カテゴリー: ビジネススキル

  • 昇格試験論文の合格を決定づける、少しハイレベルな4つの書き方 例文付きで解説

    昇格試験論文の合格を決定づける、少しハイレベルな4つの書き方 例文付きで解説

    会社での昇進や昇格の論文を書く際の、少しハイレベルな記述で合格を確実にするためのテクニックを、例文を用いてご紹介します。





    読みやすい文章表記50選、これだけ覚えればかなり書ける

    まとめでは新しい要素を書かない

    論文を書くときでも、長い文章や説明資料でも、「背景」や「前書き」に始まり、「詳細内容」を経て、「まとめ」へとつながります。
    その「まとめ」では、それ以前に述べてきたことをまとめます。新しい理論の展開はしません。あくまで「まとめ」ですから、述べたことを簡潔に列挙して、主張を添える程度にします。

    たとえば、「研修でのプレゼンの心得」の説明において、詳細内容のところで、
    1. 最初のつかみが重要
    2. 話し癖を控える
    3. 話すスピードに緩急をつける
    という、講師の振る舞いについて論理展開してきたケースを考えます。
    この場合、「まとめ」の段階では、1~3の内容を簡潔にまとめます。「まとめ」の中では、以下のような要素は盛り込みません
    「発表資料にも訴求力をもたせる」
    「受講者の人数に制限を設ける」
    「グループワークも取り入れる」
    これらの要素が「まとめ」で新たに出てくると、聞いている人は混乱してしまいます。

    このルールを守ると、全体的にまとまりのある流れの論文に整います。




    内容に対して結論を飛躍させない

    資料や論文を書く場合、最終的に主張する結論が、事前に用意されていることが多いです。その結論は、前提や詳細内容がしっかりと支えていなくてはなりません。内容に対して結論が飛躍してはいけない、ということになります。

    「わが社が業界のイノベーター的存在になる」
    というテーマ(結論)に沿って論文を書くケースを考えます。この結論に値する論文の内容で、
    「社員一人ひとりがコストダウンと人材育成を今以上に意識して業務に取り組む」
    ということを長々と書き、
    「このコストダウン体制確立と人材育成風土の浸透により、わが社はイノベーター企業への変身を遂げる」
    という流れになると、まったくつながりません。

    たとえば、「イノベーター的存在になる」という結論に直接結び付るなら、
    ・常に新しい技術を発掘
    ・既存技術の応用
    ・従来にない取り組みの支援
    ・発明賞の強化
    といった、かなりレベルの高い取り組みが前提となります。平社員がこのような取り組みを主導することはほとんどないと考えられます。自分の日常業務の小規模な取り組みに対して結論が飛躍しないように、うまくつなげる必要があります。

    コストダウン活動を進める
    ⇒従来にない部品輸送でコストダウン推進
    ⇒商品の新たな物流モデルを確立
    ⇒他の会社がやっていないことで存在感
    ⇒学会発表や業界誌に投稿
    ⇒業界のイノベーター的存在を目指せる

    多少の飛躍感は残りますが、コストダウン⇒イノベーターにつながりました。自分の取り組み内容を少しずつ結論へとつなげることで飛躍感が緩和されますので、論文テーマになりそうな結論を日頃の業務と結びつける練習をしましょう。




    つなぎの言葉を工夫する

    文章を書く際には、つなぎの言葉を工夫するとスムーズな流れを作ることができます。普通に文を並べただけだと、箇条書きのような響きに聞こえてしまいます。
    「しかし」「または」くらいは、誰でも知っていますが、これだけでは昇格試験での論述を高度に展開していくには不十分です。

    この項目では、つなぎの単語や表現で便利なものをいくつかご紹介します。以下の表現以外にもたくさんありますが、この程度の表現の使いこなしで、昇格試験論文は十分に書けます。

    重ねる

    また
    そのうえ
    さらに
    しかも
    重ねていうと


    三案すべて実行した。さらに、第四案も考案した。

    説明する

    つまり
    すなわち
    要するに
    詳しく解説すると


    各担当者に細かく業務を割り振った。すなわち、各々がミッションをもって推進することになった。

    例を挙げる

    たとえば
    例を挙げると


    プレゼンには、さまざまな留意点がある。たとえば、結論を最初に話す、聴き手を惹き付ける、などである。

    例える

    例えていうと
    例えるなら


    設計業務をこなして経験値を積んでスキルアップした。例えていうと、スポーツのように実際に手足を動かして上達したようなものだ。

    補足する

    ちなみに
    補足すると
    加えていうと


    すべて部門の創意工夫のみで達成した。ちなみにこれだけの短期間で実現したのも初めてのことだった。

    比べる

    これに対して
    一方
    これと比較して~は


    国内生産での標準書は確立した。一方、海外拠点での運用は検討中であり、年度末までに完結させる予定である。

    条件だしする

    もし~なら
    仮に~だとすると


    仮にこの解決策が採用となれば、ランニングコストの増加は免れない。

    別の選択肢を挙げる

    または
    あるいは
    もしくは
    これとは別で


    これら三案の運用で各々検討を進めるか、あるいは、コスト面だけで一案に絞ってから進める。

    逆転させる

    しかし
    しかしながら
    それに反し
    ところが
    これとは逆に


    最終的には第三案に決まった。しかしながら、品質面での懸念が残るため、引き続き検討を行う。

    歩み寄る

    もちろん
    たしかに
    とはいっても


    商品のリリース日程には納得がいかない。たしかに品質とコストは素晴らしいが、やや開発期間が長いと感じる。

    別テーマに移す

    ところで
    さて
    それでは
    本題に移すと


    開催場所の調整が順調なことが確認できた。ところで、人員確保のほうが問題ないかというと、こちらはやや懸念が残っている状況だ。

    理由付けする

    なぜなら
    その理由は
    そのために
    なぜかというと


    新しいプロジェクトは、日程遅延が濃厚です。その理由は、致命的な品質問題が解決できないためです。

    結論付ける

    したがって
    結果として
    結論からいうと


    新しいサービスが施行されました。したがって、従来サービスは全点撤収となります。




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    繰り返しを避ける

    昇格論文試験では、当然のことながら長文になります。単語、表現、内容共に繰り返しにならないような書き方をすることで、読み手を飽きさせずに、読み進めてもらうことができます。

    単語や表現、文章、それぞれの繰り返し回避について解説します。

    単語や表現の繰り返しを避ける

    「です」「ます」「となっています」「と考えられます」など、たくさんの結びの表現がありますが、なるべく連続させないほうがよいでしょう。
    また、同じ単語も連続させないほうがすっきりと読めます。

    良くない例
    その取り組みが中断することになりそうでした。十分な人員確保をできないことが原因でした。中断させないために、現状のリソースでの効率アップが必要でした。効率アップの結果、中断しないで取り組みを続行できました。

    「でした」が連続していて、項目の列挙のように見えます。「中断」「効率アップ」も何度も使われています。繰り返し表現を避けて、文がきれいに流れるように工夫します。

    良い例1
    その取り組みが中断することになりそうだった。十分な人員確保をできなかったためである。現状のリソースでの効率アップが必要、ということになり、検討を重ねた結果、取り組みの続行が実現した。

    良い例2
    十分な人員確保をできないことが原因で、その取り組みの中断が懸念された。しかし、その対策として現リソースでの効率アップを図ることにより、続行できる結果となった。

    例1、2、いずれも文末の表現を変えることで、項目の列挙の感じがなくなりました。単語の繰り返しもなくしましたが、十分意味の通る内容になっています。単純に表現を変えるだけでなく、言葉を削ることで、2文を1文にする工夫も必要です。

    「Aということになった。理由はBだからであった。」
    という文章を、
    「Bのために、Aとなった。」
    と書き換えるだけで、スッキリします。

    コンパクトに文章をまとめる練習をしてみてください。

    同じ文章の繰り返しを避ける

    同じ意味をなす文章の繰り返しが多いと、全体的に冗長になり、中身が薄くなってしまいます。同じ意味をなす文章とは、簡単に書くと、以下のようなものです。

    緑は私の好きな色です。
    私の好きな色が緑です。
    つまり、私は緑が好きです。

    書き方はそれぞれ異なりますが、意味することは同じです。このような現象は、文の筆記の調子が乗ってきたり、強いアピールポイントを書いたりするときに発生しやすいので、注意が必要です。

    ひとつ例を挙げます。

    良くない例
    本商品の前のバージョンでは、その形状での製造が困難であることが、製造段階で分かった。形状が実現困難だと判明したのが、製造段階だったということである。そのため、今回は商品企画の段階で、その商品の製造や運用が可能かどうか、関係部門で協議を行った。商品の製造可否と運用可能性の協議を、企画段階で行ったのである。

    ダメ押しのように文が重ねられている、という感じです。単純に2つ目の文をそれぞれ削除すればOKです。

    良い例
    本商品の前のバージョンでは、その形状での製造が困難であることが、製造段階で分かった。そのため、今回は商品企画の段階で、その商品の製造や運用が可能かどうか、関係部門で協議を行った。

    自分で書きながら、同じ内容の繰り返しになっていないか、1文1文確認しながら書き進めることをおすすめします。




    まとめ

    この記事では、
    ・まとめでは新しいことを書かない
    ・結論を飛躍させない
    ・つなぎの言葉を工夫する
    ・繰り返しを避ける
    の4つをご紹介しました。
    これらを論文に取り入れて書くことで、合格が確実なものへと近づきます。ぜひ、読み手を意識して練習してみてください。







  • 品質保証、検査業務の昇格試験論文の記述例、上手に書くコツを解説

    品質保証、検査業務の昇格試験論文の記述例、上手に書くコツを解説

    本記事では、品質保証や検査、評価、テスティングなどの職種の人が書く論文を解説します。論文例もあります。
    品質系の仕事でも、技術系も営業も、取り上げる観点は同じですが、解説を品質系寄りにしています。




    論文の視点

    会社の昇格試験の論文では、企画、総務、開発、そして、品質保証、書く視点は同じです。
    もちろん職種が異なるため、扱う題材は品質保証系の業務の特有なものになります。しかし、その視点には、
    ・生産性の向上
    ・人材育成
    ・組織風土の活性化
    ・会社の発展に向けた取り組み

    といった、会社が社員に求める定番の切り口が必要です。最終的にはどの職種も同じ視点の論文に仕上がります。
    しかし、論文の質問文にない要素を書きすぎると、採点者に、「この人は用意した文を書いているだけだ」と見抜かれて減点対象になってしまいます。たとえば、質問文では、「後輩の育成」について問われているのに、「業務の効率化」や「品質向上」が目立つような文になるのは良くない、ということです。「結果として業務の効率化も一緒にくっついてきた」くらいの記述にとどめます。




    何を書くべきか

    普段の取り組みの中で、スケールの大きい生産性向上や、課やチーム全体を動かしたような取り組みがあれば、そのネタを扱います。論文の題材として、
    ・書けそうな業務
    ・工夫が必要そうな業務
    をそれぞれ列挙してみます。

    ■書けそうな業務(レベルの高い業務)
    ・数人の評価スタッフをまとめた
    ・開発、技術、生産部門と協業した
    ・評価規格適正化の取り組みをした
    ・問題の再発防止取り組みをした
    ・海外拠点品質部門の作業標準を作成した

    ■工夫が必要そうな業務(ルーチンワーク寄り)
    ・製品の根本的問題を発見した
    ・日程通りに評価メニューを完遂した
    ・やりにくい評価作業を改善した
    ・評価データまとめを効率化した
    ・評価サンプル置き場を整理した

    検査、評価系の業務はルーチン化していることが多く、なかなか目にとまるような活躍をすることは難しいのが現実です。「かなり書けそう」な例は、その前提に、業務を改善して生産性を向上する、スタッフをまとめてリーダーシップをとる、などがあります。論文のテーマにうまくはめ込みやすいです。
    しかし、「工夫が必要」な例では、論文の題材として利用するには小粒感があります。
    多少内容を大きく見せるテクニックが必要になります。

