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高卒では会社では出世できない、考えている方、このページに書いてある取り組みをコツコツと続ければ、その道が開けていきます。大学を卒業していなくても、着実に出世の段階を踏んでいくことができますので、ぜひ参考にしてください。



高校卒業だと出世できない、ということはない

大学進学が一般化されてきてずいぶん長いですが、それでも高校を卒業して働かなくてはならない事情のある人も多いことと思います。

今の時代は大卒でないと良い仕事に就けない、生涯年収は低い、と考えてしまいがちですが、まったくそんなことはありません。

筆者は、大手企業、中企業、小企業と多くの会社での勤務を経験してきましたが、どの会社でも高卒の人でバリバリ実績を上げて、多くの人を束ねて、出世している人がいます。

このサイトでは、高校卒業でも就職先の会社で部長くらいまでは出世できるような取り組み、知恵、手法、マインドなどを解説していきます。

ちなみに大卒でなくても、高等専門学校はまた別物(かなり技術レベルが高い)ですので、高校卒業で会社に入社した場合を想定します。



高校卒業で入社した会社で出世する取り組み5つ

様々な会社で、高卒でも課長や部長クラスまで出世する人を見てきましたが、その人達は、以下のことを最低3つはクリアしていました。

  • 配属部門の専門領域を必死で勉強する
  • 配属部門のルールそのものを疑い、改善活動をする
  • 昇格試験を必死に勉強して合格する
  • 人をコントロール出来るようになる
  • 人間力を身に付ける

昨今、就活する学生に対して学歴フィルターを掛けて、ある一定以上の偏差値の大学しか説明会に出席させないなど門戸を制限している会社も多いですが、一度入社してきた社員については、その「人」を見る傾向が非常に強いです。

上の5項目がどのような物か見て行きたいと思います。

ちなみに高校卒業で会社に就職すると、製造業なら製造部のライン作業をしたり、部品の搬送係をしたり、出来上がったものを品質評価したり、頭よりは体を使うような業務に配属されることが多いです。金融関係なら窓口係など定型化された業務に就くことでしょう。




1. 配属部門の専門領域を必死で勉強する

会社とは、その商品やサービスを産み出す専門の機関、となるわけですから、当然配属先のその部門には深い専門領域があります。

その専門分野を大学で専攻して来た人たちは、4年も掛けて何百万円もお金を払って勉強してきています。大卒の人と、その分野の専門領域で討論したら普通は太刀打ちできません。しかし、その知識は総じて荒削りなものです。その分野の隅から隅まで専門家レベルに熟知している、ということは稀です。

その部門の業務に必要な知識は、みんな会社に入ってから再度深く勉強するのです。「こういう事はこの本を見れば、この用語でググれば、答えが解かる」という知恵が頭の中にあります。問題、課題が発生したときの解決に辿り着くスピードは、正直なところ大卒の人たちには、しばらくはかないません。

しかし日々の業務での問題や疑問についてどんどん調べて解決して、また専門書を一度でよいから最初から最後まで、眠くなるのを我慢して熟読してみてください。
大卒の人たちは、調べれば分かる、ということであえて時間を掛けて参考書を端から端へと読まないことが多いです。
よって、その専門分野のお勉強を地道にこなすと、確実にそのレベルは、大学卒の人達と変わらないレベルにまで近づきます。

専門分野のお勉強をしてきた時間は大卒の人たちのほうが多いでしょうが、この先業務で経験する時間や自分の時間の中で勉強する期間は同じです。
ウソかと思うかも知れませんが、メーカーでいうと、以下のポジションでの給料は同じです。

  • 大学卒または大学院卒で商品開発のリーダーをやっている社員
  • 高卒で生産ラインのリーダーをやっている社員

以下のふたつで、職種の難易度は明らかです。

  • 何も無い状態から商品やサービスを創造して具現化したり企画する仕事
  • 仕上がった設計図や構想をもらって形作ったり、評価したり、市場フォローする仕事

「何も無い状態から創造する仕事、企画する仕事」のほうが遥かに難易度は高く、その仕事に就くための専門的な学習や予備知識が必要です。いわゆる大卒であることを会社が望むのはそのためです。会社は新しいものを次から次へと産み出さないといけません。

医者や弁護士の仕事と、掃き掃除やスーパーのレジ打ちの仕事で、時給が遥かに違うのは世の中の皆が理解していることです。医者などの職業に就くためのお勉強や学歴、更にそれを越えた準備期間など、桁違いにハードルが高いためです。日本の会社はまだ、社内の部門間の仕事の難易度による給与差はほとんどないのが現状です。この現状は、高卒の人にとってはとてもラッキーなことです。

