カテゴリー: 上手な資料作り

  • 色彩検定1級1次試験に合格する勉強法

    色彩検定1級1次試験に合格する勉強法

    デザイン系・アパレル系などをはじめ、色の知識を必要とする職業には、色彩検定の資格が強い武器になります。色彩検定の中でも1級は「高い難易度」「マニアの領域」などと呼ばれますが、取得すれば「色彩のプロ」として公に認められ、活躍できます。

    この記事では、色彩検定1級1次試験に合格するための勉強法について解説します。
    まずは取得の背景について理解し、モチベーションを上げ、その後に勉強法に進んでください。




    色彩検定1級を取得するメリット

    色彩検定公式サイトや多くの資格サイトには、多くのメリットが書かれています。それら以外に、色彩検定1級取得のメリットは、大きく2つあります。

    少しの努力で「1級」資格を取得

    取得のメリットというより、取得を目指すメリットになります。
    人生には、就職・転職などでの履歴書や、プロフィール・自己紹介作成の際に、保有資格・特技を記載する機会があります。そこに「○○1級」と書けることはどれだけ素晴らしいことでしょうか。どんな資格でも「1級」というのは、その道のプロです。

    「1級」という1つの分野の道を極めたことは、努力の成果に値し、勤勉な姿勢を評価してもらえます。

    色彩検定の1級は、ほかの有名な検定である日商簿記やFP、語学系などの1級に比べて難易度は低く、数カ月の学習期間で合格できます。英検をはじめ語学系の1級は、数年かけても取得は困難です。「1級」という冠を数カ月で取得できることはお買い得で、目指す価値は大きいといえます。

    資料作成などスキル汎用性が高い

    色彩検定の資格自体は「これがあれば稼げる」「給料アップに直接つながる」とはいきません。しかし、色彩検定1級の汎用性は高いです。世の中のたいていのデスクワークには「資料作成」が付いてきます。「資料作成」において「色使い」は切っても切れない関係なので、資格保有により、その配色センスを期待されます。

    資料作成だけでなく、チラシ・ポスター・貼り紙・会場の装飾など、色彩スキルを発揮できる領域は多岐にわたります。もちろん、本来のターゲットであるデザイン系職種にも力を発揮できます。

    資料作成をはじめとしたビジネススキルにおいて、配色スキルがあること。これは就職・転職などのステップアップの際に、加点が期待されます。




    準備期間

    すでに2級や3級の知識があるかどうかによって、1級試験の準備期間は異なります。「2級取得済み」「3級取得済み」「いきなり1級受検」の3パターンです。合格できる目安の期間として書いていますが、もちろん早いにこしたことはありません。また、早すぎるのも燃え尽きてしまうので、注意です。

    2級取得済み|2カ月前から

    1次試験の2カ月前から取り組みます。試験日までおよそ9週間あります。

    「2級取得だが3級は取得していない」という場合でも3級の学習に注力する必要はありません。

    3級取得済み|3カ月前から

    1次試験の3カ月前から取り組みます。試験日までおよそ13週間あります。

    最初の3~4週間で2級のテキストを3~4周読み込み、2級の内容をだいたい把握しておきます。1級の過去問を解く必要はありません。

    2級の内容把握ができた時点で、1級1次試験まで残り9週間ほど残します。ここから1級の1次に向けて取り組みます。

    いきなり1級受検|3カ月前から

    上の「3級取得済み」の場合と同じく、1次試験の3カ月前から取り組みます。試験日までおよそ13週間あります。

    最初の3~4週間で2級のテキストを3~4周読み込みます。理解できないときに、3級公式テキストを参照する程度に利用します。3級公式テキストを端から端まで読む必要はありません。

    2級の内容をだいたい把握しておき、1級1次試験まで残り9週間ほど残した時点で、1級の1次に向けて取り組みます。

    1次試験勉強法

    原則、毎日学習しましょう。目安は、平日は1日2時間、休日は4時間以上確保します。
    とにかくテキストの内容をひとつでも多く暗記することが大切です。以下に、時系列に沿った学習内容の一例を挙げます。

    1~2週目|テキスト読み込み

    最初の2週間は、1級公式テキストをひたすら読みます。まず1周目は、理解できなくてもいいのでとにかく読み進めます。どんなことを学び、覚えるのか、雰囲気をつかむ程度で十分です。

    音読してもいいですが、さすがにボリュームが多いので、黙読で十分です。

    2周目は内容に入っていき、理解するよう努めながら読みます。1周目よりは少し時間がかかるかもしれません。どきどき2級・3級のテキストも参照しながら読み進めます。

    巻末の「参考資料」は読まなくても合格できます。合格してから余裕をもって読むことにします。

    3週目|過去問1回目

    前年度の過去問を解いてみます。まだ解けない問題もあるかもしれませんが、問題のボリューム感や難易度、設問への理解度を把握します。とにかく最後まで解答します。

    テキストをチラ見したり、答えを見ながら解答するタイプの人もたまにいると思います。最後に答えを見るか、見ながら解くか、それはどちらでもいいでしょう。
    真の実力把握や、弱点の見える化のためにも、本当は何も見ないで解いたほうがいいです。しかし、ギリギリまでがんばってからその瞬間に答えを見ると、インパクトがあり、頭に残りやすいこともあります。
    体裁よく学習することが目的ではありません。知識を最も習得できる、自分に合う手法を選びます。