    論文を書く上で気を付けたいことがあります。どんなに優れた取り組みであっても、それに至った経緯やプロセスや、自分がどのような切り口に視点を置いていたか、をテーマに沿って明確にする必要があります。
    すなわち、小粒な取り組みであっても、背景や視点が明確で、部門や会社の発展につながるように書けばよい、ということです。

    例を挙げます。
    論文のテーマで、
    「自ら行動して成果を上げた取り組みを説明しなさい」
    と出題された場合に、先程の業務例を当てはめてみます。

    ■かなり書けそうな例
    ・数人の評価スタッフをまとめた
    ⇒自らすべてをやるのではなく、メンバーの適性を見てうまく担当を割り振り、定期的に個別進捗管理を行った。チームとしてひとつの目標に軸を合わせた。

    ・開発、技術、生産部門と協業した
    ⇒検討品評価の視点を自ら事前に開発設計チームに自らインプットし、検証漏れや評価やり直しによる商品リリース日程遅延が発生しないように進めた。

    ・評価規格適正化の取り組みをした
    ⇒明らかに性能に問題がないのに、評価規格に沿うとNGになる。規格がオーバースペックだと判断し、自ら提言して他部門を巻き込み規格の改訂に動いた。

    ・問題の再発防止取り組みをした
    ⇒検査で不具合が多発し、前モデルでの失敗が生かされていない。自ら不具合リストを作り、開発設計、製作部門と共有し、再発防止案の提出を依頼した。

    ・海外拠点品質部門の作業標準を改善した
    ⇒ある検査を日本で実施するとNG、海外拠点で実施すると合格する。手法に不備があると見極め、自らの提案で、現地評価担当部門と作業手順書改訂を行った。

    普段、ルーチンワークをメインとして仕事をしていると、会社の利益や部門全体を動かすような実績を上げることは難しいのが現実です。
    とはいえ、行き当たりばったりの処置を書いても評価されません。日頃から会社の利益や人材育成など会社の発展を意識した行動の結果として実績が上がったことを書きます。小さな実績でも構いません。職位が低ければ、数多くの部門を巻き込んだ活躍は難しいです。しかし、目的と結果の整合性があれば、いずれ職位が上がったときに、そのパフォーマンスのスケールも上がる、と論文の採点者は見抜きます。
    したがって、次のような視点を盛り込めると、上昇志向の高さをアピールできます。

    ・効率化提案で評価チーム全体の作業時間短縮
    ・工夫したやり方を他メンバーに標準展開
    ・問題の処置ではなく、根本解決の仕組み提案
    ・自分の働き掛けで周りに影響を与える

    ルーチンワークでの小さな実績を、うまく書いてみます。

    ■工夫が必要な例
    ・製品の根本的問題を発見した
    ⇒いつも不具合の処置が主だったが、品質向上と工数削減を目指していたため、問題多発の根本的原因を発見し、自ら部門を通して上流設計にインプットした。

    ・日程通りに評価メニューを完遂した
    ⇒不具合やメンバー休暇による評価日程遅延が常態化していた。自ら要員調整とメニュー再検討をリーダーに提案し、日程短縮して期限までに評価を完了した。

    ・やりにくい評価作業を改善した
    ⇒評価完了がいつも日程ギリギリなので、日頃から効率化が必要と考えていた。最も時間のかかる作業を自らリーダーに提案し、評価工程短縮を実現した。

    ・評価データまとめを効率化した
    ⇒評価データまとめのスピードが担当者によってバラバラなので、自ら手法を効率化し、手順を確立して他メンバー誰がやっても同じ工数になるよう改善した。

    ・評価サンプル置き場を整理した
    ⇒置き場がいつも満杯で、新規検討品置き場の確保にみんな時間を要していた。区画整理、管理の仕組みを自ら提案して作り、全体の作業時間短縮を実現した。

    ルーチンワークの些細な業務でも、目的意識を明確にする書き方により、論文の記述に使えそうな切り口になりました。このような書き方で、出題に対して要約メモを書きます。

    論文テーマは、
    「会社が発展するためには、社員一人ひとりが指示待ちではなく自ら行動することが求められます。
    自ら行動して成果を上げた取り組みを説明しなさい。」
    です。

    要約メモ

    前書きにも必ず触れます。前書きの中に「発展」というキーワードがありますから、取り上げる項目には、常に「会社の発展」を目的としている書き方をします。
    要約メモを書くための項目を確認します。

    ■前書き
     ・自らの行動の必要性
     ・自ら行動して会社が発展する
    ■自分の仕事
    ■自らの取り組み
     ・事例1
     ・事例2
    ■まとめ
     ・内容のまとめ
     ・自分の今後の目標

    このような流れで要約メモを書きます。

    ■前書き
    ・自ら行動する必要性
    指示待ちでは、現場で発生する問題の解決や、より良い手法での作業改善が出来ない。自らが考えて新しいアイデアを提案して行動することで、新しい成果を創出。
    ・自ら行動して会社が発展する
    会社が発展するためには、新しい事業や取り組みが必要。その事業や取り組みを推進するには、社員教育だけでは足りず、自らが率先して学ぶ必要あり。普段の業務や問題解決の中で、新しい課題が生まれ、担当者レベルで率先して行うことで、事業の推進を維持、向上できる。
    ■自分の仕事
    輸送機器用ユニットの製品開発段階での性能評価
    ■自らの取り組み
    普段から、会社の発展の下支えになるよう、製品評価の最適なプロセスを提案しながら、業務に当たっている。
    ・事例1 不具合再発防止の取り組み
    前モデルでの問題解決が生かされていない。評価、判断の工数が多い。再発防止取り組みを自ら提案。上司、設計開発、プロジェクトリーダー。徹底フォロー、刈り取り。
    結果、問題指摘件数、2割減。作業工数は3割減。
    インプットだけでなく、依頼先部門の動きを自ら促進がよかった。

    ・事例2 評価データまとめの効率化
    溜まった計測データの処理、まとめ時間が長い。担当者間のスピード差もある。日頃の心配。誰がやっても同じまとめ方法を自ら提案し、各メンバーへの統一手法遂行の働き掛け。周りへ影響を与える。スタッフ全員が新しい手法を習得。育成にもつながる。
    データ処理手法の効率化、確立、標準化。評価日程策定の安定化。

    品質評価業務の安定化⇒商品リリース日程の厳守⇒会社の収益体質安定化(機会損失の防止)⇒安定した発展につながる

    ■まとめ
    ・内容のまとめ
    指示待ちでは、問題解決や新しいアイデア創出は難しい。一人ひとりが積極的に、自ら行動を起こすことで、新たな手法、新たな業務展開、新たな事業へとつながる。
    会社が発展する新たな事業を後押しするためにも、自発的に発想、提案して支える。
    ・自分の今後の目標
    今は担当者レベルだが、自らの積極的な行動でメンバーにたくさん影響を与えたい。指示待ちではなく、自分で考えて行動、提案する姿勢を見せる。メンバーをまとめていきたい。目の前の業務処理だけでなく、会社の利益、発展を念頭において自ら行動したい。

    ■ポイント
    ・品質保証の細かい業務は書かない
    ・取り組みの視点が重要
    ・会社や部門の発展を念頭に置いた姿勢を強調
    ・部門のメンバーや他部門を巻き込んで影響を与える
    ・会社の発展、自ら行動、をまず前提に述べる




    論文例

    (論文ここから)

    会社の業務では、自ら行動する必要がある。
    自ら考えて行動することで、
    ・現場で発生する問題の解決
    ・より良い手法での作業改善
    ・アイデアを創出して新しい成果を出す
    といったことが実現できる。自らの行動とは反対に指示待ちでは、解決や進展は難しい。

    会社が発展するためには、社員一人ひとりが自ら考えて行動しなくてはならない。会社の発展、つまり新しい価値の創造や利益の向上には、新しい事業や取り組みが必要であるが、その事業や取り組みを推進するには、社員教育だけでは足りない。社員自らが新しいことを率先して学び、これまで以上にスキルを上げないと、部門として実務を遂行することは難しく、新しい価値にも軸が合っていかない。普段の業務や問題解決の中で、新しい課題が生まれ、担当者レベルで率先して行うことで、事業の推進を維持、向上できる。
    また、多くの社員の率先した取り組みが付加価値を生み、新たなビジネスや事業に展開される可能性も出てくる。
    このように、会社の経営層発意での新たな取り組み、社員からのボトムアップによる事業展開の、いずれのケースにおいても、社員一人ひとりが自ら行動して業務に取り組むことが必要である。

    私の仕事は、輸送機器用ユニットの製品開発段階での性能評価がメインである。日頃から、安定した商品リリースによる、会社の発展の下支えになるよう、製品評価の最適なプロセスを提案しながら、業務に当たっている。
    本業務において自ら行動して成果を上げた取り組み事例について、ふたつ説明する。

    ■事例1 不具合再発防止の取り組み
    製品性能評価では、前バージョンのモデルでの問題解決が生かされておらず、同様の不具合や、類似不具合の発生が続いていた。これにより、評価期間や、判定までの関連部門との協議が長期化し、妥協策の適用や、対策見送りといった事態が常態化していた。品質評価が後手にまわることにより、商品リリースの日程も遅延し、会社の利益確保への機会損失を招き、会社の発展を阻害する要因となり、課題となっていた。
    品質、リリース日程共に、品質部門として改善する必要があり、不具合再発防止取り組みを自ら提案した。上司、設計開発、プロジェクトリーダーなど、キーパーソンとキーセクションを巻き込み、自らかじ取りを行い、取り組みを推進した。再発防止具体策を講じる実行部隊には、定期的に進捗フォローを徹底し、確実な成果の刈り取りに心がけた。また、自らも品質部門の立場でアイデア出しや施策の提案を行った。
    結論として、今期の新製品プロジェクトでは、類似問題はゼロには出来なかったものの、同様不具合はゼロ、トータル不具合報告数は、前モデル比で2割減となり、評価工数はおよそ3割減の結果となった。
    今回、関係者や部門への取り組みインプットだけでなく、依頼先部門の動きを自らフォローし、活動を促進したことが、良好な結果をもたらしたと考える。

    ■事例2 評価データまとめの効率化
    評価作業を終えた後のまとめ業務は、データ量が多く、数日の期間を要していた。また、担当者によって処理スピードにも大きな差があった。データまとめの期間については特に問題視されていなかったが、この数日を短縮できれば、開発設計部門への早急なフィードバックが可能となる。商品リリースの早期化または品質部門としての高付加価値ミッションを追加できる。
    これに対して業務効率化を提案した。作業期間を短縮し、かつ誰がやっても同じまとめ方法になるような手法を導入した。ひとりでは困難であったため、主力スタッフに協力を仰ぎ、共に作業の効率化と標準化を確立した。新手法での作業手順は、自らスタッフ全員に説明し、従来の作業工数を半分まで短縮することができた。新しい手法での業務も定着し、スタッフ全員のスキル向上にもつながった。
    結果として、商品のリリース日程短縮とはいかなかったが、余剰時間を、他プロジェクトへの応援やスキルアップ勉強会へ充当することができ、部門としての業務品質が改善された。評価日程の策定もしやすくなり、日程のリカバリーが少なくなった。
    日常業務の課題を日頃から客観的に観察し、自ら改善提案をすることで今回の業務品質向上へとつながる結果となった。

    品質評価業務を安定化させることは、商品リリース日程の厳守を確たるものとし、会社の収益体質を安定化させる。そして発展へと導かれる。

    組織のなかで仕事をする上で、指示待ちでは問題解決や新しいアイデアを生み出すことが難しい。一人ひとりが積極的に、自ら行動を起こすことで、新たな手法、業務展開が生まれ、新たな事業へとつながる。会社が発展する新たな事業を後押しするためにも、自発的に発想、提案して、自らが成長しなくてはならない。
    今は私は担当者レベルだが、自らの積極的な行動でメンバーや、関係部門にたくさん影響を与えたい。指示待ちではなく、自分で考えて行動し、提案する姿勢を見せ、メンバーをまとめていきたい。目の前の業務処理だけでなく、会社の利益、発展を念頭において自ら行動したい。

