新卒採用の就活で必ず対策が必要になる面接ですが、苦手な人は、多いと思います。
面接官に好印象を与えることが大切です。どのような対応をすれば、面接官に好印象を与えることが出来るのでしょうか?
この記事では、新卒採用の面接試験に合格するための対策方法、面接での対応の仕方などについて解説します。
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面接では主に人間性を審査される
面接まで進んでいるということは、既にエントリーシート、筆記試験、大学の成績などが基準をクリアしている、ということになりますが、油断は出来ません。
大学の成績や筆記試験の結果が優秀でも、面接で、
・態度が生意気
・受け答えがいまいち
・質問の答えになってない
・その他、人間性に不備
などの欠点が見られると、不合格になります。
それとは反対に学業成績がいまいちで、なおかつ筆記試験もいまいちだが、面接まで進める学生もいます。このような学生は、
・○○大会で優勝(スポーツなど)
・芸術系で賞を受賞
・○○語通訳資格保有
・個人でビジネスを立ち上げている
などの光る経歴やスキルを持っているケースが多いのですが、会社としては、そういう才能を持った人、努力が出来る人を欲しいのです。だから、「人間性がOKなら採用」という流れに持ち込みたいので、面接でしくじることは、大変もったいないのです。
面接官が三人の場合、一人の学生の面接後、三人の意見が満場一致で同じ意見ということばかりではありません。それは、技術や営業など専門分野の面接官が、「この学生のスキルはすごい、ぜひ欲しい」と好評価をしても、人事系面接官は、「この学生の人間性にはやや疑問があるし、社風に合わない」と感じて、結果的に、
他に優秀な候補者がいなければ採ってもいい
という保留扱いに分類されてしまいます。
基本的には学生の人間性を客観的に評価するわけですが、面接官の主観的な判断も入ります。面接官は、この人と一緒に仕事がしたいかという観点で学生を見ます。
面接試験は、「採用したいと考えているが、人間性に問題がないか確認したい」という位置付け、と言うことも出来ます。誰がどう見ても、一緒に仕事をしたいタイプという振る舞いが望ましいです。
面接試験で好印象を与える7つの心得
面接試験に合格するには、やる気やハイスペックぶりをアピールすればよいということではなく、
面接官に好印象を与える
ことが重要です。面接官に好印象を与えるための心得を以下に7つ挙げます。
・定番の質問への答えを準備
・明るく丁寧に話す
・面接官の質問をちゃんと聞く
・面接官の質問に的確に答える
・転勤、海外赴任には、YESと答える
・あまり正直に答え過ぎない
・自慢話はほどほどにしておく
「身だしなみ」についての項目がありませんが、あまりにも当たり前なので、この記事では一歩高いレベルでの内容となります。ひとつずつ、解説していきます。
定番の質問への答えを準備
会社は社員に対して、まずやるべきことをしっかりやって欲しいと思っています。様々な成果、新しい取り組みや発想の前に、
提出物を期限通りに出す
与えられた業務を的確にこなす
交通費など申請や申告
など、挙げればきりがないくらい、たくさんの事をしないといけません。
就活の学生には面接に向けて何をして欲しいと思っているでしょうか?
就活の面接において定番の質問の答えを、まずはしっかり用意してきて欲しい
と思っています。基本です。面接での会話が弾む、とか絶妙な質問への上手い切り返しなどの前に、まずは基本的な内容をしっかり準備出来ていることが必須になります。
就活面接の定番の質問例
- 自己紹介
- 自己PR
- 得意なこと、苦手なこと
- 学生時代に最も力を入れたこと
- 学生時代に最も苦労したこと
- 会社に入ってやりたいこと
- なぜこの会社を選んだか
- 他に受けている会社
こんなところでしょうか。まだまだたくさんあると思いますが、少なくとも上に挙げたような基本的な質問の答えに詰まってしまうようだと、面接官は「こんな基本的なことも準備してきてないのか? 何しに来たんだ?」と思います。
上に挙げた基本的項目の中でも、自己PRや力を入れたこと、会社に入ってやりたいこと、などは、
2~3分での含蓄のある語り
30秒程度の短い語り
の2パターン用意して、状況に応じて話し分けるくらいの準備があっても良いくらいです。
話の中に、「ここ、質問して欲しいポイントです」というネタを仕込んで下さい。面接官は、「そこ、質問して欲しいポイントだね」と分かってくれます。面接官が、拾ってくれたポイントに対しての質問への答えもしっかり用意します。
こうして、話が盛り上がって行き、好印象を得ることが出来ます。
因みに、その話す内容をどのようなポイントで構築するかについては、勉強編、経験編に分けて記事を別途まとめていますので、こちらもご参加にして下さい↓
大企業から内定をもらうには何が必要?就活生に差をつける5つの取り組み(経験編)
大企業から内定をもらうには何が必要?就活生に差をつける5つの取り組み(勉強編)