    答え合わせをする時は、試験合格に向けた知識を多く習得できる大切な時間です。過去問の解答解説ページには、誤答肢にも解説があります。正解肢だけでなく誤答肢についてもテキストを参照し、関連の分野の知識も幅広く吸収しましょう。2級・3級のテキストもこの段階で多く活用して、周辺知識を固めます。

    答え合わせが全問終わる頃には、最初のほうの学習内容を忘れていることが多いですので、2周以上やることをおすすめします。

    4~5週目|テキスト読み込み

    3周目に過去問を解いたことで、覚えるべき事項や学習のポイントがつかめています。ここであらためてテキストを読みます。今度は今までより詳細に、本質的な内容理解を伴った読み方です。
    たとえば色彩文化であれば、人名・年代・理論名とその内容、色彩理論であれば、模式図とその仕組みを覚えながら読み進める、といった具合いです。テキストには、重要箇所が太字になっているので暗記必須です。

    6週目|過去問2回目

    まだ手を付けていないほうの過去問を解きます。過去問1回目の時と同じく、自分に合った手法でOKです。1回目の過去問のときと類似した問題であれば、答え合わせ時にもう1つの過去問のほうも確認します。これによって出題のバリエーションも把握できます。

    1回目の時よりもスムーズに解答できることでしょう。1次試験は基本的に知識問題なので、効率的にテキストを読めていれば、この2回目では合格点である7割を上回っているかもしれません。

    7週目~|テキスト・過去問再確認

    過去問を2年分こなせば、知識の習得だけでなく、出題傾向や自分の得手不得手など、さまざまなことが明確になります。

    あとはテキストを徹底的に読み込むだけです。問題集を新たに購入、ということは考えません。出題範囲を越えた問題に対応する時間が無駄で混乱を招くからです。本試験では、ほとんどの問題がテキストからの出題です。応用力を養うとか、真の力を付ける必要はありません。貪欲にテキストを何回も読み、内容を理解することに全力を注ぎましょう。どきどき過去問を再確認して、忘れかけていた知識やポイント、設問傾向などを思い出します。

    試験まで残り1~2週間となったら、暇さえあればテキストを読みます。テキストを見なくても人名・技法・年代・理論・色・模式図・表・フローなどを口頭で唱えられるように、徹底的に読み込み、試験に備えます。





    おわりに

    色彩検定1級は、2級・3級を取得していなくても、効率的に勉強することで十分合格できます。ポイントは、毎日少しでもいいのでテキストを読んだり慣用色名を覚えたり、頭の中を色彩の事柄で埋めていくことです。
    筆者は実は、試験対策2カ月間の中で別の資格試験の提出物があったため、2週間ほど色彩学習から離れています。3級・2級を取得済みで、効率的に取り組めれば、1次試験の1カ月ちょっと前からの対策開始でも合格できると思っています。でも早いに越したことはありませんので、開始時期と1日の学習量を調整しながら進めてみてください。
    2次試験まであって大変ですが、ぜひ合格して、1級色彩コーディネーター資格証を手にしましょう。本記事が試験対策の役に立てば幸いです。










  • 色彩検定|慣用色名のPCCS対応表(参考資料)

    色彩検定|慣用色名のPCCS対応表(参考資料)

    色彩検定1級で学習する、慣用色名とPCCSの対応表です。2級・3級の慣用色名をだいたい網羅しています。

    慣用色名の色味によってはPCCSに1対1で対応しない色があります。本サイト以外で見られる対応表や専門家の判定とは異なる部分があるかもしれませんので、参考としてご利用ください。

    かっこ()書きは、特に判定が難しかった色です。かっこのなしのほうが有力な分類になります。




    vivid|ビビッドトーン

    bright|ブライトトーン

    deep|ディープトーン





    light|ライトトーン

    soft|ソフトトーン


    dull|ダルトーン

    dark|ダークトーン





    pale|ペールトーン

    light grayish|ライトグレイッシュ

    grayish|グレイッシュ

    dark grayish|ダークグレイッシュ

    black-white|無彩色











  • 上手な資料デザインに必要なこと、押さえるポイントは3つ

    上手な資料デザインに必要なこと、押さえるポイントは3つ

    仕事で資料を作成するとき、うまく作れないことはないでしょうか。
    この記事では、どうすれば上手に資料をデザインできるか、具体的な資料例を用いて解説します。




    資料を上手にデザインするポイントは3つ

    いい資料とはどういうものか考えると、見た目がきれいに整っいて、統一感のある配色で、何を伝えたいかひと目で分かるシンプルな構成、といったところです。これより、上手に資料を作るポイントは、以下の3つとなります。

