投稿者: Webライター

  • 技術職に就くなら大学で専門の学問を学んだほうがいい、具体的な理由

    技術職に就くなら大学で専門の学問を学んだほうがいい、具体的な理由

    成果主義、実力主義が一般化してきた現代社会では、学歴が問われることは少なくなりました。しかし、大学で体系的に広く学問を学んでいないと苦しくなる職種があります。技術職です。
    医師、弁護士、薬剤師など、大学での学問と国家資格ありきですが、電気、機械、化学といった技術職は、その職に就くための資格は必要ありません。会社によっては希望によりその技術職に就けてしまう場合があります。
    この記事では、技術職に就くために大学で学ぶ必要があることについて解説し、さまざまな具体的事例をご紹介します。

    理系の大学で学ぶことは? おさらい

    学部や大学によって異なる部分もありますが、理系の学部では以下のようなことを学びます。

    • 専門分野
    • 専門基礎分野
    • 専門の実験・演習
    • 語学
    • 一般教養やスポーツ

    たいてい専門分野の科目ボリュームが最も大きく、難易度も高いです。
    専門基礎分野というのは、幾何学や微分積分、力学などで、専門教育の基礎となる学問です。
    専門分野における実験や演習も多く課せられていることで、座学だけでなく実際のモノの仕組みや現象、理論を体感できる機会を経験します。
    語学については英語が必須で、第二外国語として中国語やフランス語、ドイツ語などが課せられる場合もあります。これらに加え選択科目としてイタリア語、ロシア語、韓国語などさまざまな言語を学ぶことも可能です。
    一般教養は幅が広く、文学、教育学、考古学、経済学、数学などほとんどの人文科学・社会科学・自然科学の科目を学ぶことができます。スポーツの授業やスポーツ科学も選択できる大学が多いです。

    このように大学では、専門科目を中心とした多くの学問を修めます。ひとくちに「電気科で学びました」と言っても、体系的に電気について学び、関連する学問や語学をはじめとするそれ以外の教養を広く学んだことを意味します。




    技術職のためになぜ大学で学ぶ必要があるか

    仕事で技術的な業務を1つ遂行する場合、その行為そのものの知識だけでなく、本人も気付かないくらいに多くの周辺知識が生かされています。

    たとえば機械設計を例に挙げます。「ある装置にモーター機構を追加する」という設計行為にあたっているとき、どのような知識が用いられているでしょうか。

    「要求する駆動スペックと寸法を確認して専用のカタログからふさわしいものを選び、CADデータをダウンロードして図面や3Dモデルに落としこむ」
    一見、問題なさそうですが、これはただの設計オペレーションです。
    今回の設計行為の場合、以下のような知識やスキル、観点も求められます。

    • 設置場所は屋内/屋外のどちらか? 屋外であればモーター部品の耐候性や防水性は問題ないかを見極める
    • 本装置以外からの振動が加わる環境なら、接触部の磨耗は問題ないか? 問題ありそうならゴム材をかます
    • 取り付けにはスプリングワッシャーは必要か? その判断基準は?
    • 重力加速度Gがかかる場面はないか? あるならどんな策を講じるか
    • プラスチック材料は介在しているか? その場合に何に気を付ければいいか?
    • 全体の剛性感は問題ないか?
    • 取り付けはタッピングか、溶接ナットか、ナットか、ボルトか、ネジか、ザグリか、などさまざまな選択肢
    • モーター機構以外に本当にほかの選択肢はないか?
    • 手動の機構もあるがそれではダメか?

    上記の発想が自然に頭に浮かぶには、材料力学、金属材料、非金属材料、振動工学、工業力学などの機械工学の専門分野の体系的な幅広い知識のほか、本質や根本的理由を問いかけるwhy型思考、漏れなく事象を網羅するフレームワーク思考などが基盤となっています。大学で体系的に学ぶことで、さまざまな側面から設計行為をとらえることができるわけです。

    機械工学でいえば、それ以外にも流体力学やロボット工学、機構学、メカトロニクス、熱力学、コンピューターグラフィック、計算機解析、自動制御など、ここには書ききれないくらいのさまざま分野を学び、設計対象の変化に応じて用いる知識を総動員します。

    大学での学問を修めていれば、1つの単元を半年や1年一生懸命学ぶことで少なからず頭に残り、どんなことを学んだかは覚えています。そういう分野があったから、このように調べれば答がわかる、という引き出しが頭の中にできます。たとえ時間が経過しても、引っ張り出すことが可能です。
    大学で学んでいないと「この専門領域にはこのような学問がある」ということを知りません。「自分がそれを知らない」ということすら知らないわけです。

    先ほど、why型思考とかフレームワーク思考などと書きました。そのような思考力を学問として大学で教わることは稀でしょう。しかし大学では4年間でさまざまな先生から講義を受けますので、その中では「本質をとらえよ」「現状を疑え」「会社ではこういう仕事の仕方を求められるから、入社前に○○に備えよ」など多くの指南をしてもらえます。考える力やさまざまな予備知識を養えます。

    専門分野の英単語を定期試験に課す教授も多く、知らず知らずのうちに英単語の知識量も増えます。
    海外に研修旅行に連れていってくれる教育熱心な教授もいます。

    4年生の研究室ではその道の専門家から、専門知識だけでなく、その知識の実業界での生かし方、活躍の仕方、技術的な話の論法などの有意義なお話を聞けます。論文の書き方の基本も学びます。お酒を飲みながら本音で語ってくれる先生も少なくないでしょう。

    元気でバイタリティーにあふれ、これから本格的な大人になる過程で学ぶ幅広い専門学問、語学、教授から直に教わる実用的知識と経験。これらは、大学で学ばずに技術職に就いた場合とは比較にはなりません。技術職として働くためには不可欠といっても過言ではありません。




    大学の学問を修めずに技術職に就いた人の少し残念な事例

    大学で学問を修めずに技術職として働く人を多く見てきました。もちろん優秀な方もいました。人によって異なるのは間違いありません。
    しかし全体的な傾向として、残念ながら力不足と言わざるを得ない技術者は多かったです。
    大学で学問を修めていないとどのような結果を招くことがあるでしょうか?いくつか事例をご紹介します。

    • 概略の計算や暗算が弱い
    • 三角関数や微分積分の概念が薄い
    • 力学的な発想で現象を考えるのが苦しい
    • 基本的な高校物理の法則での会話が難しい
    • その職場での専門学問以外はほとんど知らない

    これらが要因となり、問題が発生したときに1つひとつ原因の可能性をスマートに潰していくことができませんでした。また新しい発想で、従来にないものを創造することもあまり得意ではありませんでした。

    問題発生時にそれを専門的な観点で漏れなくとらえることが困難な例を挙げます。たとえば製品が現地に着荷された時、製品が破損・変形していたとします。その原因をどのような側面から見るかというと、以下のようなことです。

    • 形状、構造などの設計的な問題
    • 組み立て不良上の問題
    • 材料スペックや表面処理などの問題
    • あてがう梱包材の欠品
    • 梱包設計や荷作り状態の不備
    • 過剰な物流条件や輸送上のアクシデント

    このような大枠の視点であれば何年か経験を積めば出てくるようになるかもしれませんが、それらの詳細に関しては苦しいでしょう。
    設計的な問題でしたら、衝撃値Gの想定は適切か、角度をつけた落下でのたわみのシミュレーションは問題ないか、振動でのクリープ、部材の肉厚、材料選定、曲げ部の剛性、溶接箇所、など引き出しが果てしなく必要です。
    梱包設計なら、こちらも衝撃値Gの捉え方、適切な寸法マージンや安全率の取り方、自由落下時の耐久性の限界値など、掘り下げればきりがありません。
    専門の部門に丸投げすると「問題ありませんでした」の回答で言いくるめられます。「○○や△△の仕様は問題なかったのですか?」と他部門にぐいぐい質問をするには、体系的な技術の引き出しがないとできません。
    発生した問題が「筐体表面の異常な変色」であれば用いる知識も異なります。

    大学で技術に関する体系的な学問を学ばず業務経験だけでは、パフォーマンスに限界があります。
    決して無理だとはいいませんが、並大抵の努力では難しいといわざるを得ません。




    大学で学ばずに技術職で成功するには

    大学で技術系の学問を修めずにすでに技術系職種で働いていたり、技術系に就きたかったりした場合はどうすればいいでしょうか?

    単純ですが、その分野に関して大学で学ぶことをリストアップして、ひと通り網羅することです
    関連するアクションは以下になります。

    • 該当の学部や学科で学んだ人から教えてもらう
    • 知人が教科書を持っていたら借りて学習
    • 技術系のWebサイトやYouTubeで無料で学習
    • 関連専門分野の入門編の書籍で学習

    大学で経験するさまざまな実験や実習、レポートなどはどうしようもありませんので、今からの業務経験で補うしかありません。

    もし時間とお金が許すなら、大学の夜間のカリキュラムで学んで大学の学位を取得するか、科目等履修生として特定の科目を学ぶ、という選択肢があります。
    会社で働きながら夜間の大学に通う人を、筆者は多く見てきました。大学に行かなかったこと後悔され、夜間に通いながら本気で学んでいました。このケースですと、目的が明確な中で学ぶので、成果も大きいことでしょう。

    会社では、「技術的な知識と経験」という要素だけでのやりくりではありません。社会人・会社員としての立ち居ふるまいも、成功のために心得ることが大切です。以下の記事には、そのための取り組みやコツを紹介しています。ぜひご参考にしてください。

    高卒でも会社では出世できる。必要な取り組み5つ

    会社で出世するためには何をすればいい? 必要な取り組み5つ

    「人物良好」という評価をもらうために必要な4つの要素

    会社で出世するために、本当に必要なことは? 実力だけではない、ちょっとした心掛け

    会社の論文試験に合格する! 昇進試験、採用試験での論文の書き方のコツ、対策を解説




    高専は?

    大学卒でもなく高校卒でもなく、高等専門学校があります。こちらを出た方々の知識やスキルレベルは平均的にいかがでしょうか。
    筆者が関わった限りでは、技術スタッフとしてのレベルは非常に高いです。16歳から5年間技術の専門科目を学びます。技術系の専門分野だけでなく、社会科学、人文科学、自然科学もまんべんなく学ぶため、大学卒の人と知識レベルにほとんど差はないのが現実です。
    筆者がかつて勤務していた職場、日本の大手AV機器メーカーの開発部門でのこと、光学・機械・電気の総勢20数名の開発者の中で最も優秀な人は最若手(当時20代半ば)の高専電気科の専攻科卒でした。知識の幅広さ、発想力、問題点の発見や解決力、実行力など、高専卒エンジニアのスマートな実力を目の当たりにしました。ほとんどのスタッフが東大をはじめとする日本の上位大学卒揃いでしたが、高専の底力でしょうか。高専卒の技術に関する実力は国のお墨付きかもしれません。

    大学卒の場合は、高校で3年間基本の科目を学び、大学の4年間で専門科目と社会・人文・自然科学を学びます。その7年間と高専の5年間は、技術職を遂行する上では実質的には大差はないと考えられます。
    2年間の教育期間の差や、大学に入るため複数科目の計画的な勉強をする受験を突破している、といった目には見えない苦労や経験が、今日の初任給の賃金差になっているのでしょう。
    ちなみに専攻科卒は、一般の大学の学部卒と同等の学歴に扱われることが多いようです。

    技術職というお仕事に強く関心があれば、高等専門学校に進学することは有効であるといえます。

    まとめ

    技術職として働くには大学での専門の学部・学科で学問を修めたほうがいい、という理由は以下のようにまとめることができそうです。

    • 大学ではその分野の技術領域を体系的に学び、また関連する基礎学問も学ぶため、知識の引き出しが整う
    • 大学では専門の学問だけでなく、職務を遂行する上で助けになる一般教養も多く学び、また教授からはさまざまな個別の技術ノウハウやそれにまつわる関連教育を享受できる
    • 大学の学問を修めない場合、経験と断片的な知識だけでの遂行となり、未知の領域や問題解決への対応に困難が生じる場合がある
    • 高等専門学校で専門学問を修めることは、技術職を遂行する上では有効である

    ただし高校卒でも優秀で出世する人が多くいることも現実です。努力によって自分の未来は変えられますので、大学卒・高校卒にかかわらず就職後してからも学び続けることは怠らないようにしましょう。
    以上、技術職と大学での学問に関するコラムでした。







  • 声優さんから学ぶ、スキルの価値の高さ 声優さんはこんなにすごい

    声優さんから学ぶ、スキルの価値の高さ 声優さんはこんなにすごい

    声優さんのお仕事はとても興味深いところが多いです。一般のビジネスマンの筆者からは当然見えにくい世界ですが、その才能についてビジネス視点で考えてみることは、人材育成やスキルワイドの観点から大きな意味があります。
    このコラムでは、声優さんの才能やそこから学べること、楽しみ方、音声合成との比較、など観る側の視点で論じています。

    声優さんのスキルは?

    普通の人が出せない魅力的な声、これを出せるのが声優さんです。当然、素敵な声を出せるだけでは声優さんにはなれないでしょう。
    声優さんがもっていると考えられるスキルや能力を挙げてみます。

    • いつでも同じ調子での声質
    • 豊かな表現力
    • 声が枯れない強靭な喉
    • 鼻づまりしない安定した体質
    • 風邪を引かない強靭な体力
    • 多くのバリエーションの声
    • 声質を維持した長期での活躍
    • アドリブ、気の利く機転
    • 存在感のある歌唱力

    長期で活躍できると、年月が経過しても続編やゲスト出演が可能で、制作側からは重宝されるでしょう。
    タレント性が重視されるなら、ルックス・ビジュアルやトーク力などほかのスキルも要求されると思います。しかし声のお仕事の場合、顔出しNGのほうがそれでブランド価値が上がるような側面も感じられます。

    たくさんのスキルを所有していることで、オファーも集まるでしょうし、声優さんによってそのスキル領域も大きく異なります。スキルを上げていくことでより多くの活躍ができる、ということろは一般のビジネスマンと共通する部分ですね。
    たくさんのことをできる声優さんをお手本にして、一般のビジネスマンも能力の幅を広げるよう考えることができそうです。

    音声合成技術の発達と声優さん

    筆者は仕事で音声合成ソフトを用いて人工音声を制作することがあり、数種類の使用経験があります。音声合成の技術は目覚ましい進歩が見られ、声質や抑揚、間合いのみならず感情モードなどもあり、時間さえかければかなり品質の高い音声を制作することが可能です。
    たまに「これだけ高品質ならアニメや映画の吹き替えの声にも使えるのでは?」と感じてしまうこともあります。
    しかし声優さんのもつスキルを考えると、音声合成による人工音声は、声優さんから繰り出される生の声にはまだまだ敵わないでしょう。
    声優さんのスキルそのものが証明ですが、特に以下のような技能は音声合成での高品質制作が難しいです。

    • そのキャラクターに感情移入できるからこそ出せる表現力やアドリブ
    • そのキャラクターの声そのもので奏でられる上手な歌声
    • 言葉のような言葉でないような、あいまいなうなずきやため息
    • 「何か違う」という場合の、デジタルではない微妙な声のトーンの使い分け

    声優さんによるお仕事は高品質な声だけでなく、キャラクターになりきる声優さん自身からの新しい発想や提案、出演声優さん同士の掛け合いやコンビネーションによる相乗的な仕上がりは、機械や音声クリエイターには出せない領域です。
    そして何よりも映像を観ている人に与える生の声の暖かさや「この声は○○の声と同じ人の声だね」などと楽しさを感じさせてくれることは、プロの職業声優さんの専売特許といっても過言ではありません。

    AIに取って代わることも、しばらくはないと考えます。たとえばロボットは以下のようなことが得意ですね。

    • 決められたルールのもとで確実に行う
    • 大量のデータから解析・分析する
    • 発生した問題を解決する
    • 具体的な事象をデジタルに扱う

    それに対して人間が得意とするのは以下のようなことです。

    • ルールに書かれていないないことを柔軟にこなす
    • 過去データにないことをかみくだいて表現する
    • 問題を発見して解決する
    • 抽象的なことをアナログで微妙な加減により扱う

