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大学時代のアルバイトの経験を、うまく伝える方法を押さえておくことで、普通の「バイト経験」を就職活動で武器にすることができます。この記事ではその方法について解説します。




学生時代のアルバイトは就職活動でアピールになるか?

学生時代は、大学生、専門学校生、高専生にかかわらず、何かしらのアルバイトを経験する人が多いと思います。

レストラン
ガソリンスタンド
家庭教師
カラオケボックス
コンビニ
などなど…

その目的は、遊ぶためのおこずかい、仕事の楽しみ、人生経験、出会いなど色々あると思います。就職活動で、学生がアピールしたい事の第1位にアルバイトの経験が来るらしいですが、残念ながら企業は、アルバイトの経験に重きを置いてはいません。

会社は、自社のことをどれだけ熱心に考えているか、とか性格や専門知識をベースとしたその人の成長の幅などを見極めようとしています。他に、学生時代にどの分野の学問に力を注いだか、また学業以外で何に力を注いだかなど、かなり求めるレベルは高いです。

このページでは、「そんなこと言われても学生時代はアルバイト一色だ」とか「アルバイト以外にアピールするものが何も無い」という学生さん達のためにアルバイトから得た経験をどのように会社の就職面接に役立てるかを説明していきたいと思います。また、これからアルバイトを探すという方も将来に繋がるようなアルバイトの選び方のヒントとなります。

アルバイト経験を会社組織に必要な事に徹底的に繋げる8項目

人事部の面接官
⇒アルバイトの話など別に聞きたくなく、「またコイツもか」と思います。

しかし面接官は、その学生の性格を知りたいと思っています。これから一緒に働いていく人が気難しい性格やキレやすい性格だったら、社内の皆が嫌がります。アルバイト経験のアピールの中に自分の良質な性格を徹底的に盛り込んで下さい。

会社組織の中で働く上で必要な要素でかつ学生アルバイトから経験できること:

1. 仕事に対するひたむきさ
2. 精神力の強さ
3. 体力的なタフさ
4. 柔軟な対応力
5. 組織の中で働くことの出来る素質
6. 客のクレームや問題解決に対する調整力
7. 生きた語学力
8. 志望する会社の専門領域と類似する仕事の経験

これらを自分の経験値のアピールに上手に盛り込むことで、単にアルバイトを経験した、という経歴を話すよりも効果的なアプローチが出来ます。簡単ですが、実例などを挙げながら説明します

因みに、学業をおろそかにしてまで取り組んだことを含ませるのは絶対にNGです。
大学の講義に欠席したわけではないことを、わざわざ言う必要もあります。

1. 仕事に対するひたむきさ

例:
「朝早くからの勤務、夜遅くまでの勤務にも、週3で組まれたシフトに一度も欠勤しないで働きました。大学の宿題、レポートがあった時もそれをこなしながら、遂行しました。」

⇒当たり前でしょうか? 実は会社では度々遅くまで残業して急務に当たったり、その翌朝、早く出勤して経過をフォローしたり、といった対応をすることがあります。

こういった経験で、緊急対応や期日の決まった仕事の目的達成のために休まず任務に従事した、というエピソードは、会社の受けは良いです。会社は、限られた時間の中でミッションを遂行することが義務となっているので、このようなひたむきな姿勢で仕事に当たれる学生を求めています。

2. 精神力の強さ

例:
「大学1年生からのアルバイトで、仕事効率に厳しい店長の下での連日の業務対応、遊びの予定を返上したバイト出勤、お客様の苦情への対応などを経験して、自分は精神力はかなり有していると自覚しています」

⇒大学1年から、というのがポイントで、辛くても辞めずに続ける精神力は高いアピール性があります。

会社には、残念ながらうつ病で休みがちな社員がある程度の割合で居ます。
規則があるため、うつ病社員を解雇する訳にはいきません。
社員には、少々のことがあってもへこたれずにバリバリ仕事をしてくれることを、会社は求めます。