    • レイアウト
    • 情報量

    文字の大きさや、貼り付け画像、文章など、さまざまな要素の検討は、上のポイント3つのいずれかに集約されます。
    レイアウト・情報量・色、それぞれのパートを上手に駆使することは、それなりに大変ではあります。しかし、これらがポイントであることを知っていて、少しでも改善するだけで、資料は良くなっていきます。

    レイアウト

    レイアウトをきれいに表現するにはいくつかのルールがあります。

    左右や上下などの整列
    関連する情報を近接
    重要度に差をつける対比

    これら3つをうまくコントロールできると、きれいで心地よく、情報の分類が分かりやすく、重要ポイントが見える資料になります。
    「反復」という考え方もあり、資料全ページ通してデザインルールを統一する、というものです。しかしここでは、1ページのデザインにフォーカスします。
    基本は、整列・近接・対比ですので、これらを1つずつ見ていきます。

    整列

    資料を構成する要素はたくさんあります。文章、画像、図形など。これらの位置を徹底的にそろえます。左端や中央、右端もそろえる、など、そろえ方のルールだけは決めておきます。
    以下は、そろえ方の一例です。左端をそろえ、右半分のグループの左端や、各グループの右端もきれいきにそろえています。

    たとえ各グループの文章量や画像の大きさがバラバラでも、整列するだけで統一感や清潔感が生まれます。

    近接

    図形でも文字でも、関連する要素はすべて近づけてグループ化します。関連の薄い要素や他のグループとは、明確な余白を設けます。

    これにより情報グループが見えやすくなり、資料を見る人の理解が深まります。

    対比

    要素にコントラストを設けます。重要な要素とそうでない要素の違いをはっきりさせることです。たとえば重要な要素は大きく太く、色を付けて、一等地に配置し、参考情報は小さく…といった具合いです。

    資料を見た人は、瞬間的にどれが重要ポイントか分かります。作り手が伝えたいことを確実に伝えることができます。




    情報量

    文章や図形、画像などの個数や、各要素のボリュームがコンパクトにまとめられていると、レイアウトしやすくなり、きれいに作ることができます。
    つまり、情報量がしっかり集約されていることで、情報グループ間の余白を十分に確保できたり、要素を整列させたりしやすい、ということです。
    レイアウトしやすい、といった作成者側のメリットのほか、資料を見る人が情報収集にかける負荷が格段に少なくなります。伝えたいことが確実に伝わる資料になります。

    情報量モリモリの資料の例です。

    何を伝えたいのかさっぱり分かりません。情報量を削減してポイントを絞ると、以下のようになります。

    仕事での資料では、見る人・読む人に受け取ってもらいたい重要ポイントがあるはずです。そこにごちゃごちゃと関連情報を盛り込み過ぎると、重要ポイントがぼやけて、何がいいたいのかよく分からない仕上がりになります。
    どうしても資料に含めたいときは、参考資料として巻末に設けるか、外部サイトへのリンク、サイト名やURLの記載など、情報の出し方に緩急をつけます。




    色のことだけで1つの確立した専門分野です。色の技術をマスターするのは難しいですが、資料作成に必要なテクニックをいくつか習得するだけでもだいぶ違います。

    資料作成に役立つ基本的なテクニックは、以下になります。

    使用する色数を限定する
    適切なイメージカラーを選択する
    文章は読みやすい明るさで表現する

    色数の限定

    目立たせたいと思って、ついついたくさんの色を使ってしまうことがあるかもしれません。しかし、たくさんの色を使ってしまうと、色情報が多すぎて、どの色が何を意味しているか分からなくなります。

    多色にて資料を作る確たる事情がなければ、徹底的に色数を減らします。基本色は黒、強調させる箇所だけ色を付ける、といった具合いにルールを決めてしまえば、「ここは何の色で目立たせたようか…」という悩みもなくなります。資料を作る時間も大幅に短縮できます。

    たくさん色を使った例です。

    使用する色を、文章の黒と、強調部分の青に絞ると以下のようになります。

    この例ではレイアウトも変えていますが、色を限定することで、色に惑わされることがなく、また統一感が生まれ、肝心の文字情報に集中できます。

    イメージカラー

    色にはイメージカラーがあります。資料の内容に合う色を選ぶと、自然な見た目になります。

    標準的な色が持つイメージの例を挙げます。
    あか  |警戒、注意、情熱
    きいろ |注意、幼稚、元気
    みどり |若さ、未熟、自然
    あお  |まじめ、冷静、孤独
    むらさき|高貴、上品、不安定

    そのコンテンツに合う色を正しくとらえることが大切で、さみしいからカラフル、ということにはしません。また、「強調したいから赤」という考えも、必ずしも効果的とはいえません。上に挙げた5色以外にもたくさんの色がありますし、複数の色を選択した場合、もとの色とは異なる印象を与えます。

    いくつかの色を使って、そのコンテンツが持つ印象を表現してみます。無意味にカラフルに作ってしまった資料です。

    色から何のイメージも伝わってきません。たくさんの色を使っている、ということも問題です。ワインがテーマであればその色をイメージします。たとえばブドウの実と葉っぱ、枝などをイメージする、と決めたらその色をバランスよく使います。