    これらを声優さんのお仕事でいうと、おそらく以下のようなことになります。

    • 自身の能力をもとに、要求されたスペック以上の声質を発揮
    • これまでにないタイプのキャラクターを独自の発想で表現
    • 「これは何かが違う」と自らの提案でのやり直しや、演じる側としての全体テイストへの問題提起
    • 声にならない声、話しながら声が高ぶっていく、困ったような嬉しいような含みのある表現など


    音声合成による人工音声だと、声は「制作全体の一部の工程」という位置付けですが、声優さんによる声は「作品に命を吹き込む」というくらいに別物ですね。

    制作費の都合で、音声合成の作業工賃との比較があるとしたらいかがでしょうか。クリエイターの作業工賃は、フリーランスは幅が広いですが、会社員なら1時間あたりの賃率は3千円くらいから6千円くらいです。
    筆者がアニメ音声に匹敵するくらいの音声合成をしても、1分程度の日常会話を作るのに30分以上はかかります。手慣れたクリエイターでもシーンごとに自然な音声合成作り込むのは大変難易度が高いといえます。オペレーションスキルのみならず感性、全体像の把握、微妙なさじ加減、それに加えてスピード感も要求されるからです。
    声優さんの賃金は、そのキャリアによって幅があると思います。費用対効果や生まれる付加価値を考えると、少なくとも現段階では声優さんのほうがメリットははるかに大きいでしょう。

    アニメが人気が出たときに、主人公が歌う主題歌やエンディング、挿入歌がサウンドトラックとしてCD化されることがあります。機械音声だと少し無機質で戸惑いますね。このような商業的な観点から見ても、声優さんが演じることに大きな意味がありそうです。

    セル画はCGに代わりましたが、声優さんの声は音声合成には代わらないでしょう。

    筆者がすごいと思う声優さん

    筆者が好きな声優さん、すごいと感じる声優さんを、ご活動期間の長い順に挙げさせていただきます。「声優さん」とひと言でいってもそれぞれの方々の能力はさまざまです。

    冨永みーな さん

    とてもかわいらしいお声の持ち主ですが、役柄の幅が広く、歌も上手に歌える多才な声優さんです。「サザエさん」のカツオ役が有名です。
    1984年の「魔法の妖精ペルシャ」のペルシャ役が素晴らしくかわいい声です。セクシーな女性の声もお得意で、声質の幅は広いです。冨永みーなさんの地声はペルシャのほうに近いのですが、カツオの声はあまりにもペルシャとは異なる声質でびっくりします。カツオの声を出すことで喉は大丈夫かと心配してしまうほどです。
    台本からは読み取れない話し方のイントネーションを巧みに表現したり、カツオ役は前任者の体調不良時に急遽代行するほど機転の利く対応で、まさに声のプロといえます。

    千葉繁 さん

    独特で分かりやすいお声の持ち主です。渋い声から子供のような声まで楽しめます。
    カッコいい声は、
    ラデイッツ(ドラゴンボール)
    キン肉マンソルジャー(キン肉マン)
    かわいい声は、
    一堂零(ハイスクール奇面組、2頭身のとき)
    ピラフ(ドラゴンボール)
    が代表的といえます。同じ声優さんから創出されるその声色の違いは、アニメの中身以外にも楽しませてもらえます。

    作品出演時にはメインキャラからトーンを変えて通行人の声も担当したり、脇役キャラでもアドリブを利かせ独特の存在感を吹き込み、キャラクターの魅力を引き立てることができる方です。

    小山茉美 さん

    ドクタースランプ・アラレちゃん役が有名です。アラレちゃんのようなコミカルな声のほか、凛々しい声、親しみのある明るい声、しっとりとしたナレーションなど、豊かな表現力が魅力です。

    1979年「機動戦士ガンダム」のキシリア・ザビは怖い上司のような声で、アラレちゃんと同じ声優さんとは思えないくらいの違いです。
    ドキュメンタリーや特集番組などでの澄んだ声のナレーションで、画面の下に「ナレーション 小山茉美」と表示されると驚かされるほどです。

    「アラレちゃん音頭」という曲をアラレちゃんの声で歌ってらっしゃいましたが、「最後までこの声で歌うのはつらかった」とのご本人の言葉があります。演じる声で歌う、というのは大変なことなのですね。
    アラレちゃんについては、放映から35年経過した2016年にも担当するほど声を長期でキープされて、頭の下がる思いです。

    菊地ゆうみ さん

    菊地ゆうみさんは「ちいさなプリンセス ソフィア」の主人公ソフィア役をなさっています。素晴らしくかわいい声を出される方で、演じたキャラクターの存在感にはつい引き込まれてしまいます。
    主人公ソフィアは8歳くらいという設定ですが、菊地ゆうみさんの出される声は、実在の7歳児よりも少女の声です。演じられた当時のご年齢からしても、魔法のような声ですね。
    主にかわいらしい声がお得意のようですが、低い声もカッコいい聞き応えのある、存在感のある響きです。

    「ちいさなプリンセス ソフィア」では、物語のつくりから、主人公ソフィアのさまざまな心の動きの描写が多くの場面で見られます。以下のような描写です。

    • 嬉しい・とても嬉しい
    • 悲しい・とても悲しい
    • 悩む・困る
    • 怒る・叱る
    • 断りたいが断れない
    • 諦める
    • 心の中では悪いと分かっていてもはしゃぐ
    • しぶしぶ認める
    • 反省する
    • 驚く・慌てる・恐がる
    • 疑問を感じる・疑う
    • 諭す
    • ひらめく
    • 安心する・ほっとする
    • いじわるする

    などなど挙げたらきりがないくらいですが、ほかのアニメと比較するとかなり多く、声優さんの幅の広い表現力が求められたと考えられます。
    菊地ゆうみさんは、これらを揺るぎない表現力で演じ切っていらっしゃいます。シーンごとの語りのスピードやトーンのコントロールもとてもお上手で、熱のこもった演劇を観ているかのように引き込まれます。

    菊地ゆうみさんは、歌がとてもお上手です。子供を惹き付けるかわいらしい歌声です。
    「ちいさなプリンセス ソフィア」では、100話を超えるエピソードのほとんどでソフィアの歌う曲が流れます。数年の収録期間でその曲数は数えきれないほどです。本職の歌手でもこれほどの曲数をこなすのでしょうか…。
    それぞれの曲は物語の内容に沿って流れるので、ただ上手に歌うだけでなく、それまでの心の動きに乗せた感情の入った歌唱になります。菊地ゆうみさんの才能が凝縮されています。
    全曲の収録をこなすのも大変だったと思いますが、練習にも個別に時間を費やしたことを考えると、歌唱力のみならず強靭な喉の持ち主さんなのですね。

    ソフィアだけでなく、数多くのキャラクターを演じられ、またTVコマーシャルでのナレーションもお得意とされていて表現の幅も広い方です。年齢もまだお若いので、これからのより一層のご活躍が期待されます。

    菊地ゆうみさんのブログ

    幅広い声質や表現力だけでなく、歌唱力、安定したアウトプット創出といったマルチなスキルをもつことは、ビジネスマンも見習うべき部分ですね。

    まとめ

    声優さんは、多才な能力をもとに作品に命を吹き込み、音声合成には代えられない、価値の高いお仕事をされています。声優さんによって持ち前のスキル範囲は異なるようです。
    スキルワイドにより幅広いお仕事を展開できる、という点は一般のビジネスマンと同じです。また表現力や自らの力でひとつのプロジェクトに付加価値を与える、ということはビジネスマンも忘れてはいけない大切な要素だと気付かされます。
    これからも声優さん方の活躍に目を見張りつつ、自身のスキルアップを考えたいですね。

  • テレビ番組で見られるフリップボードの紙面デザインはマネしないほうがいい

    テレビ番組で見られるフリップボードの紙面デザインはマネしないほうがいい

    会社での資料作りを上手にやりたい、ということで、ほかの人の資料を参考にすることがあると思います。
    ここでは、資料作りの際に参考にしてはいけない「テレビの報道番組に見られるフリップボードの紙面のデザイン」について語ります。

    なぜ、テレビの報道番組でよく見るフリップボードは参考にしてはいけないのでしょうか?
    それは、ビジュアルデザインの法則に従っていないからです。ビジュアルデザインの法則はさまざまな捉え方がありますが、実質的には以下の3つです。

    • 近接
    • 関連要素を近くに配置、そうでない要素を離す

    • 対比
    • 重要な要素を強調、参考程度の要素を控えめに

    • 余白
    • 要素の周りや全体に一定のスペースを設ける

    人に見せて説明するビジネス資料作成の際、ビジュアルデザインの法則を適用するのとしないのとでは、訴求力や分かりやすさ、与えるストレスなど、大きく異なります。


    以下の2つの資料、見ていて内容が瞬時に頭に入ってくるのはどちらでしょうか?


    言うまでもなく、下の資料です。ポイントをつかんで、伝えるべきことが明確にされている、という感じです。「読む」という行為も必要もありません。

    テレビの報道番組でよく見る、フリップに印刷されたデザインやレイアウトは、どちらに似ているでしょうか?
    もちろん上の資料です。筆者が悪い例として作ったものなので、報道番組のフリップボードの紙面デザインは、さすがにここまで酷くはありません。しかし雰囲気がそっくりなことには気付いたと思います。

    報道番組のフリップボードの紙面デザインをマネしてはいけない理由は、以下の通りです。

    • 色の使い過ぎで、その色が何を示しているのか不明
    • ひとつの紙面の中で文字フォントがバラバラ
    • ひとつの紙面の中で複数のテイストのイラストや写真が使用され、落ち着きがない
    • ネット上の無料イラストが使用され、安物感が出ている
    • イラストが多すぎてなおかつ小さい
    • 狭い紙面領域に文章や文字が敷き詰められて見にくい
    • 関連要素もそうでない要素も近接していてまとまりがない

    このようにさまざまな理由がありますが、テレビ番組のフリップボードの仕上がりを否定しているわけではありません。
    テレビ番組では、毎日フリップボードを作らないといけません。そこにデザイナーの添削や作り直しを挟んでいたら本番にはとても間に合いません。

    テレビ番組は長時間にわたって観てもらえるよう工夫が必要です。大胆なレイアウトや、カラフルなデザインのフリップボードに仕上げることで目を惹き、ほかのチャンネルに変えられないようにしたり、消されたりしないようにします。とにかく惹き付ければOKです。


    テレビマンが作るテレビ番組のフリップボードに対して、ビジネスマンが作る発表資料や報告資料は、以下のように相違点があります。

    • 関係者に見られ読まれることが前提にある
    • 内容把握してもらい、決定、評価、代替案など、次のアクションがある
    • 限られた時間で重要ポイントを確実に読み取ってもらう

    テレビ番組のフリップボードのデザインは、ビジネスマンが作る資料のデザインとは別物であることを知っておきましょう。


    まとめとして、以下のことを心得ておきます。

    • テレビ番組のフリップボードのデザインは、まねしない
    • ビジネスマンの資料作りには、ビジュアルデザインを適用する
    • ビジネスマンの資料とテレビのフリップボードは目的が異なる

    以上、テレビ番組のフリップボードの紙面デザインに関するお話でした。

  • 会社のインバスケット試験に合格する。必要なスキル、解答のコツ、ポイントを速攻で解説、おすすめ教材も。

    会社のインバスケット試験に合格する。必要なスキル、解答のコツ、ポイントを速攻で解説、おすすめ教材も。

    会社の昇格試験では、論文や面接に加えて、インバスケットが課せられる場合があります。
    インバスケットは、なかなかくせ者です。徹底した対策に取り組まないと合格するのは困難です。
    この記事では、昇格試験のインバスケットに合格するために必要な要素と、解くためのコツ、日頃から取り組むことを紹介します。
    「インバス」と略して呼ぶことが多いです。




    インバスに合格するには

    本記事をはじめインターネットコンテンツを読むだけで合格するのは大変難しい、というのが現状です。
    合格のためには、参考書や問題集での対策や専門の書籍を読む、といったことで頭をインバス的な思考にすることが必要になります。インバス試験の数カ月前、できれば半年前くらいから毎日、少しずつでもいいのでインバスの問題集や専門書籍に触れることをおすすめします。

    インバス解答に必要な要素

    仕事案件の優先順位付けや、自分の取るべきアクションの適切な解答力が問われます。詳細について次の項で説明します。
    インバスの問題を解く上での必要な要素は以下になります。

    多くの情報から、関連したものを結びつける

    インバスでは、基本的には、お仕事案件が20件程度用意されます。それらの案件の関連性を見極めてつなぎ合わせるセンスが必要です。
    案件ひとつ1つを読むと、それぞれが独立しているように見えますが、絶妙に関連性が仕込まれています。

    極端なケースで見てみます。自分は着任して間もない総務課長、という設定で、仕事案件の一部。

    1. 製造ラインでの生産性が5%ダウンしているとの事業所内レポート
    2. 課員のAさんから、同課員のBさんのことで相談事がある、と言われている
    3. 社員の一部の交通マナーや歩行マナーが悪い、と近隣から苦情がきている
    4. 廊下が暗い、と別棟からクレームが入っている
    5. 課員のBさんが仕事がつまらない、辞めたいと言っている、と係長から伝言

    これらの案件は、それぞれ独立したものに見えますが、案件の細部を読んでいくと関連があることに気づきます。

    たとえば、上記の案件5を読み進めると、「日常の仕事にも注意が散漫となり、担当である備品の在庫管理や発注業務にもミスが目立ち、退勤後の素行不良もうわさされている」といったことが最後のほうに書かれていることが多いです。この内容を知ることにより、ほか案件との関連性を敏感にとらえることができます。案件5以外の詳述は省略しますが、ひととおり読むと以下の関連が分かるようになっています。

    Bさんは仕事が嫌で、散漫、いいかげん
    ⇒担当の電気配線工事発注をしなかった
    ⇒いくつかの棟で照明の不具合発生
    ⇒製造ラインでも照明に不具合あり
    ⇒視認性低下で作業効率ダウン

    Bさんはむしゃくしゃして素行不良へ発展
    ⇒Bさんの退勤後の歩行マナーが悪化
    ⇒近隣から苦情が寄せられる
    ⇒係長は現状を報告
    ⇒Aさんも心配して相談を要望

    このように事象の関連を見抜くことで取るべきアクションへと移すことができます。
    Bさんの仕事へのモチベーション低下に関する情報(案件5)は、以下のふたつの問題に関連していきます。

    • 工場の生産効率の低下
    • 近隣からの苦情

    逆算すると、近隣からの苦情(案件3)は、工場生産効率低下(案件1)には直接は関連していません。Bさんのモチベーション低下から枝分かれしたそれぞれの事象になります。

    このような関連を、20件ほどの案件の中から見付け出す練習が必要になります。

    次から次へと問題をこなす、頭の瞬発力

    インバスにはさまざまなタイプの試験がありますが、どの試験もたいてい時間が短く設定されています。一例を挙げます。問題を短時間でこなせるような、頭の瞬発力が必要です。

    選択式問題の一例を挙げます。以下の内容を15~20分程度で解答します。

    • 約20の仕事案件(メール、書き置きなど)を読む
    • 取るべきアクションを選択肢20個ほどの中から上位数個を選ぶ
    • 各アクションに関連する仕事案件を列挙する

    だいたいの内容をさらって、次の案件を読む、というやり方をします。「これはどういう意味だ?」「ここは重要ポイントなんだろうか?」と迷いが出た瞬間に、次の案件読みやアクション選択に行動を移して、無意味に時間が流れることを防ぎます。
    最初に読んだときに意味不明だったことが、案件全体を把握した後で明らかになる、ということもあります。

    自分に向けられた仕事案件の全体像をまず把握することに全集中力を注ぎましょう。
    その後に細部を読み直す、というスピーディーな流れで取り組むことが基本です。




    文章を速く読む

    仕事案件や問題文を一字一句読む、というやり方は、インバスではふさわしくありません。試験時間が短いからです。
    インバスで文章をを読むときには、とにかく要点をつかんで速く読む、ということが重要です。

    ある仕事案件を読むときは、
    ✕ 文章を読む
    ○ 情報をつまむ
    ということです。イメージは、以下のような感じです。オレンジ色の部分を主要な情報として把握します。