就職面接を受けに来た学生が、うつ病に倒れるか、そんなことは全く分かりません。しかしあなたが、自分のアルバイト経験の中から、「うちのハードな業務でもコイツはまず大丈夫だろう」という安心感を面接官に持たせることが出来れば、評価は高いです。

3. 体力的なタフさ

例:
「片手に〇〇キロの製品を抱える業務が日常的で、腰痛気味で辞めて行く人達が多かったですが、自分は全く問題なかった。体力は他の人には負けません。」

⇒体だけが取り柄、とも取れますが、会社で働く上で体力と健康は極めて重要です。会社には腰痛持ち、股関節や肩に不自由のある人が見られます。長年仕事をしていると、慢性的に持病を抱えていってしまう人が少しずつ増えてきます。たとえ事務職や開発職などに就いても、片付けやら納品済みの物品運搬など体をフルに使って仕事をしていく事が意外にも多くあります。この学生は少なくとも体力だけは問題ないだろう、思わせてください。

しかしながら、体力に関するアピールは実際のところ「低レベル」な感が否めないので、他のアピールポイントの補足要素として、ご用意ください。



4. 柔軟な対応力

例:「仕事内容が単純作業でなかったため、複数の案件が同時に発生することが多かったですが、これらに優先順位を付けて、緊急度と重要度の高いものから対応して行きました。次に来る優先度の仕事は後輩に適宜指示して対応してもらいました。」

⇒柔軟な対応とは、とても広い意味で掴みにくいため、言葉が躍ってしまっています。内容に具体性があるほうが望ましいです。仕事を抱えすぎてパニックにならず冷静に物事を見極め、順々に的確に処理して行く、というニュアンスで捉えるとよいです。
あれもこれも、どっち付かずで停滞するより、きっぱり優先順位を定めて対応します。最悪、放っておいても大惨事にならないような小問題は無視しておきます。

ファミリーレストランでアルバイトしていた場合で、例を挙げておきたいと思います。
仕事の優先順位の付け方(レストランでアルバイト)

5. 組織の中で働くことができる素質

例:
「アルバイト先には、高校生から自分の親くらいの年齢の人までさまざまでした。その人その人の立場や経験値によって、指導したりご教授頂いたり、自分の立場をわきまえながら大勢の人達とコミュニケーションが取れました。組織の中での立ち居振る舞いをコントロールすることができます。」
⇒やや当たり前、取って付けたような内容ではありますが、会社側はその人が自分の会社組織の中でうまく人間関係を作ってくれる人かどうかを見極めてきます。自分がさまざまな年齢層や性格の人達の中でうまく仕事をしてきたエピソードなどを添えることができたら完璧です。

6. 顧客のクレームや問題解決に対する調整力

例:
「顧客と直接接する仕事でしたが、常に苦情が来る感じだったので、苦情処理マニュアルに則るだけでなく自分の経験から来るアドバイスや交渉術で多くのお客様に納得をして頂きました。揉め事や未解決案件があった時の解決に向けた調整力は培いました。」

⇒会社組織で仕事をすると必ず困難な状況や揉め事に遭遇します。このときに、交渉術や、相手を見ながらの適切な対応を取っていく能力は、強く求められます。学生がバイトでこなすレベルの問題解決と、実際に会社に入ってから社内や社外、顧客との問題解決は難易度のレベルは、もちろん会社に入ってからのほうが高いです。しかし、クレーム対応や問題解決に立ち向かった経験、というのは多いにアピールして良いです。仕事はただ単々と進めるだけではなく問題課題が必ず発生し、順々に解決しながら進めるということを経験して来ていると是非伝えて下さい。