    (論文ここまで)
    いかがでしたでしょうか。
    ふたつの事例は、
    事例1 レベル高めの業務
    事例2 ルーチン業務
    でした。

    何度も練習して、合格を勝ち取ってください。







  • 文章を上手に書くための6つの基本、例文で解説

    文章を上手に書くための6つの基本、例文で解説

    論文が苦手、文章を書くことそのものが苦手、という人のために、上手に文章を書くための基本的な手法を6つご紹介します。

    この基本編を理解して実践できれば、会社の昇格試験の論文くらいは書ける、という内容にまとめています。

    昇格試験論文の合格を決定づける、少しハイレベルな4つの書き方 例文付きで解説

    読みやすい文章表記50選、これだけ覚えればかなり書ける

    文章を書くとき、最も大切なことは、何を伝えたいかを明確にすることです。
    この明確に伝える、という目的を果たすために、分かりやすく書いたり、気持ちよく読めるように書いたりします。




    読む人に合わせた書き方をする

    自分の日記であれば好きなように書いて問題ありません。誰かに向けて書く場合には、その相手に合った書き方をします。


    ■友人、家族、後輩
     ⇒丁寧語またはタメ語
    「先日買った発電機の使い方を教えます」
    同レベルの人向けの書き方です。

    ■上司、お客様
     ⇒尊敬語、謙譲語、丁寧語
    「先日ご購入された発電機の使用方法をご説明します」
    目上向けの書き方です。不特定多数の人たちに発するときも、同じ書き方になります。

    ■小さな子供たち
     ⇒タメ語または丁寧語
    「このあいだ買った、キカイの使い方を、おしえます」
    年齢にもよりますが、分かりやすく書きます。

    読み手が心地よく読めるような言葉使いにしないと、途中で読むのをやめられてしまいます。

    会社の昇進試験の論文や、ビジネス資料では、もちろん目上の人向けの書き方になります。場合によっては、「です、ます」調ではなく、「だ、である」調やキーワードやフレーズで表現し、文章にしないこともあります。




    結論を最初に書く

    結論は、最初に書きます。とはいえ、最後にはまとめを書くので、まったく同じことを最初と最後に書くわけにはいきません。概要に触れる程度で書きます。
    課員にメールで連絡する、という状況での例です。

    「新しいセキュリティソフトのインストール方法を、以下に記載します。期日までにインストールしないと、ウイルス感染を引き起こす恐れがあります。余裕を持って期日までに早めにインストールを行ってください。
    (詳細な説明内容)
    以上、正しい手順をご確認のうえ、必ず期日までに終了するようお願い致します。」

    詳細な説明に入る前に、「早めにインストールしてほしい」「しないとどうなるか」を簡潔に書くことで、伝えたい内容が明確になります。読み手は何に注意して読めばよいか分かります。
    結論は「必ず期日までに終了」ということで締めます。
    1 最初に結論(概要)
    2 詳細内容
    3 最終結論
    の順番で書くことにより、メール、ビジネス資料、手紙、論文、どれも自然でスムーズな流れになります。




    表現方法を統一する

    文章を書くときには、すべての文を、
    同じ言葉使い
    同じ方向性

    で書きます。
    たとえば、目上の人に書く場合、「です」「ます」や「致します」「いただく」などの、丁寧語や謙譲語、また「なさる」「される」のような尊敬語で一貫して書きます。

    ■良くない例
    「今度、新しいアイデアについてご説明させていただきたいです。以下の日にちが私の提案する候補日である。都合の良い日に○をつけて返信してください。」

    「いただきたいです」と、謙譲語で書いていますが、次に来る文が「である」調になっています。淡々と事実を述べたり、論文を書いたりするときには「である」調でも問題ありません。しかし、目上の人へのメールや手紙、大人数への一斉配信のときは、ふさわしくありません。自分の意見や気持ちが入った文で「である」調にすると、偉そうで生意気な印象になるため、注意が必要です。

    「返信してください」は、命令形です。「返信しろ」は論外ですが、「してください」は丁寧な命令と考えるとよいです。英語でいえば、「Please do it!」です。

    ■良い例
    「今度、新しいアイデアについてご説明させていただきたいです。以下の日にちが私の提案する候補日です。都合の良い日に○をつけてご返信いただけますでしょうか。」

    言葉使いを統一すると安定感が生まれ、読み手に対する訴求力が高まります。文章を書きながら、そして書き終わった後も、ぜひ確認してみてください。




    文章はなるべく短く書く

    文章を書くことに少しずつ慣れてくると、長文になりってしまうことがあります。文が長くなると、読んでいて理解し難くなります。文が長いと感じたら、ある程度の意味をなすところで、一度文を切ります。

    ■良くない例
    「当部門ではこれまで多くのサービスを展開してきたこともあり、さまざまな問題解決の経験から蓄積されたたくさんの顧客対応のノウハウを生かした新サービスを企画しているため、今年度中には、課、部をはじめ、経営層やクライアントへの発表の場を設けることが可能かどうかの判断を、今月中に部長に報告したいと考えています。」

    ひとつの文の中で、たくさんのストーリーが展開しているかのようです。もはや何を言っているのか分かりません。だらだらと長い文は支離滅裂になっていることもあるため、単純に区切ってもつながらないときがあります。文章校正もしながら、意味をなすところまでで文を区切っていきます。

    ■良い例
    「当部門ではこれまで多くのサービスを展開してきました。これまでのさまざまな問題解決により、顧客対応のノウハウがたくさんあります。
    これらのノウハウを生かした新サービスのプレス発表を、今年度中に行う計画です。これに先駆けて、経営層への報告を行いたいため、今月中に企画の詳細についてご報告させていただけますか。」

    まだ長い感じもしますが、だいぶ読みやすくなりました。

    「~しながら」「~をしつつ」「~ということもあるので」などの副詞的な表現を使うと文が長くなりますので、注意してご使用ください。わざわざ書かなくても伝わる場合には、なるべくややこしい表現を使わずにシンプルに仕上げて下さい。たとえば、

    「昨日は業務が忙しい中にもかかわらず、本件のために貴重な時間を割いて頂き、ありがとうございました。」
    ⇒昨日はご多忙の中、ありがとうございました。

    といった具合いに、「にもかかわらず」を、使わなくても表現できます。

    シンプルな文は理解しやすいため、読み続けてもらうことができます。難しい言い回しがカッコいい、ということは決してありません。肝心なことは、伝えることです。

    表現を文章で行う必要があるかどうかの判断も必要です。発表資料であれば、キーワードだけを大きく表示することでも伝わり安くなります。




    話し言葉にしない

    文章には、口語(話し言葉)を使うことはおすすめできません。用途に応じて全体で話し言葉で一貫させることはありますが、会社でのメールやビジネス資料で口語を使うことはほとんどありません。

    文に話し言葉が混じると、事実を述べているのか、語りかけているのか、などコンセプトが見えません。また明らかに校正してないことが分かってしまい、信頼性の低い文章になってしまいます。

    いくつか例を挙げますと、
    なので、やってた、かなりの、なくはない、ありがち、ずいぶん、思います
    などです。

    「なので」は、特に文頭に持ってくると文法的にも間違いです。
    「かなり」は会話の中では問題ありませんが、文章で書くときには、定量的に書くことが望ましいです。
    「思います」は、手紙で書くぶんには問題ありません。

    ■良くない例
    「この新しいやつ、ちょくちょくダメになるって聞いてたんで、早めに対応しといたほうがいいって感じですね。」

    しゃべったことがそのまま文に起こされたような書き方です。だいぶ極端な例ですが、この口語の書き方を文語で2パターン書きます。

    ■良い例
    「この新製品は頻繁に不具合を起こす、と聞いています。早期の対応が必要と考えます。」
    少し緩く書くなら、
    「この新しい製品ですが、問題がいくつかあるようですので、早急に対応したほうがいいと思います。」

    長文や、複数ページに渡る資料を作っていると、話し言葉のような表現が入りがちです。話し言葉にならないよう注意しましょう。




    タイトルと内容を一致させる

    チャットやショートメールでやりとりをする場合、タイトルはつけられませんが、メールやビジネス資料などでは、タイトルを付けることになります。

    その内容(文章)にふさわしいタイトルを付けます。先ほどの目上の人に新しいアイデアを聞いてもらう件であれば、そのタイトルには、
    「新アイデアを説明します」
    「ご都合の良い日を教えてください」
    「【返信希望】新アイデア説明会」
    など、どのようなことが書かれているか即座に分かるように付けるといいでしょう。

    あまりおすすめしないタイトルは、
    「新アイデア」
    「説明会の候補日」
    「返信ください」
    なとです。メールを読まないと内容が分かりません。タイトル付けがテキトーな感じに受け止められ、せっかく内容が優れていても、残念な印象になります。
    最終的に書き終わった文面を見て、改めてタイトルが適切に命名されているか、確認しましょう。

    タイトルを付ける、ということは、文章を書くこととは違うのではないか? と考える人もいるでしょう。確かにそうかもしれませんが、これは大切なことです。どんなタイトルを付けても内容と合致しない場合、内容に複数のテーマが混在していたり、方向性や結論にぶれがある可能性に気づくことができます。タイトルと内容が合致していれば、テーマに沿った流れができている、という確認にもなります。

    まとめ

    以上の5つを意識して書けば、会社のメールやビジネス資料、昇格試験の論文など大抵の文章を自然に書けるようになります。短い文から少しずつ長文に展開していけるように、たくさん書いて、これらの基本法則が徹底されているか確認してみてください。

    文章を上手に書くには、もちろんこれら5つだけで足りるわけではありません。応用的な記事も今後追加していきます。







  • 思考を働かせて仕事の成果をあげる5つの方法、実用例で解説

    思考を働かせて仕事の成果をあげる5つの方法、実用例で解説

    人と関わって仕事をしていると、とても頭のいい人がいることに気づきます。
    次から次へとアイデアが出る
    先の問題を予測する
    斬新な方向性を導く

    など、頭のいい人たちは何を考えて行動したり話したりしているのでしょうか。

    この記事では、仕事をしながら考えるべき視点や、本質をとらえるテクニックを、実用例を用いて5つ解説します。




    遠くから見る

    小さな子供としりとりをすると、バナナ、冷蔵庫、テレビなどが出てくることが多いです。これは、自分の目に見える物を言っているのです。
    目に見えないものでも、自分が関心のあるものは出てくるでしょう。電車、虫など。この発想で仕事をすると、新しいアイデアを思いついたり、先を読むことは難しいでしょう。

    とにかくアイデアをたくさん出して整理してから絞り込んでいこう、というときに、目に見えるものだけを考えていると、すぐにネタが枯渇してしまいます。

    今抱えている問題、課題の解決、新しい何かを発想するには、物事を遠くから見てみることが有効です。以下のように考えるとよいでしょう。

    遠くや、空の上から見てみる
     ⇒すなわち、物事の全体を見る

    簡単なことに聞こえますが、その課題に没頭していると、なかなか気付かないものです。例を挙げてみたいと思います。

    「商品ユーザーアンケートを解析したところ、取っ手の部品のところの使い心地が良くないことが分かってきた。プロジェクトメンバーはみんな、どうすれば、その取っ手の使い心地を改善できるか、悩み、議論になった。」

    とりあえず暫定対策としての議論であれば、問題ありません。ここで思考力が優れた人は次のように提案します。

    「取っ手の部品そのものを使わなくてよい製品にリニューアル」

    もっと思考の鋭い人は、

    「品質の規格(ルール)の見直しを提案」

    といった、ずいぶん飛躍したアイデアが浮かびます。
    本質をとらえて根本的解決をする場合、その問題をどんどん逆算してみます。

    1. 取っ手の使い心地が良くない
    2. 取っ手の形状や構成が悪い
    3. 取っ手を使用した対応が必要
    4. 使用感を基準以上にするルールがある

    「取っ手の使い心地が良くない」という問題に対して、頭のかたいみんなは、「取っ手の形状や構成が悪い」というところにフォーカスし、「どのようにすれば使い心地を改善できるだろう」と、取っ手の改良に集中します。
    こんなとき、思考力を働かせます。「そもそも取っ手が無ければこんな問題は発生しないんだから、取っ手を無くして、本体部分に取っ手になるような機能を持たせてしまおう」と、ひとつ上位の階層(遠いところ)に思考を移します。