    答は1つではありませんが、決めたイメージカラーは、資料全体を通して統一して使います。

    読みやすい明るさ

    色数を限定したり、イメージカラーを付けたり、いろいろ対応しても、見栄えがにぎやか過ぎて見にくい場合があります。
    これは、色の明るさ(明度)の調整が不十分なことにより起こります。
    イメージカラーを青に設定しても、その青がギラギラした標準色の青であれば、「イメージを感じる」より「まぶしくて見えない」という印象の方が強くなります。

    色数は限定していますが、鮮やかな色で構成した例です。赤も緑もギラギラして見にくく、文字の色も墨で塗ったような黒で読む気になれません。

    赤も緑も黒も、ちょうどいい明るさに修正することで、下のように心地のいい見栄えになります。

    まっ赤な色は、類似の色相である茶色を穏やかな明るさにしています。ある程度の長さの文章を読む場合、背景白で真っ黒が文字は避けたほうが無難です。

    色数やイメージカラー設定だけでなく、さらに読みやすい明るさにすると、一気に資料の完成度が上がることが、お分かりいただけたと思います。

    まとめ

    上手な資料デザインをめざして完成度を上げるには、レイアウト・情報量・色、の3点に気を付けると効果的、という解説でした。
    いきなりうまくはいかないかもしれませんが、何が問題でうまくいかないか分かることで、対応箇所が明らかになります。
    レイアウトや色は、多少掘り下げないといけませんが、できる範囲で問題ありません。この記事での改善サンプルを参考にして、ぜひトライしてみてください。









  • PowerPointスライドのビジュアルデザイン化の事例、色によってもこんなに印象が変わる

    PowerPointスライドのビジュアルデザイン化の事例、色によってもこんなに印象が変わる

    PowerPointの資料作りや、チラシ、ポスターなどを作っていると、なかなか大変だと感じることが多いと思います。
    レイアウトをしっかり整えるだけでも見映えを改善できますが、より効果的に仕上げるには要素から文字まで総合的にビジュアルデザインを適用し、その上、配色にも気を配ります。完成度の高いスライドに仕上げるには、やや高いテクニックが必要になります。
    この記事では、実際のスライドのビジュアルデザイン化についてご紹介します。

    元スライド

    このようなスライドがあります。

    ギュッと詰まった感じや、賑やかな色使いに圧倒されてしまいます。




    資料をビジュアルデザイン化する

    この資料の修正ポイントは以下のようになります。

    • 適切な余白を設けて要素を整列させる
    • 関連要素ごとに明確なグループ分けをする
    • 重要語句、読み物、イラストでメリハリをつける
    • 全体のギラギラ感を緩和する
    • 適切な色使いを適用する

    これらの観点を踏まえて修正すると、このようになります。

    スッキリと風通しの良いレイアウトになっただけでなく、全体的に落ち着いた雰囲気の中に重要ポイントがしっかり浮き出てくるのが分かると思います。
    イメージさせる色は、段ボール箱の色からくる薄茶色で設定しています。

    イメージカラーを吹き込む

    先ほどの修正例では、3つ目のイラストに赤色が施されているため、その赤に悪目立ち感があります。用意されている素材にそもそも不備があるわけです。

    資料全体を通して完成度を上げるためには、イメージさせる素材にも気を配ります。元のイラストをすべて削除してピクトグラムを制作します。ピクトグラムとは、単色で表現するイメージイラストです。
    このピクトグラムを用いることにより自分で好きなように配色できるため、全体の仕上がりをコントロールできるわけです。

    今回、イメージカラーとして青を設定します。このようになりました。

    具体的なイラストを用いなくても、ピクトグラムで十分に理解促進の機能を持たせることができました。また、全体で青色のもつ性格である「真面目」「冷静」などのイメージを全面に押し出すことができました。

    配色を変えると、また違った印象になる

    もし、資料が複数ページで全体的にエコ(環境保護)なイメージで通したい、という事情があれば、緑を配色します。

    純色の緑だと、少し重い感じが出るため、少し青みに寄せた緑を採用しています。スッキリとした印象になります。

    まとめ

    以上、にぎやかなレイアウトや配色の元資料にビジュアルデザインを適用した例でした。レイアウトを整えるだけで、ひと目で理解できる効果的な資料に変身させることができます。
    配色に関しては、さまざまな配色パターンはありますが、ここでは青や緑を単独で使用した例をご紹介しました。色には性格があって、その配色を施すことにより、その色がもつ印象をぐっと前面に押し出す効果を見ていただくことができたと思います。
    さまざまな色によるパワポ資料についても、またご紹介したいと思ます。









  • テレビ番組で見られるフリップボードの紙面デザインはマネしないほうがいい

    テレビ番組で見られるフリップボードの紙面デザインはマネしないほうがいい

    会社での資料作りを上手にやりたい、ということで、ほかの人の資料を参考にすることがあると思います。
    ここでは、資料作りの際に参考にしてはいけない「テレビの報道番組に見られるフリップボードの紙面のデザイン」について語ります。