    総務課長 鈴木様

    いつもお世話になっております。渉外課・課長の佐藤です。新しく着任なさったとのこと、同じ総務部内の課長としてよろしくお願いします。

    早速ですが、総務課の管轄の内容でご連絡させていただきます。
    事業所の近隣の住民からいくつかの苦情が何件か寄せられましたので、お伝えします。

    苦情の内容は、ここ数週間で当社の社員とおぼしき歩行者のマナーが悪い、とのことです。以下のような状況のようです。
    ・歩きタバコ
    ・信号無視
    ・ポケットハンド
    ・ゴミの投げ捨て
    ・歩道からはみ出して歩行

    昨年はこのような事態はなく、苦情が寄せられることもありませんでしたが、今年に入ってから増えはじめました。
    苦情を寄せた住民の一人にヒアリングを行ったところ、「最初は、マナーの良くない人が一人か二人くらいいるな、と感じていたが、少しずつそういう人が増えていった」と話していました。
    おそらく、マナーの悪い人がいて、その人を見たほかの社員がまねしていった、ということだと考えられます。こういう歩行マナーOKなんだ、という感じですね。

    交通・歩行マナーの改善をするよう全社的に呼び掛けたり、新しいルールを作る、といった対応を急がないといけない、と総務部長は話しているので、鈴木課長に近く指示がいくと思います。もちろん当課も協力します。
    あと念のため、自部門のスタッフに交通マナー違反をしている人がいないか、確認しておいたほうがいいです。一部の間では、交通マナーの悪い人の中に総務の人もいる、といううわさもあります。ちなみに当課にいませんでした。まさかとはとは思いますが総務課も確認してみてください。

    おそらくほとんど引き継ぎなく着任されたばかりで、ほかの仕事の調整・対応などがあると思いますが、本件は早めの対応をおすすめします。近隣住民とのやりとりを終えた後の具体的施策の策定や全社通達は、総務課のミッションになります。

    よろしくお願い致します。

    オレンジ色になっている部分は、結果として重要な関連事項になりますが、それが分かる前でも、以下のような理由で重要性を感じ取ります。

    • 自分の部門のミッションである
    • 直属の上司が急げと言っている
    • 問題が起こった時期が書かれている
    • 部下やメンバーについて書かれている
    • タイトルに直結する内容に書かれている

    本筋から逸れた補足内容と感じたことは読み飛ばします。
    速く読む、というのは、すべての文章を速く読むのではなく、書かれている文章の全体像をつかみ、自分のポジションでのミッションを把握する、ということです。




    インバスケット問題の種類と対策

    インバスのにはさまざまな種類の問題があります。ここでは、4つの種類とその対策について簡潔に説明します。

    依頼案件の優先順位付け

    優先順位付けはインバスの基本です。優先順位付けの基本が固まれば、インバスの大部分をマスターしたようなものです。

    どの書籍や問題集にも出ていますが、インバスの優先順位は以下の2つで決まります。

    • 重要度
    • 緊急度

    重要度と緊急度が高い例

    • 自部門の対応不備による、プロジェクトの運営・企画の停滞や、顧客からのクレーム
    • 部下の、ケガや病気による長期休業、実務からの離脱
    • 上位組織からの通達、課員へのブレークダウン指示

    重要度と緊急度が低い例

    • 部下の愚痴や、ほかの社員の悪行の告げ口
    • 食堂や売店のリニューアルのお知らせ
    • 終業後セミナーの申し込み案内

    以下のパターンですと、どちらが優先順位が高いでしょうか?

    • 重要度は高いが緊急ではない
    • 緊急度は高いが重要ではない

    インバスの世界では、「重要度は高いが緊急ではない」の優先順位が高いです。

    緊急度が高く重要度が低い例

    • 明日までの制服の追加申し込み
    • 健康セミナーの出欠回答の催促
    • 忘年会の店の予約、出欠確認

    重要度が高く緊急度が低い例

    • プロジェクトの企画立案、資料作成
    • 課員の人材育成計画と実行
    • 古いルールの改定による生産性向上の実現

    インバスで、優先順位が高い案件は、放置すると自分の統括する部門の組織運営に支障をきたすものです。自分の責任により会社の利益貢献に影響する、と考えられる場合、優先順位を高く設定します。

    起こっている事象そのものに重みがあっても、自分のミッションではない場合、優先順位は高くはありません。たとえば、自分が技術課長の設定で、以下のような案件です。

    • 部品の納品が遅れて製造ラインが停まっている
      ⇒調達部や製造部のミッション
    • 会社の地域イベントで社会貢献し、会社のイメージアップ
      ⇒技術課長としての組織運営ミッションではない

    これらは、重要度は「中」に位置付けることが多いです。

    依頼案件の関連情報の選択

    関連案件を結び付ける試験パターンはいくつかあります。
    関連案件の選択は主に以下のパターンが多いです。

    • 全案件の中から優先度の高いものを選択させて、それに関連する案件を残りの中から選ぶ
    • 全案件を読んだあと、別に用意された「取るべきアクションの選択肢」から優先度の高いものを選び、それに関連する案件を選ぶ

    関連案件をうまく結び付けるには、少し大変ですが、各案件の中身にすべて目を通すことです。一字一句読むことが必要なわけではありません。書かれている内容を把握することが大切です。

    たとえば、「部下の現業務への愚痴」は重要度・緊急度共に低い案件として定番ですが、愚痴だと分かった瞬間に読み飛ばすのはよくありません。その愚痴を読み進めると、「担当の発注業務にもやる気が出ない」といったコメントがあり、別の案件で「供給先部門から納品遅延のクレーム」が書かれていたとします。そうすると、「やる気が出ない」から「発注がおろそか」になり、「納品が遅れる」となって関連していきます。愚痴に対応する優先度は低いですが、対応優先度の高いクレーム案件に対して関連案件扱いになります。




    業務計画策定

    業務計画策定は、誰に何をいつまでにやらせるかを判断する問題です。何を重視してその計画判断を行ったかも解答します。

    問題の例
    (イメージです。実際の設問ではありません。)

    現在、商品A1800個、商品B2800個、商品C1600個生産している。工場Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳの4カ所でコントロールして、商品A・B・Cの生産数を3倍に増産する。
    どの工場に何を何個生産させるか、プロジェクトリーダーの立場として解答する。
    前提条件
    ①現在の生産数/日
    ②その製品の最大生産数/日
    ③各製品の品質力
    ④最大数以上生産時のコスト/100個

    工場Ⅰ
    ① A1000個、B300個、 C生産無
    ② A1500個、B1000個、C500個
    ③ A中、 B高、 C中
    ④ A8万円、 B8万円、 C8万円

    工場Ⅱ
    ① A生産無、B2000個、C100個
    ② A不可、 B2500個、 C500個
    ③ A-、 B中、 C高
    ④ A-、 B2万円、 C3万円

    工場Ⅲ
    ① A生産無、 B500個、 C1000個
    ② A1000個、 B1500個、C1500個
    ③ A低、 B低、 C高
    ④ A2万円、 B3万円、 C5万円

    工場Ⅳ
    ① A800個、 B生産無、C500個
    ② A1500個、B不可、 C1000個
    ③ A高、 B-、 C中
    ④ A9万円、 B-、 C9万円

    ■問い1
    どの工場に何を何個生産させますか?
    ○に数字を埋める
    工場Ⅰ A○個 B○個 C○個
    工場Ⅱ A○個 B○個 C○個
    工場Ⅲ A○個 B○個 C○個
    工場Ⅳ A○個 B○個 C○個

    ■問い2
    何に重視して決めた生産計画ですか?
    納期/品質/コスト/顧客満足/戦略

    [br num=”1″]
    解答のコツ
    答えはひとつではありません。何通りもの組み合わせがあります。
    てきとうに当てはめただけでは難しいかもしれませんが、何回か当てはめなおすとうまくはまっていきます。
    各工場に自分で当てはめた数字が何を重視した割り振りになっているかを確認して、納期/品質/コスト/顧客満足/戦略のいずれかを選びます。
    今回の例では、「何日以内に対応する」という制限はありませんので、うまくはまりやすいです。

    前提に、以下のような条件が加えられることもあります。
    技術部長 「戦略的に進めたい」
    技術課長 「コストを抑えたい」
    営業部長 「顧客満足度を優先」
    工場長  「最短の納期でいく」
    品質部長 「品質を重視したい」
    ⇒采配決定後に各人へ事情の説明を行います。

    これは、役職者の意向に沿うのではなく、采配の内容に合わせた言い訳をすれば問題ありません。
    たとえば「コスト重視」で生産を行った場合、品質部長には、
    「今回はコストを重視しました。品質重視で生産計画を組むと納期が大幅に遅くなり、機会損失を招き、競合メーカーにシェアを大きく空けられてしまう」というような説明を行うことになります。
    選択式であれば、それほど難解ではありません。




    日常の仕事で心掛けること

    目の前にある仕事を日々こなすだけ、というスタイルの人は、インバスケットの考え方を吸収するのが大変かもしれません。日常業務の中でさまざまな心がけをすることにより、インバスケットに自然に慣れてきます。

    優先順位を付けながら仕事をする

    普段から、自分に発生する仕事がどのような重要度と緊急度かを意識しながら取り組むといいでしょう。
    上司や同僚と話すときにも、重要度と緊急度の両方高い業務には、時間をかけてでもしっかり議論します。
    緊急度が低いときには、
    「大切な話をしたいのですが急ぎではないので、ご都合のいいときに少しお時間を下さい」
    重要度が低いときには、
    「すみません、些細なことですが急ぎなので一瞬だけお話ししていいですか」
    と、扱いを区別します。
    重要度と緊急度のどちらとも低いときには、自分で判断して解決してから事後報告するか、重要案件の話の後におまけで付け加える程度に話します。
    業務を片付ける際にも、重要度と緊急度の高いものに注力します。
    このような具合に緩急付けて業務を扱うことで、物事の優先順位付けや力を注ぐボリューム感も備わってきて、インバスケット的な考えに染まってきます。

    自分がやるか、メンバーがやるか見極める

    自ら行う業務か、または同僚や後輩に任せる仕事か、常に考えるのも重要です。何でかんでも自分でやってしまうのは、インバスケットを解答する上では何の訓練にもならず、ビジネスマンとしてもふさわしくありません。
    「これは私の仕事ではない」というスタイルは良くありません。上司と話をして「私たちの仕事で発生する○○の業務を△△チームで一括して担当してもらいたい。その代わり私はさらに上位の□□に注力する」という提案をします。または、自分の範疇で後輩に任せるか、自分でこなすか判断します。

    インバスと実際の仕事の違い

    緊急度が高く重要度が低い、という業務があります。これはインバスケットでは、緊急度が低く重要度が高い案件より優先度が下ですが、実際の業務では、必ずしもそうではありません。
    たとえば、長期利益計画を検討しているときに、健康診断の日程変更について電話が掛かってきたら、とりあえず日程調整に応じるわけですから、インバスケットの考え方には反しています。

    現実の仕事とインバスケットでしっかり線を引きながら、バランスよく業務にあたるとストレスがありません。

    おすすめの教材

    インバスケットに関する教材は、多くの出版社から出ていますが、おすすめ教材は、インバスケット研究所が発行しているものです。優先順位付けや案件処理、計画判断など、多くのジャンルに分かれた参考書から、模擬試験教材まで品揃えが豊富です。自分の会社で課される試験の内容に合わせて選ぶことができます。
    インバスケット研究所、問題集商品一覧ページ
    (ただのリンクです)

    問題をスムーズに解答するために、インバスについて書かれた本を一冊読破し、自己流ではなく公式の考え方を習熟する必要もあります。さまざまな本がありますが、基本的なことが丁寧に書かれた本がいいでしょう。インバスケット研究所が書いている以下の本がおすすめです。

    インバスケット思考(鳥原隆志 著、WAVE出版)

    理論的に解説するような難しいものではなく、実際に自分がインバスの主人公になって実感しながら読み進められます。レベルアップを図ってたくさんの本を読むにしても、この本を読んで基本を固めることをおすすめします。

    まとめ

    詳細な問題解決から教材の推薦まで、さまざまな紹介をしました。昇進、昇格には避けて通れないインバスケットですが、以下の取り組みを徹底することで突破できるでしょう。

    • 書籍を読んでインバスケット的な考えを習熟
    • 問題集で解答の訓練を重ねる
    • インバスケット思考で仕事をする

    とにかく、日頃からインバスケットを意識して準備することで、本番の試験問題にもスムーズに頭が働きます。昇進、昇格による新たなステージに向けて取り組んでみてください。







  • PowerPointを使った会社の資料作りはかんたん、作成例でデザイン徹底解説

    PowerPointを使った会社の資料作りはかんたん、作成例でデザイン徹底解説

    PowerPointを使った資料作りを、実例を用いて徹底解説します。

    ダメダメな資料からスタートして、少しずつ手入れをしながら、誰にでも伝わる資料に仕上げていきます。

    早速スタートしましょう。

    最初に作った資料

    以下のような資料から始めます。「品質改善に関する説明会」の告知で、人通りのある廊下に掲示する、という想定です。

    文章、文字、配置、色、イラスト、どれを取っても褒められる要素は何ひとつありません。
    ごみ捨て場の貼り紙か、詐欺広告のようです。
    このいまいちな資料も、レイアウトに気を配るだけで見映えが改善されますので、これから、まず4つのレイアウト改善を行います。
    その後に各要素の改善、応用編としてデザイン要素を入れていきます。

    レイアウトの解説に特化した記事もあります。
    お仕事で資料を上手に作るコツ、例を挙げて資料作成の基本、レイアウトを解説




    レイアウト改善1 スペースの確保

    全周にスペース(余白)を確保

    スペースを確保するだけでも見やすくなります。タイトルと内容の間にもスペースを設けることですっきりしました。
    入りきらない場合には、文やイラストを削減するのですが、ここでは要素のサイズを小さくして、後で削減します。

    レイアウトの改善2 揃える

    要素の配置を揃える

    各項目タイトルに対して内容の頭を揃えると、項目に対する内容が明確になり、対応表のように見えてきます。
    イラストは、縦横長さを揃えてぴったり並べると、スペースが生まれ、目線もスムーズに流れます。

    レイアウトの改善3 グルーピング

    関連する要素をひとつの塊にして、関連しない要素とのスペースを取る

    この資料のタイトル以外の部分は、以下の3つの要素に部類分けできます。

    • 前書き
    • 概要
    • イラスト

    これらの塊でグルーピングすることで、見た瞬間に情報を部類分けできるようになります。

    レイアウトの改善4 強調する

    強調させるべき所を大きく目立たせて、そうでない部分との差別化を図る

    最初に作った資料では「説明会に参加頂きますよう」と「クレーム削減」が、太字やアンダーラインにより強調されていました。しかし、この資料の内容からして、本当に強調すべきことではありません。この資料の作り手は、そこに気持ちがあったのでしょうが、この資料で最も伝えたいことは明らかに、説明会の日程や場所、またはプロジェクトや説明会の存在です。

    レイアウトがそれなりに整ったので、この後は各要素を見ていきます。

    不要なイラストを削除

    イラストは、必須でなければ削除

    ビジネスには不向きなイラストが多く使われていたので、すべて削除しました。イラストを使うことで内容の理解を促進できるような使い方でなければ、使用は避けるべきです。そのテイストにより資料の雰囲気を左右してしまいますので、注意が必要です。
    大きく使ってイメージを一発で代弁してくれるような使い方ができなければ、一切使わずに内容で勝負します。

    枠線

    枠線をすべて廃止

    背景要素の枠線は、落ち着きのないイメージが増してしまいます。囲いの内側と外側に対して別の色を使うことになるため、色の数が増えてうるさくなり、境界線も複数発生します。
    タイトルと内容の間の境界線も含めてすべて廃止することですっきりします。文章や内容に十分集中できるようになります。
    下の3つの四角の各コーナー部分の丸みを廃止しました。角丸になると形状が複雑なので、必要がなければ直角を採用します。角を丸くするのは、以下のような場合です。