7. 生きた語学力

例:
「アルバイト先では、外国人のお客様が非常に多く来られていました。元々英語は得意ではありませんでしたが、様々な対応をしてきたことにより、英会話は今ではほとんど苦労しません。」
⇒語学力とは、すなわち英語のことです。中学校レベルの英語を少し並べた程度で対応した、というだけでもそれが週1や週2で1年2年と重ねたら、これは結構な英会話実践経験といえます。
しかもこれは生きた英語と呼べるものですから、実際に会社に入ってからも会話については生かすことが出来ます。メールの文面などのルールやマナーなどは何とでもなりますが、会話についてはいきなりペラペラとはいきません。
もしこのような経験があれば、英会話の実践力として、会社側からは大きな評価となります。

日本人で英語ペラペラ、という人は少なく、大企業でもペラペラな人は少数派なのが現状です。

学生時代のバイトで英会話の実践経験値が積めていればかなりのアドバンテージだと考えてよいです。

学生時代に少しでも英会話マスターを目指したい方、海外留学しないで英会話を独学でマスターしたい方には、2年程度で英会話をマスターするコツなどを紹介したサイトをぜひ参照してみてください。やみくもに取り組むよりもはるかに効率的に上達できるはずです。



海外留学しないで独学で英会話を2年でマスターしよう

8. 志望する会社の専門領域と類似する仕事の経験

例:
「御社の事業である鉄道駅でのフードサービス業務を経験したので、おおまかな仕事の流れや業界のトレンドは掴んでいます。」
⇒目的が自分のやりたいアルバイトではなく、その先の就職活動や自分の就きたい仕事を見越して、そこに繋がるアルバイトを予め選ぶ、という打算的なアルバイト選定をした場合に使えます。

もし、学生時代に将来の就職先を見定めているなら、その会社の業務に直結するようなアルバイトを敢えて選ぶということも一つの手です。例えば、

食品業界に就きたい
⇒ レストランアルバイトやスーパーマーケット、百貨店
電気技術者になりたい
⇒ 電気工事のアルバイト
商社マンになりたい
⇒ 流通、物流、運送に関するアルバイト
外資系に努めたい
⇒ 英語が必要なアルバイト
建設業界に行きたい
⇒ 資材運搬のアルバイト
教育サービス系に就きたい
⇒ 予備校事務や塾講のアルバイト

商社マンで物流のアルバイト、とかは若干ムリのある考え方かも知れませんが、例えば大手商社が事務や資料作成のために学生アルバイトを募集するなんてことは稀なので、出来るだけ関連する業務を経験しておくことが望ましいです。

もし目指す会社が決まっているなら、その会社または系列会社のアルバイト募集を徹底的に調査してみると良いと思います。

このあと、まとめに入って行きます。



まとめ

アルバイト経験はどんなに充実していても、所詮「アルバイト」として括られてしまう運命かも知れませんが、可能な限り実のある物として伝えて、就職活動の時に面接官にアピール出来ることを応援します。

アルバイトとして働いていたことは、将来必ず何かに生きてきます。
是非全力で取り組んで欲しいと思います。

様々なアルバイトがありますが、多くの人の話を聞くと、スーパーマーケットやコンビニエンスストアは、

世の中の人のニーズが分かる
物の流れが分かる
商品やサービスの種類が分かる
物の売り方が分かる
物の管理が分かる
客と同僚の両方が分かる
お金の管理取り扱いが分かる

などといった様々な経験が出来るメリットがあり、なかなかこれだけの要素を網羅したアルバイトはなく、世の中や社会の流れをつかむ上で非常に経験値を高く積めるアルバイトと言って良いと思います。

補足ですが、アルバイトは賃金が発生しますので、当然自分のこずかい目的としている人が多いと思いますが、もし将来の就職に繋げる物としての経験値を考えるなら、ボランティアは有力です。賃金がなくても、自分のやりたいことにモチベーションを持って取り組めた、ということがアピールポイントになります。

様々なアルバイト経験を持って、就職活動を有利に進めましょう。

実際に就活での面接でどのように対応すれば良いか、別途記事で解説していますので、こちらも参考にして下さい↓
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