    もうひとつ上の考えにいくには、この仕事がどのような前提やルールの下で進められているか、について思考を及ばせます。遠くから、上から見ます。

    上位概念の「使用感を基準以上にする」というルールがあるから、取っ手のような機能を搭載することを考えなくてはならない、という前提が生まれます。本当にこのルールは今のトレンドに乗った適切なルールなのだろうか、と考えます。このルールを策定した部門と協議すると、こんな意見が出てくるかもしれません。

    「このルールを作った○○年前には、まだ製品重量がかなり重かったから、この取っ手の機能がないと持ち上げにくかった。でも最近は小型化、軽量化が進んでいるから、取っ手がなくても簡単に持てますね。」

    ここで、こちらからはこのような提案ができます。

    「このルールに、総重量が○○kg以上のときには取っ手機能を設ける、という条件を付け加えてください。」

    おまけに、このように提案します。
    ・デザインがスッキリ
    ・設計の時間短縮
    ・部品コストダウン
    ・プライスダウンで販売促進
    ・他の陳腐化ルールも刷新を提案
    などです。自分の問題提起がもたらすメリットを次々に挙げて関係者を巻き込みます。結果的に、マイナーチェンジ品の開発プロジェクトへと導く流れになります。

    もっと思考を働かせると、そもそもこの商品の必要性とは?という考えに及びます。更なる上位概念へと目線を向けることで、より本質的な解決策、ものごとの核心に迫るアイデアを創出することにつながります。

    このように、ものごとを遠くから見ると、その問題や課題を取り巻く環境や全体像が見えてきます。これによって、検討する際の要素の抜け漏れ防止、全体を俯瞰することによる根本的解決を実現することができます。




    疑問を持つ

    頼まれたことを「はい、分かりました」と言って実行して終わってしまうことはないでしょうか。なるべく「なぜこれをやる必要があるのだろう?」と疑問を持つことが、最良の結論に向かいます。

    今抱えている課題や依頼に対して疑問を持ち、なぜその必要があるのだろう、おおもとの理由は何だろう、と問いかけます。上位概念や本質部分に迫ることで、より質の高い結論を導き、ビジネスチャンスを広げることが期待できます。

    たとえば簡単なケースですと、営業職の仕事で、顧客から連絡がありました。
    (客)「発注数を、千個から百個に減らしたいのでよろしく」
    と連絡を受けたら、すぐに
    (自)「分かりました」
    と受け入れるでしょうか? 受注数が減れば、売り上げも下がるので、
    (自)「なぜ減らすのか」
    と尋ねます。すると、
    (客)「千個投入しても、完売の見通しが立たないから、初期ロットは百個で」
    と、背景を聞くことができます。更に尋ねます。
    (自)「なぜ完売の見通しが立たないのか」
    (客)「従来品からの新規性が少ないから」
    と、さらに背景の深掘りができます。顧客の発注の意図が新規性を求めていたことにたどり着きますので、こちらもそれに対して提案をすることができます。(自)「では、およそ○カ月後に当社からリリースの予定がある新製品のご購入を検討ください。これを○○ロット以上購入していただければ、先ほどの商品千個を半額でご提供します。現行品をコストダウンして全数さばけるようになりますよ。」
    というように、アドバイス付きで新しい契約の話に持ち込むことができ、大幅な売り上げにつながります。
    できる営業マンなら、顧客のキャンセルが発端ではなく、そもそも先読みして自分から仕掛けていくこともあるかもしれません。

    こんなアクションもできます。
    隣の課から援助要請がありました。廊下にイスを並べるのを手伝って欲しいそうです。なぜ必要かと質問し、どんどんその真意を探っていき、本質的な解決策に迫ります。

    (隣)「今日社会見学に訪れる小学生が、長い時間立ちっぱなしで最後ここに来るので、座ってもらう」
    (自)「どうして長い時間立ちっぱなしのスケジュールになってしまったのか」
    (隣)「見学メニューが盛りだくさん過ぎて休憩時間を途中で確保できない」
    (自)「そんなに疲れてしまうほどの見学メニューは、見直したほうが良いのでは?」
    (隣)「なるべく多くの現場を見て欲しいのです。」
    (自)「見て欲しい? そんなにたくさんのもの、小学生は見たがるのでしょうか? それより、本当に大切な部分だけを厳選したらいかがですか? じっくり説明して見てもらい、印象に残したほうが良いのでは? 余裕時間を途中の10分休憩に充てたら?」

    ここまで掘り下げれば、もう結論は出たようなものです。無駄な「イス並べ」は不要になり、無理のない見学スケジュールを設定でき、見学に来る小学生にもふさわしい内容に変わりました。

    疑問を持って仕事を進めることの大切さを理解できましたでしょうか。「なぜそうなのですか?」と疑問を投げ掛けて、何が根本的な問題かを突き止めるために、どんどん上位の背景に迫っていきます。

    ちなみに補足ですが、「なぜそうなのですか?」と質問しにくいケースがあります。
    ・トップダウン指示で有無を言わさず実行
    ・他の部門への意見はしない文化
    ・厄介な人だから口答えしないほうがいい
    こういうことが度々ある会社は要注意です。
    明らかに筋違いな施策なのに、側近の誰も口答え出来ずに実行部隊にまで指示が落ちてきて「決まった方針だから、とにかくすぐやって」というケースです。本来、本当にこれが必要か、と問いかけて施策を洗練化し、ベストな解を導くことにより利益を最大化させていくべきです。これができない、風通しの悪い組織は、成果が出にくく、機会損失をしてしまいがちです。
    このような組織にいる場合は、組織風土の改善を提案するか、場合によっては、自ら転部や転職などで環境を変えていくことの検討も必要です。




    ユーザー目線になる

    先ほどの「疑問を持つ」のパートで出てきた、「小学生の見学に、立ちっぱなしで疲れてしまうほどの見学メニューを設定している」件、これは、見学する小学生の側になって考えていない例です。すなわち、ユーザー目線に立っていない、ということになります。

    ビジネスマンは、必ず自分の仕事の向こうにユーザー、お客様がいます。厳密にお客様でなくても、自分の仕事を受け取る人がいたら、その人がお客様と考えて差し支えありません。

    ユーザーのことなどほとんど考えずに、自分や部門の都合を考えて仕事をしている人は多いです。もし会議などで、自分の意見がいつも上司や先輩たちに脚下されてばかり、という人は、ぜひユーザー目線に立って考え、そのメリットを引き出す意見として発言してみてください。おそらく誰も全面否定はしないでしょう。たとえ反対されたとしても、「たしかにその通りで、ユーザーにメリットは大きいが、リリース後の私たちの運用がもたない」「私もそう思うが、トップの指示だから方向性は変えられない」というように、意見への理解が表れるはずです。

    ユーザー目線での考え方の例、10連発で紹介します。ダメな例⇒ユーザーに優しい例、です。

    ・自分が取り組んだこと全てを発表資料に書く
    ⇒情報を集約して、ポイントだけ記述する。読まなくてもよい、感じることができる資料にして発表する。

    ・操作方法を全て、取扱説明書に記載する
    ⇒詳細説明は取説に記載してもよいが、注意事項やユーザーが快適に使えるヒントなどは、ラベル化して商品に直接貼ったり、外箱に表示したりする。

    ・イベント会場の入口は1つのほうが管理しやすい
    ⇒想定参加人数にも依るが、行列や周囲の混乱を防ぐために、複数の入口を設ける。運営方法や人員配置は、自分たちで努力してさばく。

    ・レジの混雑は並んで待ってもらうしかない
    ⇒ピーク時間帯の人員配置調整、5品までの会計限定の「即レジ」設置、セルフレジの大量設置、などあらゆる手を尽くす。

    ・大きなデザインパネルを吊り下げるから、頭上注意ラベルを貼る
    ⇒頭の当たらない位置までパネルを小型化してそもそも当たらないようにする。デザインを修正する。または、パネルを壁掛けにする

    ・安全教育の必須10講座を社員全員に受講させる
    ⇒本当に周知するべき内容にコンパクト化し、1~2講座編成にする。

    ・生徒の質問は、講義の後でまとめて受け付ける
    ⇒質問は随時受け付けて、その場で疑問を解決する。講義の中の質問を想定した時間配分を予め考える。

    ・Webサイトの見た目の調整は時間をかけすぎない
    ⇒もちろん時間をかければよいわけではないが、時間の制約を優先して見た目をないがしろにするのはまずい。公開の日程調整をしてでも見た目を整える時間を確保する。

    ・部長課長たちの運営方針に沿うことが最優先
    ⇒たとえ、方針に逆らえなくても、ユーザーのメリットやその効果などをアピールして、最善を尽くす。

    ・商品を出荷するまでが私たちの役割だ
    ⇒違う。最終ユーザーのことまで考えないと、良い物はできない。




    視点を変える

    頭の良い人は、斬新なアイデアも提供してきます。
    斬新なアイデアは、その対象に近いものばかりを考えるのではなく、視点を変えて、全く別のところから持って来ると生まれやすいです。

    新しいものを生み出すには、従来とは全く異なる視点でものごとを見て、常識を疑うことから始めます。

    昔は、「ホットコーヒー」や「マニュアル車」などの呼び方はありませんでした。コーヒーはアイスコーヒーが出てきたため、クルマはAT車が出てきたため、このような呼び方になりました。いずれも常識をくつがえす発想だったに違いありません。
    ・コーヒーは温かい飲み物
    ・速度によって運転者がギアチェンジする
    という常識をひっくり返す必要がありました。

    他の例では、何十年も前ですが、カップラーメンで、「ラーメンライス」「ラーメンチャーハン」という商品がありました。カップラーメンとカップライスが二段になったインスタント食品でした。カップラーメンの味、トッピング具材などの開発だけに集中していたら、絶対に生まれない発想です。

    視点を変える、といっても全然関係ないものを持ってくるわけではありません。その対象の物事が属するキーワードに関連した物を連れてきます。

    カップラーメンを取り巻くキーワード:
    めん類、具材、中華、味の種類、ハイキング、夜食、熱い、塩辛い、うつわ、若者、小麦粉、店、価格、栄養、などなど、挙げればきりがないくらい、関連したキーワードが存在します。ここで、いちキーワードとして「一緒によく食べる食品」という観点に気づくと、「白飯」「チャーハン」「餃子」「ザーサイ」「シュウマイ」なとがリストアップされます。これらの中で、カップラーメンと同じくお湯で調理できるアイテムがライスとチャーハン、ということになり、ラーメンとセット販売する新しいラインナップが生まれてきます。

    「ラーメンライス」が実際にこのような過程を経て生まれたかどうかは分かりません。消費者アンケートだったかもしれません。新しいアイデアを生み出す手法のひとつ、ということです。

    カップラーメンを取り巻くキーワードで、「若者」に注目します。おもに若者が買う、ということになりますが、中高年にも買ってもらえれば、売り上げが伸ばせます。カップラーメンは、若者向け、という常識をくつがえし、「中高年向け」というところに着目します。
    栄養バランスの整った、
    お店で食べるような味で、
    デザインの優れた、
    無添加の、
    高品質カップラーメンを作り、
    高貴なイメージのコマーシャルでPR
    すれば、少し高い価格帯でも売れると考えます。着眼点だけ確立したら、あとはアイデアを具体化、洗練化さていくだけです。

    このように、対象のものだけを見ていくのではなく、視点を変えて、属するキーワードつながりで別のところから連れてくることで、新しいアイデアが次々に生まれます。




    推論する

    答えの見当もつかない問いに対して仮説をたてながら、だいたいの結論を出す、という力は、少なからず仕事では必要になります。
    会社で仕事をしていると「分かりません」「やったことないから出来ません」と、簡単に言う人が多く、非常に残念な気持ちになります。

    「推測する」力がある人は、未知の数字に対して「ちょっと待ってください、概算しますと、、」と言って、すぐにおよその数字をその場で推論します。決して、「分からない」「明日までに」などとは言いません。すぐに概略の結論を出すことで、具体的な検討を開始するか、ボツにして次の案を出すか、決めることができ、限られた時間の中で中身の濃い話し合いができます。

