もちろん、それを目標にしてもらってもいいですが、論文を書く上での目標は?」
    相「時間内にちゃんと合格レベルで書けるようになる。 でも、論文はハードル高すぎるんすけど。」
    自「時間内に書く、というのはいいと思います。論文が苦手なら、いきなりそこまでは難しいでしょうから、チェックポイントを設けるのはどうでしょうか。どのくらいのレベルをまず目指しましょうか?」
    相「そうですね、簡単な文だけでも書けるようになる、というのはどうですか?」
    自「そうしましょう。まずは、全体の概略を示す要約レベルのメモを書いてみましょう。メモ書きレベルでの小規模な論文を書いて、それから少しずつ肉付けしていき、本格的な論文に仕上げていきましょう。出来そうですか?」
    相「それなら簡単そうです。」
    自「短いメモ書きでも、ポイントはしっかり掴んでいないといけません。合格する論文とは、どういう書き方か分かりますか?」
    相「会社の発展とか、高い視点、正しい文章?」
    自「だいぶ分かってきましたね。それらもあります。論文を書いているわけですから、最初から最後まで自分の意見だけを書き続けたらどうですか?」
    相「それはさすがにおかしいですね。」
    自「どんな書き方がふさわしいと思いますか?」
    相「前書きみたいのがあって、次に自分の主張があって、最後まとめ、のような形ですか?」
    自「そうです。論文の構成がしっかりしてないといけません。今あなたが言ったことは、序論、本論、結論、という流れです。ほかには? たとえば、会社は社員にプロの執筆家のような論文を求めてますか?」
    相「それはないと思います。自分なりの工夫が入っていることが必要でしょうね」
    自「その通りです。作家や評論家でもないのに一般論を繰り広げても滑稽なだけですね。自分の実績をうまく説明できることが重要です。あと、重要なことがもうひとつあります。非常に基本的なことです。何でしょうか?」
    相「何でしょうね‥」
    自「試験問題には、○○について論じなさい、と出題があります。○○について論じなくてはなりませんね。」
    相「あ、出題に対する答えになっていること、ですか?」
    自「正解。出題されたテーマに的確に論じた内容に仕上がっていることです。○○について論じないといけないのに全然違うこと書いていたら、用意してきた文を書いただけ、と捉えられてしまいますね。
    では、合格する論文に必要なこと、おさらいしましょう。メモしてください。

    1. テーマに対してふさわしい記述
    2. 正しい日本語文章での記述
    3. 読みやすい構成
    4. 自分の実績や工夫が書かれている
    5. リーダーシップや会社の発展につながる記述

    ですね。5番目は、論文テーマにそぐわない場合、あまり書きずぎないようにしてください。」
    相「わかりました。メモ書きとはいえなんか難しそうですね。」
    自「要約メモは、先ほど少し話した、序論・本論・結論だけを端的に書けばOKです。要約メモとは、○○○○です(説明する)。」
    相「論文の骨格が分かりやすいですね。」
    自「この程度のメモ書きなら、そんなに長い期間考えなくても出来ますね。論文のテーマはこれでどうでしょう。
    “会社は、各部門の連携がうまく機能することにより、その相乗効果で多くの実績をあげます。自分の所属する部門の付加価値を上げるためには何が必要ですか。そのために自分が取り組んでいることを述べなさい”
    一週間後に要約メモを見せてください。」
    相「承知しました。1週間あればできそうです。」
    自「でも、しっかり考えて進めてください。合格する論文に必要な5つの項目がすべて網羅されているか、メモ書きを見て確認してください。採点者の気持ちになって、この論文の書き手がマネージャーやその候補に推薦されても問題ないか、という視点でメモを読み返してみてください。」
    相「質問ですが、書くことがないんですけど‥何を取り上げればいいんですか?」
    自「あなたの業務の中で本当にありませんか? それも含めて考えてみましょうか。ヒントは、

    • 単純作業の中でも工夫したこと
    • 不要だと思って切り捨てたこと
    • 必要だと思って追加したこと
    • ほかのスタッフと協業したこと
    • 結果的に改善されたこと

    です。どんな小さなことでもOKです。自分の仕事を振り返るいい機会ですね。もし、書く内容が足りない、と思ったら、論文に書けるような行動を、意識的に業務に取り入れてみるのもいいですね。そのときは私にぜひ相談してください。」
    相「まずは、考えてみたいと思います。」
    自「がんばってみてください。」

    以上です。いかがでしょうか。
    自分の思ったように指導相手が発言してくれないかもしれませんが、決して答えを明かさず、本人の口から言わせるようにしましょう。
    要約メモをすんなり書けるようになれば、あとはそのメモに、前提条件や取り組み事例の詳述といった肉付けをするだけです。
    指導相手の論述スキルが徐々に上がると、自らの人材育成の手応えを感じてきます。

    まとめ

    やってはいけないことから、目標設定、要約メモの作成方法など、ひととおりご紹介しました。
    ただ論文を教えるだけではなく、人材育成観点で良い指導を心がけたいところです。
    メモを本人に取らせ、ポイントや答えを本人に言わせて印象付けることも効果的です。考えて自ら知恵を絞る、という姿勢に向かわせることが部下・後輩の育成につながります。
    相手のレベルにより、指導内容や話すレベルは変わると思いますので、ぜひ人を見て指導をすることも心がけてください。

    論文の書き方や記述例は、以下の記事で参照できます。

    会社の論文試験に合格する! 昇進試験、採用試験での論文の書き方のコツ、対策を解説

    昇格論文には、総合力が試されます。テーマに対する的確な解答にくわえ、文章、構成、視点、工夫がうまく取り入れられているか見られます。部下、後輩の成長による総合力の発揮と、自分の教育、指導力のステップアップのために、実りのある時間をお過ごしください。







  • 昇格試験の論文を書くネタ、知っておくと使える22の記述材料

    昇格試験の論文を書くネタ、知っておくと使える22の記述材料

    昇格論文を書くためには、その論文を書くための業務ネタを用意できないと、論文の構成づくりや題意に的確に答える、といったテクニックを発揮することもできません。
    本記事では、ビジネスマンが日頃の仕事の中で経験する業務で論文のネタに使えるものを紹介します。論文を書く上でのパーツとしてご利用ください。




    論文に書くネタとして使える要素

    論文に書くネタは、ひとつでも多く所持していることが望ましいです。いざ論文試験開始、となったときに戸惑うこともないでしょう。
    多くの自分の実績を把握しておくことで、題意に対してうまくチョイスして、書き進めていくことができます。

    使えるネタは、日々の仕事の中にたくさんあります。
    たとえば、後輩に仕事のやり方を教えただけで、それは工夫次第で「人材育成」をテーマにした論文に使えます。小さな取り組みであっても、

    • 題意に合致した最終目標を設定
    • 最終目標に向けた自分なりの工夫
    • 周りの人間を巻き込む
    • 最終的な成果
    • そこから考察できること

    という具合いに、書き方次第で含蓄のある内容に仕立てることができます。

    会社では、業務にのめり込む職人のような気質の社員より、周りに影響を与えて組織単位での成長を促すような人が好まれます。したがって、この記事では、周りの人間を巻き込むような内容のネタを多く取り入れています。

    また、テーマや題意に対して、その道の達人や文化人が論じるような掘り下げた論理展開を書くことはふさわしくありません。
    日常の業務や問題解決、取り組みの成果を、管理職目線で解釈し、会社への利益貢献や、会社の永続的発展につながる書き方が好まれます。

    以下がネタに使えるキーワードです。詳細事例は次の項から記載されています。キーワードをクリックしても参照できます。




    品質

    • 製品、商品の品質向上の視点で、使いやすさ改善、見やすい表示に変更、ケガをしにくい構造に変更
    • サービスの品質向上を目指し、お客様の待ち時間や対応時間を短縮するために、会場に説明員を増員した
    • 製造、生産の品質向上のために、組み立て間違えのない方法の提案や、部品の欠品が発生しないような仕組み構築をした
    • 業務の品質向上のために、操作ミスや間違いが発生しない、誰がやっても同じ結果にるような仕組みを構築した

    コスト

    • 商品やサービスのコストダウン全般(VE,VA)
    • 要員を減らしたことによる人件費削減
    • 時間を短縮したことによる作業工賃の削減
    • 輸送効率を改善して物流費を削減
    • 物品の集約を実施し、保管スペースを削減したことによる管理費用削減
    • メール、添付資料、テレビ会議、などを活用して、出張を削減したことによる経費削減
    • 従来のやり方を見直して、無駄なツール、ソフトウェア、サービスなどを解約して、経費削減
    • 業者との交渉による仕入値の値下げ

    納期

    • 各担当の業務の進捗を週一で報告する会を設ける、というルールを作った
    • すべての取り組みの進捗がひと目で分かるような一覧表を作成
    • コストが余分にかかってでも、納期だけは確実に守る、という文化を醸成
    • メンバー全員の進捗を見て、遅れそうな人をフォローし、足並みを揃えさせる
    • 顧客への回答が遅れないよう問い合わせ一覧を作成し、完了チェックを入れたら項目が消える、というデータベースを構築

    環境

    • 規制されている物質の一覧表を常に手元に置いて材料選択をしている
    • 環境を統括する部門と常日頃からり取りして、環境規制に対する意識を高めている
    • 会社が環境保護について取り組んでいるプロジェクトをチェックして、活動内容だけでも把握している
    • 環境規制やプロジェクトの内容を関係部門に周知して、時流に乗った取り組みを推進している
    • 世の中の激しい環境変化に乗り遅れないために、新聞やインターネットで社会のニーズや変化をキャッチしている
    • 社内の激しい環境変化に対応するべく、的確に情報を取れるよう、毎朝メールや社内のイントラサイトを確認している
    • 社内の環境変化を肌身で感じるために、多くの他部門の社員と、仕事以外の話もするようにしている

