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読みやすい文章表記について、日常的によく書く基本的な表現をご紹介します。

基本は「記者ハンドブック」だが、ある程度は知っておくとよい

文章表記のルールは、「記者ハンドブック」を1冊所持していれば、網羅的に把握できます。しかし、文章を書くたびに手元で調べながら書き進めるということはなかなか徹底できず、時間的にも難しいかもしれません。

すらすらと正しく文章を表記するためには、一般的なものは、把握しておく必要があります。そこで、日常のメールや資料作成、昇格試験の論文などに活用できる、基本的な文章表記50選をまとめました。
この程度頭に入れておけば、効率的に読みやすい文が書ける、という表記です。

以下の50選は、「記者ハンドブック」を参考にしてはいますが、抜粋ではありませんので、ご注意ください。最終的には「記者ハンドブック」を閲覧くださいませ。

では、このあと、文章表記50選です。




読みやすい文章表記50選

1. ある
「無い」状態と比較して「ある」場合は「有る」、それ以外は「ある」。
・有り余っている
・その通りである
・一理ある
・世の中にはこういうものがある

2. いう
口から言葉で発している状態を指す場合は「言う」、それ以外は「いう」です。
・その行動は教師の鏡といえます
・世間とは、そういうものです
・彼は、「いいよ」と言った

3. いか
「以下」と書きます。海の「イカ」は別です。
通達や回覧板での連絡で「下記の」書くときがあります。その下の、中央に「記」と大きく書かないのであれば、「以下の」が正しいです。

4. いく
ある場所からから他の場所へ、物理的に移動するのでなければ、ひらがなで書きます。「逝く」は別です。
・取り組みを推進していきます
・明日、京都に行きます

5. いただく
物事をもらう、受け取る状態であれば「頂く」と書きます。謙譲語の助動詞として使うなら「いただく」です。
・素敵な贈り物を頂きました
・こちらに書いていただけますか

6. いつ
「何時」ではなく「いつ」と表記します。

7. いる
その場所に物理的にいる状態では「居る」、それ以外は「いる」。
・今、家に姉が居る
・私には姉がいる

8. うまい
「美味い」「上手い」、すべてひらがなで表記します。
・この料理はうまい
・この料理はおいしい
・英語がうまいですね
・英語が上手ですね

9. おく
物理的にどこかに置く場合は「置く」、それ以外は「おく」
・本を机の上に置く
・安全策を設けておく

10. および
ひらがなで書きます。「~に相当する」の意味をもつ場合は「及び」
・AおよびBが対象です
・数百に及びます

11. おこなう
「行う」が正しい書き方です。
「おこなって」⇒「行って」と書きます。

12. きく
きこえる状態は    「聞く」
集中してききいる場合 「聴く」
質問する場合     「訊く」
「きく」人が熱心であれば「聴く」と覚えるとよいでしょう。
「訊く」はややマイナーですので、読めない人もいます。「質問する」と表記すると確実です。
・彼が来る、と聞いてます
・先生の話をちゃんと聴く

13. ください
「ちょうだい」というニュアンスの場合は「下さい」、文末の助詞として使用するときは、「ください」
・これを私に下さいますか
・こちらをご利用ください

14. こと
「事」ではなく「こと」で表現します。
・そういうことです
・やることがたくさんある
・その事柄が大切です

15. ごとに
「毎」ではなく、ひらがなで表記します。
・10分ごとにチェックします

16. さまざま
ひらがなで表記します。
・さまざまな意見があった

17. さらに
ひらがなで表記します。
・さらに成長した。

18. したがって
何かに対して従う場合は「従って」、接続詞としての使用では、「したがって」。
・手順書に従ってください
・したがって、そういう結論になる

19. しにくい
ひらがなで表記します。
・それは理解しにくい

20. しやすい
ひらがなで表記します。
・それは理解しやすい

21. しれない
基本的に、ひらがなで表記します。「知っている」かどうかが重要です。
・失敗かもしれない
・知れたものではない

22. すぎる
程度が過ぎている様子では「過ぎる」、単純に超えているだけの様子は、「すぎる」。動詞では、「過ぎる」
・それはやり過ぎです
・2時すぎに開始します
・2時間が過ぎぎた