    この推論は、フェルミ推定、と呼ばれています。
    「割りばしの年間消費量」
    「マンホールのふたの数」
    「電信柱の数」
    などの見当もつかない問いに対して、自分の知っている知識を駆使しておよその数字を算出する推定です。

    Googleマップを作るのに、Googleカーを何km走らせたか、といった疑問にもフェルミ推定のスキルは生かされるでしょう。

    この推定のスキルが身に付くと、、以下のようなことは、日常業務で難なくこなせていけます。

    業務を効率的に進めるために、ある機器を購入します。導入の価値があるかどうかについて決めたい、という状況です。可否を判断するには、
    ・機器の価格
    ・機器購入により得られる効果
    のふたつを比較して、どちらが高いか、を見極めます。
    機器の価格: 100万円とします
    機器購入の効果の算出には、前提を定めます。
    ・2年でその購入価格を回収すればOK
    ・時間短縮は1日2時間
    ・機器を年間120日稼働させる
    ・作業賃率は、3000円/時間
    これだけ揃えば十分です。
    作業工賃がどれくらい削減できるか、算出していきます。
    2時間で作業工賃が、6000円です。
    年間120日稼働させるので、72万円が作業工賃の削減分になります。
    2年間で144万円の削減となるので、機器の価格100万円を2年目で回収できることが分かります。
    2年保証10万円や、10年保証50万円に加入しても問題ありません。
    実際には、固定資産税としての管理や、会社の個別のルールによる管理などに手間がかかり、それらも加味して購入を判断する必要はあります。

    ぜひ、フェルミ推定や概算のスキルを身につけて、検討事項の可否を瞬時に判断してみてください。




    まとめ

    的確に本質を捉え、ユーザー目線で新しいアイデアを出す。なかなか難しいことですが、この5つの視点を持って取り組めば、質の高い提案をしながら仕事を進めることができます。

    思考力を鍛えるための書籍やe-Learning、講習などは、数多くあります。細谷功先生が、思考力研究の第一人者で、さまざまな書籍を書かれています。本記事のうち、「ユーザー目線になる」の項目以外は、細谷先生の思考力理論を参考にしています。事例は、当サイトのオリジナルです。
    思考力を深く学ぶことに関心がある方は、細谷先生の書籍をおすすめします。「考える練習帳」は多くの要素が盛り込まれていておすすめです。ぜひご一読ください。







  • 理系の社員向け昇格試験論文を、要約メモで効率的に書く

    理系の社員向け昇格試験論文を、要約メモで効率的に書く

    会社の昇格試験で課される、論文。
    いきなり書き始めるのではなく、要約メモを作りましょう。要約メモを、最初にしっかり書けば、あとはスムーズに書き進めることができます。

    要約メモを作る詳細な書き方は、以下の記事をご参照ください。
    昇格試験の論文をスムーズに書くコツ。要約メモを作って試験合格へ





    ■問題
    「グローバル化した今日の社会において、革新的に事業を推進していくことはとても重要です。革新的に事業を推進するには、現場での地道な生産性向上が不可欠となります。
    現場での生産性向上が必要な理由について述べ、あなたが取り組んだ生産性向上について説明してください。」

    この題意だと、以下のようなシンプルな構成で書けそうです。
    ■前書き
    ■自分の生産性向上について
    ■取り組み1
    ■取り組み2
    ■まとめ

    要約メモの一例、ここから

    ■前書き
    グローバル⇒海外に工場を設立、国内では付加価値の高い仕事⇒革新的な業務へ
    生産性向上の説明:
    ・高品質化
    ・リソースの削減

    革新的推進な、現場の生産性向上の理由
    ・積み重ね、斬新なアイデア
    ・効率化⇒新たな業務へ
    ・横へ展開して全体を発展
    結果⇒スキルアップ、手法の確立、余った人たちで新しい事業を

    ■自分の生産性向上
    1.技術者として(設計改良)
    2.組織人として(会合開催)

    ■取り組み詳細1(技術者、改良)
    問題
    組立工数多い⇒改良、自ら提案
    提案
    コストダウン、性能アップ、特許

    概要
    ・詳細設計、試作
    ・改善による人員削減
    ・海外への工程監査
    ・調達へ調整
    ・品質保証、評価時期

    目標共有、結果、早期で実現
    結果内容
    ⇒人員削減、コストダウン、性能
    投入工数の回収について

    取り組み1まとめ
    PDCAサイクルに乗った
    他部門への横展開

    ■取り組み2詳細(組織人、会合)
    問題
    みんなが話し合う時間がない
    提案
    昼ご飯、ミーティング
    自由に意見、アイデア出し合う

    概要
    ・コストダウンや品質向上目指す
    ・テーマは順番
    ・自由に意見させる
    ・否定しない

    雰囲気が良くなった、本音言える、結果は、
    ・若手、提案を採用
    ・メンバーから助言、発展
    ・新人+ベテランの新構造

    取り組み2まとめ
    雰囲気つくる、アイデア引き出す、後輩の教育

    ■全体まとめ
    技術者、組織人、両方での視点、大切
    生産性向上⇒効率化、コストダウン、品質アップ、
    人材育成、組織活性化も大切
    リーダーになりたい


    書き方は、キーワードで分かるものは、それだけでも問題ありません。漢字が面倒なら、ひらがなでもOKです。自分で分かる最短の書き方をして、少しでも時間短縮が出来るよう要約メモのスタイルを確立してください。
    この要約メモから文章を膨らませることが出来るよう、何度も練習を重ねて、合格を目指しましょう。

    この要約メモから論文で書いた例へ








  • 昇格試験の論文をスムーズに書くコツ。要約メモを作って試験合格へ

    昇格試験の論文をスムーズに書くコツ。要約メモを作って試験合格へ

    会社の昇格試験論文を書くときに、うまく書けない、という人は多いと思います。頭の中で構成を組み立てて、大体の流れを組み立ててから書き始める人もいるでしょう。

    この記事では、会社の昇格・昇進試験、正社員登用試験などで課される論文を効率的に書くための手法を紹介します。この手法を用いることで、時間のロスなく、スムーズな論文記述をマスターできるでしょう。




    論文を書く前に、論文を要約したメモを作る

    論文を書き始める前に、問題文の脇にさらっとメモ書きをする人は多いかもしれません。このメモ書きをさらっと書くのではなく、項目ごとに簡単なストーリーを作りながらメモ書きします。具体的な内容を説明します。




    要約メモ

    要約メモとは、論文を書き始める前に作成するミニ論文みたいなもので、以下の概要です。

    • 問題用紙の余白に書く
    • 前書き、本論、まとめなどの見出しを書く
    • 各項目ごとに2~3行ほど内容を書く

    というものです。
    この要約メモを作成するだけで、論文の流れや書きたい内容が明確になり、全体像が見えてきます。その要約メモに内容的な肉付けをしながら回答用紙に本番の論文を書いていきます。




    要約メモを作らないとどうなる?

    要約メモを書かないで、頭の中で構成を考えてできる人もいるかもしれません。要約メモを作りながら時間が経過して心配になるので、とにかく早く書きたい気持ちも分かります。しかし、要約メモを作らないと、書いている項目が全体のどの部分でどれくらいのボリューム感で書くべきか、どういう結論に向かって書いているか、見失いがちになります。これによって、以下のような事態をまねくことになります。

    • 詳細部分を書きずぎてバランスが悪くなる
    • 本論の部分が結論からぶれる
    • 書いた文を消すことが増える

    要約メモは、時間がかかるようにも思えますが、結果的には、構成を組み立てながら書く手間や、修正の手間が減り、効率的に書くことができます。




    実際に要約メモを作ってみましょう

    「論文」と呼ばれるものには、さまざまな種類があります。会社の論文試験は、大学卒業時に書く卒論や学者が書く学術論文とは違い、仕事の成果や昇進後の取り組みなどを書く、特殊なものです。小論文です。
    昇進試験の論文の要約メモは、おおよそ以下の構図で書くことができます。
    ■前書き
    ■仕事について簡単な説明
    ■主題、問題、課題
     事例1
     事例2
    ■事例に対する自分の取り組み詳細
    ■今後の取り組み、抱負
    ■まとめ

    要約メモを作るには、問題文がないと書けませんので、例題を用意しました。


    問題文
    「仕事する上で課題解決は欠かせません。これまで仕事で経験した課題と解決策を書きなさい。その経験を今後の業務にどのように生かしますか。」


    営業アシスタントとして働いている想定で要約メモを書きます。大まかな見出しを書いて、キーワードを羅列して自分で見て分かるようにします。
    (要約メモここから)

    ■前書き
    課題、解決しないと、先に進まない、成長しない、不可欠

    ■自分の仕事
    営アとして、スケジュール、資料作成

    ■課題
    課題1
    商談さばききれない
    課題2
    営アがルーチンしかやらない、ヤル気✕

    ■解決策
    課題1は、
    ・原因1
    詰め込みすぎ
    ・原因2
    いつも商談が延長、紙出力だけ持ってく

    ・原1対策
    日程組み直し、余裕をもって
    ・原2対策
    タブレット使いはじめる
    1セキュリティ
    2効率化概算
    協議、調査、分担、効果

    課題1まとめ
    自分で動いた、主導、協力、発表

    課題2は、
    ・原因1
    営スタッフ指示仕事で精一杯
    ・原因2
    課に、新提案うける雰囲気ない

    ・原1対策
    しばらく営アで負荷分散、1人改善取組、改善し、みな1日をルーチン+新案検討少し
    ・原2対策
    週1、営アの開催、取組アピール、営スタッフだんだん理解、聴く耳もつ、雰囲気、変わりつつあり

    課題2まとめ
    課、雰囲気、変える基盤作る、そのあと攻める
    自分発意、協力引き出す、熱意、伝える、利益

    ■今後への生かし方
    暫定対策
    恒久対策
    課の効率化⇒会社の利益up
    自分から取り組む

    ■まとめ
    問題解決、会社の利益、自分のスキルで取り組む

    いきなりこれだけ読んでも分からないかもしれませんが、雰囲気をつかんでいただけましたでしょうか?
    書き方ですが、キーワードで分かるものは、それだけでもよく、漢字が面倒なら、ひらがなでもOK。

    ■この要約メモを論文で書いた例へ

    要約メモを書く練習も有効

    論文を書く練習をする際、苦手な人は、いきなり長文を書くことは、やめたほうがいいです。
    この要約メモをいくつか書くことをおすすめします。
    論文試験に与えられた時間が二時間なら、この要約メモを10~15分くらいで書くのが目安になります。だいたい、全体の1/10くらいの時間を充てる感じでOKです。このくらいの時間で書き終えることができるようになったら、この要約メモに肉付けして長文化する練習をしましょう。

    まとめ

    昇進試験などの論文を書くときの要約メモは、効率的に論文を書くために役立つ手法です。時間内に、内容に一貫性をもたせて、修正を極力しないで書くためには、論文を書き始める前の必要工程ともいえます。
    要約メモを全体の1割の時間で書けるよう、普段の仕事の内容を棚卸しして、すぐに頭の中から取り出せるよう準備しておきましょう。

    要約メモを書く前に、そもそも文章を書くことが苦手、という人は、文を書くテクニックについての記事を参考にしてください。
    文章を上手に書くための6つの基本、例文で解説







  • 会社でのプレゼンテーション、成功のために心得るべき4つの要素

    会社でのプレゼンテーション、成功のために心得るべき4つの要素

    会社では、人に説明したり、発表したりする機会がとても多いです。人に説明するにあたり、的確に分かりやすく伝わるように話すには、少しテクニックが必要になります。
    この記事では、仕事で資料を利用したプレゼンテーション(発表)について解説します。
    もし、「もう一回説明して」「何を言っているのかさっぱり分からない」などと上司に言われたことがあれば、是非参考にしてみてください。




    プレゼンテーション(発表)を上手に行うのに必要なことは?