    なぜ、テレビの報道番組でよく見るフリップボードは参考にしてはいけないのでしょうか?
    それは、ビジュアルデザインの法則に従っていないからです。ビジュアルデザインの法則はさまざまな捉え方がありますが、実質的には以下の3つです。

    • 近接
    • 関連要素を近くに配置、そうでない要素を離す

    • 対比
    • 重要な要素を強調、参考程度の要素を控えめに

    • 余白
    • 要素の周りや全体に一定のスペースを設ける

    人に見せて説明するビジネス資料作成の際、ビジュアルデザインの法則を適用するのとしないのとでは、訴求力や分かりやすさ、与えるストレスなど、大きく異なります。


    以下の2つの資料、見ていて内容が瞬時に頭に入ってくるのはどちらでしょうか?


    言うまでもなく、下の資料です。ポイントをつかんで、伝えるべきことが明確にされている、という感じです。「読む」という行為も必要もありません。

    テレビの報道番組でよく見る、フリップに印刷されたデザインやレイアウトは、どちらに似ているでしょうか?
    もちろん上の資料です。筆者が悪い例として作ったものなので、報道番組のフリップボードの紙面デザインは、さすがにここまで酷くはありません。しかし雰囲気がそっくりなことには気付いたと思います。

    報道番組のフリップボードの紙面デザインをマネしてはいけない理由は、以下の通りです。

    • 色の使い過ぎで、その色が何を示しているのか不明
    • ひとつの紙面の中で文字フォントがバラバラ
    • ひとつの紙面の中で複数のテイストのイラストや写真が使用され、落ち着きがない
    • ネット上の無料イラストが使用され、安物感が出ている
    • イラストが多すぎてなおかつ小さい
    • 狭い紙面領域に文章や文字が敷き詰められて見にくい
    • 関連要素もそうでない要素も近接していてまとまりがない

    このようにさまざまな理由がありますが、テレビ番組のフリップボードの仕上がりを否定しているわけではありません。
    テレビ番組では、毎日フリップボードを作らないといけません。そこにデザイナーの添削や作り直しを挟んでいたら本番にはとても間に合いません。

    テレビ番組は長時間にわたって観てもらえるよう工夫が必要です。大胆なレイアウトや、カラフルなデザインのフリップボードに仕上げることで目を惹き、ほかのチャンネルに変えられないようにしたり、消されたりしないようにします。とにかく惹き付ければOKです。


    テレビマンが作るテレビ番組のフリップボードに対して、ビジネスマンが作る発表資料や報告資料は、以下のように相違点があります。

    • 関係者に見られ読まれることが前提にある
    • 内容把握してもらい、決定、評価、代替案など、次のアクションがある
    • 限られた時間で重要ポイントを確実に読み取ってもらう

    テレビ番組のフリップボードのデザインは、ビジネスマンが作る資料のデザインとは別物であることを知っておきましょう。


    まとめとして、以下のことを心得ておきます。

    • テレビ番組のフリップボードのデザインは、まねしない
    • ビジネスマンの資料作りには、ビジュアルデザインを適用する
    • ビジネスマンの資料とテレビのフリップボードは目的が異なる

    以上、テレビ番組のフリップボードの紙面デザインに関するお話でした。

  • PowerPointを使った会社の資料作りはかんたん、作成例でデザイン徹底解説

    PowerPointを使った会社の資料作りはかんたん、作成例でデザイン徹底解説

    PowerPointを使った資料作りを、実例を用いて徹底解説します。

    ダメダメな資料からスタートして、少しずつ手入れをしながら、誰にでも伝わる資料に仕上げていきます。

    早速スタートしましょう。

    最初に作った資料

    以下のような資料から始めます。「品質改善に関する説明会」の告知で、人通りのある廊下に掲示する、という想定です。

    文章、文字、配置、色、イラスト、どれを取っても褒められる要素は何ひとつありません。
    ごみ捨て場の貼り紙か、詐欺広告のようです。
    このいまいちな資料も、レイアウトに気を配るだけで見映えが改善されますので、これから、まず4つのレイアウト改善を行います。
    その後に各要素の改善、応用編としてデザイン要素を入れていきます。

    レイアウトの解説に特化した記事もあります。
    お仕事で資料を上手に作るコツ、例を挙げて資料作成の基本、レイアウトを解説




    レイアウト改善1 スペースの確保

    全周にスペース(余白)を確保

    スペースを確保するだけでも見やすくなります。タイトルと内容の間にもスペースを設けることですっきりしました。
    入りきらない場合には、文やイラストを削減するのですが、ここでは要素のサイズを小さくして、後で削減します。

    レイアウトの改善2 揃える

    要素の配置を揃える

    各項目タイトルに対して内容の頭を揃えると、項目に対する内容が明確になり、対応表のように見えてきます。
    イラストは、縦横長さを揃えてぴったり並べると、スペースが生まれ、目線もスムーズに流れます。