    • 金属パネルやプラスチックパネル、部品などの角が尖っていると危ない
    • シールやステッカーの角が尖っていると、そこから剥がれやすい

    資料で、どうしても角を丸くしたいなら、角丸寸法を統一し、徹底してその形状を全ページに使い続けます。
    角を丸くすると、印象としては「親しみやすさ」となります。

    背景色、文字色、影

    背景の色、文字の色を修正し、下の3つの四角に設定されている影効果を廃止

    背景の色を、標準色のピンクや紫などビジネス向きではない痛々しい色から、落ち着いた色に変えることで、全体的な印象が洗練化され、情報の信憑性が増します。ちなみに青系は、色として、誠実・慎重・落ち着きなどの性格をもっているため、この資料の「品質」のイメージと合うため採用しました。
    真ん中の項目に使用されていた赤文字も、すでにグルーピングされて存在感がありますから、わざわざ派手な配色にする必要はありません。
    影効果は必須ではありません。ボヤっとして見にくく、要素情報が無駄に増えるだけなので、廃止したほうが見やすく上品になります。

    フォント、スタイル、行間

    文字フォントをゴシックに、スタイルは標準、文章の行間を空けて、見やすく、読みやすく

    これまでは、タイトルにデザイン書体、内容部分に明朝体を使用していました。デザイン書体は、文字の判別がしにくい上、幼稚な印象が増します。明朝体は、小説のような長文には向きますが、この程度の文字量なら視認性を優先します。よって游ゴシック体で統一します。游ゴシック体は、読みやすく、視認性も優れた、クセのないフォントです。
    文字スタイルは、基本的に標準でいきます。タイトルや項目名に施されていたアンダーラインを廃止します。アンダーラインは、文字が読みにくくなるだけで、強調目的としてはいまいちです。
    文章の行間はびっしり詰まっていましたが、適度にスペースを設けることで、読みやすくなります。行間を整えることでスペースが足りない場合には、文字を小さくするだけでなく、不必要な情報を削ぎ落とすことも考えます。「注意事項:私語厳禁、は、当たり前」という判断で、丸ごと削除しました。
    せっかく行間を手入れしたので、項目名の文字数を2文字に合わせます。これで、項目名と対応する内容が、きれいに配置されました。

    囲み

    囲み(背景)を見直し

    内容部分全体に敷かれていた背景を無くします。タイトル部分と十分にグループ分けされていますので、塗りの必要はありません。どうしても色バックを敷きたい場合は、無駄な境界線を作らないためにも、囲むのではなくバック全体を配色します。
    背景の塗りを廃止したら、下の3つの四角の色をキーカラーの青系に変更します。これによって色の統一感が増します。

    文章、内容

    内容へのてこ入れ、余分な情報を削除

    タイトルは、「~の内容についてのお知らせ」となっていますが、内容に関することは、まったく記載されていません。どう見ても「説明会のお知らせ」です。端的に「説明会」で区切って問題ありません。

    前書き部分は、
    「プロジェクトを実施することになった」
    ⇒口頭で伝えるならあってもいいですが、わざわざ文章で書き表すほどでもありません。タイトルに「プロジェクト」とあるので、分かりきっています。よって削除OK。
    「事業部長が後押しする~」
    ⇒このように、プロジェクトの存在アピールや説明会開催に関する情報提供を主とした1枚資料には、誰々がどうした、という内部事情は余計な情報です。これも削除です。
    「下記の概要をご覧頂き」
    ⇒言われなくても読むことが想定されますので、余計なことは書かなくても大丈夫です。ちなみに、「下記の」は誤りです。「下記」と書いたら、下に「記」「以上」と記します。

    各項目部分は、
    「目的」
    ⇒詳細過ぎます。説明会の中で言えばよいことなので、削除します。
    「内容」
    ⇒あってもいいですが、これも説明会で話せばOK。

    下の3つの四角の中身ですが、キャッチフレーズか、目標か、対象物か、位置付けがバラバラで何が言いたいか分かりません。真ん中の四角の中身を分解して並べてみました。「製品」「サービス」「工程」をそれぞれ漏れなく品質工程させる、とパッと見で分かるようにしました。その下に主管部門名を明記して信憑性を確立させます。

    もし各部門への個別連絡をしない、一斉メール配信が遅くなった、という場合は、「日程」と「場所」の2行のサイズを大きくしてもいいです。

    ビジネス資料の基本としては、だいたいこのくらいまで出来ていれば、OKです。


    まとめ

    資料を上手に作れると、情報の整理、問題点や訴求ポイント把握が明確になり、ビジネススキルアップだけでなく、周りへのアピールにもなります。ぜひ本ページのテクニックを生かしてみてください。







  • 英会話、外国語会話の上達にNHKテレビ・ラジオ語学講座をおすすめする10の理由

    英会話、外国語会話の上達にNHKテレビ・ラジオ語学講座をおすすめする10の理由

    英語をはじめさまざまな外国語、どれを取ってもマスターするのはなかなか大変です。王道は留学やスクール、日本にいても語学スクールに通ったり家庭教師をつけたり、手段はあります。しかし、そんな時間もお金も確保できない、という人は多いです。

    NHKのテレビ・ラジオ語学講座は、格安で、手軽で、短期間で上達できる非常に優れた語学学習ツールです。この記事では、NHKのテレビ・ラジオ語学講座の優れていること、会話の上達に大変おすすめ、ということについて解説します。

    NHK語学講座が優れている10の理由

    ほとんどの外国語学習者が、NHK語学番組を知っています。英会話スクールや流行りの教材で学ぶことはあってもNHKの語学講座を利用していない、という人におすすめです。その10の理由を以下に挙げます。

    テキスト+ラジオ/テレビで学習効果up

    NHK語学講座にはテキストがあります。そのテキストだけでも十分に勉強出来るような構成になっています。
    しかし、せっかくテレビとラジオの番組も用意されていますから、テレビを観ながら、またはラジオを聴きながらの学習がおすすめです。

    テレビまたはラジオと、テキストを併用することで、目と耳の両方から情報を得ることが出来ます。学習効果はより高まります。

    テキストの情報量がもちろん多いです。本編の内容からワンポイントアドバイス、コーヒーブレイク的なプチ情報まで網羅されていて、読破すればかなりの物知りになれます。しかし能動的にその中身の情報を取りにいかないといけませんから、結構大変です。
    その点、テレビは見ているだけ、ラジオは聴いているだけ、で学習できるように作られていますから、テキストがなくてもリスニングや会話の流れを学べます。

    テキストにある外国語の文を見ながらの、テレビ・ラジオからのリスニングで、学習効果は上がります。

    テキストは良質です。会話、解説、表現集、文法、語学情報、コラムといった総合的な情報がバランスよく載ったテキストはなかなかありません。かさばらないので、通勤通学時の持ち運びにも便利です。電車内で読むのにも向いています。1カ月で十分な読破できるボリュームが嬉しいです。

    基礎を丁寧に解説

    NHK語学講座は、テレビ語学講座とラジオ語学講座いずれもその言語の基礎をアルファベットから丁寧に解説しています。
    アルファベット、単語、発音、表現など、自ら開拓しなくても、その言語の基礎を固めるために必要な情報がコンパクトにまとめられています。

    基本的な文法の解説もあり、番組内でもポイントを取り上げています。テキストではより丁寧な解説により、会話に必要な最低限の文法を理解することができます。




    体系的に学べる

    文法だけ、とかリスニングだけではなく、その言語の習得に必要な要素をバランスよく、体系的に学べます。
    英語に関しては、基礎、応用、上級、ビジネスなど複数のカテゴリーに分かれています。順番にすべて利用すれば、英語の知識にほとんど漏れのない学習ができます。それぞれの講座の中にほ、単語、文法、会話、慣用表現といった要素がまんべんなく含まれているので、偏りのない学習を期待できます。

    フランス語や中国語、ドイツ語といった第2外国語は、講座数はテレビ・ラジオ共に基本的には1講座しかありません。
    第2外国語講座でも、英語と同じく体系的に学べます。

    テレビ番組は、週1回(+再放送)の放送です。番組の終わりの5分くらいで、以下のような上級者向けコンテンツが流れます。

    • ビジネスインフォメーションを現地語で
    • その国のプロの職人の密着取材
    • 料理をその国の言語で解説しながら作る
    • 現地レポートと街中でのインタビュー
    • エンターテイメント情報をその国の言語で

    学習者が聞いて勉強になるよう編集して作り込まれた映像なので、無駄がなく短い時間でネイティブスピーカーのナチュラルスピードを体感できます。

    ラジオ番組は、平日毎日放映されます。たとえば、月曜日から木曜日は基礎編、金曜日は上級編といった構成で、曜日によりレベル分けされていることが多いです。基礎から上級までカバーされていて、自由に選べる使いやすさがあります。

    その道のプロが講師

    講座の講師は、その言語のプロが担当します。主に以下のような人たちです。

    • 大学の語学教授
    • 語学一筋の教育者
    • 同時通訳の第一人者
    • ネイティブスピーカーのタレント

    ほとんどの講座の講師が大学教授です。「ちょっと語学が得意な人」に教わるのとは違ってプロの講義です。トレンドに乗った話題や会話での注意点などを丁寧に解説してくれます。
    その先生の大学の講義を受講したのと同じ、といっても過言ではありません。




    ネイティブスピーカーのトークが聞ける

    番組には、ネイティブスピーカーも出演します。単にしゃべるのではなく、しっかり計算されています。ネイティブスピーカーの出演によるメリットは、

    • 学習する表現のネイティブな発音を聞ける
    • 日本人講師との会話の掛け合いを聞ける
    • ネイティブの自然な語りに慣れることができる
    • 日本のその国と違いを聞ける

    日本人講師から聞いても同じ、と思えることもありますが、ネイティブスピーカーからその言語で聞くほうが臨場感があります。日本語で聞いても語学の勉強にはなりません。
    たとえば、英語の講座での、講師とネイティブ出演者のやりとりはこんな感じです。
    日本人講師「こういう言い方もするんですね。日本ではあまりこういう言い方はしませんから、その国の文化や社会の影響があるのかもしれません。ちょっときいてみましょう。We don’t say this way in this situation. Why do you say it in your country?」
    ネイティブ出演者「Oh, it’s a usually way in our society, because…」
    リスニングしながら、その国のことも聞けるので中身の濃い学習になります。

    会話形式が多い ⇒会話練習向き

    どの外国語講座も基本的に会話形式のコンテンツです。
    その言語の文法的な解説、表現の紹介も、ほとんどが自然な会話の中にあるものです。会話向けとしてプロが作った、凝縮された構成で、覚えて無駄がない内容に仕上がっています。効率の高い学習が期待できます。

    英語も第2外国語も、読めるようになりたい、メールを書けるようになりたい、という人より、会話を出来るようになりたい、という人のほうが多いのではないでしょうか? 「会話に強くなりたい、でも語学学校に通うお金も時間もない」という人には、NHK語学講座は、うってつけです。会話に必要な要素が揃っています。足りないのは、受講者が話したことへのレスポンスが無いくらいでしょうか。

    留学しないで独学で英会話をマスターするための勉強法

    英語のビジネス編やテーマ系の講座、第2外国語の上級編になると、会話用に作られたスキットではなく、本物の会話から抜粋した、生のやりとりを扱うことが多いです。文化人やアーティスト、といった著名人の語りで、少し癖のあるアクセントのときもあり、まさに実践的なリスニングの練習になります。
    私たちが受講する前提で適切な会話が紹介されているため、学習効率は高いです。

    世の中には、以下の語学教材があります。

    • 無料学習Webサイト
    • 「1カ月でペラペラ」と謳う教材
    • 本屋にある会話向け書籍

    会話の上達を考えたら、上記でNHK語学講座にかなう品質を兼ね揃えているものはないと考えます。
    講師の質や人数、ネイティブスピーカーの出演の多さ、アイデアの数々、レベルと種類を幅広く網羅したコンテンツ、各国の情報の多さ、と挙げたらきりがないくらい、NHK語学講座のクオリティーは、ほかと比べて桁違いに高いといえます。




    その言語の国の旬な情報が聞ける

    どの言語の講座にも、その国の旬な情報が盛り込まれています。
    自分からインターネットに情報を取りにいく必要はありません。インターネットでもたくさんの情報を入手できますが、情報の取捨選択は大変です。NHK語学講座で紹介される情報は、その言語の学習者に役立つものがほとんどです。その言語を話す上で助けになる情報、知っていると会話が楽しくなる情報です。
    プロの講師や制作陣が監修した内容なので信憑性が高く、ポイントも絞られています。その上、リポート内容の後、解説やコメントも講師によって添えられますので、効率の良い情報収集になります。

    インターネット限定での情報提供でそこまで手の込んだ作り込みをすることは予算的にも困難といえます。体系的に仕上がった教材でも、大量生産となりますから、情報は一般的なものや、やや古い情報がほとんどです。

    1カ月ごとに発売されるNHKの教材は、鮮度はインターネットには少し劣りますが、情報の新しさの度合いは十分です。総合力という点でも、インターネットやほかの教材とはかけ離れて優れています。

    楽しい講義内容

    講義は、楽しい内容に仕上がっています。楽しいだけでなく、飽きさせないような工夫が多く取り入れられています。
    NHK語学講座の楽しさや工夫は、以下のようなものです。

    • 会話スキットは普通の会話だけでなく、物語や空想、少し飛躍した内容もある
    • ひとつの項目をひたすら解説するのではなく、次から次へスピーディーに展開する
    • この重要ポイントをもう一度見たい聞きたい、というときにちゃんとリピートしてくれる
    • 講師とネイティブ出演者の会話の生の会話やりとりがある
    • 講師のワンポイントアドバイスからフリートークまで、メリハリがある

    講師の色を少し出して、その言語でのジョークやだじゃれを言って楽しませてくれる講座もあります。

    テレビの講座では、映像の利点を生かして、「単語+そのイラスト」のような解説や、現地の本職の俳優さんを起用した会話やりとりの映像が見ものです。
    スタジオの出演者についても工夫があります。2000年代くらいまでは無名のタレントが務めていることが多かったですが、最近では有名なタレントも起用され、バラエティ色があって飽きない作りになっている講座もあります。

    勉強、というより、楽しく長く続けられるようにしっかり構成された作りになっています。




    ちょうどいい、1講座あたり半年で学べる

    1講座、半年で完結します。この短さにより受講しやすいものになっています。
    何年も同じ講座を受講し続けるのは集中力も続かすマンネリ化します。半年という長さは実際に受講してみると、言語の基礎的な要素をまんべんなく網羅するのにちょうどいい長さです。

    大学の講義はひとコマ半年、週1回90分。NHK語学講座も、ラジオ講座なら1週間あたりおよそ90分で大学の講義のボリュームとほぼ同じです。
    大学の講義のようにその言語を学問として学ぶわけではなく、会話中心の内容ですから、半年でも会話の上達には十分です。

    だいたい4月と10月が開講です。さあ受講してみよう、と思ったときに中途半端な時期であれば、とりあえず、テレビなら観るだけ、ラジオなら聴くだけにします。観て聴きながら勉強方法の想定をしておき、開講のタイミングでテキストを買って本格的に学習します。

    たとえば基礎英語1の半年が受講し終わったら、次の半年は基礎英語2、次は3という具合いに半年ごとにステップアップを図れます。速すぎず遅すぎず、着実な上達を期待できます。

    短期間で英語を話せるようになる、学習方法を速攻でポイント解説

    安い、1講座あたり数百円/月

    1講座の学習に使うテキストは、月に一冊です。価格は5百~7百円程度です。半年の講座でテキスト代5千円以内でおさまります。

    NHKの受信料を年間で1万円以上支払っている人が多いでしょう。語学講座を利用しなくても受信料は払うわけですから、その金額は語学講座の受講料とは考えないほうが安さを実感できます。

    低価格といっても書店に買いに行く手間があります。その場合には、定期講読を申し込むと自宅に送られてきますので、おすすめです。

    英会話スクールでは、レッスンで使用するとの名目で一冊8千円のテキストや、会話集5千円、CDやDVD六千円といった高額なグッズを購入する場合が多いです。英会話教育の対価だけで、場所代や人件費などの経費、利益をまかなうのにはこのような売り方をしなければなりません。
    民間の出版社や教育機関も同じです。NHK語学講座のクオリティーを実現させると、数百円でテキストを作るのは難しいでしょう。
    NHKが番組とテキスト共にこれだけ良質なコンテンツを格安で提供できるのは、国民からの徴収あってのことです。せっかく受信料を支払っているなら、利用しないと損ですね。