    プレゼンを上手にやるには、しっかりした内容で構成を組み、明瞭に話し、そして発表資料も見やすく、といったところです。
    このように上手く発表するための要素ひとつ一つについて解説します。

    道筋を立てて話す

    矛盾なく、一貫性を持った流れに、組み立てることが重要です。

    序論、本論、結論

    論文のような起承転結ほどストーリー組みをする必要はありませんが、
    序論 全体の導入部分
    本論 詳細や各項目の解説
    結論 まとめ
    のように、段階を経て話します。

    序論:最初にテーマと結論を話す

    つい背景から話したくなりますが、聴いている人にとっては、何が言いたいのか、何が出てくるのか、分からないまま聴き続けることになり、ストレスを与えます。最初に、簡潔に結論を話します。結論の言い方にも工夫が必要になります。以下のような言い方が望ましいです。

    「今回のプロモーションで、目標としていた売上20%アップを達成出来ましたので、取り組みの詳細について説明します」

    「来年リリースする新商品について、候補5つのデザインと性能をひとつずつ説明し、最後に当部門が最も推薦する案について解説します」

    「半年かけて試薬Aの効能について研究を進めた結果、3つのメリットが明らかになりましたので、それらの詳細と今後の方針について説明します。」

    発表の際の序論は、このレベルで十分です。時間が潤沢にあり、その取り組み背景や目的などをレベル合わせしておきたい、という場合には、上記の導入の語りの次に、簡単に述べると良いでしょう。




    プロセス、ツリー、マトリックス

    話の筋道を分かりやすく説明したり、漏れのないように項目を扱うためには、
    プロセス構図
    ツリー構造
    マトリックス表

    の考え方を利用すると便利です。
    発表を聴いている人も、その詳細内容が全体のどこに位置するか分かります。

    ■プロセス構図
    項目を時系列に扱います。
    ○○の次に△△、その次に□□、という感じで移り変わりや工程を示すことで、全体の流れを理解してもらいやすくなります。

    ■ツリー構造
    決勝トーナメント表のイメージです。
    上位の項目があり、その詳細説明として下位項目があります。そのひとつ一つの項目に対して更に下位項目、という具合に階層構造を明確にします。

    ■マトリックス表
    星取表のイメージです。
    横列と縦行で、項目同士の組合せを表現します。組合せパターンを漏れなく表現できるため、検討項目を網羅的に説明することができます。

    ツリー、プロセス、マトリックスは、あくまで、明確に漏れなく伝えるための手段であり、必ずこの手法を用いなくてはならないわけではありません。他に、明確に伝える手段があれば、あえてツリーなどの構造を利用しなくても大丈夫です。




    話し方に気を配る

    発表は、自分の伝えたいことを多くの聴講者に一度に伝えることが目的のため、誰にも分かりやすく説明する必要があります。
    内容やストーリーももちろん重要ですが、そもそも話し方がしっかりしていないと、内容に集中できません。
    早口、声が小さい、言葉の癖が多い、などにならないような話し方を意識しましょう。

    声の大きさ

    発表となれば声を大きく、ということではありません。全体の広さや人数、最後列の人を意識して、適切なトーンで話します。
    マイクを使用するときには、音が割れないように、またうるさすぎないように、事前にマイクチェックも実施します。

    言葉遣い

    聴講者の人種によります。自分と同等の職位であったり、顔見知りの人達ばかりであれば、極端にかしこまった話し方にする必要はありません。
    しかし大抵の発表の場では、正しい言葉の使い方が求められます。大勢の前で話す言葉も、上司やお客様と話す言葉も基本的には同じです。自信のない方は、言葉使い関する記事を別途ご覧ください。
    ■会社で使用する言葉使い、尊敬語、謙譲語、丁寧語、これだけ押さえておけば大丈夫

    言葉使いとの関連で、以下のことも注意が必要です。
    ・批判的なことは言わない
    ・個人的な本音は言わない
    ・余談、関連事項で脱線し過ぎない

    発表が波に乗ってくると、つい舌が滑かになり、調子に乗ってしゃべり過ぎてしまうこともあります。尺に収まりきる範囲で、脱線し過ぎないようにしましょう。




    ええ~、は不要

    口癖は誰にでもありますが、発表の時だけは、口癖を言わないように心掛けてください。よく年配者にある口癖ですが、
    「ええ~、今回は、あ~、先日の一件を、お~、受けまして、え~、このように、い~、進めていくことに、い~、なった、あ~、次第で、え~、あります。」
    というものを聞くことがあります。誰も指摘してくれないのだと思います。言葉癖に気を取られて、何を言っているのか分からなくなります。

    発表の中には、「ええ~」「え~と」や、「そうですね~」などは、一切不要です。発表中に意識しないと出てしまいますので、注意が必要です。

    この言葉癖「ええ~」がなくなると、分単位で発表時間を節約出来ます。ぜひトライしてみてください。

    聴く人全員を見る、キーパーソンは特に意識

    発表資料を投影したスクリーンをずっと見ながらの発表はあまり印象が良くありません。聴いている人達に語りかけるように話すことで、「聴いてほしい」という気持ちを汲んでもらいます。

    発表の最初に会場を見渡し、目線を向けます。タイトルコールの際にも、スクリーン側ではなく聴講者に話し掛ける感じが良いです。

    重要ポイントについて話すときには、キーパーソンに向かって訴えかけるように話すことも大変有効になります。会社での発表の時には、キーパーソンは大抵前列に座っています。事前にチェックをしましょう。

    ジェスチャー

    棒立ちて話していると、非常に違和感があります。発表資料の見出しに対して指差しして強調、「~全体の」と言うときに両手で大きな輪っかを描いてみる、など、動きがあると、メリハリのある発表になります。
    差し棒やレーザーポインターを使用することもあります。それらのツールを振り回しすぎて目障りにならないような注意も必要です。

    内容、着眼点

    テーマがしっかりしていることが重要です。色々と要素を盛り込むより、伝えたいポイントを絞るほうが、一層伝わりやすくなります。

    キーワードをバランスよく盛り込み、それらが伝えたいテーマに結びつくよう工夫します。

    内容が、
    ・コスト削減をアピール
    ・取り組みの新規性をアピール
    ・社員への利便性を周知
    ・新商品の存在を伝える
    ・プロジェクトが完結した
    など、伝えたいポイントが明確になっていることが大切です。




    発表資料を分かりやすく作る

    発表資料を上手に作ることは大変難しい、と言わざるを得ません。発表を上手に行うことが難しいのと同じで、完璧を目指さず、聴講者に分かりやすく伝えることに主眼を置きます。

    資料作成は、もはや「デザイン」の領域であり、「上手な資料作成」をテーマに書籍がたくさん存在します。よって、このページだけで完結させるのは無理なので、ポイントだけ解説し、最後に資料作成を上手に行うページを参照して頂きます。

    ■ポイント
    ・1ページあたりの情報量を少なく
    ・色を多用し過ぎない
    ・適度にスペースを取る
    ・ピシッと整列させる
    ・文字は大きく
    ・伝えたい所を目立たせる
    ・各ページで規則性を持たせる
    ・なるべく写真やイラストを使う

    などを気をつければ、最低限伝わる発表資料になります。文字や色、写真や表グラフなど、各要素も使い方のルールがありますが、まずはレイアウトをしっかりやりましょう。

    仕事で資料を上手に作るコツ、例を挙げて資料作成の基本を解説

    発表資料を上手に作るには、

    まずデザインのルールを理解
    ⇒日々たくさんの資料を作る
    ⇒デザインに詳しい人に指摘してもらう

    これを繰り返すことで上達します。資料作成、デザインのノウハウの書籍をバイブルとして一冊持つのも良いと思います。

    完璧を目指さない

    プレゼン(発表)を上手に行うのは大変難しく、ベテランの社員や課長クラス以上でも、本当に上手に話す人は一握りです。語りのスペシャリストを目指すのではなく、限られた時間で相手に的確に伝えることを目標にします。

    まとめ

    プレゼンテーションを上手に行うには、
    ・扱う内容が明確で、
    ・構成を分かりやすく、
    ・話し方や態度に気を配る、
    ・発表資料も分かりやすく

    ということを意識した上で、
    ・キーパーソンを意識した発表内容で
    ・完璧を目指さない
    ということに集約出来ます。
    上達していくと、「すごく分かりやすい発売だった」と言われる時が来ます。







  • 会社で使用する言葉使い、尊敬語、謙譲語、丁寧語、これだけ押さえておけば大丈夫

    会社で使用する言葉使い、尊敬語、謙譲語、丁寧語、これだけ押さえておけば大丈夫

    学生時代とは異なり、会社に入ると、言葉使いのマナーをわきまえないと人間関係をうまく構築出来ません。
    この記事では、会社で上司や先輩、関係部門の人達とうまくコミュニケーションを取り、信頼関係を作れるような言葉使いについて解説します。
    言葉使いが上手にできると、人間関係をうまく構築できることに加え、上司からの信頼も厚くなり、さまざまな対外的な仕事も任されて、昇進が早くなる、というメリットもあります。




    会社で使用する言葉使いの種類

    会社で使用する言葉といっても、その職場によって言葉の文化はさまざまです。しかし、仕事で他の会社の人と話す時には、言葉使いの一般的なマナーが求められます。
    会社で使用する言葉のマナーには、
    ・丁寧語
    ・尊敬語
    ・謙譲語

    があり、それに加えて、
    ・依頼するときの言い方
    ・命令形の言い方

    があります。
    上記ひとつずつ、例を挙げながら解説します。




    丁寧語

    文節の語尾を丁寧に表現する言い方です。
    「です」「ます」を語尾に付けます。
    これだ ⇒これです
    する  ⇒します

    職場で話す時は、基本的にこの丁寧語で話すことが無難です。
    独り言を言うときには、あえて丁寧語を外します。
    「なるほど、そういうことか~」と言います。
    「なるほど、そういうことですか~」と言ってしまうと、周りの人は、自分に話しかけられていると誤解してしまいます。

    尊敬語

    相手の言動に対して使います。相手を持ち上げるニュアンスがあります。
    「れる」「られる」「なさる」などを語尾に付けます。
    するのですか ⇒されるのですか
    言う     ⇒言われる、おっしゃる
    来る     ⇒来られる、お越しになる
    来場する   ⇒来場される、ご来場なさる
    いる     ⇒いらっしゃる
    などです。

    ■参考:「れる」「られる」の使い方
    尊敬を含めて4通りあります。覚えておくと便利です。
    ・尊敬 歩かれる
    ・受身 教えられる
    ・可能 作れる
    ・自発 案じられる

    「そのように思われる」という言い方がありますが、上記の「自発」にあたります。自分でそう思うつもりがなくても、自然にそう思ってしまうニュアンスです。

    ■二重尊敬語に注意
    敬語を重複して言うのは間違いです。

    間違い例1
    「そうおっしゃられましたので、」
    正しくは↓
    「そうおっしゃいましたので、」
    または、
    「そう言われましたので、」

    間違い例2
    「お越しになられる」
    正しくは↓
    「お越しになる」
    または
    「来られる」

    間違い例3
    「○○部長殿」
    正しくは↓
    「○○部長」
    ⇒「先生様」とは言わないのと同じです。




    謙譲語

    自分の言動に対して使います。自分を下げるニュアンスがあります。
    「いたす」「いただく」「おります」などを語尾に付けます。

    行く      ⇒参る、参上する
    もらいます   ⇒頂きます
    言わせてもらう ⇒言わせて頂く
    言う      ⇒申す
    ~しています  ⇒~しております
    させてもらいます⇒させて頂きます
    手配します   ⇒手配致します
    あります    ⇒ございます

    「ございます」は的確に使うことが少し難しいかもしれません。例えば、お店でお客様から「~はありますか」と訊かれて答えるときに、「はい、ございます」という具合になります。かなりかしこまった言い方です。自分達の、取り揃えている行為について謙譲しています。

    謙譲語っぽく聞こえる言い方で、
    「こちらが、おつりのほうになります」
    というのがありますが、間違いです。
    「~のほう」の意味合いは、2つです。
    ・方向
    ・比較

    です。例を挙げます。
    ■方向
    東京のほうに向かう
    ■比較
    こちらの大きいほうが該当する

    ちなみに間違い例の「おつり」、ですが、前のやり取りで明らかに「渡す商品」に対して「おつり」であれば、「商品ではなくおつりのほう」という言い方も正当化できるかもしれません。

    依頼する言い方

    自分のために何かをしてもらう時の言い方です。基本的に目上の人や初対面の人にお願いするときに使用します。
    語尾に「~して頂けますか」「~して頂けますでしょうか」などを付けます。

    ・対応してもらえますか⇒
     対応して頂けますか
     対応お願いできますでしょうか
     対応して頂いてよろしいでしょうか
     など

    年上の後輩、のように、それほどかしこまらなくても良いが命令口調は避けたい、という場合には、次のような言い方をします。

    ・対応してもらっていいですか
    ・対応してもらえますか
    ・対応お願いできますか

    目下に対しての命令形

    「~してください」という言い方です。「~しろ」「~しなさい」というのも、もちろん命令形ですが、会社内やビジネスの現場では、使用しないほうがいいです。
    命令形は、基本的には後輩のような目下に対して使いますが、使い方には注意が必要です。モラルが低いと見られる恐れがあるためです。

    命令形は、英語と対比させると分かりやすいです。

    ・しなさい/しろ
    Do it.
    ・してください
    Please do it.