    新しい取り組み

    • 日頃の業務の問題点や不満などをみんなで話し合う会を1カ月に一度設けて、改善する活動を始めた
    • コストダウン、品質、日程管理、教育、指導、衛生管理など、テーマは問わず関係者で定期的に話し合い、最適な状態へと導く活動
    • 業務の改善や新しい取り組みを大小問わず1年間で1人5件をノルマとし、イノベーションを意識付けた



    仕事のプロセス

    • 課やチームの業務について、どのようなプロセスであるべきかメンバーで協議し、適正プロセスを策定、それに沿って仕事をしている
    • PDCAサイクルについて、チーム勉強会を行った
    • PDCAサイクルの「P」「D」まではできているが、「C」「D」がないまま次の業務に移っていたため、「振り返りの会」を実施し、「品質向上プロジェクト」を立ち上げた
    • グループ員がみんな自分の好き勝手なやり方で仕事を進めていたが、個人裁量に任せる部分と、共通プロセスに沿う部分を明確にすることで、業務の質が上がった
    • 成果報告では、その内容がPDCAサイクルのどのプロセスに当たるか明確にしながら話している

    リーダーシップ

    • メンバー1人ひとりに的確に指示を出すだけでなく、考えさせながら進めるような手法をとった
    • 部下や後輩はいないが、同僚や他部門のスタッフに対して、依頼や協力要請をして動いてもらい、期日までに結果を出した
    • メンバーが気持ちよく仕事を進めることができるような環境整備はするが、無用なクレームには毅然とした対応で接するようにしている
    • メンバー自身で判断して進めてよいこと、リーダーの承認が必要なこと、チーム員全員で協議の上で進めることを明確にして、みんなで共有した
    • メンバーのスキル項目を精査し、スキルの低いメンバーに学びを勧めた

    コミュニケーション

    • ほかのチームの人との交流会を定期的に設けて、コミュニケーションの強化を図っている
    • 相手と意見が異なるときには、ふたりの意見を総合して本質を見極めてから、win-winとなる結論を導くようにしている
    • メンバーとはメールだけでなく口頭でも情報共有を図ることで、コミュニケーションを活性にするようにしている
    • 人に説明するときには、口頭だけでなくメモ書きで補足しながら、誤解のないように行っている
    • 重要な説明した後には、コミュニケーションエラーが発生しないよう、議事録をメールで送付している
    • 相手が確実に理解しながら聞いていることを確認するために、「ここまでだいたい理解できましたか?」と言ってフォローしながら話している

    生産性向上

    • 要求されてもいない品質にこだわっていたが、必要な品質維持だけに限定し、作業工数を短縮した
    • 複数箇所へ部品の共通化を行い、作業工数はそのままでコストダウンとなった
    • WebサイトにQ&Aを掲載することで、問い合わせ件数を削減し、スタッフが本業に専念できるようになった
    • 業務にPCだけでなく、スマホやタブレットを活用することにより、業務効率がアップした
    • お客様の窓口対応を、一度用紙に必要事項を記入してもらってから対応することで、要員を増やさず、多くの件数をこなし(効率アップ)、聞き間違いなく確実にヒアリング(品質向上)できるようになった

    全体最適の視点

    • 顧客サービス対応を強化するために、自部門の要員を増やすことで要員管理が大変になるが、他部門への負担をかけることもなくなり、顧客満足向上、会社の利益アップとなる
    • これまで避けてきた面倒な技術手法を要求されたが、作業員が間違うことなく実行でき、スピードも上がる、検査も時間短縮できる、ということであれば、設計開発部門としては受け入れる
    • 自部門の効率アップや不具合対応防止ばかり考えている部門に対して、品質向上とコストダウンによる全体最適の効果を説明して、面倒な業務を受け入れてもらった
    • 一見ひとつの部門にしわ寄せがいっている取り組みについて、その部門のメリットを明確にして、全社的にメリットを見いだすことができた
    • 明らかにひとつの部門が負担を負うような取り組みだったので、その部門も恩恵を授かるこができるよう更なる一手を講じることで完全な全体最適を実現した



    部門間調整

    • 自部門の看板を背負って、出来ることと出来ないことを明確にして話している
    • お互いの部門のメリットを常に考えながら話を進めた
    • 前例のないやり取りは、自分ひとりで進めずに、部門長を巻き込んで慎重に行った
    • 両部門のメンバーに影響することなので、誤解が発生しないよう、5W1Hを明確にして話した
    • 相手が明らかに調整力不足であれば、概略だけ伝え、あとでその人の上司に詳細内容を連絡した
      今後のスタッフ間調整の最適な人選を提案した

    問題解決

    • 問題解決の前に、関係部門に連絡し、協議の上で対応している
    • まず問題の影響範囲を考えて、暫定的に取れる対策を迅速に講じ、その後に恒久対策を打っている
    • 問題解決の際には、個別で進めるのではなく、常に関係部門と情報共有を図りながら、最新の情報をもとに進めている
    • 問題解決した際には、原因、対策内容、今後の見通しなどを明確にまとめて、被害を受けた人やクレーム主にアピールし、安心を提供している
    • 問題が発生しても、その緊急度によっては即座の対応ではなく、時間をかけて確実に、失敗しないように対策を進めていく
    • 問題解決がひと段落したら、再発防止策をまとめ、二度と起こらないような仕組みを作る

    安全衛生

    • 月に一度、グループ内で安全巡視を行っている
    • 月に一度、課内でオフィスや検討場の整理整頓の会を開催している
    • オフィス内では、物品を積み上げる高さに制限を設けて、万が一、落下しても大事故にならないような措置をとっている
    • 課内に安全衛生担当者を立てて、あらゆる安全衛生に関わることの窓口や取り仕切りを任せている
    • 毎週金曜日の定時前に、自席の机を整理する決まりを設けている

    クレーム対応

    • クレーム主が言っていることに対して対策するのではなく、その本質をとらえてから的確な対応をする
    • 明らかに単なる不満であれば、毅然とした対応でお断りする
    • クレームには、その意見の背景にある、自分たちの大きな誤算を発見する良い機会でもあるため、うわべだけをとらえるのではなく、全体像を俯瞰(ふかん)して漏れのない対策を検討する
    • クレームは、処理するだけでなく、対応リストも作成し、課内で内容を共有して対応方法が基本的に統一されるようにする
    • クレームを定期的に受ける部門のため、入力フォームを作成し、インプットされるようクレーム情報のスタイルを一元化した
    • 同じクレームが再度起こらないように、再発防止案も毎回検討する

    ユーザー目線

    • あらゆる要素より、ユーザーのメリットを優先する、というマインドを課内でのモットーにしている
    • 管理の手間が発生するが、多くのユーザーの利用のしやすさが見込まれるので、取り組みを実施した
    • 貼り紙やポスターへの文章表現を、書き手側の視点でなく、見る人側の視点で書いた
    • 発表資料の記載内容を、文字量少なめでビジュアルデザインを意識した作りにしている
    • 「このようにしてください」との説明書きをしてユーザーに操作させるのではなく、そんなことをしなくてもいいような構成になるよう、議論を尽くす
    • これまで良いと考えていた製品やデザインを、部外者や専門家、モニターに改めて検査、評価してもらい、ユーザーが本当に求める品質へと改善した
    • ユーザーは実際のお客様だけでなく、自分たちの成果として上がった業務や仕組み・ルールを運用する社内の関係者すべてをユーザーとしてとらえることで、より品質が上がる

    ルールの見直し

    • ルールは、時代の移り変わりとともに改定されるべきだが、特にユーザー向けは定期的に協議して見直している
    • 社内規格の厳しさが原因で物事が前に進まないときは、そのルールを疑い、時代のトレンドに乗っているか協議する
    • ルールが存在しない業務を進める場合、類似するルールを拡大解釈して進める



    課長の補佐

    • 課長の補佐的ポジションだが、ほぼ課長と同等の仕事を行い、課長には部長に近い職務をしてもらっている
    • 課長が多忙で手が回らないため、本来課長が行うべき職務のうちいくつかを自分で代行すると提案し、実施した
    • 課長不在のときには自分が課をまとめる必要があるため、日頃から課長の仕事についてレクチャーをお願いしている
    • 課長に直接意見を言いにくい人もいるので、スタッフとの架け橋になれるよう、課長とスタッフの両方と日頃のコミュニケーションを密にとっている
    • 課長の代わりにスタッフへ見解を述べるときには、私見ではなく、課の指針に沿ったり会社の利益をを考慮したりして述べている
    • スタッフに対して、課としてのぶれない方向性を示すには、課長の意見に異を唱えず、確たるものとして伝える

    小集団プロジェクトでの活動

    • 課としての取り組みで、本業と少し異なる独立した業務の場合、プロジェクトとして立ち上げ、目標や日程、成果を見えやすくする
    • 課内に小集団での活動を複数作り、各スタッフにプロジェクトリーダーを任せることで、モチベーションも上がり、リーダーシップの養成にもなる
    • プロジェクト終了後には、リーダーがその成果や問題点、今後の目標などを体系的に発表する機会を設けることで、総合的なビジネスのスキルアップを図った
    • 小集団の中では、平社員であるリーダーがある程度自分の好きなようにプロジェクトをコントロールしてよいルールにして、自分で考える力を養うようにした

    組織の活性化

    • 課のスタッフ間のコミュニケーションが良くないため、困っていることや仕事と関係ない部分での意見を各人からもらい、何が問題かを追及した
    • 月に一度、昼休みにランチミーティングを開催し、仕事のことも仕事以外でも何でもいいので、フリーディスカッションスタイルをとって皆で食事をしている
    • 課のスタッフ全員が発言できるようなミーティングを設定した
    • チーム間でスタッフをローテーションして、より多くのスタッフのコミュニケーションを図れるようにする
    • 定期的に各スタッフの業務進捗発表を開催して、お互いの業務を詳しく知る機会を設けている
    • 「何か困ったことや新しい発見、みんなで取り組んだらいいと思うことがあったら、ぜひ声を出してみんなに伝えてくださいね」と日頃から課のスタッフに働きかけている