    英会話マスターに掛かる費用の徹底分析、回収可能

    まとめ

    講座の質の高さ、低価格なテキスト、適切な講座期間、とメリットか多いのが特長のNHKテレビ・ラジオ語学講座。会話のやりとりに重点を置いた内容、ということもあり、英語をはじめ外国語会話の上達に便利な学習ツールとしてご利用ください。
    語学の上達には、留学やスクールが王道ですが、事前に半年~1年、NHK語学講座を受講することで、その中身をより充実させることができるでしょう。
    まずは半年、ぜひがんばってみてください。







  • 後輩・部下に、昇格論文の書き方を指導して合格させる、指導例つき

    後輩・部下に、昇格論文の書き方を指導して合格させる、指導例つき

    後輩や部下に昇格試験の論文を指導するようなポジションになったとき、どのようにすればいいのでしょうか。
    自分が受かったときに論文を体系的に学んだ人は問題ありませんが、なんとなくやって受かっちゃった、という人は指導するのが大変だと思います。
    この記事では、会社の昇格論文指導をどのようにするか解説します。自分の人材育成実績にも役立つことでしょう。




    やってはいけない指導

    やってはいけない指導について、知っておきましょう。このやり方では、受け身になり、言われるがままにやるだけです。考えることもしなくなるため、指導相手の上達が見込めません。

    書き方をひたすら説明する

    「眠くなる講義」と同じです。基本的にはおもしろい内容ではありませんので、やる気に満ち溢れた相手ならまだしも、頭には残りにくいです。考えさせる時間を設けて引き込む必要があります。

    ここはこう書く、と答えを教える

    「こういうお題では、このように書きます」と教えるだけでは効果はありません。指導相手は考えることなく「そうなんですね」と受け止めて終わりになります。自分の業務と照らし合わせて考えさせないと書けるようになりません。

    書かせて直す、の繰り返し

    とりあえず書かせてそれを添削して、と繰り返して少しずつ改良していく、というのは効率が良くありません。その論文を自力で書けるようにならないと意味がないのです。基本を押さえて、少しずつ書かせながら膨らませるほうが、かえって近道です。

    論文試験がなぜ課せられるのか説明する

    会社が、昇格や昇進に際して論文試験を課すのには理由があります。それを説明します。
    論文試験が課せられる理由を知っておく必要があるかというと、以下の通りです。

    • 理由も分からず論文勉強してもモチベーションが上がらない
    • 会社が求めていることが分かれば、論文に書く視点が定まりやすい
    • 「試験があるから勉強」ではなく、「なぜ?」と本質を追求する

    3つ目は、根本的なところ捉える着眼点を先輩・上司として見せるために言います。

    まずは、本人に考えさせます。ある程度考えさせた上で、伝えてください。
    会社が昇格・昇進に論文を課す理由:

    • いずれは幹部クラス候補として、会社の利益や発展に必要な高い視点、経営目線を有していることの確認
    • テーマに沿った考えを、限られた時間で的確に文章で表現するビジネススキル

    横並びで同じ試験を受けさせる、とか、論述の最低限のスキルを見る、論文があることで日常の業務を改めて振り返らせる、などほかにもさまざまな理由があります。それらもひととおり伝えてもいいかもしれません。しかし「論文試験」である理由は、上のふたつに集約されます。面接では細かい考えや論述を聞くには短すぎます。
    会社によってはほかの理由もあるかもしれませんので、あれば付け加えてください。




    目標を設定する

    何事にも最終ターゲットがないと、モチベーションが上がりません。先の見えない取り組みだと、途中で練習しなくなる可能性があります。終わりがないことで、果てしなく練習論文を持ってこられても、こちらも大変です。

    目標はもちろん、試験合格 ⇒昇進 ⇒給料アップ、ですが、書くことにおける目標が具体的ではないので、ここでは「どの程度の論述スキルまで到達するか」を話します。
    以下のチェックポイントを設定します。

    1. 前書き ⇒詳細内容 ⇒まとめ、のメモ書きを短時間で作成できる
    2. 自分の業務の中から事例を柔軟に引き出し、論文テーマに当てはめられる
    3. 文章、内容、構成、テーマへの的確な記述により正しく論文が書ける
    4. 制限時間内に高品質な論文を書ける

    指導相手の初期レベルにもよりますので、相手に合わせて「いつまでに○○、そのあと□□」という感じで進めます。指導相手のモチベーションが切れないよう工夫が必要です。

    しゃべることを書かせる

    こちらがまとめたものを提供すると、たくさんある資料のひとつとして特別感がありません。読んでもくれないかもしれません。
    こちらがしゃべることを自分で筆記させることにより、自分だけの特別なメモになり、頭にも入り、特別感が出ます。まとめて文で表記する練習にもなります。「帰ってからそのメモを自分なりにまとめて、今後書くための参照用にして」と促すのもいいかもしれません。

    論文に合格するための必要事項を知ってもらう

    昇格試験の論文に合格する要素は、会社によって基準が異なる部分もあると思います。一般的に必要なこと、自分の会社特有のこと、を伝えます。
    まず相手に考えさせます。おそらく簡単には出てこないでしょうから、その後に説明します。説明しても肝心なところは言わず、相手に言わせるようにします。それでも出てこなければ、答えを教えます。
    最初に考えさせることで、後から聞いた答えのインパクトが強くなり、頭に残りやすくなります。

    昇格論文合格のための要素で一般的なことは、以下になります。

    1. テーマに対してふさわしい記述がされている
    2. 少ない誤字脱字での正しい日本語文章で記述されている
    3. 前書き、本論、まとめ、のような読みやすい構成になっている
    4. 自分の業務経験をもとに、実績や自らの工夫ベースで書かれている
    5. 経営目線や業務改善、リーダーシップ、生産性向上などの、会社の発展につながる記述がされている

    1つひとつの根拠:
    1は、「質問されたことに的確に答える」という基本中の基本。
    2は、部下のお手本になる管理職にいずれなっても、恥ずかしくないように。
    3は、物事の筋道を立てて論理的に結論に導く、管理職、リーダーとしての素養を見る。
    4は、業務の確たる実績を有し、何が良かったか把握し、テーマに応じて即座に説明できる瞬発力。
    5は、そういう視点をもっていることが、管理職候補として不可欠、ということ。

    5は少し注意が必要です。「出題されたテーマによっては、あまり書きすぎないように」と伝えます。また「リーダーシップ」「生産性向上」などのキーワードも連発させないことです。用意した文を書いただけ、テーマに合致していない、との判断を下される可能性があります。




    指導相手の記述力が低ければ、まずメモ書きから

    自分が論文練習をしたときには、自分のレベルやペースに合わせて進めれば問題ないですが、他人を指導する場合、その人のレベルによって指導する方法は異なります。

    論文記述が苦手な人には、まず、要約メモ書きから始めてもらいます。おおよそ以下のような構成です。

    1. 前書き
    2. 仕事について簡単な説明
    3. 主題、問題、課題
       ・事例1
       ・事例2
    4. 事例に対する自分の取り組み詳細
    5. 今後の取り組み、抱負
    6. まとめ

    (自身の会社の論文スタイルに合わなければ、それに応じて修正してください)
    各項目、数行程度で書いてもらいます。まずは論文の全体の流れを把握してもらうことが第一歩です。

    昇格試験の論文をスムーズに書くコツ。要約メモを作って試験合格へ

    論述が得意な社員は、論文記述の基本スタイルを知っていますから、この工程をスキップしても問題ありません。書かせた練習論文の質が良くなければ、この手法を勧めてみます。

    文章を書くことが苦手な人に、文章の基本を丁寧に教えたほうがよいのでしょうか? おそらく文の書き方まで教える必要はないと思います。

    文章を上手に書くための6つの基本、例文で解説

    そこは個別に学ばせるか、論文添削のときに、ピンポイントで教える程度で問題ありません。論文合格には、飛び抜けて上手な文章である必要はないためです。




    自分の工夫を入れさせる

    昇格論文では、一般論を長々と掘り下げて書くのはふさわしくありません。自身の業務経験や実績から、テーマにうまくはめ込んで分かりやすく文章で表現する、というのが会社の論文の一般的な書き方です。一般論を書くとすれば、前書きや取り組み事例を書くところで、世の中の動向から自分の仕事に落とし込むときくらいでしょう。

    アピールする事例のところでは、とことん自分の工夫を入れることを伝えてください。業務での大きな成果が出せていない人でも大丈夫です。小さな成果であっても、そこに以下のような視点があれば問題ありません。

    • 問題点を抽出する感度
    • 会社や組織、部門の発展
    • その目標達成への工夫
    • プロセスを踏んだ対応
    • 周りの人を巻き込む積極性

    たとえば、
    「共有フォルダの中のファイルを整理した」
    という、頼りない実績しかないときでも、書き方次第で大きく見せることは可能です。少し長いですが、いかにも高い意識で取り組んだように内容を膨らませた記述例をご覧ください。

    テーマ: 生産性向上

    チームメンバーの事務処理作業に多くの時間が割かれ、本業の開発業務に専念できないことが問題になっていた。
    全メンバーの1カ月の事務処理総工数は、数十時間に及んでいる。この原因を追究したところ、共有フォルダ内の必要ファイルのカテゴリー分けの不備、多すぎるフォルダ数、階層の深さ、などにより無駄なPC操作による時間のロスが発生していることが明らかになった。
    これを解決して業務効率を向上させるために、フォルダ構成の刷新を実行することを決め、以下のアクションをとった。

    • 最も時間が掛かる操作の聴き込み
    • メンバーの意見集約による新構成提案
    • 新構成による作業短縮時間の算出
    • フォルダ構成の組み換え作業

    これらを進めるにあたり、メンバーやリーダーとも逐次情報共有を図りながら協議を重ね、必要に応じて先輩メンバーにも作業の協力を仰いだ。単純なフォルダ整理ではなく、需要の高いカテゴリーの重点的なユーザビリティ向上、不要なファイルの破棄、ショートカットやリンクの整備といった、生産性向上を実現するためのあらゆる手段を取り入れた。
    結果として、作業時間半分への短縮が実現され、開発業務に専念できる環境が整った。また余裕時間で、月に一度の「品質向上ミーティング」の開催も可能となり、密度の濃い業務品質へと導くことができた。
    そもそも、この事務処理が必須なのか、作業そのものを集約できないか、という協議も関連部門との間で進めている。‥‥(続く)

    書き方やプロセス、自分なりの工夫を入れた感じを出すことで、大きな実績に見えます。今回の「フォルダ整理」くらいのことであれば、そのこと自体は長く書かせないようにします。そこに至る問題意識や周りを巻き込む姿勢が前面にくるようにし、目線を高くもつように伝えます。

    後輩・部下の書く実績があまりにも少ない場合、単純作業に徹しすぎている証拠です。会社での人材育成の上でも問題があり、やらされ仕事により思考停止に陥ってしまうことも考えられます。1人ひとりのスタッフに、主体性をもって自分の判断や工夫で仕事を進めるミッションを与えることも、組織として必要な人材育成です。

    思考を働かせて仕事の成果をあげる5つの方法、実用例で解説

    もし論文試験まで期間があるなら、現在の業務に加えて新たなミッションを追加することも考慮しましょう。これにより、指導相手の成果と意欲が向上することも期待できます。




    実践させる

    論文が苦手な人には、まず要約メモを書き始めてもらいます。最初は1週間与えて問題ありません。そのかわり、しっかり考えてもらいます。
    優れた要約メモを1回目で持ってきたら、早速すべて書かせてみます。
    要約メモがいまいちでしたら、何度か続けて流れをつかむことに慣れさせます。メモ書きすらまともにできないと、長文は到底読めるものではないのが目に見えています。

    提出日に期限を与える

    練習論文や要約メモを自宅で書いてきてもらうことになると思いますが、提出期限を与え、守らせましょう。

    期日に余裕を与えたり、出来てない場合に延長したりすると、次回以降の期日に対してもルーズになり、時間内に物事を達成するマインドが低下します。

    論文を書くことに慣れてきたら、少しずつ期日を短くして、集中して書かせるようにします。最終的には実際の試験時間を設定して書かせるところまでもっていきます。

    社会問題や時事ネタには気を配らせる

    指導相手が、あまり経済や社会問題に関心がなければ、今からでも毎日少しずつ最低限の情報を取り入れるよう伝えます。
    論文では、基本的に自らの取り組みや会社の発展を中心に書きますが、内まった記述になるのはよくありせん。ところどころ以下のようなフレーズを用います。
    「世界的な不景気の影響を受けて個人消費が冷え込んでいるため」
    「原油の高騰により仕入値が上がっているため」
    「政府の施策により各企業の義務範囲が広くなり」
    これらは、料理のスパイス的な効果があります。世間一般の動向だけでなく、業務関連の学会やその分野のトレンドを追うことも同じです。

    論文が良くなるだけでなく、書くことそのものがアピールにもなります。
    世の中の動向を論文に取り入れることによるメリット:

    • 自社との比較や、前提、背景を添えることで論述の幅が広がる
    • 広い視野をもち、業務と関連付けるセンスをアピールできる
    • 社外での環境変化に追従していることをアピールできる

    もし論文テーマとして、「自社の○○の状況を、世の中のスタンダードと比較して論ぜよ」のような感じで出題されたら、日頃から新聞やニュースから情報を得ていないと書けません。
    世の中の情報をキャッチして自分たちの仕事に適用する感度は、いずれ管理職になるなら必要になるスキルです。昇格するなら、社内外の両方の情報を取りにいく訓練が必要になる、ということです。

    書くネタがなければ今からでも実践させる

    論文に書くネタがなければ、まだ昇格には遠い、ということになります。
    論文に嘘は書けません。書く内容が足りなければ、真実を書くためにも、今から足りない部分を業務で実践させましょう。

    書くネタが本当にないのか、あらためて日頃の業務を振り返るよう勧めましょう。以下の記事には、日頃の業務の中にありそうなアクションを100以上集めています。

    昇格試験の論文を書くネタ、知っておくと使える22の記述材料

    いきなり大きな仕事をさせるのは難しいかもしれませんが、取り組みの意識を変えさせます。「共有フォルダの整理」でも、ただ整理するだけでなく、周りの人に色々質問して意見を集約したり、協力を仰いだりするだけで、書くネタが増えます。あとは、書き方次第です。

    実際の指導シミュレーション

    これまでの指導内容の中から、さわりの部分だけ指導のシミュレーションをしてみます。論文の指導だけに留まらず、今後の成長を視野に入れた人材育成視点での指導です。前提は、
    自分: マネージャーの補佐的ポジション
    相手: 若手、論文は苦手、ルーチン業務中心