    ビジネスの現場で使う命令形は、上記のPleaseが付いているほうの表現になります。
    ・資料を作成してください
    ・資料の作成をお願いします
    ・資料の作成をよろしくお願いします
    ⇒3つ目の表現は、一見丁寧に見えますが、命令形です。間違って上司や先輩に使用しないようご注意下さい。「よろしくお願いします」を単独で文末に使用するなら、括りの挨拶文ですので問題ありません。

    目上に対しての命令形

    上司、先輩のような目上に対しても命令形を使うことがあります。これは、相手に利益があるときに話す場合です。
    例えば、上司にパソコンの操作方法を教えて欲しい、とお願いされたとき、
    「このボタンをクリックして頂けますか」
    と言うと、少し不自然です。自分が上司に依頼している訳ではないからです。上司がゴールにたどり着くまでの道のりを、教えてあげているからです。最初だけは「依頼」して、それ以降は「命令」で十分です。

    「ではまず、こちらを開いて頂けますか」
    「次にこれを押してください」
    「これを選んでください」
    「最後にこれを押してもらって完了です」

    このような流れが自然なコミュニケーションになります。この言い方は、もちろん目下に対しても使って大丈夫です。

    間違った使い方

    ビジネスの現場では、多くの人が間違った使い方をしているのを見かけます。いくつかご紹介します。間違いのないよう、お気をつけください。

    頂いてください

    「この列に並んで、順番に整理券を頂いてください」というような例です。イベント会場や遊園地などて、係員がたまに言っています。
    「頂く」は謙譲語ですから、話している相手の行為に対して「頂く」を使うと、「相手を下げる言い方」になってしまいます。推奨する言い方は、
    「この列に並んで、整理券をお受け取りください」
    「この列にお並びください。順番に整理券をお配りします」
    などです。「もらわれてください」は複雑なので、良い言い方ではありません。

    「おります」の誤用

    「おります」は、丁寧に聞こえるので、何でもかんでも使用する人がいます。謙譲語ですから、相手に対して自分の行為を下げる場合に徹底しましょう。
    間違った使い方
    ・雨が強くなってきております
    ・電車が遅延しております
    ・書類が破れております
    全て間違いですので、単純に、
    ・雨が強くなってきています
    ・電車が遅延しています
    ・書類が破れています
    と、状況を説明する言い方で大丈夫です。

    履歴書や職務経歴書への記入、資料内の表現についても、自分の経歴や特技、事実、実績などを下げる必要はありません。限られたスペースのなかで事実を淡々と述べるような場合には、普通の「です、ます」調が望ましいです。

    「ございます」の誤用

    「おります」と同様に謙譲語です。丁寧に言いたいがために、やたらと多用するのは、好ましくありません。次のような言い方は間違いです。
    ・こちら、おつりでございます
    ・イベントは中止でございます
    ・こちらが履歴書でございます

    推奨の言い方は、
    ・こちら、おつりになります
    ・イベントは中止になります
    ・こちらが履歴書になります
    単純に、「~です」と言っても良いです。
    どうしても謙譲語で表現視たい場合には、あくまで自分の行為に対して謙譲します。
    ・おつりをお渡しさせて頂きます
    ・イベントは中止とさせて頂いております
    ・履歴書を提出させて頂きます
    しかし、おすすめはしません。

    「申す」の誤用

    謙譲語ですから、相手には使用しません。
    ・先ほど申されてましたが
    ・関係者にそう申し上げてください
    推奨の言い方は、
    ・先ほどおっしゃいましたが
    ・関係者にそうお伝えください

    ご承知おきください

    この表現は、メールでよく見かけますが、目上に対して使う表現ではありません。主に、
    ・試験事務局が受検者に、
    ・人事部門が社員に、
    ・チーフがプロジェクトメンバーに、
    という具合に使います。警告のようなニュアンスを持ちます。

    事前の理解を促したい場合には、
    ・予めご了承くださいませ
    とか、ケースにも依りますが、
    ・ご理解のほどお願い申し上げます
    のような言い方ができます。

    やたらと尊敬語も不自然

    相手が特定されていなかったり、一般的なことに対して尊敬語を使用すると、不自然に聞こえます。間違いではありませんが、好ましくありません。
    ・もしそうおっしゃる方がいたら、
    ・日本人は朝食を召し上がる際、
    推奨の言い方は、
    ・もしそう言う人がいたら、
    ・日本人は朝食を摂る際、

    空気を読んで、「タメ口」を使うことも大切

    会社やビジネスの現場では、言葉使いを適切にすることが重要ですが、周りの雰囲気をよく観察して、合わせることも出来ると良いです。
    皆が、フレンドリーに「タメ口」で話しているのに、自分だけ「皆様がご覧になっているので、私も拝見させて頂きます」などと言うのは、好ましくありません。
    皆と距離を置いている、と思われたり、空気の読めないやつだ、と差別視されてしまい兼ねません。

    しかし、「タメ口」で話すにしても、正しい言葉使いができた上での「タメ口」であってください。
    内と外で言葉の使い分けができると、周りの人からは、確実に一目置かれ、信頼感が増します。

    コミュニケーションのコツ

    話しかけるときには、気遣いの一言があると嬉しいです。
    ・ちょっと失礼致します
    ・少しよろしいでしょうか
    ・今、少し時間ありますか
    ・時間空いたとき声かけてください
    など、第一声を発してから話しかけると、うまくコミュニケーションが運びます。
    相手への気遣いがあれば、自然に出てくるようになります。

    あと、他人の言葉使いが間違っていた時については、実際のところ、あまり指摘しないほうが良いかもしれません。ただし、自分の後輩や部下が顧客やVIPと話す折りには、一言アドバイスがあってもいいです。




    まとめ

    言葉使いを上手にできると、人間関係の良好な構築、幅広い対外的な仕事のチャンス、昇進など、良いことだらけです。
    30代、40代のビジネスマンでもあまり言葉使いが上手でない人も多く見かけることがあり、てきとうに何年か会社で働けば身に付くものではない、と筆者は考えます。ある程度ルールを頭にいれておくと良いでしょう。言葉使いに関する本を一冊、読破し、あとは、実践です。
    ぜひ言葉使いの上手な、ハイレベルなビジネスマンを目指してみては、いかがでしょうか。







  • お仕事で資料を上手に作るコツ、例を挙げて資料作成の基本、レイアウトを解説

    お仕事で資料を上手に作るコツ、例を挙げて資料作成の基本、レイアウトを解説

    会社で資料作成をしていて、うまく作れない、ということはないでしょうか。
    この記事では、資料作成をするときの「最低限これを意識すれば伝わりやすい資料になる」手法について解説します。




    資料を上手に作るメリット

    資料を上手に作ると、以下のようなメリットがあります。

    • 自分の伝えたいことが相手にすぐ伝わる
    • 作成のコツをつかむと作成時間が短縮される
    • 作成中に、伝えたいポイントを再確認できる
    • デザインの性質を理解できる
    • ビジネススキルとして評価される

    資料作成のコツをつかめていると、長い人生の中で、資料を作ったり、ホワイトボードに板書したり、ちょっとしたお絵描きやメールなど、さまざまな記述行為に対して、そのデザインのスキルが生きてきます。全てのビジネスマンが習得すべきスキル、といっても過言ではありません。

    上手な資料とは

    上手な資料とは、どういうものでしょうか?
    x キレイな資料
    x カラフルな資料
    △ 読みやすい資料
    相手に伝わる資料

    資料を見た人が理解できないと、こちらが伝えたいポイントや本質を理解してもらえず、結局何を伝えたいのか分かってもらえない、ということになります。

    • どのような項目に分かれているか
    • 何がキーポイントか

    などを明確に表した資料に仕上がっていることが重要です。

    資料の中身を構成しているものは、
    文字

    図表や挿し絵など

    です。そしてこれらを的確に
    配置
    することで、相手に伝わる資料を作成することができます。

    誰に見せるかによって作り方は異なる

    資料を作る時には、その資料を見せる相手が必ずいます。その見せる対象によって作り方はガラリと変わります。上司や経営層に説明する場合と、同じ課のメンバーに説明する場合では、使用する言葉や詳細説明の有無など変わります。年齢層によって、文字のサイズを大きくしたり小さくしたり、調整します。

    説明(発表)があるか、ないか

    作成した資料を用いて説明や発表の場があるかないかで、その作り方も変わります。

    • 説明がある
    • 文章は少なめで、キーワードを中心に記載
    • 説明がない
    • 文章での説明を多めに

    もし発表を聴く人のなかに、聴覚障がい者がいたら、手話通訳者が同席していてとしても、文章による注釈を付けた資料に仕上げると、配慮のある資料になります。
    この場合、その発表会のキーパーソンや進行役の人には、事前に「聴覚障がい者配慮のため、発表資料内の文字数を多めにしている」旨を伝えましょう。




    構成要素の配置が重要

    構成要素とは、文、キーワード、図表、グラフ、写真などのことです。これらをどのように配置するかによって、伝わりやすさが決まります。
    冒頭で書いた、「最低限これを意識すれば分かりやすい資料になる」というのは、この「配置」をキチッとやることです。
    前置きが長くなりましたが、この資料作成の肝となる配置のルールについて解説していきます。

    1. スペースを確保する、余白

    資料に盛り込む要素と要素の間や、端っこにはスペースを設けます。いわゆる余白のことです。
    これにより、窮屈な感じがなくなり、目線が、タイトル、文章や挿し絵などの要素にフォーカスし、訴求力が高まります。

    スペースが確保できていない悪い例

    スペースが確保している良い例

    解説

    • 全周にスペースを設けて、窮屈感を緩和する
    • 上下のスペース、左右のスペースはそれぞれ等しく設ける
    • タイトルと記事の間、記事と記事の間にもスペースを設けることで、異なる要素であることを明確にする
    2. 位置を合わせる、整列

    資料には複数の要素がありますが、盛り込んだ要素を上端や左端などにピシッと合わせます。
    当たり前のようですが、これを徹底するだけで真面目なビジネス資料に見えてきます。

    位置合わせができていない悪い例

    位置を合わせた良い例

    解説

    • タイトル、緒言、メニューなど、要素を全て左揃えすることで、資料が整頓されている印象を与える
    • メニュー要素同士を、上端、左端を合わせることで全体が整う
    • 要素の下端や右端も合わせられれば、なお良い
    • タイトルを左寄せにしているが、帯を付けたり、特別に目立たせる場合、中央寄せもOK



    3. グループ分けする、近接

    関連のある要素をまとめて、他の要素と区別します。
    スペースの確保とやや似ているようにも感じるかも知れませんが、単純な見やすさのためのスペーシングとは異なります。説明文章とそれに関連する挿し絵があり、それが三種類あるとすれば、パッと見で分かるようにそのグループを作り、説明しなくてもそのグループ感が分かるように配置します