    海外拠点や外国人とのやり取り

    • 単に英語で情報交換するだけでなく、率直に分かりやすく意見を述べたり、国の治安や経済情勢を考慮するなどの、相手国の文化に配慮したやり取りを心がけている
    • 外国人がいる場面で、日本人同士の長時間にわたる日本語会話をしないようにしている
    • 相手の国に歩み寄るために、最初の挨拶だけでも相手国の言語であいさつする
    • 業務で使用する最低限の英語について、課内で勉強会を開催している
    • TOEICの点数と実際の英語力には解離があるため、課のスタッフの英語スキルの見える化を行った
    • 英語が得意ではないスタッフのために、挨拶文や結びの文、定型化されたやり取りの英文パターンを何通りも作り、担当者による英文ばらつきを低減した



    自発的に動く

    • 関係部門やお客様には、いつも「何かご不明点はありませんか?」とこちらから質問している
    • 部門やプロジェクトの改善すべき点を提案した上で、自ら説明資料を作り、キーパーソンに説明する
    • 自分の業務を日程通り遂行することは当然のこと、チームのメンバーで遅れが発生しそうでないか自ら確認し、もし遅れそうであれば、自ら手伝うか、リーダーへ支援を打診する
    • 課の中で明らかに全体のパフォーマンスが落ちていれば、何か原因があるので、自らキーパーソンを集めて協議する
    • 経験をたくさん積む必要があるため、誰かが代表で出張や出席、研修を受講して課で共有などの機会には、自らが志願している

    人材育成

    • 直接いろいろなことを教えるのも育成だが、答えを教えずに考えさせることで、思考力を育んでいる
    • 後輩や部下との普段の会話の中で、どのように成長したいか、そのためにどのような意識で仕事をするべきか話している
    • 研修や講習、さまざまなWeb学習サイトの情報を日々入手し、自分で受けるだけでなく、課のほかのスタッフにも受講を促して全体のレベルアップを図っている
    • 部下、後輩に少し高めの目標をもたせ、成果を挙げさせることで、仕事へのモチベーションを引き出せるような指導ををしている
    • 課に必要な知識、スキル項目をリストアップして、スキル不足のスタッフと今後の学びの計画について、本人と話し合っている

    まとめ

    大規模プロジェクトの一員としての見えやすい成果や、上司から与えられたミッションは、考えなくてもすぐにネタとして浮かびます。それ以外にも、論文に書けるネタは日常業務の中にこれだけたくさんあります。中には一見パンチ力の弱い内容もありますが、正しい目標設定と、自分の工夫が盛り込まれ、管理職目線で書けば、論文のネタとして十分使えます。
    もし本記事で挙げた事例で自分の業務に該当するものがほとんどなければ、それは昇進昇格するに値する成果をまだ出せていない、ということになります。今からでも自分の業務にいくつか実施してみてはいかがでしょうか。論文に書けるくらいの影響力のある業務を実践することが、昇進昇格へと近づくことになります。







  • 保育園・幼稚園と一般企業の違いを解説、保育士から一般の会社員に転職するには?

    保育園・幼稚園と一般企業の違いを解説、保育士から一般の会社員に転職するには?

    現職の保育士・幼稚園教諭で、一般の企業への転職を考えている、という人は多いと思います。

    理由はさまざまでしょう。
    ・不規則な労働スタイル
    ・サービス残業
    ・安い賃金
    ・良好でない人間関係
    ・就業規則の不備
    ・保護者とのトラブル
    など。

    この記事では、保育士・幼稚園教諭から一般の企業に転職するのにあたり、仕事の違いや、取るべきアクションで知っておくべきことを、徹底解説します。役立つ情報へのリンクも紹介しています。
    まとめて「保育士」「保育園」「会社」と記述することにします。



    保育園と会社の違い

    保育園でも複数の園にまたがって組織的に統一した保育・教育方針で仕事を管理するところもありますが、多くの園が自園だけの小規模な運営です。会社はその点、多くの部門の社員で構成されています。
    保育士を辞めて会社務めを考えている人は、個人経営や社員数人の零細企業を希望している、ということはないでしょうから、本記事での「会社」とは、数百人とか数千人規模の会社を想定した説明になっています。
    では、保育園との比較での会社の主な特徴を挙げます。

    組織が大きい

    会社は、社員数が多いです。多くの会社機能が細分化されています。それによって、
    ・仕事を進める上で関わる人が多い
    ・おびただしい数のルール、方針が定められている
    ・専門性の異なる人がたくさんいる
    ・たくさんのことを学べる
    ・ほか仕事の部門に異動できる
    ・組織を健全に保つ活動がある
    など、メリットともデメリットとも取れるようなたくさんの、保育園との違いがあります。それぞれのメリットとデメリットを挙げます。

    ■関わる人が多い
    ・メリット 
    仕事を分担できる。協力体制が確立されている場合が多い。
    ・デメリット 
    自分の考えだけで進められない。

    ■たくさんのルール、方針
    ・メリット
    ルール、規定類、方針で統制されているため、変な社員はほとんどいない。リーダーひとりに振り回されることは稀。
    ・デメリット
    ルールを知らないといけない。柔軟な対応には協議が必要。ルールを作る作業もある。

    ■専門性の異なる人がたくさん
    ・メリット
    仕事で関わることで多くの知識を得られる。
    ・デメリット
    知らないこと、難しいこともたくさん説明されるので、学び続ける覚悟、自分も専門性を高める努力が必要。


    ■たくさん学べる
    ・メリット
    研修や教育、学習プログラムがたくさんあり、スキルアップできる。普段の業務で、経済の動きや仕組み、安全衛生、販売、財務など、会社を取り巻くさまざまな側面での情報が飛び交い、生きていく上での多くの知識を得られる。
    ・デメリット
    たいていの場合、情報や届くメールが多く、取捨選択のセンスが必要。

    ■ほかの部門に異動
    ・メリット
    今の仕事が合わない場合、社内でほかの部門に移る希望を出せる。転職なしで人間関係のリセットを図れる。
    ・デメリット
    希望しなくてもほかの部門に異動させられることもある。

    ■組織の活性化の活動がある
    ・メリット
    人間関係の悪化やギスギスした部門の雰囲気を是正する仕組みがあるため、快適に仕事ができる環境へ改善される。
    ・デメリット
    問題抽出やそのための打ち合わせなど、仕事以外での取り組みが多く、やることが多岐にわたる。

    メリット、デメリットのどちらと捉えるかは本人次第です。今の勤め先の保育園にも該当するものはあるかもしれませんが、社員数が多くなるほど、組織の統制のために、良くも悪くもたくさんのことが自分を取り巻きます。



    品質、コスト、納期のすべてに敏感

    会社は、良質な商品やサービスを、定められた日程の中で提供し、多くの利益を創出する、というミッションがあります。すべての会社が、品質、コスト、納期という3要素にとても敏感です。
    コストダウンを推進するためだけの部門、全社の製品やサービス品質を統括する部門、生産日程管理をする部門、のような特化した部門もあるくらいです。全社員が品質、コスト、納期を常に意識した言動を求められます。

    品質(Quality)、コスト(Cost)、納期(Delivery)の頭文字を取って、QCDといいます。近年は、環境保護の観点から、環境(Enviroment)にも配慮した取り組みが法的に義務化されてきたこともあり、EQCDを謳う会社も多いです。

    多くのスキルが求められる

    同じ作業を繰り返すだけの単純作業者、定型業務従事者でなければ、ビジネスに必要なスキルがまんべんなく求められます。
    専門分野に加えて、PC(パソコン)、ビジネスライティング(文章)、のほかたくさんのスキル領域があり、高い給料を得ようと思うと、より高いレベルでのスキル習得が必要になります。
    保育士経験があると、対人コミュニケーションスキルの高い人は多いかもしれません。そこは生かせるでしょう。

    保育士・幼稚園教諭から一般企業への転職で、保育士経験を効果的にアピールする8つの方法

    給料は一般企業のほうが高い

    多くの保育士さんとお話しすると、給料が安い、ということが大きな不満であることが多いです。
    保育業界では、経営者や役職者は別ですが、保育業務メインで働いていると、400万円台が限界ではないでしょうか。200万~300万円台の人がほとんどだと思います。
    会社では、業種にもよりますが、社員数が数百人規模を超える会社であれば、給料は安定して伸びます。一口に一般化は難しいのですが!安く見ても、だいたいの目安で、
    20代
    給与 25万円×12カ月
    賞与 50万円×夏冬
    これで年収400万円となります。これだけみると、保育士の給与と大きく変わりません。
    平社員でもグレードが分かれている、という会社が多いので、昇進試験に合格して昇格すると、給料が急増します。多少がんばってひとつふたつ昇格しておけば、
    30代
    給与 30万円×12カ月
    賞与 70万円×夏冬
    年収500万円に達します。その後も給料は微増します。これで、保育士を続けていた場合と比較すると、生涯賃金は数千万円の差が付きます。
    会社によっては、平社員でも活躍して実績を挙げれば、年収1000万円を得ることも十分に可能です。




    「会社員経験なし」から一般企業を目指すには

    会社員としての業務経験がない中で、会社勤務を希望する場合、どのように職を探せばよいのでしょうか。いくつか手段はありますが、どのような職種を希望するかによってその方法は異なります。
    「この会社のこの職種が希望」ということなら、その会社のホームページで中途採用募集を検索したり、なければ直接電話して期間従業員採用はあるか問い合わせたりします。「希望する職種は決まっているが地域は限定的」なら転職支援サービスを利用します。本記事内でも、転職支援サービスをいくつかご紹介します。