23. すべて
ひらがなで表記します。

24. たとえば
ひらがなで表記します。動詞で表記する場合、漢字になります。
・いくつか方法があります。たとえば、
・これを動物に例えるなら
・例を挙げます

25. たしか
接頭語として使う場合、ひらがなで表記します。意味が「確実」と置き換えられる場合には「確か」。
・たしかに、その方法がいい
・その方法が、確かである

26. たび
「~のたび」は、基本的にひらがなで書きます。「旅」は別です。
・そのたびごとに、対応する
・帰省するたびに、結婚しろと言われる
・度重なる失敗

27. ため
「為」ではなく、「ため」で表記します。
・不在のため、対応できない
・ためになる
・外為

28. つける
くっつけるイメージの「つける」は、基本的に「付ける」です。「漬ける」「就ける」などは別です。
・薬を付ける
・ここに取り付ける
・気を付ける

29. つながる
ひらがなで表記します。

30. とき
「~の場合」で変換できるときには「とき」、時間的な意味合いをもつときには「時」。
・間違いのときは指摘する
・同じ時に起こった

31. ところ
物理的に場所を示す場合には「所」、それ以外は「ところ」。
・ほかの所にある
・募集したところ、応募はなかった

32. ない
ある・なしの「ない」も打ち消しの「ない」も、ひらがなで表記します。

33. など
ひらがなで表記します。

34. なる
基本的にひらがなです。成し遂げられる意味をもつ場合は「成る」。
・そういうことになる
・気になる
・成り上がる

35. 一人ひとり
このように書きます。

36. ほか
ひらがなで表記します。
・Aのほかに、Bも実施します
・そのほか、たくさんあります

37. ほしい
手に入れたい意味を含む場合は「欲しい」、語尾に助詞としてつける場合は「ほしい」
・このおもちゃが欲しい
・これを買ってほしい

38. ほど
程度、度合いを意味する場合は「程」、それ以外は「ほど」。
・どれ程か気になる
・練習するほど上達する
・先ほど終わった

39. また
接続詞としての使用では、ひらがなで表記します。
・AまたはBを選択する
・Aです。また、Bのときもあります
・また会いましょう

40. まとめる
ひらがなで表記します。

41. みなさん
ひらがなで表記します。

42. みる
物理的に目で見る場合は「見る」です。接尾語として使う場合は「みる」。
・昨日、青い海を見た
・新しい方法を試してみる

43. もちろん
ひらがなで表記します。

44. もつ
物理的に手で物を持ち上げるような行為は「持つ」、それ以外は「もつ」。
・両手で持ってください
・同じ意見をもつ
・今回をもって終了する

45. もっとも
「最上級」の意味をもつ場合は「最も」、「そうですね」のような同意の意味ももつときは「もっとも」。
・最も硬い材料
・ごもっともな意見です

46. もの
物理的な物体の場合は「物」、それ以外は、「もの」。
・軽い物なら持てる
・答えられるものは答える
・手作りもいいものだ
・物事には順番がある
・もの珍しい演出

47. もらう
「貰う」は使用せず、物をもらう場合も、接尾語として使う場合も、「もらう」を使用します。
・たくさんの野菜をもらう
・緊急時に助けてもらう

48. よい
良い、悪い、で変換できる場合は「良い」、それ以外は「よい」。
・良い例をご覧ください
・安全装置を設置すればよい

49. ように
ひらがなで表記します。「ようす」は「様子」です。
・ご説明したように
・このような内容

50. よる
~による、というニュアンスです。
・状況によって変わる
・それは時と場合による




まとめ

この基本的な50表記を把握しておくと、かなり書けるようになりますので、ぜひ覚えてみてください。
ここで挙げた表記は、全ルールのごく一部になります。正しい文章表記で書きたい、という場合には、「記者ハンドブック」を購入し、常に手元に置いておくことをおすすめします。その都度調べて、正しい表記を身につけて、文章を書くことを特技にしてみてはいかがでしょうか。