ひと昔前には、総合職、一般職、という区切りがありましたが、今はだいぶ無くなって来ています。仕事の成果や担う役割、役職で決まります。

高卒の商品評価部門のチーフが、大学院卒の商品開発主任に「こんな欠陥だらけな試作品じゃ評価にならないよ。いいかげんな仕事してちゃだめだよ~!」とキレていたシーンを何度か見たことがあります。

ここがポイントです。高卒でもその評価部門の専門的な部分、ルール運用などを熟知して、その道のエキスパートになって、そこで昇進して確たる地位を築きます。より難易度の高い創造的な開発業務の詳細や専門学習のことなど正直どうでも良いです。出来上がった物へのアクションを施す業務範囲だけカバーしておけば良いのです。(長年続けていると、開発・創造系の業務範囲の知識も少しずつ付いてきます。)目指すところはその、
製作(制作)、評価、アフターサポートなどの部門のそこそこのポジション
です。設計図や企画をもとに実行する部門であれば、頭の良い人達へ「こんな企画(設計)じゃ作れるわけねーだろ」と言えるのです。もちろん喧嘩することが目的ではありませんが、部門間の業務遂行難易度に差があっても対等なのです。

ちなみに海外の会社は学歴やその人の専門性難易度できっちり区切っている会社が多く、企画・開発・事業運営・技術部といった専門性の高い部門は大卒のみの採用が専らです。製造や評価部門、アフターサービスなどは高卒採用でどんなにリーダーに上り詰めても、大学の新卒社員より給料が低いという徹底具合いです。

日本の会社では、高卒で入社してもそこで必死にがんばれば、自分の分野の知識を武器に、大卒集団の難易度の高い仕事をしている人達と社内で対等かそれ以上の立場で仕事ができます。給料も同じだけもらえます。笑えてしまうかもしれませんが、事実です。




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2. 配属部門のルールそのものを疑い、改善活動をする

入社して配属された部門で真面目に仕事をしているだけでは、他のスタッフと同じです。大卒か高卒か、というのはその道の専門のお勉強をしてきたかそうでないか、だけの違いです。真面目に取り組めるか、間違った運用をしているときに、これはおかしい、と思える感度をもっているかは、その人の素質によって決まります。

自分の部門で業務を進めていくうちに、これは変だ、こうしたほうが明らかに効率的だ、と思えることがあれば、どんどんそのルールの改善のための働きかけを行います。「うるせー、まずは仕事をしろ」と先輩や上司から反撃を食らうかもしれません。言い方や提案の仕方も重要です。しっかり資料を作って、バックデータを揃えて、改めて先輩上司を別室に呼んで、言葉を選びながら説明、、、といった流れを心掛ける必要はあるかもしれません。

そのときに、自部門を良くしたい、こうすればこのように良くなる、などといった熱意は必ず届きます。与えられたルーチン業務をこなすだけでなく、一歩踏み込んだ改善行為に日頃から意識することが重要です。




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3. 昇格試験を必死に勉強して合格する

会社には、たいてい「昇格試験」「昇進試験」なるものがあります。論文とか面接が一般的です。

大学に進学すると、一般教養の授業でのレポートや卒業論文など長文を書く機会が多く与えられます。落第、留年しないために必死で書いたり、ゼミや研究室で教授に指導を受けたりして、嫌でも論文を書くトレーニングをしてきます。それに対して、高校ではそんなに長文を書く機会は多くなく、卒業後何年も経ってからいきなり会社で論文を書くということは、非常にハードルの高いものです。

自分の就職した会社での昇格試験で論文が課されるのかどうか、それはおそらく簡単に分かると思います。課されるのであれば、どうぞ必死に取り組んで下さい。その会社の昇進・昇格試験で書かれるべき論文のパターンがあります。必ず情報が出回るはずですので、貪欲にその情報を取りに行き、確実に早期にその昇進試験に合格して下さい。

どんなに仕事の出来が優秀でも、試験に合格しないと上司も自分を上に引っ張ることが出来ません。その部門でまずは課長へと昇進するための最低条件とも言えます。昇格試験の対策についてまとめた記事がありますので、参考にして下さい。
論文試験の対策
会社の論文試験に合格する! 昇進試験、採用試験での論文の書き方のコツ、対策を解説
面接試験の対策
会社の面接試験に合格する! 中途採用試験、昇進試験の面接のコツ、対策を解説




4. 人をコントロール出来るようになる

会社には課長とかマネージャー、という人が必ず居ます。要するに、部下や後輩を束ねて教育したり面倒を見たりする人が居ないとだめなのです。そのようなポジションに就く人は、平社員の時から、