    いずれにしても、「特に職種の希望はないが、なんとなく会社勤務がいい」という気持ちでは、採用を勝ち取るのは難しいです。世の中にどのような仕事があるか調査の上、希望職種を定めてから動きだしましょう。


    転職支援サービス

    たくさんの転職支援サービスがあります。サービス会社によってやり方は多少異なりますが、履歴書や職務経歴書は必要になるでしょう。
    自分の希望する、
    ・職種  (例 経理、一般事務など)
    ・業種  (例 メーカー、商社など)
    ・勤務地 (例 都内、1時間以内など)
    ・勤務体系(例 正社員、派遣など)
    を、だいたいまとめておくとよいでしょう。
    自分の希望がまとまらない場合には、転職支援サービスに何社か登録し、さまざまなお仕事案件を検索して、自分に合う職種を絞りこんでいきましょう。
    サービスに登録するだけでしたら、どこも無料です。

    会社のホームページ

    会社の希望がピンポイントであれば、その会社のホームページの「採用情報」の中の「中途採用」「キャリア採用」などの項目から、求人を探します。
    希望の職種があれば、直接応募することも可能ですが、その求人を扱う就職支援サービスに相談すると、確実に進めてくれるのでおすすめです。さまざまなアドバイスももらえます。

    電話、メールで直接問い合わせる

    古くさい手法ですが、希望の会社の担当者と直接情報交換できます。
    期間従業員の募集情報や選考のプロセスを教えてくれたり、就職支援サービス会社を通す旨を教えてくれたりします。




    一般企業の勤務経験なしで会社に中途入社するには

    中途で入社する社員には、多くのスキルが求められます。時間とお金をかけて教育しなくても、即戦力として活躍してもらえるところに中途採用の価値があるためです。
    専門性やそのほかのビジネスマンとしてのスキルを漏れなく要求されることはありません。しかし、ひとつでも多くを習得しておくこと、どんなスキルが必要かを知っておくことで、ほかの候補者と差を付け、採用内定を勝ち取ることができます。

    必要なスキルについてまとめた記事を、ご参照ください。

    一般企業の経験なしで、会社の中途採用に合格する 知っておくべき10のスキルを解説

    一度転職しても、保育士への復帰は大丈夫、むしろメリットは多い

    保育園では、基本的に保育業界での経験者がほとんどです。したがって、以下のようなことができるスタッフが園に多くいるということはありません。
    ・プロのビジネス目線で日常業務を改善
    ・保育サービスの革新
    ・掲示物や配布物(紙)のプロ並みのデザイン
    ・敏感なコスト感覚
    保育士は、子供の健康と安全を守ることが最優先ですから、もちろん、それを第一に考えていただいていいと思います。ほとんどの人がそうであるべきでしょう。
    しかし、園長先生は経営者であることが多いため、保育だけでなく、全体の運営に関わってビジネス視点で考えなくてはなりません。経営・ビジネスコンサルタントと契約して、アドバイスをもらえる環境にあったとしても、毎日の保育業に付きっきりで進めてもらうわけにはいきません。
    そこで、保育業の経験、会社でのビジネススキルの両方を兼ね揃えた人であれば、運営の右腕になってもらったり、副園長や主任候補として重宝してもらえることになるでしょう。(中にはワンマンな園長もいますが、園の方針によります。)

    会社員として働くと、多くのビジネススキルが身に付き、保育士に復帰したいと思ったときには、パワーアップした状態での復帰が実現することになります。

    転職のメリット。転職に必要な取り組みやコツ、準備、試験対策

    まとめ

    保育園と会社の違い、アプローチの手法などの情報をお届けしました。保育士経験だけだと会社への転職には自信がなく不安もあるとは思いますが、まずは、転職支援サービスを利用し、プロの意見も参考にしながら進めてみてください。
    必要なスキルについては、本サイトのほかの記事も参考になると思いますので、ぜひご覧ください。







  • 一般企業の経験なしで、会社の中途採用に合格する 知っておくべき10のスキルを解説

    一般企業の経験なしで、会社の中途採用に合格する 知っておくべき10のスキルを解説

    一般企業が中途社員として入社してくる人に求めるスキルはたくさんあります。もちろん、すべてを兼ね揃えている人なんてほとんどいません。
    しかし、何を求められているか、どういうことができるべきであるか、知っているのと知らないのとでは大きな違いです。

    この記事は以下のような人を対象に書かれています。
    ・会社でどんなスキルが必要なのか知りたい
    ・今後組織の中で働かなくてはならない
    ・会社で必要なスキルを習得したい
    ・今の職業が、保育士、介護士、作業員、野外での勤務、などの職種で、オフィスワークの経験はないが、会社に中途採用で転職したい
    ・就活中の学生

    会社から求められる10のスキル項目と、その習得方法について解説します。

    会社で求められるスキルをおおざっぱにいうと

    前の職場で得た知識や経験が、自社でどのように生かせるのかを、会社はジャッジしてきます。

    中途社員には、いちから社会人としての教育を施す必要はない、と会社は考えています。中途で入社する人に求めるスキルは、
    ・礼儀正しい態度
    ・コミュニケーション能力
    などは当然のこと、そのほか、
    ・募集職種の専門性
    ・問題解決の力量
    ・自頭力、発想力
    などがあります。さらにレベルの高い要素では、
    ・正しいプロセスで仕事を進める
    ・リーダーシップを発揮して成果を挙げる
    ・後輩の教育ができる
    というスキルが求められるケースもあります。社会人としての経験年数によっても、求められるスキルの幅は異なります。

    さすがに上記のすべてを身に付けていることを求められるわけではありませんが、中途で入社を希望する応募者がこれらの多くを兼ね備えていれば、ほかの候補者よりも優位に立てます。「ぜひこの人を欲しい」と思わせたいところです。

    会社で使用する言葉使い、尊敬語、謙譲語、丁寧語、これだけ押さえておけば大丈夫

    1. テクニカルスキル

    テクニカルスキルとは、専門的な知識のことです。たとえば、
    商社 :契約、法律、経済
    営業 :販売、経済、計算、管理
    技術 :専門学問、数学、物理化学全般
    研究 :専門学問、研究プロセス、論文
    事務 :PC、文章、費用処理、計算
    など、その業務を遂行するにあたり必要となる知識やスキルです。
    事務職が最もハードルが低いことは明らかですが、そのぶん競争率も高い、ということになります。

    会社経験がないところから会社員を目指すということは、会社が求める専門スキルをもちあわせていない人が多いと思います。専門性は、地道に積み上げていくものですから、年齢によっては、高い専門性がなくてもそれほど不利にはなりません。
    スキルの習得が間に合わなければ、「このようなことを現在学習中」と伝えることもできます。
    そのためにも、興味のある分野の、
    ・関連の専門書で学習
    ・Webサイトで情報収集&学習
    ・有料または無料動画サイトで学習
    ・講習会を受講
    ・e-Learning講座を探して受講
    など、できる限りのことを進めてみましょう。

    専門分野の業務を遂行する上での最も基本的なスキルとして、文章力とPCスキルが挙げられます。

    2. 文章能力

    手足を使った単純労働(工場組立ライン、物品運搬)でなければ、PCを使用しての文章を書く作業はほぼ毎日ある、といっていいでしょう。
    前職にも、連絡帳に毎日の出来事を書いたり、配布物への文章書きなどをした人もいるかもしれませんが、より高いレベルが求められると思っておいたほうがいいです。
    情報共有に厳しい人たちや、多数のお偉いさん達に一斉送信で、的確な内容でメールをする、ということもあるでしょう。
    文章の基本は、
    ・概要や結論を最初に簡潔に書き
    ・具体的な詳細内容を明記し
    ・最後にまとめる
    という流れを徹底します。自分でも確認でき、相手に伝わる、という利点があります。これを「説明資料」という形で表現する場合もあるため、ハードルはかなり高いといえます。文章スキルアップの記事と、資料作成スキルアップの記事をご紹介します。あとで読んでみてください。

    文章を上手に書くための6つの基本、例文で解説

    お仕事で資料を上手に作るコツ、例を挙げて資料作成の基本を解説

    3. PCスキル、Excel、Wordなど

    PCスキルとは、現在、
    ・Word
    ・Excel
    ・PowerPoint
    とイコール、といっても過言ではありません。会社によっては、使い勝手の良さでGoogleのツールを使う会社もあるかもしれませんが、基本は、Microsoftのこの3ツールです。
    Word、Excel、PowerPointの操作スキルアップに関しては、すみませんが当サイトではカバーできていません。自信のない方は、Webサイト、Youtubeなどで学習してみてください。「学習」「無料」といったキーワードで検索すれば無数に出てきます。

    PCそのものを使うスキルは、もちろん求められますが、PCの仕組みやアルゴリズム、サーバーなどの知識を求められることはまずありません。専門性が高すぎます。
    電源を押して、起動して、ファイルを開いたりコピーしたり、ソフトウェアをインストールしたり、終了などができれば問題ありません。毎日使えば、仕事に必要なスキルは自然に身に付きます。PCをもっていない人は、購入して毎日使用することで慣れておいたほうがいいでしょう。

    職種にもよりますが、PCキーボードのブラインドタッチはマスターしておくことをおすすめします。仕事の効率が何倍も変わってきます。なにしろ、「仕事ができる人」のように見えます。
    ブラインドタッチがもたらす3つのメリット、優れた無料練習サイトを3つ紹介

    4. ヒューマンスキル

    これは、性格が良い、ということもありますが、コミュニケーションスキルのことです。優れたコミュニケーションにより、対人関係を円滑にコントロールして高い成果を挙げることが必要になります。

    参考記事
    「人物良好」という評価をもらうために必要な4つの要素

    出世のために、人間力を身に付ける

    そのほか全般的なスキルは?