    レイアウトの改善3 グルーピング

    関連する要素をひとつの塊にして、関連しない要素とのスペースを取る

    この資料のタイトル以外の部分は、以下の3つの要素に部類分けできます。

    • 前書き
    • 概要
    • イラスト

    これらの塊でグルーピングすることで、見た瞬間に情報を部類分けできるようになります。

    レイアウトの改善4 強調する

    強調させるべき所を大きく目立たせて、そうでない部分との差別化を図る

    最初に作った資料では「説明会に参加頂きますよう」と「クレーム削減」が、太字やアンダーラインにより強調されていました。しかし、この資料の内容からして、本当に強調すべきことではありません。この資料の作り手は、そこに気持ちがあったのでしょうが、この資料で最も伝えたいことは明らかに、説明会の日程や場所、またはプロジェクトや説明会の存在です。

    レイアウトがそれなりに整ったので、この後は各要素を見ていきます。

    不要なイラストを削除

    イラストは、必須でなければ削除

    ビジネスには不向きなイラストが多く使われていたので、すべて削除しました。イラストを使うことで内容の理解を促進できるような使い方でなければ、使用は避けるべきです。そのテイストにより資料の雰囲気を左右してしまいますので、注意が必要です。
    大きく使ってイメージを一発で代弁してくれるような使い方ができなければ、一切使わずに内容で勝負します。

    枠線

    枠線をすべて廃止

    背景要素の枠線は、落ち着きのないイメージが増してしまいます。囲いの内側と外側に対して別の色を使うことになるため、色の数が増えてうるさくなり、境界線も複数発生します。
    タイトルと内容の間の境界線も含めてすべて廃止することですっきりします。文章や内容に十分集中できるようになります。
    下の3つの四角の各コーナー部分の丸みを廃止しました。角丸になると形状が複雑なので、必要がなければ直角を採用します。角を丸くするのは、以下のような場合です。

    • 金属パネルやプラスチックパネル、部品などの角が尖っていると危ない
    • シールやステッカーの角が尖っていると、そこから剥がれやすい

    資料で、どうしても角を丸くしたいなら、角丸寸法を統一し、徹底してその形状を全ページに使い続けます。
    角を丸くすると、印象としては「親しみやすさ」となります。

    背景色、文字色、影

    背景の色、文字の色を修正し、下の3つの四角に設定されている影効果を廃止

    背景の色を、標準色のピンクや紫などビジネス向きではない痛々しい色から、落ち着いた色に変えることで、全体的な印象が洗練化され、情報の信憑性が増します。ちなみに青系は、色として、誠実・慎重・落ち着きなどの性格をもっているため、この資料の「品質」のイメージと合うため採用しました。
    真ん中の項目に使用されていた赤文字も、すでにグルーピングされて存在感がありますから、わざわざ派手な配色にする必要はありません。
    影効果は必須ではありません。ボヤっとして見にくく、要素情報が無駄に増えるだけなので、廃止したほうが見やすく上品になります。

    フォント、スタイル、行間

    文字フォントをゴシックに、スタイルは標準、文章の行間を空けて、見やすく、読みやすく

    これまでは、タイトルにデザイン書体、内容部分に明朝体を使用していました。デザイン書体は、文字の判別がしにくい上、幼稚な印象が増します。明朝体は、小説のような長文には向きますが、この程度の文字量なら視認性を優先します。よって游ゴシック体で統一します。游ゴシック体は、読みやすく、視認性も優れた、クセのないフォントです。
    文字スタイルは、基本的に標準でいきます。タイトルや項目名に施されていたアンダーラインを廃止します。アンダーラインは、文字が読みにくくなるだけで、強調目的としてはいまいちです。
    文章の行間はびっしり詰まっていましたが、適度にスペースを設けることで、読みやすくなります。行間を整えることでスペースが足りない場合には、文字を小さくするだけでなく、不必要な情報を削ぎ落とすことも考えます。「注意事項:私語厳禁、は、当たり前」という判断で、丸ごと削除しました。
    せっかく行間を手入れしたので、項目名の文字数を2文字に合わせます。これで、項目名と対応する内容が、きれいに配置されました。

    囲み

    囲み(背景)を見直し

    内容部分全体に敷かれていた背景を無くします。タイトル部分と十分にグループ分けされていますので、塗りの必要はありません。どうしても色バックを敷きたい場合は、無駄な境界線を作らないためにも、囲むのではなくバック全体を配色します。
    背景の塗りを廃止したら、下の3つの四角の色をキーカラーの青系に変更します。これによって色の統一感が増します。

    文章、内容

    内容へのてこ入れ、余分な情報を削除

    タイトルは、「~の内容についてのお知らせ」となっていますが、内容に関することは、まったく記載されていません。どう見ても「説明会のお知らせ」です。端的に「説明会」で区切って問題ありません。

