Pocket

仕事で文章を書くことが多い
それを読んでもらう機会が多い
という人のために、「記者ハンドブック」という優れた本の紹介を通じて、正しい文章、心地よく読める文章を書く方法について解説します。




読んでもらいやすい書き方

文章を書くとき、漢字とひらがな、どちらで書くか悩むことがあると思います。「時」「とき」、「居る」「いる」、「更に」「さらに」など、さまざまあります。その漢字が正しいかどうかも悩むことはないでしょうか?
以下のような文章を見ると、どのように感じますか?

「沢山の対応をして頂き、有り難う御座いました。」

あらゆる文言に漢字を盛り込んだ、という印象です。
間違いとはいえませんが、なんだかうるさい感じがしますね。漢字が多く、「真っ黒な文章」といわれることもあります。

文章を多くの人に読んでもらうとき、ある表記のルールに沿って書きます。新聞に書かれている文章表記が基本になります。新聞は万人向けに、正しく、心地よく、読みやすく表記されていますので、新聞表記に準じていれば間違いない、ということになります。ちなみに、先ほどの「沢山の、、」を新聞表記に準じて書くと、

「たくさんの対応をしていただき、ありがとうございました。」

となり、すっきり読みやすくなっています。「白い文章」です。上記の「いただき」は、実際に何かをもらうわけではなく、謙譲語の助動詞としての「いただく」ですので、こういうときの使い方は、ひらがな表記になります。分かりやすい例を挙げます。

「先日は、素敵な花瓶を頂き、ありがとうございました。大切に使わせていただきます。」

「頂く」と「いただく」を使い分けています。このように、読みやすく正しい日本語の文章表記のルールはたくさんあります。これらを徹底するだけで、会社での資料作成や手紙、メール、Webサイトなどでの文章が飛躍的に良くなります。




記者ハンドブックがおすすめ

「記者ハンドブック」という本があります。これは新聞に載せる基本的な文章表記をまとめた本です。漢字や言い回しだけでなく、アルファベット、数字、単位
など、一般的な文章を書く上で必要なことがほぼ網羅されています。新聞記者だけでなく、多くのプロライターやジャーナリストがこの「記者ハンドブック」を基本として文章を書いています。プロのライターの文章が読みやすいのは、この本のおかげだといってもよいでしょう。

普通のビジネスマンで、自分の業務に、
・資料で文章を書く
・報告書を書く
・メールを書く
・昇格試験で論文を書く
の1つでも該当する人は、「記者ハンドブック」を1冊購入し、活用することをおすすめします。

日頃の業務で文章を書くたびに、また論文練習をするたびに、この「記者ハンドブック」で正しい表記を調べることで、少しずつ表記ルールが身に付いていき、読みやすい文章を書けるようになります。

たとえば、前の項で挙げた、「とき」、「いる」、「さらに」については、

「とき」
「場合」と変換できるなら「とき」、時間的な意味をもつなら「時」

「いる」
物理的にそこに位置している状態をいう場合は「居る」、語尾の助詞としての使用では「いる」

「さらに」
「更に」ではなく、慣用的に「さらに」と表記する

このように、たくさんの表記パターンを参照することができます。一語一語、すべて解説があるわけではありませんが、重要なところにはポイント解説があります。また、たくさんの使用例があるため、用途の理解を促進できます。先ほどの「いる」については、必要なことを意味する「要る」についても載っています。




「記者ハンドブック」を使用することのメリット

「記者ハンドブック」を活用すると、読みやすい文章を書けるようになり、以下のようなメリットが考えられます。

・文章を書くときに悩まなくなる
・読む人に喜ばれる
・世の中の記事や情報を読むのが楽しくなる
・国語力が身に付く
・国語力を高評価される

5つ目の、国語力を高評価される、というのは重要です。これにより同僚や上司からの信頼が増し、文章の添削や執筆の業務が課せられることもあります。そのスキルで転職を有利にしたり、社内転職を目指したりできます。

日本人ビジネスマンとしては、「日本語力がある」ということは基本として求められることです。しかし、ライターや記者、「書く」ことを専門としている会社員以外で正しい日本語を書ける人は、少ないのが現状です。「記者ハンドブック」を活用して、国語力をアップさせることで、さまざまなチャンスをつかむきっかけとなります。




読みやすい文章表記50選、これだけ覚えればかなり書ける

まとめ

自分の業務に、「文章を書く」ことがあるわけでは人は、ぜひ「記者ハンドブック」を活用し、読みやすい文章を書くスキルアップを目指してください。
そして、ビジネスのチャンスを広げてみてはいかがでしょうか。