    テクニカルな部分とヒューマンの部分以外に、求められる要素がたくさんあります。
    今後、技術が進化し、業務にAIやRPA(Robotic Process Automation、業務のオートメーション化)が取り入れられると、以下に挙げるスキルの要求が増してくるでしょう。真面目にコツコツと業務をこなす、とか、正確に丁寧に繰り返し作業をする、というスキルは、重要度の低いスキルに位置付けられるようになります。これからは、
    ・新しい物事を考案
    ・臨機応変な対応
    ・問題解決
    ・人を育てる
    ・人を束ねて業務を動かす
    といった、ロボットが苦手なこと、人間にしかできないことが求められてきます。

    テクニカルやヒューマン以外で会社が求めるスキルをいくつかご紹介します。採用面接で、これらを兼ね備えていることを説明できれば、優位に立てます。

    5. 考える力、自頭力

    物事をしっかり考えて仕事をすることは、これまでも意識していたと思います。しかし、限られた時間の中で効率的に高品質の商品やサービスを創出し、利益を最大化する、という側面は、会社でクリエイティブに仕事をする上で強く求められます。会社で思考を働かせて仕事をするために重要な要素として、以下のようなものがあります。
    ・全体を見て漏れのない検討を行う
    ・物事の本質に迫る
    ・ユーザー目線で物事を考える
    ・発想力で新しいものを生み出す
    ・瞬時に仮の結論を導く
    これらが正にロボットではなく人間が得意にできる要素です。詳細解説記事を参照ください。

    思考を働かせて仕事の成果をあげる5つの方法、実用例で解説

    6. 問題解決能力

    仕事をしていると、大小含めて毎日問題解決をしている、その積み重ねです。そのたびに先輩や上司に相談していると、業務遂行能力の欠如を疑われてしまい、残念なことになります。
    先ほどの、思考を働かせて成果を出す、というスキルを身に付ければ、問題解決もスムーズに対応できるようになります。
    問題解決を説明するには、とても一言ではいえませんが、だいたい以下のようなプロセスを踏むことが基本です。

    1. 影響の範囲を考える
     (部門、顧客、金額、日程など)
    2. 事が大きければ上司に報告、指示を仰ぐ
    3. まずは暫定的処置(火消し)を考える
    4. その暫定処置を関係者に連絡し、実行
    5. 本質的な原因を捉え、対策と日程を共有
    6. 根本的解決を実行
    7. 再発しないような策を講じる

    問題が小さければ、自分で根本的解決を即座に施すします。何年か経験を積む必要はあります。すぐに相談することだけは避け、少しでも自分で考えてからの報告が大切です。常に全体最適を考えて問題解決ができるようになると、周りからの信頼も厚くなり、頼られる存在になります。


    7. プロセスを踏んで仕事を進める能力

    世の中には「PDCAサイクル」というものがあり、仕事を進めるプロセスの考え方の基本として、多くの会社で重用されています。
    「PDCA」でインターネット検索すると、多くの説明サイトがヒットします。かなり細かく説明されているサイトがほとんどですので、ここでは簡潔にします。以下のような考え方です。
    P(Plan) 計画を立てる
    D(Do) 実行する
    C(Check) 確認し、改善や向上を考案する
    A(Action)改善、向上策を施行する

    Aまできたら、またPに戻る、というサイクルです。普通に仕事をしていれば、だいたいこのサイクルには乗ってくるものです。
    仕事のプロセスとは、マニュアルに沿って正しい仕事をすることもひとつにはありますが、このPDCAサイクルに沿うことも、ぜひ知っておきましょう。加えて、自分の所属部門での方針に沿います。

    「正しい仕事を正しいプロセスで実行しよう」みたいなスローガンを掲げる職場では、このPDCAサイクルを重視していることが多いです。

    PDCAサイクルに忠実に従って業務を進めることを良しとしている会社では、計画やらプロセスそのものが仕事になってしまい、結果を出すまでに時間がかかり、機会損失となっていることがあります。「プロセスや計画ばっかり気にしてないで、さっさと実行すればいい」と唱える実業家も多くいます。
    実行あるのみ、といっても、このPDCAサイクルを知っての上での遂行だと説明がつきます。

    8. 人に伝えるスキル

    会社では、関係者に的確に物事を伝えることが求められます。「仕事の報・連・相」や電話、メール、プレゼンテーション(発表)などがそれに当たります。

    「仕事の報・連・相」は、的確なタイミングで、報告、連絡、相談することです。これができると、コミュニケーションや情報共有をしっかりできる人、と見てもらえます。
    今は会社では、情報共有の基本はメールやチャットです。緊急性が高かったり、相手が手厚いサポートを必要としている場合には電話をすることもあります。会社の文化に従います。

    人に伝えるスキルが最も顕著に表れるのは、プレゼンをするときではないでしょうか。プレゼンだけで1冊本が書けるくらい、奥が深い要素です。プレゼン資料のクオリティもその要素の1つといえます。
    プレゼンを上手にできるということは、テーマのポイントをしっかり捉えて、まとめることができている、ということですので、そのインパクトは大きく、その先にさまざまな大きな舞台を用意してもらえます。評価も高くなり、ビジネスチャンスがぐっと広がります。




    会社でのプレゼンテーション、成功のために心得るべき4つの要素

    9. リーダーシップ

    リーダーシップは、どの会社でも求められます。大勢の人間を束ねることだけがリーダーシップではありません。規模は小さくても大丈夫です。関係部門の数人に物事を依頼して、結果的に1つのアウトプットを自分が出したら、それも十分リーダーシップの1つです。複数のスタッフを指揮して成果を出すことが重要です。

    リーダー経験がない場合でも、基本的に以下のようなことを意識していれば、リーダーシップが身に付いてきます。
    ・業務やプロジェクトの全体日程に気を配る
    ・メンバーからの情報共有を求める
    ・進捗が遅れている人(業務)に対処する
    ・メンバーのスキルアップを図る
    ・メンバーのモチベーションを上げる
    ・世界標準の情報を集め、チームに共有する
    そのほか当たり前の、ほかのチームと自チームのうまい橋渡し役となる、とか問題解決力など、たくさんあります。
    リーダーシップに関する書籍は、あまりにも数が多すぎます。いろんな人がいろんなことを書いていますので、どの本を読んだらいいか、迷ってしまいます。もし、体系的な知識を得たい場合には、「チームで成果を出す」とか「リーダーに必要なこと」などをテーマにしている本を1冊読んでおけば、リーダーシップの全体像を理解できるでしょう。

    10. 人材育成のスキル

    リーダーシップの項目で、「メンバーのスキルアップを図る」と書きましたが、チームメンバーだけでなく、同じ部門や自分も含めて、人が成長するためにどうすればよいか、知っておくと、会社には高く評価されるでしょう。

    人材育成は、とても奥が深く、この記事の数行で語り尽くせるものでは到底ありません。概略を書きますので、「会社にはこういう考え方がある」という程度に理解しておくだけで十分です。

    会社員は、基本的に
    ・会社での仕事経験
    ・仕事での研修
    ・自らの学び
    の3つで成長します。成長のためには、この根底に、やる気、モチベーションがあります。この成長を後押しする環境の中で、
    ・目標達成による貢献を実感
    ・仕事のやりがいを感じ、さらなる成長
    といったことを実現させるために、部下や後輩、同僚に成長を促します。
    結果として、
    個人の成長 ⇒組織の成長 ⇒会社の成長
    となり、会社の利益向上、発展へとつながります。

    具体的な行動としては、
    ・自身が学び、成長する
    ・研修や講習の情報を部門で共有する
    ・業務、プラスアルファの教育を後輩に施す
    ・成長することの意義をしっかり説明する
    ・部下、後輩のやる気を引き出す
    ・昇格試験があれば、後輩受験者を指導する
    などです。
    会社に入る時点で確たる人材育成ポリシーをもつ、というほどでなくてもいいですが、後輩を育てたり、周りの人に「学び」の影響を与えるような姿勢があるのが望ましいです。
    管理職になると、さらに人材育成の高いレベルを求められますが、会社によってその思想は異なります。その思想に従い、なおかつ自分のポリシーもあるといいでしょう。


    場合によっては、語学力も求められる

    転職において、英語は必須ではありません。
    日本の企業では、語学力すなわち英語力を強く求めるところはまだ少ないです。英語でマニュアルを作る、外国人相手に何かを案内する、または翻訳や通訳など、英語を使うことそのものが仕事になっている場合には、求められます。高い専門性や幅広いビジネススキルに加えて、英語も話せる、という日本人自体、少ないはずです。したがって、英語ができると、プラスアルファで評価が高い、ということです。

    外資系企業、特に欧米系企業であれば、英語力を求めるケースがほとんどです。また、中国に支社や大きなマーケットをもっている会社だと、中国語スキルを求めることもあります。反面、ドイツ系やフランス系の企業で、それぞれドイツ語やフランス語が必須というところは稀です。

    日本人ビジネスマンにとって重要度の高い外国語が英語であることは、今も昔も変わりません。英語力が高いと、その会社での業務効率向上や、周りからの評価が高くなるだけでなく、プライベートの充実、英語を生かした副業、などさまざまなメリットが得られることで、人生を大きく変えることができます。
    また、確たる専門知識を確立した上で英語力も兼ね揃えていれば、「英語力必須」といわれるGoogleやAppleなどの超優良企業へのチャレンジも叶います。

    転職にあたり、何から始めたらいいか分からない、という人は、とりあえず英語の学習だけても始めておいていいと思います。真面目にコツコツ取り組めば、1年~2年もあれば、仕事での英会話はほとんど苦労なくこなせるようになります。
    短期間で英語を話せるようになる、学習方法を速攻でポイント解説