    自分「いよいよ昇格のための論文試験を受ける段階に入って来ましたね。論文を書くのは得意ですか?」
    相手「いや、苦手ですね、大学の卒論は書きましたけど、教授が、直せ、って言ったとこ直しただけですから。」
    自「今以上にステップアップするには、昇格試験の論文に合格しないといけませんね。なぜ論文試験が課せられるかか知っていますか?」
    相「分かりません、なんでですか?」
    自「ちょっと考えてみてください」
    相「足きりのためですよね」
    自「論文である理由は?」
    相「文章が書けるかどうか見るとか」
    自「それもひとつの理由ではあります。論文の中で多くのことを書かせることで、文章力以外に、ほかのことも分かりますが、何か思い浮かびませんか?」
    相「その人のやった成果とかですかね」
    自「そうです。それ以外に、何かありませんか? 論文のテーマ、つまり出題されることは、
    “生産性の向上”
    “会社の発展”
    “これまでにない事業の立ち上げ”
    のような、平社員には少し高いレベルの内容ですよ。」
    相「ああ、課長とかのレベルで物事を考えることができるか見るってこと‥」
    自「そうですね。ではここから、私が話すことをドンドンメモしてくださいね。
    その論文を書いた人がいずれ幹部クラスになっても大丈夫か、利益や発展を考えられる経営者目線をこの段階でもっているか、ということを会社は確認したいわけですね。そして、先ほどあなたが言った、文章力に関すること、試験には制限時間がありますから、その文章力を‥」
    相「時間内に正しい文章で、、正確な内容で答えを出せるか?」
    自「正しい文章で正確な答え、そうです。テーマに沿った考えを、限られた時間で的確に文章で表現するビジネススキルをもつことが、マネージャークラスには必要になってくるんですね。論文が課される理由、だいたい分かりましたか?」
    相「高いレベルの視点、時間内で正しい答えを文章で出す、って感じですか」
    自「だいたいそんな感じでいいです。先ほどメモした内容をまとめて、もう一度考えてみてください。なぜこんな論文を書かなきゃいけないのだろう、と分からずにやるより、根本的な理由を理解して進めたほうが方向性も定まるでしょう。」
    相「会社が私たちに何を求めてるかってのは、なんとなくつかめました。」
    自「論文の理由を理解したところで、目標の話をします。今回論文試験に望むわけですが、どのようなレベルを目標にしますか?」
    相「昇進して給料上げるってことです」
    自「もちろん、それを目標にしてもらってもいいですが、論文を書く上での目標は?」
    相「時間内にちゃんと合格レベルで書けるようになる。 でも、論文はハードル高すぎるんすけど。」
    自「時間内に書く、というのはいいと思います。論文が苦手なら、いきなりそこまでは難しいでしょうから、チェックポイントを設けるのはどうでしょうか。どのくらいのレベルをまず目指しましょうか?」
    相「そうですね、簡単な文だけでも書けるようになる、というのはどうですか?」
    自「そうしましょう。まずは、全体の概略を示す要約レベルのメモを書いてみましょう。メモ書きレベルでの小規模な論文を書いて、それから少しずつ肉付けしていき、本格的な論文に仕上げていきましょう。出来そうですか?」
    相「それなら簡単そうです。」
    自「短いメモ書きでも、ポイントはしっかり掴んでいないといけません。合格する論文とは、どういう書き方か分かりますか?」
    相「会社の発展とか、高い視点、正しい文章?」
    自「だいぶ分かってきましたね。それらもあります。論文を書いているわけですから、最初から最後まで自分の意見だけを書き続けたらどうですか?」
    相「それはさすがにおかしいですね。」
    自「どんな書き方がふさわしいと思いますか?」
    相「前書きみたいのがあって、次に自分の主張があって、最後まとめ、のような形ですか?」
    自「そうです。論文の構成がしっかりしてないといけません。今あなたが言ったことは、序論、本論、結論、という流れです。ほかには? たとえば、会社は社員にプロの執筆家のような論文を求めてますか?」
    相「それはないと思います。自分なりの工夫が入っていることが必要でしょうね」
    自「その通りです。作家や評論家でもないのに一般論を繰り広げても滑稽なだけですね。自分の実績をうまく説明できることが重要です。あと、重要なことがもうひとつあります。非常に基本的なことです。何でしょうか?」
    相「何でしょうね‥」
    自「試験問題には、○○について論じなさい、と出題があります。○○について論じなくてはなりませんね。」
    相「あ、出題に対する答えになっていること、ですか?」
    自「正解。出題されたテーマに的確に論じた内容に仕上がっていることです。○○について論じないといけないのに全然違うこと書いていたら、用意してきた文を書いただけ、と捉えられてしまいますね。
    では、合格する論文に必要なこと、おさらいしましょう。メモしてください。

    1. テーマに対してふさわしい記述
    2. 正しい日本語文章での記述
    3. 読みやすい構成
    4. 自分の実績や工夫が書かれている
    5. リーダーシップや会社の発展につながる記述

    ですね。5番目は、論文テーマにそぐわない場合、あまり書きずぎないようにしてください。」
    相「わかりました。メモ書きとはいえなんか難しそうですね。」
    自「要約メモは、先ほど少し話した、序論・本論・結論だけを端的に書けばOKです。要約メモとは、○○○○です(説明する)。」
    相「論文の骨格が分かりやすいですね。」
    自「この程度のメモ書きなら、そんなに長い期間考えなくても出来ますね。論文のテーマはこれでどうでしょう。
    “会社は、各部門の連携がうまく機能することにより、その相乗効果で多くの実績をあげます。自分の所属する部門の付加価値を上げるためには何が必要ですか。そのために自分が取り組んでいることを述べなさい”
    一週間後に要約メモを見せてください。」
    相「承知しました。1週間あればできそうです。」
    自「でも、しっかり考えて進めてください。合格する論文に必要な5つの項目がすべて網羅されているか、メモ書きを見て確認してください。採点者の気持ちになって、この論文の書き手がマネージャーやその候補に推薦されても問題ないか、という視点でメモを読み返してみてください。」
    相「質問ですが、書くことがないんですけど‥何を取り上げればいいんですか?」
    自「あなたの業務の中で本当にありませんか? それも含めて考えてみましょうか。ヒントは、

    • 単純作業の中でも工夫したこと
    • 不要だと思って切り捨てたこと
    • 必要だと思って追加したこと
    • ほかのスタッフと協業したこと
    • 結果的に改善されたこと

    です。どんな小さなことでもOKです。自分の仕事を振り返るいい機会ですね。もし、書く内容が足りない、と思ったら、論文に書けるような行動を、意識的に業務に取り入れてみるのもいいですね。そのときは私にぜひ相談してください。」
    相「まずは、考えてみたいと思います。」
    自「がんばってみてください。」

    以上です。いかがでしょうか。
    自分の思ったように指導相手が発言してくれないかもしれませんが、決して答えを明かさず、本人の口から言わせるようにしましょう。
    要約メモをすんなり書けるようになれば、あとはそのメモに、前提条件や取り組み事例の詳述といった肉付けをするだけです。
    指導相手の論述スキルが徐々に上がると、自らの人材育成の手応えを感じてきます。

    まとめ

    やってはいけないことから、目標設定、要約メモの作成方法など、ひととおりご紹介しました。
    ただ論文を教えるだけではなく、人材育成観点で良い指導を心がけたいところです。
    メモを本人に取らせ、ポイントや答えを本人に言わせて印象付けることも効果的です。考えて自ら知恵を絞る、という姿勢に向かわせることが部下・後輩の育成につながります。
    相手のレベルにより、指導内容や話すレベルは変わると思いますので、ぜひ人を見て指導をすることも心がけてください。

    論文の書き方や記述例は、以下の記事で参照できます。

    会社の論文試験に合格する! 昇進試験、採用試験での論文の書き方のコツ、対策を解説

    昇格論文には、総合力が試されます。テーマに対する的確な解答にくわえ、文章、構成、視点、工夫がうまく取り入れられているか見られます。部下、後輩の成長による総合力の発揮と、自分の教育、指導力のステップアップのために、実りのある時間をお過ごしください。







  • 昇格試験の論文を書くネタ、知っておくと使える22の記述材料

    昇格試験の論文を書くネタ、知っておくと使える22の記述材料

    昇格論文を書くためには、その論文を書くための業務ネタを用意できないと、論文の構成づくりや題意に的確に答える、といったテクニックを発揮することもできません。
    本記事では、ビジネスマンが日頃の仕事の中で経験する業務で論文のネタに使えるものを紹介します。論文を書く上でのパーツとしてご利用ください。




    論文に書くネタとして使える要素

    論文に書くネタは、ひとつでも多く所持していることが望ましいです。いざ論文試験開始、となったときに戸惑うこともないでしょう。
    多くの自分の実績を把握しておくことで、題意に対してうまくチョイスして、書き進めていくことができます。

    使えるネタは、日々の仕事の中にたくさんあります。
    たとえば、後輩に仕事のやり方を教えただけで、それは工夫次第で「人材育成」をテーマにした論文に使えます。小さな取り組みであっても、

    • 題意に合致した最終目標を設定
    • 最終目標に向けた自分なりの工夫
    • 周りの人間を巻き込む
    • 最終的な成果
    • そこから考察できること

    という具合いに、書き方次第で含蓄のある内容に仕立てることができます。

    会社では、業務にのめり込む職人のような気質の社員より、周りに影響を与えて組織単位での成長を促すような人が好まれます。したがって、この記事では、周りの人間を巻き込むような内容のネタを多く取り入れています。

    また、テーマや題意に対して、その道の達人や文化人が論じるような掘り下げた論理展開を書くことはふさわしくありません。
    日常の業務や問題解決、取り組みの成果を、管理職目線で解釈し、会社への利益貢献や、会社の永続的発展につながる書き方が好まれます。

    以下がネタに使えるキーワードです。詳細事例は次の項から記載されています。キーワードをクリックしても参照できます。




    品質

    • 製品、商品の品質向上の視点で、使いやすさ改善、見やすい表示に変更、ケガをしにくい構造に変更
    • サービスの品質向上を目指し、お客様の待ち時間や対応時間を短縮するために、会場に説明員を増員した
    • 製造、生産の品質向上のために、組み立て間違えのない方法の提案や、部品の欠品が発生しないような仕組み構築をした
    • 業務の品質向上のために、操作ミスや間違いが発生しない、誰がやっても同じ結果にるような仕組みを構築した

    コスト

    • 商品やサービスのコストダウン全般(VE,VA)
    • 要員を減らしたことによる人件費削減
    • 時間を短縮したことによる作業工賃の削減
    • 輸送効率を改善して物流費を削減
    • 物品の集約を実施し、保管スペースを削減したことによる管理費用削減
    • メール、添付資料、テレビ会議、などを活用して、出張を削減したことによる経費削減
    • 従来のやり方を見直して、無駄なツール、ソフトウェア、サービスなどを解約して、経費削減
    • 業者との交渉による仕入値の値下げ

    納期

    • 各担当の業務の進捗を週一で報告する会を設ける、というルールを作った
    • すべての取り組みの進捗がひと目で分かるような一覧表を作成
    • コストが余分にかかってでも、納期だけは確実に守る、という文化を醸成
    • メンバー全員の進捗を見て、遅れそうな人をフォローし、足並みを揃えさせる
    • 顧客への回答が遅れないよう問い合わせ一覧を作成し、完了チェックを入れたら項目が消える、というデータベースを構築

    環境

    • 規制されている物質の一覧表を常に手元に置いて材料選択をしている
    • 環境を統括する部門と常日頃からり取りして、環境規制に対する意識を高めている
    • 会社が環境保護について取り組んでいるプロジェクトをチェックして、活動内容だけでも把握している
    • 環境規制やプロジェクトの内容を関係部門に周知して、時流に乗った取り組みを推進している
    • 世の中の激しい環境変化に乗り遅れないために、新聞やインターネットで社会のニーズや変化をキャッチしている
    • 社内の激しい環境変化に対応するべく、的確に情報を取れるよう、毎朝メールや社内のイントラサイトを確認している
    • 社内の環境変化を肌身で感じるために、多くの他部門の社員と、仕事以外の話もするようにしている

    新しい取り組み

    • 日頃の業務の問題点や不満などをみんなで話し合う会を1カ月に一度設けて、改善する活動を始めた
    • コストダウン、品質、日程管理、教育、指導、衛生管理など、テーマは問わず関係者で定期的に話し合い、最適な状態へと導く活動
    • 業務の改善や新しい取り組みを大小問わず1年間で1人5件をノルマとし、イノベーションを意識付けた



    仕事のプロセス

    • 課やチームの業務について、どのようなプロセスであるべきかメンバーで協議し、適正プロセスを策定、それに沿って仕事をしている
    • PDCAサイクルについて、チーム勉強会を行った
    • PDCAサイクルの「P」「D」まではできているが、「C」「D」がないまま次の業務に移っていたため、「振り返りの会」を実施し、「品質向上プロジェクト」を立ち上げた
    • グループ員がみんな自分の好き勝手なやり方で仕事を進めていたが、個人裁量に任せる部分と、共通プロセスに沿う部分を明確にすることで、業務の質が上がった
    • 成果報告では、その内容がPDCAサイクルのどのプロセスに当たるか明確にしながら話している

    リーダーシップ

    • メンバー1人ひとりに的確に指示を出すだけでなく、考えさせながら進めるような手法をとった
    • 部下や後輩はいないが、同僚や他部門のスタッフに対して、依頼や協力要請をして動いてもらい、期日までに結果を出した
    • メンバーが気持ちよく仕事を進めることができるような環境整備はするが、無用なクレームには毅然とした対応で接するようにしている
    • メンバー自身で判断して進めてよいこと、リーダーの承認が必要なこと、チーム員全員で協議の上で進めることを明確にして、みんなで共有した
    • メンバーのスキル項目を精査し、スキルの低いメンバーに学びを勧めた

    コミュニケーション

    • ほかのチームの人との交流会を定期的に設けて、コミュニケーションの強化を図っている
    • 相手と意見が異なるときには、ふたりの意見を総合して本質を見極めてから、win-winとなる結論を導くようにしている
    • メンバーとはメールだけでなく口頭でも情報共有を図ることで、コミュニケーションを活性にするようにしている
    • 人に説明するときには、口頭だけでなくメモ書きで補足しながら、誤解のないように行っている
    • 重要な説明した後には、コミュニケーションエラーが発生しないよう、議事録をメールで送付している
    • 相手が確実に理解しながら聞いていることを確認するために、「ここまでだいたい理解できましたか?」と言ってフォローしながら話している

    生産性向上

    • 要求されてもいない品質にこだわっていたが、必要な品質維持だけに限定し、作業工数を短縮した
    • 複数箇所へ部品の共通化を行い、作業工数はそのままでコストダウンとなった
    • WebサイトにQ&Aを掲載することで、問い合わせ件数を削減し、スタッフが本業に専念できるようになった
    • 業務にPCだけでなく、スマホやタブレットを活用することにより、業務効率がアップした
    • お客様の窓口対応を、一度用紙に必要事項を記入してもらってから対応することで、要員を増やさず、多くの件数をこなし(効率アップ)、聞き間違いなく確実にヒアリング(品質向上)できるようになった

    全体最適の視点

    • 顧客サービス対応を強化するために、自部門の要員を増やすことで要員管理が大変になるが、他部門への負担をかけることもなくなり、顧客満足向上、会社の利益アップとなる
    • これまで避けてきた面倒な技術手法を要求されたが、作業員が間違うことなく実行でき、スピードも上がる、検査も時間短縮できる、ということであれば、設計開発部門としては受け入れる
    • 自部門の効率アップや不具合対応防止ばかり考えている部門に対して、品質向上とコストダウンによる全体最適の効果を説明して、面倒な業務を受け入れてもらった
    • 一見ひとつの部門にしわ寄せがいっている取り組みについて、その部門のメリットを明確にして、全社的にメリットを見いだすことができた
    • 明らかにひとつの部門が負担を負うような取り組みだったので、その部門も恩恵を授かるこができるよう更なる一手を講じることで完全な全体最適を実現した



    部門間調整

    • 自部門の看板を背負って、出来ることと出来ないことを明確にして話している
    • お互いの部門のメリットを常に考えながら話を進めた
    • 前例のないやり取りは、自分ひとりで進めずに、部門長を巻き込んで慎重に行った
    • 両部門のメンバーに影響することなので、誤解が発生しないよう、5W1Hを明確にして話した
    • 相手が明らかに調整力不足であれば、概略だけ伝え、あとでその人の上司に詳細内容を連絡した
      今後のスタッフ間調整の最適な人選を提案した

    問題解決

    • 問題解決の前に、関係部門に連絡し、協議の上で対応している
    • まず問題の影響範囲を考えて、暫定的に取れる対策を迅速に講じ、その後に恒久対策を打っている
    • 問題解決の際には、個別で進めるのではなく、常に関係部門と情報共有を図りながら、最新の情報をもとに進めている
    • 問題解決した際には、原因、対策内容、今後の見通しなどを明確にまとめて、被害を受けた人やクレーム主にアピールし、安心を提供している
    • 問題が発生しても、その緊急度によっては即座の対応ではなく、時間をかけて確実に、失敗しないように対策を進めていく
    • 問題解決がひと段落したら、再発防止策をまとめ、二度と起こらないような仕組みを作る