同僚が困っている時に進んでサポートする
他部門に対して円滑に仕事が進むように交渉、調整する
協力を引き出したり、その人を気遣ったりする

ということをしています。

自分の仕事が忙しい時にも、上司に「〇〇さんは非常に多忙で辛そう。私は急務がありサポート出来ないが、彼女の負荷の調整したほうが良いかも」と提言すると、上司はあなたに対して「この人は全体を見る事が出来ている。自信の業務ボリュームも把握できている」と人事評価の対象にもなってきます。

人をコントロールする、ということは、同僚を意のままに操る、ということではなく、自部門の人を見れて、他部門の人とも交渉出来て、またその間に入って色々調整出来るようになることです。

会社には、人事マネジメントをする「課長」というポジションの他に、専門性の高い仕事やプロジェクト業務、技術などを管理する、担当課長、チーフ、技術マネージャーなどという役職もあります。自分は人を多く巻き込むよりも職人肌が強い、と思える場合、仕事や専門業務、技術などに目を配ると良いです。

こういう技術、アプローチが世の中にはあるから、うちのこの業務に展開してみよう
この業務とこの業務は統一してその代わり新しくこの業務をトライしてみよう

など、あくまで人ではなく作業や仕事に特化したスペシャリストを目指すのも良いです。人のコントロールまたは仕事や専門領域業務のコントロールを出来るようになると、管理者としての素養を評価されることでしょう。




5. 人間力を身に付ける

性格が悪い人は、いつの間にか干されてしまうことが多いです。会社では、どんなに頭が良くても、柔軟性がなく正論ばかり唱えて現実的に物事を進められない人は出世できません。会社といっても人の集まりですから、人を見て仕事をすることが多くなります。

誰に対してもぶれない態度、一貫した論法を貫く、ということは悪くはありません。しかし、会社という組織の中で、周りの人に認められ上のポジションに立つ、ということは、時には自分を曲げてでも他人の意見に耳を傾けてバランスよく物事を進めて行かなくてはなりません。人間力という考えで言うと、上のポジションに居る人はそれを持っていることが多く、そういう人が組織を束ねると一体感が生まれます。おおよそ以下のような事が備わっており、接していて圧倒されます。

  • 自分が正しいと思ったことを否定されてもキレない
  • 話していることが一貫しており理屈的にブレない
  • 支離滅裂なことを言わない
  • 同僚や部下を「おまえら」呼ばわりしない「さん」付けで呼んだりする
  • 何事があってもうろたえない
  • 末端の作業員にまで細かく指導する
  • 相手の目を見て話し、話もしっかり聴く
  • 部下と上層部の間に入ってうまくバランスを取る

「人物良好」という評価をもらうために必要な4つの要素

上記のどれかが欠けている部長級クラス社員なども見たことはあります。さすがに全て網羅するということは難しいです。会社では時には喧嘩をしなくてはならないことだってあります。しかし、このような事を頭に入れておいて日頃から意識して行動に移しておけば、自然に「人格」が高く形成されて行きます。そのような人格部分は上の人達からは必ず見られています。人なり仕事なり、この人に任せて大丈夫かどうかを見られています。

無理のない程度で自分の主張をすることも大切ですが、その時の話し方や言葉の選び方、表情、相手への気遣いにより、良好な人格形成を目指すことをお勧めします。





以上、高校卒業で会社に入社して出世するための考え方にについてお話ししましたが、いかがでしたでしょうか?

全て実行しても、会社によってはなかなか昇進の門戸を開いてくれない所もあるかも知れません。 しかし、明らかに優秀な社員なのに、いつまでも単純作業ばかりさせておく、ということはありません。会社とはどこも大抵は人手不足ですから、高いレベルで仕事が出来そうな人には、資格職でない限りポジションを与えてくれます。

ここで筆者が思う一番大切な事、大変現実的ですが、お話ししたいと思います。

最初の項目で挙げた、配属部門の専門領域を必死で勉強する、これが最も重要です。もちろん他の項目も重要ですが、それらは感度や態度、働きかけのマインドの問題ですので、いつでも一念発揮すればすぐに実行出来ます。しかし、自分の業務外の学習だけで、大卒の人達の専門領域に追いつくというのは至難の業ではありません。業務で討論になったら確実に負けます。

入社した時から時間を掛けて着実に自分の誇れる専門領域をぜひとも育んでいってください。

当サイトでは、高卒で現在手に職がなくても、専門職として高い給料を得るためのノウハウについて解説する記事もあります。関心のある方は、ぜひご覧ください。

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