    各スキルの習得、実行の目安

    本記事で紹介したスキルの大まかな位置付けを示します。転職活動での目安にしてみてください。

    ■専門書、Web、講習で学習
    重要度 :高い
    ・テクニカルスキル(専門スキル)
    ・PCスキル

    ■概要を知った上で、日々実行あるのみ
    重要度 :高い
    ・文章力
    ・ヒューマンスキル
    ・問題解決

    ■概要を知った上で、地道に取り組む
    重要度 :少し高い
    ・人に伝えるスキル
    ・考える力、地頭力

    ■知っておくだけでOK、いずれ発揮
    重要度 :普通
    ・プロセスを踏んで仕事
    ・リーダーシップ
    ・人材育成

    ■補足
    語学力は、自分の目標や、会社が求めているかによります。習得を志すなら、以下の記事を参考にしてみてください。
    留学しないで独学で英会話をマスターするための勉強法

    まとめ

    一般企業でのオフィスワークの勤務経験なしで、会社の中途採用に合格するためには、習得しておいたほうがよいスキルがたくさんあることが分かりました。
    すべて習得するのは難しいですが、会社で働くときに必要な観点をお分かりいただけたと思います。
    筆者の観点で、その習得や重要度の目安も書いていますが、転職支援サービスの担当者と相談すると、より具体的なアドバイスをもらえます。ぜひ利用してみてください。
    当サイトでも、ビジネスや転職の参考になる記事を今後も増やしていきますので、ご参考にしていただければ幸いです。







  • 「人物良好」という評価をもらうために必要な4つの要素

    「人物良好」という評価をもらうために必要な4つの要素

    会社でうまく人と付き合ったり、争うことなく協業したり、「この人は本当に人物良好な人だ」と評価をもらうための振る舞いについてご紹介します。

    周りの人から「人物良好」との評価をもらえると、たくさんのメリットがあります。
    ・就職や採用面接などの際に合格へつながる
    ・会社で高い人事評価が付き、昇給、昇進へつながる
    ・「この人は推薦できる」と、近しい人からの新しいビジネスチャンスを得られる
    ・周りの人から信頼されて仕事がしやすくなる
    など

    会社での仕事でなくても、日常のコミュニケーションでも参考になる記事です。




    言葉使い・話し方・態度に気を配る

    「人物良好」評価をもらうための基本中の基本です。言葉使いは、丁寧に正しく行います。
    丁寧語、尊敬語、謙譲語、そして話し相手に応じて、適度に丁寧な命令形もおりまぜます。言葉使いを的確に行うと、教養の高さを相手に感じさせることもできます。
    たいして親しくもないのにタメ口で話す、というのはおすすめできません。相手によって距離感を取りながら話すことで、物事へのさじ加減ができるスキルをアピールしましょう。

    会社で使用する言葉使い、尊敬語、謙譲語、丁寧語、これだけ押さえておけば大丈夫

    話し方も大切な要素です。言葉使いが的確なのに、話し方がぶっきらぼうだったり、怒った感じだったりすると、そっちに気を取られて話が入ってきません。
    主に以下のようなことに気を付けると、話し相手に喜ばれます。
    ・話の内容に合わせて声の抑揚を付ける
    ・深刻な雰囲気では真面目な顔つき、愉快な話は笑顔で話す
    ・場の雰囲気を読んだ声のボリュームにする
    ・難しい内容はゆっくり話す
    ・相手が急いでいるときには少し速く話す
    ・ひとつの文が長くならないようにする
    ・自分ばかり話さずに、相手の話も聴く

    話すときの態度にも気を付けます。
    ・人と話をするときには、その人の正面を向いて話す
    ・背筋を伸ばして話す
    ・会話中に足を組んだりうで組みしない
    ・ほどよく相手の目を見て、ずっと見つめない
    ・いすには浅く座らない(話をしてないときも)
    ・貧乏ゆすり、手癖足癖、鼻をねじる、など身体の部位を動かす行為を慎む
    ・荒い息づかい、鼻や喉を鳴らす、など身体から不要な音を出さない

    態度は、やらないほうがいいこと、も多いです。気付かないうちにやっていることが多い、という人は、この機会にぜひ自分の話し具合いや態度を再確認してみてください。




    変な言動はしない

    「なに、この変な人」と言われてしまうような行動はしないほうがいいです。
    誰かと話している時に限らず、変な言動を行うと、「人物良好」とは対極に位置付けられてしまいますので注意が必要です。

    次のようなことに心掛けます。
    ・いいわけ、愚痴、他人の悪口を言わない
    ・休憩時間にいすを並べてベッドにして寝ない
    ・大きなくしゃみ、げっぷをしない
    ・人前で鼻くそをほじらない(トイレに行き、ティッシュで処理)
    ・誰も理解できないような例え話をしない
    ・独自の造語は言わない
    ・休憩取得が社員任せの場合、長時間休憩しない
    ・目的もなくキョロキョロしない
    ・意味もなく眉間にシワをよせない

    言動とは少し異なりますが、身だしなみも大切です。人が初対面の人を直感的に評価する指標として、重要な順番は、容姿、話し方、話す内容、とよくいわれます。
    服装を常識的な装いにします。そのほか、髪型、メイク(女性)、ひげそり(男性)はTPO(時、場所、場合)に合わせましょう。寝ぐせは必ず直してから外出したほうが無難です。
    また、全体的に表情にメリハリを付けることも心掛けます。話しかけにくいほど機嫌の悪そうな表情をしてはいけません。ミーティングで、ある話題で出席者がみな笑ったら、とりあえず笑います。そうしないと「空気の読めない奴」と思われます。

    挙げればきりがありませんが、奇っ怪な言動を多くする人は、「あの人は変わった人だから、、」との評価を下され、払拭するには時間がかかります。ぜひ気を付けていきましょう。




    人のお世話をできる

    べつに介護をするわけではありません。周りの人が困っているときに、適度なタイミングで気が利いた対応ができるといい、ということです。
    困っているときに、その問題解決になる情報を提供してくれる人がいたら、「いい人だな」と思う人がほとんどです。
    自分の仕事もある中で人助けはなかなか難しいですが、ベストタイミングでお世話をできるように周りの状況把握をしておくといいです。

    人のお世話、というのは、ほんの些細なことです。あくまで自分の時間に余裕があるときですが、以下のようなアクションで十分です。
    ・イスを並べるとき
     ⇒「手伝いますよ」と言ってみる
    ・「外出します。ちょうどい電車あるかな、、」
     ⇒すぐにネットで調べて伝える、バスの時間も同じ
    ・「では社に戻ります」
     ⇒「タクシー呼びましょうか」と言ってみる
    ・「Excelのこのやり方が分からない」
     ⇒すぐに教える、またはネットで調べる
    ・珍しい現象があるとき
     ⇒「デジカメで撮っておきますか」と提案する
    ・「この申請内容で大丈夫かな」
     ⇒「人事部に問い合わせしましょうか」と言ってみる

    「言ってみる」ことが大切です。気にかけてもらえているだけで、人は嬉しいものです。中には「うざい」と思う人もいるので、あまりでしゃばりすぎないようにします。




    感情を出して怒らない

    どんなことがあっても、仕事場ではキレないことが、大切です。すぐにキレる人で、「あの人はいい人」という評価の人はいません。
    感情をあらわにして怒ることがよくない、というわけです。毅然とした態度で部下や後輩を諭す(さとす)ことは必要です。
    たとえば、ほかの部門とミーティングの約束をしていたのにもかかわらず、すっぽかされた場合、
    「じょうだんじゃないよ! こっちだって時間調整して人集めてんだから、そっちにメールだって送ってんだから、ちゃんとやってくれよ!」
    くらいに言う人がわりとたくさんいます。なめられないため、とか、怒りやすい性格、とか色々事情があるのでしょう。こういうケースでは、再発させないために怒ることもひとつの手段です。
    しかし、この記事は、「人物良好の評価を得るには」というテーマですので、異なる視点で考えます。こういう場合には、一旦メールか電話で、
    「今回は、こちらの部門も事前に人員調整して準備していたので、キャンセルの場合は事前に連絡を頂かないと本当に困ります。このメンバーでの日程再調整は近々にはもう無理です。貴課の方からプロジェクトリーダーに報告の遅延をお願いしてほしいところですが、そうもいかないですから、どうするか後で考えましょう」
    と、こちらの不満もぶつけつつ、冷静な語り口で、今後どうするか相談する姿勢を示します。信頼関係が向上することでしょう。

    そのほか、
    ・自分の提案が却下されても、「その客観的理由はどんなものでしょうか」と冷静に尋ねる
    ・怒られても逆ギレせず、真剣な眼差しで構え、相手が落ち着くのを待ち、冷静な会話にもちこむ
    ・会話中に第三者への怒りをおぼえてもキレず、「これは心外ですね、いやぁ、許せませんね、、」と、言葉は厳しく口調は穏やかに表現する

    というような姿勢を示すことで、人間としての器の大きさも感じ取ってもらいます。

    まとめ

    「人物良好」との評価を周りから得るには、話し方やその態度をちゃんとすることを基本として、気が利いた対応ができて、キレたり変な言動をしない、ということにまとめられます。
    何事もやりすぎは禁物です。周りの空気を読んでそのシチュエーションによって器用に振る舞うことができるよう心掛けてください。「人物良好」な人の言動をお手本にするのも手です。







  • 会社で出世するために、本当に必要なことは? 実力だけではない、ちょっとした心掛け

    会社で出世するために、本当に必要なことは? 実力だけではない、ちょっとした心掛け

    会社で出世するためには、生産性向上や組織の活性化、後輩の指導、高いレベルでの成果を出す、などが基本的には必要ですが、実はそれだけでは足りない場合があります。
    実際のビジネスの現場では、自分の昇進を決める決定権をもっている人に気に入られることが重要です。上に引き上げてもらうためのアピールは必須、ともいえるほどです。ここでは、「上司」と呼ぶことにします。