    前書き部分は、
    「プロジェクトを実施することになった」
    ⇒口頭で伝えるならあってもいいですが、わざわざ文章で書き表すほどでもありません。タイトルに「プロジェクト」とあるので、分かりきっています。よって削除OK。
    「事業部長が後押しする~」
    ⇒このように、プロジェクトの存在アピールや説明会開催に関する情報提供を主とした1枚資料には、誰々がどうした、という内部事情は余計な情報です。これも削除です。
    「下記の概要をご覧頂き」
    ⇒言われなくても読むことが想定されますので、余計なことは書かなくても大丈夫です。ちなみに、「下記の」は誤りです。「下記」と書いたら、下に「記」「以上」と記します。

    各項目部分は、
    「目的」
    ⇒詳細過ぎます。説明会の中で言えばよいことなので、削除します。
    「内容」
    ⇒あってもいいですが、これも説明会で話せばOK。

    下の3つの四角の中身ですが、キャッチフレーズか、目標か、対象物か、位置付けがバラバラで何が言いたいか分かりません。真ん中の四角の中身を分解して並べてみました。「製品」「サービス」「工程」をそれぞれ漏れなく品質工程させる、とパッと見で分かるようにしました。その下に主管部門名を明記して信憑性を確立させます。

    もし各部門への個別連絡をしない、一斉メール配信が遅くなった、という場合は、「日程」と「場所」の2行のサイズを大きくしてもいいです。

    ビジネス資料の基本としては、だいたいこのくらいまで出来ていれば、OKです。


    まとめ

    資料を上手に作れると、情報の整理、問題点や訴求ポイント把握が明確になり、ビジネススキルアップだけでなく、周りへのアピールにもなります。ぜひ本ページのテクニックを生かしてみてください。







  • お仕事で資料を上手に作るコツ、例を挙げて資料作成の基本、レイアウトを解説

    お仕事で資料を上手に作るコツ、例を挙げて資料作成の基本、レイアウトを解説

    会社で資料作成をしていて、うまく作れない、ということはないでしょうか。
    この記事では、資料作成をするときの「最低限これを意識すれば伝わりやすい資料になる」手法について解説します。




    資料を上手に作るメリット

    資料を上手に作ると、以下のようなメリットがあります。

    • 自分の伝えたいことが相手にすぐ伝わる
    • 作成のコツをつかむと作成時間が短縮される
    • 作成中に、伝えたいポイントを再確認できる
    • デザインの性質を理解できる
    • ビジネススキルとして評価される

    資料作成のコツをつかめていると、長い人生の中で、資料を作ったり、ホワイトボードに板書したり、ちょっとしたお絵描きやメールなど、さまざまな記述行為に対して、そのデザインのスキルが生きてきます。全てのビジネスマンが習得すべきスキル、といっても過言ではありません。

    上手な資料とは

    上手な資料とは、どういうものでしょうか?
    x キレイな資料
    x カラフルな資料
    △ 読みやすい資料
    相手に伝わる資料

    資料を見た人が理解できないと、こちらが伝えたいポイントや本質を理解してもらえず、結局何を伝えたいのか分かってもらえない、ということになります。

    • どのような項目に分かれているか
    • 何がキーポイントか

    などを明確に表した資料に仕上がっていることが重要です。

    資料の中身を構成しているものは、
    文字

    図表や挿し絵など

    です。そしてこれらを的確に
    配置
    することで、相手に伝わる資料を作成することができます。

    誰に見せるかによって作り方は異なる

    資料を作る時には、その資料を見せる相手が必ずいます。その見せる対象によって作り方はガラリと変わります。上司や経営層に説明する場合と、同じ課のメンバーに説明する場合では、使用する言葉や詳細説明の有無など変わります。年齢層によって、文字のサイズを大きくしたり小さくしたり、調整します。

    説明(発表)があるか、ないか

    作成した資料を用いて説明や発表の場があるかないかで、その作り方も変わります。

    • 説明がある
    • 文章は少なめで、キーワードを中心に記載
    • 説明がない
    • 文章での説明を多めに

    もし発表を聴く人のなかに、聴覚障がい者がいたら、手話通訳者が同席していてとしても、文章による注釈を付けた資料に仕上げると、配慮のある資料になります。
    この場合、その発表会のキーパーソンや進行役の人には、事前に「聴覚障がい者配慮のため、発表資料内の文字数を多めにしている」旨を伝えましょう。




    構成要素の配置が重要

    構成要素とは、文、キーワード、図表、グラフ、写真などのことです。これらをどのように配置するかによって、伝わりやすさが決まります。
    冒頭で書いた、「最低限これを意識すれば分かりやすい資料になる」というのは、この「配置」をキチッとやることです。
    前置きが長くなりましたが、この資料作成の肝となる配置のルールについて解説していきます。

    1. スペースを確保する、余白

    資料に盛り込む要素と要素の間や、端っこにはスペースを設けます。いわゆる余白のことです。
    これにより、窮屈な感じがなくなり、目線が、タイトル、文章や挿し絵などの要素にフォーカスし、訴求力が高まります。

    スペースが確保できていない悪い例

    スペースが確保している良い例

    解説

    • 全周にスペースを設けて、窮屈感を緩和する
    • 上下のスペース、左右のスペースはそれぞれ等しく設ける
    • タイトルと記事の間、記事と記事の間にもスペースを設けることで、異なる要素であることを明確にする
    2. 位置を合わせる、整列