    グループ化を無視した悪い例

    グループ化した良い例

    解説

    • メニュー1に関する要素は、全てひとつの塊にすることで、説明文とイラストを照らし合せながら見れる
    • 各メニュー要素ごとに分類を明確にするために、各メニュー要素間のスペースを設ける
    • メニュー1と2の隙間、メニュー1と3の隙間を比べると、メニュー1と3の隙間が広い
      ⇒目線は、メニュー1→2→3→4 の順に流れる(配置により目線を誘導する)
    4. 強調させる、コントラスト

    強調させたい要素と参考情報的な要素を区別します。強調させたい要素は、大きく目立たせます。概要や説明、参考情報はそれよりも小さく配置して、その資料を見る人の目が、強調したい要素に自然に目がいくようにします。

    強調していない悪い例

    強調を意識した良い例

    解説

    • 強調したい要素があれば、目立たせることで、目線がその要素に集中する
    • サブ的な内容は、強調要素と差別化するために、見出しを小さい文字サイズにする、挿し絵を小さくする、説明文を少なくするなどする
    • 強調する見出しタイトルを大きくすることで全体のバランスが悪くなる場合には、上部の大タイトルを更に大きくすることもOK

    以上が伝わる資料を作成するための基本的なコツになります。
    その基本をわきまえた上で、プラスアルファのコツについて説明します。

    配置の規則性は全ページ統一する

    資料というのは、1ページだけにとどまらず、複数ページにまたがることも多いです。その場合、これまでの1~4の配置の規則性を繰り返すことが重要です。ページごとにその規則性が統一されていないと、資料を見る人は、混乱してしまいます。




    その他、伝わりやすくするための表現方法

    文章量の調整
    伝わりやすくするためには、スペースやグループ化などが必要になります。そのためには、無駄に長い文章を短く書き直すこともあります。こんな感じです。
    「目的|従来からコストを5%下げることにより販売促進を狙う」

    「目的|コストダウン5%による販売促進」

    「目的|CD5%による販促」
    といった具合に、紙面の都合により文章量を調整することができるようになると良いです。あとは口頭での説明で補足すればいいのです。

    要素に背景を敷く

    • 要素間にスペースが設けられていることが明確に見える
    • 文章や挿し絵が複雑な場合や、右端、下端を同じラインに揃えられない場合に、色背景を敷くと、グループ分けも明確に見える
    • 背景は薄い色がおすすめ
    • 背景に枠線は不要(複雑に見えるため)

    タイトルに帯を付ける

    • タイトル、取り組みテーマの存在をアピールしたい時には、上部タイトルに帯を敷く
    • 帯色は濃すぎない色がいい
    • 文字は白が良い(帯も文字もカラフルだと落ち着きがなく、ビジネス用途としては不向きのため)
    • 目立たせるといっても、タイトルにアンダーラインは避ける (ごちゃごちゃした印象になるため)

    タイトルと小見出しに帯を付ける

    • 小見出しにも帯を付けることで、ひとつひとつのメニューや取り組みに目線を誘導する
    • 小見出しの帯色には、タイトルの色と同系の色や明度を上げた色(薄い色)を適用すると、階層構造が見えて分かりやすい
    • 小見出しに帯を付けた場合、文章やイラストなどをまとめた塊には色背景を敷かない(小見出しの帯だけで十分グループ分けできているため)



    まとめ

    文字や挿し絵などの表現そのものも、もちろん大切ですが、本記事で紹介した、的確な配置を心がけることで、伝わる資料を作ることが出来ます。
    何度か作っていくと、資料作りの勘所が見えてきます。そして、「あなたの資料は本当に分かりやすい」と必ずどこかで言われる時がきます。
    資料作成は、本記事で解説した内容よりもっと奥が深く、極めて重要な資料はプロのデザイナーが作成する、ということがあるくらいです。しかし、忙しいビジネスマンにとっては、本記事の内容を実行するだけでも十分なビジネススキルアップが期待できます。ぜひ、実行してみてください。







  • 理系の社員向け、昇格試験の論文例

    理系の社員向け、昇格試験の論文例

    どの会社にもある昇格試験の論文。この記事では、理系の社員が書く論文の例を実際に書きます。
    昇格論文試験の詳細な解説と、文系向けの営業職想定の論文サンプルはこちら↓
    会社の論文試験に合格する! 昇進試験、採用試験での論文の書き方のコツ、対策を解説





    ■問題
    「グローバル化した今日の社会において、革新的に事業を推進していくことはとても重要です。革新的に事業を推進するには、現場での地道な生産性向上が不可欠となります。
    現場での生産性向上が必要な理由について述べ、あなたが取り組んだ生産性向上について説明してください。」

    ■気をつけること

    • 設問に的確に解答
    • 正しい文章で書く
    • 論文の構成
    • 自らの工夫を入れる
    • 会社の利益、発展の視点

    ■ヒント
    ◎手順は以下のようにします。

    1. 冒頭の、グローバル化や事業推進に触れる
    2. 現場での生産性向上の重要性を述べる
    3. 自分の生産性向上の取り組みを述べる
    4. まとめる

    ◎より良く書くためにすること

    • まずは論文の骨格を作る
    • グローバル化の記述は、さらっと述べる
    • 生産性向上の重要性は、しっかり述べる
    • 生産性向上の説明もさらっと述べる
    • 自分の取り組みは、
       -細かくなり過ぎない
       -現場目線+事業運営目線
       -2つぐらい挙げる
       -成果も挙げる
    • 箇条書きが分かりやすい
    • 人材育成、経費削減なども含める

    ■前提

    • 製造業の勤務
    • 自分は機械設計職
    • リーダーの補佐的ポジション




    いきなり書き始める前に、要約メモを10~15分くらいで作成して、それに肉付けするように書いていくことをおすすめします。
    理系の社員向け昇格試験論文を、要約メモで効率的に書く

    ■記述例(論文ここから)

    近年のメーカーは、製造工場を海外に設立する、製造+技術フォローをできる海外拠点を持つ、などのグローバル化を加速させている。
    製造や一部の技術フォローまでを海外工場で行ってもらうことで、国内の設計開発部門では、業務革新を推進し、より創造的で付加価値の高い業務を遂行していくことが求められている。

    革新的に事業を推進するためには、現場の地道な生産性向上が不可欠である。生産性向上とは以下のことである。

    • 投入するリソースを変えずにアウトプットを増やしたり高品質化したりすること
    • アウトプット量や品質を落とさずにリソースを削減すること

    革新的事業推進のために現場の生産性向上が必要な理由:

    • 地道に効率化することで、全体では大きなコストダウンや無駄の削減になる
    • 数多くの業務革新の中から、斬新なものが生まれる
    • 業務を効率化することで、更に新たな取り組みに工数を充当できる
    • 業務革新や効率化の手法をグループ会社や海外拠点にも取り込む

    生産性向上を着実に推進して期待できること:

    • 社員のスキルアップ
    • 革新手法の蓄積
    • リソースの余剰

    この結果として新たな事業の創出へ繋がり、革新的に事業を推進できる、と考える。

    現場での生産性向上を達成するためには、現場の一人ひとりの業務での工夫や提案が必要になる。私が取り組んだ生産性向上について説明する。

    私の生産性向上の取り組みは、

    1. 設計改良による組み立て要員の削減(技術者としての取り組み)
    2. 昼食ミーティング定期開催による新アイデア創出(組織人としての取り組み)

    であり、各々について以下に述べる。

    1. 設計改良による組み立て要員の削減(技術者としての取り組み)
    私が設計担当した製品モジュールはキーパーツのアセンブル品である。新機能を短期間で搭載したこともあり、ほかのモジュールより組み立て工数が多く必要となっていた。製造現場からはクレームはなく、組み立て作業が日々行われていたが、設計改良の可能性を感じ、リーダーに構成の変更を提言した。自ら以下の項目をまとめた。

    • 部品のコストダウン額
    • 機能の更なる性能アップ構想
    • 特許出願の可能性調査

    この提案が承認され、以下について実行した。

    • チームメンバー5人に対して詳細設計やプロトタイプ製作の指示
    • 製造部に対して組み立て改善での想定人員削減数の調査依頼
    • 海外工場技術スタッフへの部品製造工程監査依頼
    • 調達部への現行部品の納品調整
    • 品質保証部にプロトタイプでの早期評価開始の依頼

    本取り組みは、大幅な生産性向上が期待できたため、機会損失にならないよう、チームメンバーと目標達成を常に共有し、計画より早い段階でのモジュール変更が行われた。結果として以下の成果が実現した。

    • 部品(製品)のコストダウン
    • 組み立て作業要員の削減
    • 製品の性能アップ

    この改善活動に投入した工数は、製品のコストダウン額から換算し、1カ月で回収出来ると試算されている。したがって、本製品の生涯生産期間4年を考えると、大幅な生産性向上を導く結果となった。

    今回の生産性向上の活動は、多くのスタッフや部門を巻き込んだチーム連携の成果だけでなく、プロセスもPDCAサイクルにきれいに当てはまる理想的な動きであった。この活動の成果とプロセスをまとめて、他部門にも共有する機会を設けたいと考えている。

    2. 昼食ミーティング定期開催による新アイデア創出(組織人としての取り組み)
    私の所属するチームには、機械設計技術者が15人いるが、みんな業務多忙なこともあり、全員一同に会する機会はほとんどなかった。このため、それぞれのメンバーが個々に業務を遂行している状態が続いていた。

    今以上に生産性向上を実現させるためには、個々の力を結集して、さらに付加価値の高いアウトプットを推進することが必要であった。さまざまなアイデア創出の促進による生産性向上を視野に入れ、設計者全員が自由に意見を交わし合える懇親会のような場を設定することにした。業務としての強制感を緩和できるよう、会議室で弁当を食べながらの自由な雰囲気でのミーティングが良いと考えた。
    懇親会の概要

    • 目的はコストダウンや品質向上による生産性向上
    • 参加者の負担軽減のため月1回の開催
    • テーマは毎回、持ち回り
    • 自由に意見を交わす、遠慮はいらない
    • どんな意見にも否定はしない

    この昼食ミーティングを開催して4カ月経過している。全員、普段業務時間中だと言えない本音やエピソードなどを踏まえた、以下のような活発な意見が交わされた。

    • 若手社員の提案を品質改善取り組みとして採用
    • 他製品担当者からの助言により設計工程の短縮
    • 新人発想+ベテランの工夫で新構造の創出

    品質改善や工数削減、新付加価値の提案といった、生産性向上を実現させるためのさまざまなアイデアが生まれ、チームの風土にも風通しが良くなってきた。
    一人ひとりが元々もっている生産性向上のアイデアや施策は、おもてに出さないともったいない。私はサブリーダーという立場から、技術スタッフのアイデアや意見を自由な雰囲気で引き出し、大勢で議論を交わし合えるような機会を引き続き設けていきたい。後輩社員に会を仕切る機会を与えたり、それに対するアドバイス、思考の働かせ方の教育などを行ったりすることで、後輩社員も成長し、チームとしての生産性向上への取り組みは、より加速していくと考えている。

    私の生産性向上は、技術者として技術を掘り下げる取り組みと、組織人として風土を盛り上げるの取り組みであり、会社で技術者として活躍するためにはどちらも落とすことのできない重要な要素と考えている。
    生産性向上の取り組みは、最終目標として作業効率化やコストダウン、品質向上などがあるが、その過程には人材育成や組織風土の活性化など、会社にとってさまざまな付加価値も含んでいる。ゆくゆくはリーダーとして組織を引っ張って事業推進できるよう、今後も生産性向上を常に意識して、業務を遂行していきたい。

    (論文、終了)





    以上、理系向けの論文でした。あくまでも解答例です。
    生産性向上に主軸を置いて書くことが大切です。主題からずれてしまうと、「自分の用意した文を書いただけだ」と見なされて、設問に答えていないことになり、不合格となります。
    自分でテーマを設定して何度も書いてみることが大切です。
    文章を書くことそのものが苦手、という人は、文を書くテクニックについての記事をご覧ください。
    文章を上手に書くための6つの基本、例文で解説