    会社で出世するために実行する取り組みは? 仕事編

    上司が言うことに逆らわない

    上司の指示、命令、さまざまなアドバイスを聞くことは多いと思います。そのときには、肯定的にとらえることをおすすめします。
    明らかに間違っていたとしても、「それは違いますよね」「私は反対です」など、否定的な発言はするべきではありません。あえて指摘する場合にも、「はい、良いと思います。他の観点で、このような捉え方もできそうですが、そういうふうにはしない方がいいですかね、、」と、あくまで上司の方針に沿う姿勢を基本としての控え目な指摘に留めます。イエスマンではなく、幅広い視野をもっていることもアピールできて、効果的です。

    上司をたてる

    上司の言動に対して、その価値や影響力を増幅して周りの人たちに伝わるよう心掛けます。
    たとえば、以下のようなアクションです。

    ・上司からのメッセージをほかの人に伝えるとき、「ちゃんと重要なところを押さえてアドバイスをくれる」「指摘が鋭い」など、自分の意見を添えて伝える
    ・情報共有の際、基本的には上司に一番最初に伝える
    ・同じ部門のほかのスタッフが、上司の方針と異なるアクションを取ろうとしていたらしてきする
    ・上司の失敗があれば、「あなたは正しかった。自分も実行部隊として反省すべき点がある」と連帯責任感を主張する

    上司は、これらの行動を見て、「この人は、自分の側近につけたら、自分の意図を汲んで部下をうまくコントロールしてくれる」と感じます。自分に対する信頼感が生まれ、昇進に有利にはたらきます。





    思考を働かせて仕事の成果をあげる5つの方法、実用例で解説

    上司の誘いには応じる

    上司からの業務での指示や要望などはすべて受け入れますが、それを超えた要望も基本的には受け入れたほうが、出世のためには近道になります。
    セクハラやパワハラは、もちろん論外ですが、「仕事の時間を使っているとゆっくり話せないから、軽く飲みがてらどう?」との誘いを受けたら、ぜひ、「いいですね。ぜひこちらこそお願いします!」と元気に応じます。たとえ、気が進まなくても、です。お昼ご飯を誘われたときも同じです。
    自分の昇進決定権者と業務時間中にゆっくり話をする、ということは、それほど多くはないのが普通です。その上司とゆっくり話ができる、というのは、むしろチャンスと捉えることができます。

    ・自分がどれだけ部門の成長を願っているか、
    ・誰々が優秀、誰々が努力必要、など、人を見る視点
    ・あなた(上司)がいかに優れたマネジメントを行っているか
    ・世の中のトレンドはこれだ、私たちはこういう観点ももつべきだ
    ・ほかの部門のここはこう、うちの部門はこう、という、自分の会社を見る眼力

    など、「広い視野アピール」「できる人アピール」をたくさん行います。加えて、「もっと上のポジションで人をまとめて、部門を大きく成長させたい」という、「昇進させてくれアピール」をすれば、昇進意欲が伝わります。ただし、上司と1対1のときのアピールに留めるべきです。ほかに同僚がたくさんいると、あからさまで印象は良くありません。

    会社の論文試験に合格する! 昇進試験、採用試験での論文の書き方のコツ、対策を解説

    正しいことの実行ではなく上司の意図を汲んだ言動をする

    会社やお店、仕事をする場では、さまざまなルールがあります。正しいことを正しい手順で遂行することが基本となりますが、昇進を考えた場合、上司の言うことは、そのルールよりさらに上位にくると考えて行動します。
    上司がルールを逸脱する指示や提案をした場合、違法、脱法、公序良俗違反でない限り、上司の方針に従うこと、そして、「上司の方針が正しい」ことの裏付けとなる自分の意見を添えて、周りにアピールすることです。
    変に正義感ぶって「それは駄目です、こういうルールがあるんですよ」と主張するのは、柔軟性の欠如の観点からも、得策ではありません。「こいつ、めんどくさい奴だ、こいつに権限をもたせると仕事が進まなくなる」ということになります。
    自分が正しいと思うことの実行ではなく、上司の考えそうなことを先読みして提案、実行します。周りからは「忖度」と言われるかもしれませんが、構いません。上司から高い信頼を得るには、「忖度」も時には重要です。「方針の意図を汲む」という解釈もできます。




    周りから妬まれても気にしない

    上記の4つの昇進・出世のための言動は、場合によってはあからさまになることで、周りの人から「あの人は上司におべっか使って」「昇進・出世のためなら自分を捨てて何でもするのか」などと妬まれる可能性もあります。
    しかし、そんなことは、まったく気にしなくてOKです。自分には自分の生活があり、収入も増やさなくてはなりません。昇進して地位を確立し、自分の作りたい組織を作り、経験値を蓄積してスキルアップすることのほうが大切です。気遣い不要です。(きれいな言葉使い、協力、良好なコミュニケーションといった、対人としての気遣いは大切です。)
    もし昇進はしたものの、居心地が悪くて続けられない、という場合には、「課長」「チーフ」「リーダー」といった肩書きをひっさげて、転職する手もあります。少なくともその会社ではマネジメントのポジションにたどり着いた、というのは事実ですので、転職先での審査である程度評価されることは間違いありません。


    まとめ

    上司の言うことには逆らわず、プライドを傷付けないよう常にたて、誘いには、ある程度は線引きをした上で応じ、臨時応変に上司の見解に寄り添う、というところでまとめることができそうです。
    そして、昇進したい、出世したい、と自分が決心したら周りの目は気にせずに、自分の信念に基づき突き進むのみです。





  • 「文章を書く」スキルアップに必要な優れた本、サラリーマン必携! 記者ハンドブックを活用する

    「文章を書く」スキルアップに必要な優れた本、サラリーマン必携! 記者ハンドブックを活用する

    仕事で文章を書くことが多い
    それを読んでもらう機会が多い
    という人のために、「記者ハンドブック」という優れた本の紹介を通じて、正しい文章、心地よく読める文章を書く方法について解説します。




    読んでもらいやすい書き方

    文章を書くとき、漢字とひらがな、どちらで書くか悩むことがあると思います。「時」「とき」、「居る」「いる」、「更に」「さらに」など、さまざまあります。その漢字が正しいかどうかも悩むことはないでしょうか?
    以下のような文章を見ると、どのように感じますか?

    「沢山の対応をして頂き、有り難う御座いました。」

    あらゆる文言に漢字を盛り込んだ、という印象です。
    間違いとはいえませんが、なんだかうるさい感じがしますね。漢字が多く、「真っ黒な文章」といわれることもあります。

    文章を多くの人に読んでもらうとき、ある表記のルールに沿って書きます。新聞に書かれている文章表記が基本になります。新聞は万人向けに、正しく、心地よく、読みやすく表記されていますので、新聞表記に準じていれば間違いない、ということになります。ちなみに、先ほどの「沢山の、、」を新聞表記に準じて書くと、

    「たくさんの対応をしていただき、ありがとうございました。」

    となり、すっきり読みやすくなっています。「白い文章」です。上記の「いただき」は、実際に何かをもらうわけではなく、謙譲語の助動詞としての「いただく」ですので、こういうときの使い方は、ひらがな表記になります。分かりやすい例を挙げます。

    「先日は、素敵な花瓶を頂き、ありがとうございました。大切に使わせていただきます。」

    「頂く」と「いただく」を使い分けています。このように、読みやすく正しい日本語の文章表記のルールはたくさんあります。これらを徹底するだけで、会社での資料作成や手紙、メール、Webサイトなどでの文章が飛躍的に良くなります。




    記者ハンドブックがおすすめ

    「記者ハンドブック」という本があります。これは新聞に載せる基本的な文章表記をまとめた本です。漢字や言い回しだけでなく、アルファベット、数字、単位
    など、一般的な文章を書く上で必要なことがほぼ網羅されています。新聞記者だけでなく、多くのプロライターやジャーナリストがこの「記者ハンドブック」を基本として文章を書いています。プロのライターの文章が読みやすいのは、この本のおかげだといってもよいでしょう。

    普通のビジネスマンで、自分の業務に、
    ・資料で文章を書く
    ・報告書を書く
    ・メールを書く
    ・昇格試験で論文を書く
    の1つでも該当する人は、「記者ハンドブック」を1冊購入し、活用することをおすすめします。

    日頃の業務で文章を書くたびに、また論文練習をするたびに、この「記者ハンドブック」で正しい表記を調べることで、少しずつ表記ルールが身に付いていき、読みやすい文章を書けるようになります。

    たとえば、前の項で挙げた、「とき」、「いる」、「さらに」については、

    「とき」
    「場合」と変換できるなら「とき」、時間的な意味をもつなら「時」

    「いる」
    物理的にそこに位置している状態をいう場合は「居る」、語尾の助詞としての使用では「いる」

    「さらに」
    「更に」ではなく、慣用的に「さらに」と表記する

    このように、たくさんの表記パターンを参照することができます。一語一語、すべて解説があるわけではありませんが、重要なところにはポイント解説があります。また、たくさんの使用例があるため、用途の理解を促進できます。先ほどの「いる」については、必要なことを意味する「要る」についても載っています。




    「記者ハンドブック」を使用することのメリット

    「記者ハンドブック」を活用すると、読みやすい文章を書けるようになり、以下のようなメリットが考えられます。

    ・文章を書くときに悩まなくなる
    ・読む人に喜ばれる
    ・世の中の記事や情報を読むのが楽しくなる
    ・国語力が身に付く
    ・国語力を高評価される

