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就職活動において、大企業から内定をもらうには、大企業が求める姿である必要があります。就活の時点でその「求める姿」が出来上がっていれば、大変有利になります。もし「求める姿」でなければ、「将来はこうなります!」という熱意や将来性など抽象的なものをアピールしなくてはならず、他の就活生に差をつけることが難しくなります。

大企業は、学生に以下の素養を求めます。

1. 真面目で誠実である
2. 基礎学力、専門分野の学識がある
3. グローバルな視野を持っている
4. アイデアを持って積極的に新しい取り組みが出来る
5. リーダーシップを持っている

詳細解説はこちら
学生に求められる5つの要素

これらを証明するために、学生時代にやっておくべき取り組みを、就活時にアピールする時を踏まえてひとつずつ解説します。
このページでは、勉強編とも言える1.と2.についてフォーカスします。




1. 真面目で誠実である

真面目で誠実な、ということの意味を説明します。

大企業は、たくさんの従業員を従えなくてはならず、言うことを聞かない異端児や、好き勝手にやりたがる天才肌の社員を嫌います。もちろん優秀な社員は好まれますが、わがままが過ぎると組織としての機能が落ちてしまうからです。大企業は一人の目覚ましい活躍を重視しておらず、組織としての機能で収益を上げる仕組みがあります。仕事や取り組みを、属人化させないのです。
事業部として
部として
課として
プロジェクトチームとして
それぞれのミッションが常に設定されており、そのミッションを期間内に達成するべく、全従業員がその役割を理解し、真面目にコツコツと実行し、各リーダーの指示に誠実に従い、日々の業務を遂行します。その枠に収まる範囲でスキルやセンスを発揮することが求めます。

すなわち、このような経験とそれを証明する結果が具体的にあれば良いのです。それを裏付ける最も効果の高いものが、

学業成績

です。単純かも知れませんが、真面目にコツコツと誠実に取り組み、高い結果を出す、と言ったらこれ以外に無いのでは?という感じです。就活までにまだ間に合う、という方は今からでも遅くないので、ひとつでも多くの好成績「優」とか「秀」を取ってください。成績が良いことは、会社に対しては最高峰のアピール材料だと言うことを理解してください。

大学によっては、希望により再履修が可能な場合があります。「可」だった科目をひとつでも「優」に変えることが、時間が掛かるようでも大企業への近道になります。

実際には、「優」ばっかり取っている学生の方が少ないですので、「優」が少ないけど「真面目で誠実である」と証明しないといけません。そこで絶対にやっていけないのは、アルバイトでの勤務態度や真面目な取り組みを持ち出すことです。アルバイトは、あくまで自分の余暇を使ってするもの、余暇を充実するためのものという位置付けです。学生の本分は、明らかに学業です。アルバイトを真面目にやって学業が疎かになった、とは、会社で言うと副業を真面目にやって会社の業務をテキトーにやり過ごした、ということです。

サークル活動も同じで、余暇を充実させるあまり、本分を疎かにした、というふうに捉えられないよう注意が必要です。

真面目で誠実なことをアピールする手段として有効とな取り組みをいくつか挙げます。

ボランティア活動
アルバイト=金、というところから離れているため、印象はそこまで悪くはありません。




2. 基礎学力、専門分野の学識がある

基礎学力の知識について
大企業では中小企業と違って組織が大きいため、非常にたくさんの情報が従業員に配信されます。上司、先輩からの連絡、メール一斉送信、紙情報など、多岐に渡ります。限られた時間の中で勘違いなく素早く理解して行動に移す、概略計算して見通しをつける、など、基礎学力をベースにした振る舞いが必要です。