明るく丁寧に話す
暗い雰囲気の人とは一緒に仕事をしたくない、というのは、おそらく世間一般に誰もが思うことでしょう。言うまでもありませんが、面接での印象は良くありません。
面接で、話し方や雰囲気が暗い人は、たとえ成績優秀で、面接の内容が良かったとしても、面接の後、面接官同士で「なんか暗いですね~、、残念ですね、、」と振り返ります。
余裕で合格できるはずが、話し方や雰囲気が暗いだけで、不合格になることもあります。大変もったいない話なので、面接では、ハキハキと丁寧に話し、笑顔と真面目顔を上手に使い分けて、明るい雰囲気で進めて下さい。
面接官の質問をちゃんと聞く
面接官は次々と質問をしてきます。その面接官の質問には最後までしっかり耳を傾けましょう。
面接の準備をしっかりしてきた学生の中には、話がスムーズに進み、気持ちが大きくなり、しゃべりすぎてしまう人が見られます。あまり印象は良くありません。
どういうことかと言うと、例えば、学生時代に打ち込んだ事で面接官と話が盛り上がったとして、学生は気分を良くし、話したくて仕方がなくなり、
面接官「その取り組みは同じ学部の人と一緒にやられたとのこ…」学生「あーそれはですねー、一緒にやったと言っても私の号令で召集して、、」
という感じで、面接官の質問の途中に上から畳み掛けるように話し出すスタイルです。
非常にうるさい印象が残り、残念な結果をもたらします。
人の話に耳を傾けずに自分の言いたい事やりたい事を勝手に進めていく社員を、会社は嫌います。一人で進めていける仕事は少なく、協調性を持って進められる人が求められます。
面接では、必ず、面接官の質問を最後まで聞いて、
「はい、その件に関しましては、、」と冷静さ備えた面を見せることで、ポイントが確実に上がります。
面接官の質問に的確に答える
面接に向けて様々な対策をして望むことでしょうが、その準備してきたことを余すことなく披露する事が目的ではありません。
面接官の質問に正しく答える
これが重要ですが、意外と難しいのです。話したいことがたくさん有る人ほど、
・しゃべりすぎで答えになってない
・前置きが長くて答えが全然出てこない
ということに陥るため、注意が必要です。
良くない例:
面接官「得意なことはありますか?」
学生「学生時代はたくさんの事にチャレンジしたいと思っていたので、アルバイトをするにも何かスキルが身に付くような職種が良いと考え、、」
学生は、得意なこととして、最後に「大きな目標を達成するために大勢の人を束ねてリーダーシップを発揮すること」と話したいかも知れませんが、面接官からしたら、アルバイトを選ぶ経緯からダラダラと聞かされるので、こんな人と一緒に仕事をしたら、毎日無駄な時間に付き合わされる、と感じてしまいます。
どう答えれば良いのでしょうか。
「得意なことはありますか?」の質問に対して、「はい、あります」だけでは、質問の答えにはなっていますが、それではダメです。
まず最初に、
「大きな目標を達成するために大勢の人を束ねてリーダーシップを発揮することです」
と、最初に言えば良いのです。まず、最初に結論を言います。その後の付け加えとして、事例や至った経緯を簡潔に述べれば良いのです。
Yes/Noで答えられるものは、まず、
「はい、あります」
「いえ、まだ経験はございません」
などと質問に対する答えを最初に述べて、それから内容に踏み込むようにします。
自分がしゃべり過ぎてしまっていると気が付いたら、その時点で「すみません、話が長くなりましたが、ご質問の答えとしましては、○○になります。」とフォローを忘れないようにしてください。「この人は改善の余地がある」と判断されなんとか合格ラインに留まることができます。
転勤、海外赴任には、YESと答える
面接では、「うちの会社は海外赴任も可能性としてありますが、どうでしょうか?」と訊かれることがあります。
自分では正直なところ海外赴任はしたくない、と思っている人もいるでしょうが、自分の意向はどうでもいいので、まず、面接試験に合格することを考えて、海外赴任も出来ますと答えて下さい。出来ません、と答えると、確実に不合格になります。
その会社に入社するためには、まず面接に合格しなければならなりません。海外赴任するくらいなら、この会社に入らなくてもいい、というくらいの覚悟なら、出来ません、と言えばいいです。
しかし、入社したての社員を海外拠点に配置するようなことは、ほとんどなく、心配は無用です。また、実際に海外への辞令を言い渡された時点で、本当に海外赴任ができなければ、理由を述べれば良いのです。断ってクビになることは、日本の会社ではありません。まずは、面接試験に合格することを最優先に考えましょう。
ついでにお話しすると、海外赴任ですが、だいたい2,3年から、長くても5年程度の赴任期間です。この期間は、確実に自分にとって貴重な経験です。筆者も長期海外勤務の経験がありますが、ビジネスマンとしての経験値は飛躍的に上がりました。友人知人にも海外赴任経験者が数十人いますが、全員が「海外で経験は自分にとってプラスだった」と言います。「海外行く!」と割り切って、その気持ちで望むと、楽に面接での対応が出来ます。