    5つ目の、国語力を高評価される、というのは重要です。これにより同僚や上司からの信頼が増し、文章の添削や執筆の業務が課せられることもあります。そのスキルで転職を有利にしたり、社内転職を目指したりできます。

    日本人ビジネスマンとしては、「日本語力がある」ということは基本として求められることです。しかし、ライターや記者、「書く」ことを専門としている会社員以外で正しい日本語を書ける人は、少ないのが現状です。「記者ハンドブック」を活用して、国語力をアップさせることで、さまざまなチャンスをつかむきっかけとなります。




    読みやすい文章表記50選、これだけ覚えればかなり書ける

    まとめ

    自分の業務に、「文章を書く」ことがあるわけでは人は、ぜひ「記者ハンドブック」を活用し、読みやすい文章を書くスキルアップを目指してください。
    そして、ビジネスのチャンスを広げてみてはいかがでしょうか。







  • 読みやすい文章表記50選、これだけ覚えればかなり書ける

    読みやすい文章表記50選、これだけ覚えればかなり書ける

    読みやすい文章表記について、日常的によく書く基本的な表現をご紹介します。

    基本は「記者ハンドブック」だが、ある程度は知っておくとよい

    文章表記のルールは、「記者ハンドブック」を1冊所持していれば、網羅的に把握できます。しかし、文章を書くたびに手元で調べながら書き進めるということはなかなか徹底できず、時間的にも難しいかもしれません。

    すらすらと正しく文章を表記するためには、一般的なものは、把握しておく必要があります。そこで、日常のメールや資料作成、昇格試験の論文などに活用できる、基本的な文章表記50選をまとめました。
    この程度頭に入れておけば、効率的に読みやすい文が書ける、という表記です。

    以下の50選は、「記者ハンドブック」を参考にしてはいますが、抜粋ではありませんので、ご注意ください。最終的には「記者ハンドブック」を閲覧くださいませ。

    では、このあと、文章表記50選です。




    読みやすい文章表記50選

    1. ある
    「無い」状態と比較して「ある」場合は「有る」、それ以外は「ある」。
    ・有り余っている
    ・その通りである
    ・一理ある
    ・世の中にはこういうものがある

    2. いう
    口から言葉で発している状態を指す場合は「言う」、それ以外は「いう」です。
    ・その行動は教師の鏡といえます
    ・世間とは、そういうものです
    ・彼は、「いいよ」と言った

    3. いか
    「以下」と書きます。海の「イカ」は別です。
    通達や回覧板での連絡で「下記の」書くときがあります。その下の、中央に「記」と大きく書かないのであれば、「以下の」が正しいです。

    4. いく
    ある場所からから他の場所へ、物理的に移動するのでなければ、ひらがなで書きます。「逝く」は別です。
    ・取り組みを推進していきます
    ・明日、京都に行きます

    5. いただく
    物事をもらう、受け取る状態であれば「頂く」と書きます。謙譲語の助動詞として使うなら「いただく」です。
    ・素敵な贈り物を頂きました
    ・こちらに書いていただけますか

    6. いつ
    「何時」ではなく「いつ」と表記します。

    7. いる
    その場所に物理的にいる状態では「居る」、それ以外は「いる」。
    ・今、家に姉が居る
    ・私には姉がいる

    8. うまい
    「美味い」「上手い」、すべてひらがなで表記します。
    ・この料理はうまい
    ・この料理はおいしい
    ・英語がうまいですね
    ・英語が上手ですね

    9. おく
    物理的にどこかに置く場合は「置く」、それ以外は「おく」
    ・本を机の上に置く
    ・安全策を設けておく

    10. および
    ひらがなで書きます。「~に相当する」の意味をもつ場合は「及び」
    ・AおよびBが対象です
    ・数百に及びます

    11. おこなう
    「行う」が正しい書き方です。
    「おこなって」⇒「行って」と書きます。

    12. きく
    きこえる状態は    「聞く」
    集中してききいる場合 「聴く」
    質問する場合     「訊く」
    「きく」人が熱心であれば「聴く」と覚えるとよいでしょう。
    「訊く」はややマイナーですので、読めない人もいます。「質問する」と表記すると確実です。
    ・彼が来る、と聞いてます
    ・先生の話をちゃんと聴く

    13. ください
    「ちょうだい」というニュアンスの場合は「下さい」、文末の助詞として使用するときは、「ください」
    ・これを私に下さいますか
    ・こちらをご利用ください

    14. こと
    「事」ではなく「こと」で表現します。
    ・そういうことです
    ・やることがたくさんある
    ・その事柄が大切です

    15. ごとに
    「毎」ではなく、ひらがなで表記します。
    ・10分ごとにチェックします

    16. さまざま
    ひらがなで表記します。
    ・さまざまな意見があった

    17. さらに
    ひらがなで表記します。
    ・さらに成長した。

    18. したがって
    何かに対して従う場合は「従って」、接続詞としての使用では、「したがって」。
    ・手順書に従ってください
    ・したがって、そういう結論になる

    19. しにくい
    ひらがなで表記します。
    ・それは理解しにくい

    20. しやすい
    ひらがなで表記します。
    ・それは理解しやすい

    21. しれない
    基本的に、ひらがなで表記します。「知っている」かどうかが重要です。
    ・失敗かもしれない
    ・知れたものではない

    22. すぎる
    程度が過ぎている様子では「過ぎる」、単純に超えているだけの様子は、「すぎる」。動詞では、「過ぎる」
    ・それはやり過ぎです
    ・2時すぎに開始します
    ・2時間が過ぎぎた

    23. すべて
    ひらがなで表記します。

    24. たとえば
    ひらがなで表記します。動詞で表記する場合、漢字になります。
    ・いくつか方法があります。たとえば、
    ・これを動物に例えるなら
    ・例を挙げます

    25. たしか
    接頭語として使う場合、ひらがなで表記します。意味が「確実」と置き換えられる場合には「確か」。
    ・たしかに、その方法がいい
    ・その方法が、確かである

    26. たび
    「~のたび」は、基本的にひらがなで書きます。「旅」は別です。
    ・そのたびごとに、対応する
    ・帰省するたびに、結婚しろと言われる
    ・度重なる失敗

    27. ため
    「為」ではなく、「ため」で表記します。
    ・不在のため、対応できない
    ・ためになる
    ・外為

    28. つける
    くっつけるイメージの「つける」は、基本的に「付ける」です。「漬ける」「就ける」などは別です。
    ・薬を付ける
    ・ここに取り付ける
    ・気を付ける

    29. つながる
    ひらがなで表記します。

    30. とき
    「~の場合」で変換できるときには「とき」、時間的な意味合いをもつときには「時」。
    ・間違いのときは指摘する
    ・同じ時に起こった

    31. ところ
    物理的に場所を示す場合には「所」、それ以外は「ところ」。
    ・ほかの所にある
    ・募集したところ、応募はなかった

    32. ない
    ある・なしの「ない」も打ち消しの「ない」も、ひらがなで表記します。

    33. など
    ひらがなで表記します。

    34. なる
    基本的にひらがなです。成し遂げられる意味をもつ場合は「成る」。
    ・そういうことになる
    ・気になる
    ・成り上がる

    35. 一人ひとり
    このように書きます。

    36. ほか
    ひらがなで表記します。
    ・Aのほかに、Bも実施します
    ・そのほか、たくさんあります

    37. ほしい
    手に入れたい意味を含む場合は「欲しい」、語尾に助詞としてつける場合は「ほしい」
    ・このおもちゃが欲しい
    ・これを買ってほしい

    38. ほど
    程度、度合いを意味する場合は「程」、それ以外は「ほど」。
    ・どれ程か気になる
    ・練習するほど上達する
    ・先ほど終わった

    39. また
    接続詞としての使用では、ひらがなで表記します。
    ・AまたはBを選択する
    ・Aです。また、Bのときもあります
    ・また会いましょう

    40. まとめる
    ひらがなで表記します。

    41. みなさん
    ひらがなで表記します。

    42. みる
    物理的に目で見る場合は「見る」です。接尾語として使う場合は「みる」。
    ・昨日、青い海を見た
    ・新しい方法を試してみる

    43. もちろん
    ひらがなで表記します。

    44. もつ
    物理的に手で物を持ち上げるような行為は「持つ」、それ以外は「もつ」。
    ・両手で持ってください
    ・同じ意見をもつ
    ・今回をもって終了する

    45. もっとも
    「最上級」の意味をもつ場合は「最も」、「そうですね」のような同意の意味ももつときは「もっとも」。
    ・最も硬い材料
    ・ごもっともな意見です

    46. もの
    物理的な物体の場合は「物」、それ以外は、「もの」。
    ・軽い物なら持てる
    ・答えられるものは答える
    ・手作りもいいものだ
    ・物事には順番がある
    ・もの珍しい演出

    47. もらう
    「貰う」は使用せず、物をもらう場合も、接尾語として使う場合も、「もらう」を使用します。
    ・たくさんの野菜をもらう
    ・緊急時に助けてもらう

    48. よい
    良い、悪い、で変換できる場合は「良い」、それ以外は「よい」。
    ・良い例をご覧ください
    ・安全装置を設置すればよい

    49. ように
    ひらがなで表記します。「ようす」は「様子」です。
    ・ご説明したように
    ・このような内容

    50. よる
    ~による、というニュアンスです。
    ・状況によって変わる
    ・それは時と場合による




    まとめ

    この基本的な50表記を把握しておくと、かなり書けるようになりますので、ぜひ覚えてみてください。
    ここで挙げた表記は、全ルールのごく一部になります。正しい文章表記で書きたい、という場合には、「記者ハンドブック」を購入し、常に手元に置いておくことをおすすめします。その都度調べて、正しい表記を身につけて、文章を書くことを特技にしてみてはいかがでしょうか。