基礎学力とは主に、
国語力
数学力(算数)
のことです。理系は、更に物理や化学も重要です。

国語ですと、試験対策するのは、
漢字、熟語、語彙の意味、類義語、反意語、読解力
などです。

数学では、
四則計算、鶴亀算、食塩水、追い越し算、すれ違い算、植木算、真偽、確率
などになります。

また、エントリーシートや履歴書には、
自己PR
志望動機
学生時代に打ち込んだこと

などの、文章力をジャッジされる所もあります。書いている内容だけでなく、

題意に沿った内容で書いているか
漢字が間違っていないか
文章構成が上手に書けているか

という観点でも審査されています。せっかく内容が充実していても、基礎学力を疑われるような文章では、残念ながら落とされます。文章力は学生の間から十分に鍛えて下さい。

会社に対して基礎学力を証明するためには、入社試験である、適性検査で高得点をとることです。J-MAT、SPI2などの問題集を5冊から10冊程度繰り返し取り組み、どんな問題が出題されても時間内に解答出来るよう、人生を賭けて取り組んで下さい。

適性検査までたどり着かない、書類で落とされる、という方は、大学の一般教養科目で、数学や国語などの基本科目に相当する授業を履修して、なおかつ、「優」を取得してその実力を証明します。

専門分野の知識について文系と理系で、その専門分野の知識の要求レベルは異なります。

理系であれば、例を挙げますと、

鉄鋼会社  機械材料、機械製作法を求める
化成品会社 有機化学、高分子力学を求める
生物研究所 細胞生理学、分子生物学を求める
ゼネコン  建築設計、材料力学を求める
電設会社  デジタル回路、電磁気学を求める

など、その業界特有の専門分野があります。その知識が高ければ高いほど、優遇されることは間違いありません。




志望する会社の業種に関連する専門分野の科目で「優」を取得しておくことが、最も重要です。
優を取得していない場合は、再履修、それも間に合わない場合は、最後の手段として、その分野の重要性と興味を後から実感した、と称し、ポイントをまとめたり、レポートをまとめるなど、専門的なことを志望会社の製品に沿って改めて知識を会得します。そして、「このような形で関連の専門科目の棚卸しと必要学識の再確認をしている」とでも言うしかありません。

会社によっては、専門科目の試験も課すところがありますので、事前にチェックが必要です。

文系の場合、入社時に理系ほど専門知識を求められることは稀です。学んだ学問がその仕事にダイレクトに活かされることが少ないからと言えます。とはいえ、専門科目に「優」が多いに越したことはありません。

文系が大学の専門課程での学識をあまり要求されないと言うと、それでは、他の就活生と差が付きません。せっかく大学で何年も専門科目を勉強したわけですから、少なからず専門科目の内容を自分なりにまとめた手引きなどを作成し、アピール材料を作っておいて下さい。いくつかの例を挙げます。
■学部⇒志望先
法学部  ⇒人事部  労働法についてまとまる
経済学部 ⇒公共事業 ミクロ経済学との関連をまとめる
外語学部 ⇒商社   独自のビジネス英文集をまとめる
文学部  ⇒史料館員 日本、世界文学史概略をまとめる

これらを単にまとめるだけでなく、独自のWebサイトを作って、自分の専門分野のコンテンツを掲載します。そして、そのURLをエントリーシートや履歴書に記載し、並々ならぬ専門分野への関心と熱意をアピースすることも効果があります。これは、学業成績が芳しくなかった代わりの埋め合わせ的な取り組みとしては有効な手段といえます。作るからには、品質の高い物を作ったほうが良いですが、やや難易度は高いでしょうか・・・。

「こんな意味があるかどうか分からない取り組みをやっている学生などいない」とお思いかも知れませんが、誰もやっていないことをやって、差をつけてインパクトを出すということに心掛けてください。理系、文系ともに、自分の志望する会社、志望する職種にとってどんな学問が必要になるかは、調べれば分かります。ぜひこのような取り組みを行ってみてください。

次のページでは、残りの3要素(経験編)について解説します。

グローバルな視野を持っている
アイデアを持って積極的に新しい取り組みが出来る
リーダーシップを持っている
就活生に差をつける5つの取り組み(経験編)へ