それでも行きたくない、という人もいると思いますので、答え方にも依りますが、「はい、様々な経験をつみたいと考えておりますので、その時はぜひ前向きに考えたいと思います。」と答えましょう。
あまり正直に答え過ぎない
面接では、うそをつくことは良くありませんが、あまり正直に答え過ぎるのも、考えものです。
例えば、就活の面接での定番の質問のひとつとして、
「当社以外に希望している会社はありますか?」
と訊かれることがあります。
どこの会社か、
何社進んでいるか、
既に内定は何社もらっているか、
という類似の質問が来ることもあります。このような質問をされた時には何と答えたら良いでしょうか。
ここで、あまりにも正直に答えるのは、避けましょう。次の回答はおすすめ出来ません。
「学校推薦で○○株式会社から内定をもらっています。」
「第一志望の会社から既に内定をもらっています」
面接官の立場からは、「何しに来たんだ?」と言いたくなります。明らかにうちには来ない、と分かったら、その学生に関して費やす時間は無駄、ということで、面接が早目に打ち切りになることさえあります。
面接されている会社が本命ではなく、第二希望の場合、いっそのこと、
「第一志望です」
と答えてしまえば良いです。会社の格、人気などから、明らかに第一志望ではないとバレバレの時には、
「○○株式会社と同列で御社は第一志望」
と答えます。その際、簡潔に、
比較対照の会社に無くて御社にはあるものを引き合いに出して、ここに惹かれている、と真実感を出す
ようコメントを用意するよう努力しましょう。面接官に、かわいい奴だ、と思わせましょう。
そのほか気を付ける事として、
・特定の会社を中傷するような発言
・自分の大学や友人などの悪口
などの全般的にネガティブな発言は控えたほうが無難です。
どうしても、ある内容(○○)に対してネガティブな内容を話さなくてはならない状況になったら、
「○○も様々な点で優れていることは理解していますが、△△の点で比較すると、やはり□□のほうが一歩上を行っていると考えています。」
という具合に、○○そのものを下げずに、□□との比較で優劣を付けるような言い方だときれいに聞こえます。
自慢話はしない
優秀で元気な学生の中には、自分の所有スキルや能力をアピールしたいために、自慢話を繰り広げてしまうケースがあります。
高いスキルのアピールが自慢話に発展してしまうと、肝心のアピール部分がぼやけ、自慢話をするスタイルや性格のほうが先行してしまいます。「優秀な学生だ」という印象ではなく、「はいはい、すごいんですね・・」というように捉えられて、本来余裕で合格しているところが、「こういう性格の人を採用して大丈夫か?」という保留領域に位置付けられます。大変もったいないことです。
自慢話は一切しないことが望ましいです。その人の性格、人間性の部分であり、改善が難しく、厄介な奴と思われてしまうからです。
でも自分の能力をアピールすることは必要です。難しいですが、単純に言い方の問題です。どのように言えば良いのでしょうか?
「学生時代はデジタル回路について、難易度の高い技術領域まで極めました。」というコメントの、その先です。
悪い例:
「卒論は企業の方と共同研究で進めまていますが、そこの研究者さんとデジタル回路理論で議論して負けたことはないですね。私は専門書まるごと頭に入っているくらいの知識があるので、そんじょそこらのエンジニアさんを名乗っている人たちには負ける気がしませんね。御社に入っても新しい技術領域を開拓しますし、貢献出来ると思います。」
ここまで言う人はいないと思いますが、上から目線感があり、好印象を得ることはありません。
良い例:
「卒論時に企業の方と共同研究で進めまていますが、私のデジタル回路理論を説明したときに、その構想を高く評価して頂いて、プロセスの一部として採用されました。具体的には、・・。進める上で頻繁に議論になりますが、「豊富な学術知識と若さならではの発想力に私達も学ばせてもらうことが多い」とお褒めの言葉を先日頂き、とても励みになりました。御社にご縁があったときには、私の知識と経験を生かして新しい技術領域を開拓するなど、ぜひ貢献させて頂きたいと思います。」
面接官の心をつかめるでしょう。
まとめ
ざっくりまとめていきます。面接には身だしなみを整えて望む、というのは、必要な大前提として、
・しなければならないこと
・したほうか良いこと
・しないほうがよいこと
・してはいけないこと
の4つに分類されます。
しなければならないこと
・定番の質問の答えを準備
・面接官の質問への的確な回答
したほうが良いこと
・明るく丁寧な話し方
・面接官の質問を最後まで聞く
・転勤、海外赴任には、YESと答える
しないほうが良いこと
・あまり正直に答え過ぎない
してはいけないこと
・自慢話
以上のようにまとめることが出来ました。これらを確実に実践して面接官の心を掴み、そして内定を掴んでください。