    資料には複数の要素がありますが、盛り込んだ要素を上端や左端などにピシッと合わせます。
    当たり前のようですが、これを徹底するだけで真面目なビジネス資料に見えてきます。

    位置合わせができていない悪い例

    位置を合わせた良い例

    解説

    • タイトル、緒言、メニューなど、要素を全て左揃えすることで、資料が整頓されている印象を与える
    • メニュー要素同士を、上端、左端を合わせることで全体が整う
    • 要素の下端や右端も合わせられれば、なお良い
    • タイトルを左寄せにしているが、帯を付けたり、特別に目立たせる場合、中央寄せもOK



    3. グループ分けする、近接

    関連のある要素をまとめて、他の要素と区別します。
    スペースの確保とやや似ているようにも感じるかも知れませんが、単純な見やすさのためのスペーシングとは異なります。説明文章とそれに関連する挿し絵があり、それが三種類あるとすれば、パッと見で分かるようにそのグループを作り、説明しなくてもそのグループ感が分かるように配置します

    グループ化を無視した悪い例

    グループ化した良い例

    解説

    • メニュー1に関する要素は、全てひとつの塊にすることで、説明文とイラストを照らし合せながら見れる
    • 各メニュー要素ごとに分類を明確にするために、各メニュー要素間のスペースを設ける
    • メニュー1と2の隙間、メニュー1と3の隙間を比べると、メニュー1と3の隙間が広い
      ⇒目線は、メニュー1→2→3→4 の順に流れる(配置により目線を誘導する)
    4. 強調させる、コントラスト

    強調させたい要素と参考情報的な要素を区別します。強調させたい要素は、大きく目立たせます。概要や説明、参考情報はそれよりも小さく配置して、その資料を見る人の目が、強調したい要素に自然に目がいくようにします。

    強調していない悪い例

    強調を意識した良い例

    解説

    • 強調したい要素があれば、目立たせることで、目線がその要素に集中する
    • サブ的な内容は、強調要素と差別化するために、見出しを小さい文字サイズにする、挿し絵を小さくする、説明文を少なくするなどする
    • 強調する見出しタイトルを大きくすることで全体のバランスが悪くなる場合には、上部の大タイトルを更に大きくすることもOK

    以上が伝わる資料を作成するための基本的なコツになります。
    その基本をわきまえた上で、プラスアルファのコツについて説明します。

    配置の規則性は全ページ統一する

    資料というのは、1ページだけにとどまらず、複数ページにまたがることも多いです。その場合、これまでの1~4の配置の規則性を繰り返すことが重要です。ページごとにその規則性が統一されていないと、資料を見る人は、混乱してしまいます。




    その他、伝わりやすくするための表現方法

    文章量の調整
    伝わりやすくするためには、スペースやグループ化などが必要になります。そのためには、無駄に長い文章を短く書き直すこともあります。こんな感じです。
    「目的|従来からコストを5%下げることにより販売促進を狙う」

    「目的|コストダウン5%による販売促進」

    「目的|CD5%による販促」
    といった具合に、紙面の都合により文章量を調整することができるようになると良いです。あとは口頭での説明で補足すればいいのです。

    要素に背景を敷く

    • 要素間にスペースが設けられていることが明確に見える
    • 文章や挿し絵が複雑な場合や、右端、下端を同じラインに揃えられない場合に、色背景を敷くと、グループ分けも明確に見える
    • 背景は薄い色がおすすめ
    • 背景に枠線は不要(複雑に見えるため)

    タイトルに帯を付ける

    • タイトル、取り組みテーマの存在をアピールしたい時には、上部タイトルに帯を敷く
    • 帯色は濃すぎない色がいい
    • 文字は白が良い(帯も文字もカラフルだと落ち着きがなく、ビジネス用途としては不向きのため)
    • 目立たせるといっても、タイトルにアンダーラインは避ける (ごちゃごちゃした印象になるため)

    タイトルと小見出しに帯を付ける

    • 小見出しにも帯を付けることで、ひとつひとつのメニューや取り組みに目線を誘導する
    • 小見出しの帯色には、タイトルの色と同系の色や明度を上げた色(薄い色)を適用すると、階層構造が見えて分かりやすい
    • 小見出しに帯を付けた場合、文章やイラストなどをまとめた塊には色背景を敷かない(小見出しの帯だけで十分グループ分けできているため)



    まとめ

    文字や挿し絵などの表現そのものも、もちろん大切ですが、本記事で紹介した、的確な配置を心がけることで、伝わる資料を作ることが出来ます。
    何度か作っていくと、資料作りの勘所が見えてきます。そして、「あなたの資料は本当に分かりやすい」と必ずどこかで言われる時がきます。
    資料作成は、本記事で解説した内容よりもっと奥が深く、極めて重要な資料はプロのデザイナーが作成する、ということがあるくらいです。しかし、忙しいビジネスマンにとっては、本記事の内容を実行するだけでも十分なビジネススキルアップが期待できます。ぜひ、実行してみてください。