    安全衛生

    • 月に一度、グループ内で安全巡視を行っている
    • 月に一度、課内でオフィスや検討場の整理整頓の会を開催している
    • オフィス内では、物品を積み上げる高さに制限を設けて、万が一、落下しても大事故にならないような措置をとっている
    • 課内に安全衛生担当者を立てて、あらゆる安全衛生に関わることの窓口や取り仕切りを任せている
    • 毎週金曜日の定時前に、自席の机を整理する決まりを設けている

    クレーム対応

    • クレーム主が言っていることに対して対策するのではなく、その本質をとらえてから的確な対応をする
    • 明らかに単なる不満であれば、毅然とした対応でお断りする
    • クレームには、その意見の背景にある、自分たちの大きな誤算を発見する良い機会でもあるため、うわべだけをとらえるのではなく、全体像を俯瞰(ふかん)して漏れのない対策を検討する
    • クレームは、処理するだけでなく、対応リストも作成し、課内で内容を共有して対応方法が基本的に統一されるようにする
    • クレームを定期的に受ける部門のため、入力フォームを作成し、インプットされるようクレーム情報のスタイルを一元化した
    • 同じクレームが再度起こらないように、再発防止案も毎回検討する

    ユーザー目線

    • あらゆる要素より、ユーザーのメリットを優先する、というマインドを課内でのモットーにしている
    • 管理の手間が発生するが、多くのユーザーの利用のしやすさが見込まれるので、取り組みを実施した
    • 貼り紙やポスターへの文章表現を、書き手側の視点でなく、見る人側の視点で書いた
    • 発表資料の記載内容を、文字量少なめでビジュアルデザインを意識した作りにしている
    • 「このようにしてください」との説明書きをしてユーザーに操作させるのではなく、そんなことをしなくてもいいような構成になるよう、議論を尽くす
    • これまで良いと考えていた製品やデザインを、部外者や専門家、モニターに改めて検査、評価してもらい、ユーザーが本当に求める品質へと改善した
    • ユーザーは実際のお客様だけでなく、自分たちの成果として上がった業務や仕組み・ルールを運用する社内の関係者すべてをユーザーとしてとらえることで、より品質が上がる

    ルールの見直し

    • ルールは、時代の移り変わりとともに改定されるべきだが、特にユーザー向けは定期的に協議して見直している
    • 社内規格の厳しさが原因で物事が前に進まないときは、そのルールを疑い、時代のトレンドに乗っているか協議する
    • ルールが存在しない業務を進める場合、類似するルールを拡大解釈して進める



    課長の補佐

    • 課長の補佐的ポジションだが、ほぼ課長と同等の仕事を行い、課長には部長に近い職務をしてもらっている
    • 課長が多忙で手が回らないため、本来課長が行うべき職務のうちいくつかを自分で代行すると提案し、実施した
    • 課長不在のときには自分が課をまとめる必要があるため、日頃から課長の仕事についてレクチャーをお願いしている
    • 課長に直接意見を言いにくい人もいるので、スタッフとの架け橋になれるよう、課長とスタッフの両方と日頃のコミュニケーションを密にとっている
    • 課長の代わりにスタッフへ見解を述べるときには、私見ではなく、課の指針に沿ったり会社の利益をを考慮したりして述べている
    • スタッフに対して、課としてのぶれない方向性を示すには、課長の意見に異を唱えず、確たるものとして伝える

    小集団プロジェクトでの活動

    • 課としての取り組みで、本業と少し異なる独立した業務の場合、プロジェクトとして立ち上げ、目標や日程、成果を見えやすくする
    • 課内に小集団での活動を複数作り、各スタッフにプロジェクトリーダーを任せることで、モチベーションも上がり、リーダーシップの養成にもなる
    • プロジェクト終了後には、リーダーがその成果や問題点、今後の目標などを体系的に発表する機会を設けることで、総合的なビジネスのスキルアップを図った
    • 小集団の中では、平社員であるリーダーがある程度自分の好きなようにプロジェクトをコントロールしてよいルールにして、自分で考える力を養うようにした

    組織の活性化

    • 課のスタッフ間のコミュニケーションが良くないため、困っていることや仕事と関係ない部分での意見を各人からもらい、何が問題かを追及した
    • 月に一度、昼休みにランチミーティングを開催し、仕事のことも仕事以外でも何でもいいので、フリーディスカッションスタイルをとって皆で食事をしている
    • 課のスタッフ全員が発言できるようなミーティングを設定した
    • チーム間でスタッフをローテーションして、より多くのスタッフのコミュニケーションを図れるようにする
    • 定期的に各スタッフの業務進捗発表を開催して、お互いの業務を詳しく知る機会を設けている
    • 「何か困ったことや新しい発見、みんなで取り組んだらいいと思うことがあったら、ぜひ声を出してみんなに伝えてくださいね」と日頃から課のスタッフに働きかけている

    海外拠点や外国人とのやり取り

    • 単に英語で情報交換するだけでなく、率直に分かりやすく意見を述べたり、国の治安や経済情勢を考慮するなどの、相手国の文化に配慮したやり取りを心がけている
    • 外国人がいる場面で、日本人同士の長時間にわたる日本語会話をしないようにしている
    • 相手の国に歩み寄るために、最初の挨拶だけでも相手国の言語であいさつする
    • 業務で使用する最低限の英語について、課内で勉強会を開催している
    • TOEICの点数と実際の英語力には解離があるため、課のスタッフの英語スキルの見える化を行った
    • 英語が得意ではないスタッフのために、挨拶文や結びの文、定型化されたやり取りの英文パターンを何通りも作り、担当者による英文ばらつきを低減した



    自発的に動く

    • 関係部門やお客様には、いつも「何かご不明点はありませんか?」とこちらから質問している
    • 部門やプロジェクトの改善すべき点を提案した上で、自ら説明資料を作り、キーパーソンに説明する
    • 自分の業務を日程通り遂行することは当然のこと、チームのメンバーで遅れが発生しそうでないか自ら確認し、もし遅れそうであれば、自ら手伝うか、リーダーへ支援を打診する
    • 課の中で明らかに全体のパフォーマンスが落ちていれば、何か原因があるので、自らキーパーソンを集めて協議する
    • 経験をたくさん積む必要があるため、誰かが代表で出張や出席、研修を受講して課で共有などの機会には、自らが志願している

    人材育成

    • 直接いろいろなことを教えるのも育成だが、答えを教えずに考えさせることで、思考力を育んでいる
    • 後輩や部下との普段の会話の中で、どのように成長したいか、そのためにどのような意識で仕事をするべきか話している
    • 研修や講習、さまざまなWeb学習サイトの情報を日々入手し、自分で受けるだけでなく、課のほかのスタッフにも受講を促して全体のレベルアップを図っている
    • 部下、後輩に少し高めの目標をもたせ、成果を挙げさせることで、仕事へのモチベーションを引き出せるような指導ををしている
    • 課に必要な知識、スキル項目をリストアップして、スキル不足のスタッフと今後の学びの計画について、本人と話し合っている

    まとめ

    大規模プロジェクトの一員としての見えやすい成果や、上司から与えられたミッションは、考えなくてもすぐにネタとして浮かびます。それ以外にも、論文に書けるネタは日常業務の中にこれだけたくさんあります。中には一見パンチ力の弱い内容もありますが、正しい目標設定と、自分の工夫が盛り込まれ、管理職目線で書けば、論文のネタとして十分使えます。
    もし本記事で挙げた事例で自分の業務に該当するものがほとんどなければ、それは昇進昇格するに値する成果をまだ出せていない、ということになります。今からでも自分の業務にいくつか実施してみてはいかがでしょうか。論文に書けるくらいの影響力のある業務を実践することが、昇進昇格へと近づくことになります。







  • 保育士・幼稚園教諭から一般企業への転職で、保育士経験を効果的にアピールする8つの方法

    保育士・幼稚園教諭から一般企業への転職で、保育士経験を効果的にアピールする8つの方法

    本サイトでは、保育士経験しかない中で一般の会社に転職したい人向けに、その業務経験をどのようにアピールすればよいか、詳しく解説します。




    保育士経験から一般企業にアピールする

    その業務を端的に取り上げ、それがビジネス視点でどのような成果だったかを説明します。また、成果があまり大きいものでなくても、自分で取り入れた工夫やプロセスがしっかりと説明できれば評価されます。保育の業務が色濃く出るようなアピールや、深掘りはあまりしません。

    1. コミュニケーション力
    (価値観の違う同僚保育士との協業)

    保育園では、各園でのそれぞれの思想やポリシーをもって日々運営しています。同時に、保育士ひとり一人も自分の信念、考え方があります。
    ・とにかく安全第一で子供を守る
    ・文字や数字の学習、知性を強化しよう
    ・絵本の読み聞かせを重視、想像力を育む
    ・運動、体操で体を動かすのが健康的
    ・音楽をたくさん取り入れて感性を磨く
    ・園児教育より親のクレーム対策が優先
    ・園長の指示に忠実に従うべき
    ・昼寝させてる時間が私達の本当の業務
    ・優先なし、すべてまんべんなくやる
    ・季節やイベントに応じて臨機応変にやる
    など、一口に保育士といっても、どこに重きを置くかは十人十色、多様な価値観の人たちの集まりです。

    そんな中で、円滑に保育業務を進めていたということは、高いコミュニケーション力があった裏付けになります。コミュニケーションスキルを発揮した、アピール事例をいくつか挙げます。

    • 自由時間を運動にあてたいスタッフと、音楽にあてたいスタッフの間に入り、「音楽に合わせて体を動かす」という両方を盛り込んだ提案をして妥結させた。両方重要と判断し、win-winの結論を導いた良い事例だった。
    • おゆうぎ会衣装手作り派の私は、外注派といつも意見対立気味だったが、メリットとデメリットをまとめて、手作りアイテムと外注アイテムの区分けをし、両者納得した。0か1か、ではなく、本質をとらえ、それぞれの要素がどうあるべきか最適な方向に導けた結果だった。
    • 現場で他のスタッフと意見の対立時、その場では反論せず、後日落ち着いてから、客観的意見をまとめて、あらためて具体的に話し合うことを提案するようにしている。
      自分の意見だけを押し付けたり、理由もなく単に受け入れたりするのではなく、お互いの意見の客観的に良いところを抽出することが重要である。

    たいした内容ではありませんが、このように口論やけんかを避けて、最良の結論を冷静に導く姿勢は、どこでも必要なビジネススキルです。
    じゃんけんや多数決でなく、どうすれば両者納得できるか、また本質的な問題は何なのかを見極めて結論に向かうアピールが効果的です。




    2. ユーザー目線で新アイデア
    (新しいイベントの企画)

    会社では、事業企画だけでなく、課やグループ単位でも新しいやアイデアや取り組みにより成果を上げなくてはなりません。一人ひとりの発想力に期待がかかります。
    保育園では、納涼祭、クリスマス会、運動会、誕生会などさまざまなイベントがあります。それ以外の小さなイベントやリクリエーションでも何でもいいので、自分で考えて提案した事例があれば、アピールします。

    • 保育参観日は、年に一度開催されるが、数時間で、日頃の様子を網羅して伝えることが難しいため、年に2回開催を提案。暖かい時期に、運動やダンスなどを中心としたアクティブな保育、涼しい時期に、お絵描きや、もじかず、手遊びなどの屋内保育で保育参観を開催。これにより、保護者に保育内容を十分に見ていただけるようになった。
    • 園児たちの作品展示会を提案した。日頃から園内に展示はしているものの、送り迎え時にゆっくり見てもらえないため、日曜日に園内で作品展示会を開催した。自分の子供の作品と他の子との比較もゆっくり楽しみたいという、保護者の気持ちに配慮した提案だった。
    • 今の時代は頭を使うことが大切なので、文字書き、数字、といった「お勉強」だけでなく、知恵をつける訓練や、簡単なプログラミングの考え方を学ぶリクリエーションを提案した。時流を読んだ提案で、保護者からの評判は大変良かった。

    「保育」という一見ルーチンワークに思われがちな仕事でも、これだけ新しいアイデアを日々模索しながら、取り組んでいることをアピールしてください。保育業務の対象は、園児とその先の保護者です。園児だけでなく保護者に向けたカスタマーサービスの意識もある、ということは、ユーザー目線をもっている証拠。ユーザー目線は会社には必須のスキルともいえます。

    3. リーダーシップ
    (作業分担、日常業務での指示)

    日頃の保育で知らず知らずのうちにリーダーシップを発揮していることは、結構多いものです。
    たとえは、保育園におゆうぎ会や運動会の準備で手伝ったり、手伝ってもらったりします。このときに、自分で確たる信念をもって、他のスタッフを巻き込み、自分の指示で作業を進めた経験があったらアピール材料に使います。
    自分が下っ端であっても、先輩保育士たちに、「これとこれの制作をお願いします。終わったら、こちらのサポートをお願いできますか?」と伝えたら、それは、作業の分担や手順を自分で指示したことになりますので、立派なリーダーシップです。
    もちろん普段の何気ないやり取りも、うまく言うことで、リーダーシップを執った経験になります。

    • 運動会で、会場の飾り付けリーダーになった。3人の補助役を指揮して作業を展開した。3人から意見を吸い上げて、まとめてからコンセプトとレイアウトを園長に報告、了承を得て、作業分担を指示して進めた。期日までの終了が困難と判断し、応援を要請して増員して作業し、無事に終了した。計画、分担実行、人員調整といった、全体を見ながら的確に判断し、人を動かしてリーダーシップを発揮する良い取り組みだった。
    • おゆうぎ会で、衣装を手作りする際、制作担当3人に手芸のスキル差があった。制作日程には期限があるため、裁縫系の作業は、手芸の得意なスタッフに担当してもらうよう提案、私を含めた2人は塗り貼り系作業に徹し、来年までに手芸のスキルアップを宣言
      作業の難易度に応じて適材適所な担当で、最短での完成を推進する、良い采配事例だった。スキル不足も明確になり、弱点補強へのきっかけも提案できた。
    • 連絡帳への記入は、基本的に担任をもつ自分がやるようにしているが、サブ担任2人との分担推進を進めてみた。朝のうちにサブ担任に、連絡帳担当の園児の行動を特に重点的に観察するよう指示した。連絡帳記載事項は、全体の出来事半分、当該園児特有の部分半分で、統一した書き方を基本として記入。自分で手を動かすだけでなく、人に動いてもらい、自分は上位の仕事をする、そして成果物品質の統一を図る指示を出す、という取り組みの小さな一歩であった。

    リーダーシップは、自分の業務をすべて自分でやるのではなく、人を動かして最善の成果を出すことです。指示を間違えると、ふりだしに戻るだけでなく、その担当者にも迷惑がかかります。全体を見て、日程を見て、人を見る、進捗を見ることが重要です。業務遂行が芳しくない、担当者のスキルが不十分、などの事情があれば、担当者のスキルアップ教育を視野に入れて進める、という観点も取り入れましょう。




    4. 問題解決
    (クレーム対応、風土改善)

    保育業務に限らず、どんな仕事でも日々問題解決です。些細なことでも説明の仕方によって、際立った問題解決能力に聞こえます。

    • 登園/下園時の入力用共通タブレットが不潔、やめてくれとのクレームあり。まずは、朝番担当者が出勤時にアルコール消毒することを提案した。「毎朝消毒しています」との貼り紙をタブレット近くに掲示。恒久策として、抗菌フィルムをタブレット画面に貼り付けることにし、同じくその旨を貼り紙に追記し、周知した。タブレットの使用は運用上必要なため続行する、という毅然とした対応をするが、できる対策は講じる姿勢を見せて譲歩した。
    • 近隣から、下園時間帯がうるさい、とクレームがあった。園児、保護者に、下園時は園前にたむろせずに速やかに帰宅する旨を周知した上に、近隣住民に見える場所に、「近隣住民に迷惑がかからないよう速やかに帰宅」貼り紙を掲示した。近隣住民はこのような対応により安心し、また速やかな帰宅が促進された
      この園は、ちゃんと対応してくれている、と感じられるような、アピール込みの対応が効果的だった。
    • わがままで自分勝手なスタッフひとりに、園全体が迷惑を被っている状況。ワンマン園長自らの紹介で採用している手前、「あの子はよくやってくれている」とのことで話にならない。
      そのスタッフには、改善して誠実な言動で仕事をしてもらうために、とにかく一度は賛同してから客観的な会話に持ち込む/何かを協議するときには必ず呼ぶ/何かサポートしてもらったときには少し大げさにお礼を言ったりメモでお礼を残す/毎朝笑顔であいさつする、など、さまざまな対策をした。結果として、そのスタッフの態度は、素の部分は同じだか、わがままな言動が少なくなった。また園のスタッフ全体の雰囲気も良くなり、組織的に風土が向上した。

    問題は、外にも内にもあります。
    ・暫定策を取ってから恒久策に移る動き
    ・問題解決を実行するアピール
    ・真っ向から立ち向かわず徐々に改善
    といったさまざまな解決アプローチがあり、臨機応変に対応する姿勢がアピールできるといいです。

    5. 人材の育成
    (後輩保育士の指導、教育)

    後輩スタッフに何かを指導するだけでも、立派な人材育成です。ただ教えた、というだけではなく、ポリシーをもって体系的に育成した、という言い方が望ましいでしょう。

    • 教育用の保育マニュアルというものがそもそもないので、自分なりに、保育、生活、園児、保護者、庶務、などカテゴリー分け、ステップ分けして教育マニュアルを作成した。普段の保育業務を標準書に落とし込み、教育資料の基礎ができあがった。
    • 概略の説明の後にOJT(On the Job Training)で吸収する部分、しっかり説明して理解の上で取り組んでもらう部分で区別した。うまくいったこと、うまくいかなかったこと、など日報をまとめて提出してもらった。自分で1日の仕事を振り返ってもらうことで、自ら気づかせて成長する仕組みを作った。
    • 仕事のスキルをステップアップするには、日常の仕事だけではなく、自分の時間を使って自己啓発学習する必要もある、という「学び」の大切さも教えた。

    人材の育成は難しいのですが、人を育てようという視点をもっていることが重要です。具体的な内容を教えるだけでなく、
    ・仕事の中で日々成長を感じる
    ・成長できる環境や仕組みがある
    ・後輩が自ら成長する意欲をもつ
    といったことが必要です。このようなことを実現するために園長に提案したことがあれば、アピールになります。
    また、自らもこれから学び続ける気持ちがあることを示します。


    6. ファシリテーション
    (会議での司会進行)

    園内でのスタッフ間での会議、保護者との懇談会、同じ地域の保育園・幼稚園との打ち合わせ、など話し合いの機会は多いと思います。その際にまとめ役や書記のような役割を担ったことがあれば、アピール材料になります。

    • 職員会議で書記を担当することが多かった。単純に議事を板書するのではなく、話し合う議題、詳細、結論をあらかじめホワイトボードに書いておき、話が発散しないように、方向性を導きながら短時間で結論に到達できるよう工夫していた。
    • 保護者との懇談会では担任が主に話し、副担任の私は、ファシリテーション(進行役)に徹した。時にヒートアップしそうなときには、中立な立場に徹し、意見の本質部分を抽出し、「こういうことでよろしいですよね」「先ほどの要望に戻りますと」など、合いの手を入れて、双方の納得する結論を得られるよう心掛けていた。

    会議での司会進行は、時間内に円滑に事を運ばせる大切な役割です。目的を理解して、内容を常に追いかけ、的確な方向にメンバーを導く、というスキルを要求されるので、司会進行をやっていた時点で、ビジネスセンスのアピールになります。




    7. 生産性向上
    (保育業務の効率化)

    単純に作業時間を減らした、というだけではインパクトがありません。そこに生産性向上の視点があった、ということが重要です。
    生産性向上は主に、

    • 業務の質を下げすに、要員を減らしたり作業時間を短縮する
    • 作業時間を増やさずに、要員を減らしたり質を上げる
    • 要員を増やさずに、質を上げたり作業時間を短縮する

    ということです。そこに自分のアイデアや提案、働き掛けがあることが重要です。

    • おゆうぎ会のダンスを園児に教える際、すべてスタッフが教えるのではなく、いち早く覚えた園児に、ほかの子を教えてもらった。スタッフは、踊りが苦手な園児を重点的に教えることができるようになった(時間を短縮して成果を挙げる)。教える役を与えられた園児は、できる自分を誇らしく感じていたようだ(時間そのままで達成感や気持ちの醸成、教育の質を向上)。
    • 保護者からのさまざまな問い合わせや質問に毎日各スタッフが回答していたが、この件数が非常に多く、負担になっていた。園内の掲示板に、「よくある質問」というコーナーを設けて、20個の質問/回答を掲示した。これにより質問は激減し、スタッフの業務効率がアップした。それだけではなく、同じ内容を園のホームページに掲載し、園内の掲示板には、「同じ内容がホームページにも記載されています」と表示したことにより、掲示板の前に人が群がる事態も少なくなった。

    生産性向上に終わりはありません。ひとつ対策を施すことにより、さらにその先が見えてきます。あくなき前進の姿勢を見せると、会社には受けがいいでしょう。




    8. 臨機応変な対応
    (ルールにないことへの対応)

    すべてをルールにのっとって進めるのが難しいことは、なんとなく分かっています。自分では気づかなくても、日々、臨機応変な対応はしているものです。
    ルールにない事態が発生した場合の対応を迫られる場合や、聞いたこともないような奇抜な要求をしてくる保護者の対応をすることもあるでしょう。
    何でもかんでも「上司に確認します」では、信頼を失ってしまいます。また、考えることを忘れて思考停止になってしまい、自分のためにも良くありません。
    どのようにアピールすればいいでしょうか。

    • 1週間の中で、運動、学習、創作活動をまんべんなく取り入れるルールになっている。クラスの半数以上の園児が風邪で休んでいるため、室内体操を少し行い、保育時間の大部分を絵本の読み聞かせにあて、学習に差が付かないようにした。園児の何割が休みのときに特別カリキュラムを適用するか、ルールの追加を園長に提案した。ルールに沿うことが目的ではなく、現行ルールでの運用が不適切と判断した場合には柔軟な対応が必要になる。
    • 「園の出入口、ナンバーキー付の扉は、常に閉めておくこと」というルールがあった。朝のピーク時には、何十人もの園児が保護者と一緒に登園し扉を開閉する、という事実を鑑み、「ピーク時間帯だけは常に扉を開放」という例外を採用した。もともと交通整備を担当していたスタッフが、不審者の出入りも可能な限り見る、ということでまとまった。現状に合わせてルールを変えていく、という取り組みである。

    ルールを守ることは大切です。しかし、何でもルールに従って柔軟性に欠ける人がいると、職場は何か新しい発想で物事を解決しようとしたときに、足かせになります。現実を見ながら柔軟に対応し、ルールを変えていく積極性も大きく評価されます。


    まとめ

    コミュニケーションや生産性の向上といった日常業務の中にある工夫から、新しいアイデアや後輩の指導といった限られた時間の中で発揮するものまで、たくさんのアピール材料があります。自分の業務には該当しない項目もあるかもしれませんが、観点はお分かりいただけたことでしょう。
    自分の業務に重ね合わせながら、ぜひ面接や履歴書、職務経歴書の中でアピールして、会社でも通じるビジネスセンスを保有していることを伝えてみてください。







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    薬剤師の転職の際、ひとりで求人広告を探して悩みながら進める、という人はいないと思います。
    特定のコネクションでもない限り、ほとんどの薬剤師が、転職支援サービス機関を利用します。

    本記事では、特に転職支援実績の高い3社をご紹介します。各社の公式ページへのリンクも用意していますので、ぜひ効率的な転職活動にご利用ください。

    マイナビ薬剤師

    株式会社マイナビが運営する薬剤師転職支援サービスです。
    「マイナビ薬剤師」は、利用者から「満足度No.1」の評価をもらっているくらい人気の高いエージェントです。(2019年の、楽天による、薬剤師の転職支援サービスの調査の結果です。)
    「マイナビ薬剤師」について強みを見ていきます。


    マイナビのいいところ1
    たくさんの求人案件

    58,000件以上もの求人を保有しています。一人あたり平均19件の求人を紹介している実績があります。
    たくさんの選択肢を提示してもらえるので、多くの条件の中から厳選したい人には向いています。

    マイナビは、求人情報を全国の薬局の地域情報込みで把握しています。職場プラス周辺状況を含めた漏れのない求人紹介を得意としています。

    マイナビのいいところ2
    実際の職場の状況を聞ける

    自分が希望する職場の状況を深く聞くことができます。
    マイナビは、希望に合う求人を紹介できるように、コンサルタントが、採用を実施する薬局や病院に対して、現場の様子を緻密にヒアリングしています。
    また、採用担当者だけでなく、現場の薬剤師にも話を聞いてくれるので、「実際のところ」を伝えてもらえます。「こんなはずではなかった」とならないように、とことん情報収集ができます。

    マイナビのいいところ3
    親身な対応

    相談に対して親身な応対をしてくれるところも、マイナビの評判の理由のひとつです。希望する職場の状況を詳しく伝えてくれるのと同時に、求職者の希望もしっかり聞いてくれることで、そのマッチングを高めます。

    マイナビ薬剤師まとめ

    マイナビは人材関連サービスを40年以上にわたり提供してきた実績があり、ジョブマッチングのノウハウがあります。求職者に歩み寄ってさまざまなアドバイスをしてくれます。ぜひ登録の上、無料転職サポートを受けてみてはいかがでしょうか。


    薬剤師転職ドットコム

    東証一部上場企業アインホールディングスのグループ会社であるメディウェルが運営する、薬剤師転職支援サービスで、業界トップクラスの求人数を誇るサイトです。厚生労働大臣認可ということからも、信頼の高さがうかがえる機関です。


    ドットコムのいいところ1
    手厚いサポート

    薬剤師で新しい転職先を探す場合、すべて費用負担ゼロで、
    ・求人探し
    ・キャリア相談
    ・応募
    ・面接
    ・条件交渉
    ・日程調整
    ・入職の手続き
    のサポートを受けられます。
    これにより、薬剤師の転職支援実績は1万人超で、その満足度は95%以上の評判です。
    面接の際には、コンサルタントが同行サポートしてくれますので安心のサービスを受けられます。

    ドットコムのいいところ2
    多数の非公開求人の保有

    3万件を超える非公開求人を保有しています。好条件の求人に対する需要のコントロール、ライバル会社への対策、現職員への条件面での配慮などの理由から、多くのお仕事案件が非公開としています。慎重に適格なジョブマッチングを画策している証拠です。

    その求人の多くが、
    ・年間休日の多さ
    ・時短OK
    ・残業なし
    といった好条件となっています。そのほか、駅チカ案件や、子育て世代に配慮した条件など、希望に応じた求人の紹介に絞りこむことも可能です。

    ドットコムのいいところ3
    保有求人の半分が高年収、高時給

    保有している求人の半分が高い給料の案件になります。
    年収600万円や時給2,200円といった、満足度の高い案件から、高時給に特化した派遣や、より高年収の正社員など、さまざまな求人を保有していますので、とにかく稼ぎたい、という人には多くの案件から厳選することができます。

    薬剤師ドットコムのまとめ

    ドットコムは、東証上場グループ企業です。大手特有の、厳重な個人情報管理体制や転職サポート体制も他社に比べて手厚いのが特長になります。
    多くの非公開求人を有し、給料の高い案件も魅力です。↓のバナーのリンク先から、すぐに無料会員登録できます。


    薬キャリ

    薬キャリは、エムスリーキャリア株式会社が展開する、日本最大級の薬剤師専門転職ポータルです。


    薬キャリのいいところ1
    業界最大級の求人数

    3万件を超える求人情報数を保有しています。薬剤師専門の紹介サービスですから、病院や調剤薬局の求人数が特に多いです。業界・勤務形態などを問わず幅広い求人を有しているため、さまざまな条件の中から比較して選びたい人には向いているサービス内容です。
    仕事紹介だけでなく、薬剤師の派遣としての登録も可能です。

    薬キャリのいいところ2
    地域を熟知した密な対応

    地域専任のキャリアコンサルタントが転職を支援してくれます。その地域の担当者は、大手の病院から地域密着型の薬局まで、求人情報を網羅して把握していますので、よくありがちな「担当に確認して後日回答」といった非効率なやり取りはほとんどなくその場で解決し、スピーディーな対応が期待できます。
    希望を伝える際には、特に地域を限定すると、より効率的に転職活動を進めることができます。

    薬キャリアのいいところ3
    手厚いフォロー

    登録すると、担当者から連絡がきて、希望のまとめや今後のことについてフォローしてくれます。
    自身の転職進捗がない場合にも、定期的に連絡をくれてフォローしてくれます。最新の求人情報やアドバイスを提供してもらえますので、転職活動を効率的に進めることができます。
    希望はできるだけ詳しく伝えたほうが、その内容に応じたサポートを展開してくれます。転職希望時期を最初の登録で申告するため、その時期によってサポートには緩急をつけてくれます。
    もし、とりあえず登録しただけで、定期的なフォローが不要、という場合にはその旨を伝えれば配慮してくれます。

    薬キャリのまとめ

    保有するたくさんの求人数、地域密着による手厚いサポートをはじめとした、総合力を売りとする薬キャリ。自分がなかなか進められない状況でも、多くの求人をもとに、具体的なアドバイスとフォローで進めてくれる、頼りがいのあるサービス内容です。
    以下のリンク先ですぐに無料登録できます。


    お仕事ラボ

    「お仕事ラボ」は、株式会社AXISが、運営する薬剤師のための人材紹介・派遣会社です。
    大手薬局チェーンの子会社で、ミスマッチのないコンサルティングや充実したキャンペーンで全面的なサポートが期待できます。


    お仕事ラボのいいところ1
    ミスマッチのない転職の提案

    専任のコンサルタントによる、ミスマッチのない転職の提案が特徴です。薬剤師ひとひ一人の希望に応じてフルオーダーメイドで転職を進めてもらえます。
    たとえば、以下のような進め方です。

    • 希望する薬局やドラッグストアなどがある場合に、その職場へ逆指名を行い、条件交渉を代行
    • 希望エリアや条件をもとに職場探しを実施
    • 具体的な要望が固まってない段階でも、ライフスタイルに即した働き方を提案

    自分の希望に可能な限り近い条件の求人を探して、交渉、提案をしてくれます。転職後の定着率も高く、利用者の満足度も90%を超えています。

    お仕事ラボのいいところ2
    充実したキャンペーンお得に転職

    さまざまなキャンペーンを実施していますので、転職活動のモチベーションを上げることができます。
    キャンペーン(※)の例をいくつか挙げます。

    • 転職サポート新規会員登録で1万円
    • 面接をすると交通費支給3万円(初回のみ薬局との面接が完了後)
    • 転職決定で最大10万円
    • お友達紹介で最大7万円

    ※キャンペーンは事前の告知なく終了する場合あり
    ※そのほか適用条件詳細は弊社コンサルタントに要確認

    お仕事ラボは、お仕事紹介により企業から得た利益を
    求職者様へ還元する、という方針をとっています。

    お仕事ラボのいいところ3
    大手薬局チェーンの子会社なので安心

    株式会社AXISは、大手調剤薬局チェーンの100%子会社です。プライバシーマークを取得している会社で、薬剤師に特化した人材紹介会社です。

    お仕事ラボのまとめ

    大手薬局チェーンの子会社なので安心です。選任コンサルタントによるミスマッチのない転職活動により、転職後の定着率を前提に進めることができます。
    また、モチベーションを保てる充実のキャンペーンが豊富です。ぜひ一度無料登録をして、カウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか。


    まとめ

    本記事で紹介している転職支援サービスでは、基本的に、親身な対応や充実したサポートが売りとなっています。また全体的に共通することですが、高い時給には応募者も殺到するため、非公開求人であることが多いです。
    薬剤師という職業が、専門性が高く、需要が高いため、転職支援サービス側も、多くの転職希望薬剤師を把握することには大きなメリットがあります。応募者の経歴、スキルを見て適切に求人紹介してくます。そして、確実に結果を出してくれます。
    まずは登録し、自分の適性の再確認と、世の中の求人トレンドを知るところから始めてみましょう。