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社会人の転職時の履歴書の書き方を徹底解説する記事です。
合格する履歴書とはどのような書き方でしょうか?
記入例もところどころに交えて解説します。
社会人の転職時の履歴書は、職種ごとに書き方が異なるケースもありますが、共通で書けるようなパターンで紹介します。




社会人の中途採用ための履歴書

中途採用、キャリア採用、社会人採用などといいますが、社会人としての経験が既に何年もあるので、会社は、応募者に以下のスキルが備わっていることを求めます。
専門知識(テクニカルスキル)
人間性(ヒューマンスキル)
地頭力(コンセプチュアルスキル)

そして、これらスキル以外にも、
・問題解決力
・積極的な姿勢
・人材育成力(リーダーシップ)
・国際性
・語学力

など、仕事をする上で様々な素養があるかどうか、会社側は見極めてきます。

履歴書に記載する項目を見ます。左半分は名前や住所、職歴で、何かをPRする余地はありません。右半分が肝心です。
・資格、免許
・自己PR
・特技、得意科目
・志望動機
・自由記入欄(備考)

実際に、履歴書の限られたスペースに、自分のスキルを全て書くのは不可能です。人間性や問題解決力、リーダーシップ力などを知るためには、面接を設けて細かく知りたいと、会社側は思います。

しかし、履歴書が審査を通過しないと面接にたどり着きません。せっかく自分にリーダーシップ力もあり、性格もよく、業務遂行能力も高い、のであれば、履歴書にはできるだけその能力が伝わるような書き方をします。

会社で必要な様々なスキルが備わっていること分かれば、ぜひ面接でじっくりこの人の話を聞いてみたい、という流れになり、履歴書は審査通過となります。




自己PR、特技欄に書く内容

3つのスキル+いくつかの要素を書くわけですが、「問題解決」のための「地頭力」というふうに、それぞれのスキルや要素は密接に関連することもあり、アピール文ひとつに複数要素を盛り込む書き方も出来ます。
まずは、それぞれの要素に特化して解説します。

テクニカルスキル(専門知識)

その会社のその部門で必要な、専門分野の知識と経験のことを書きます。職種によって書き方がガラリと変わります。例えばいくつかの職種で挙げると、

ITエンジニア
コンピューター言語スキル、組み込み系ソフトウェアのプログラミング、Webコーディングなど

メカエンジニア
量産向け自動機の機構設計、金属部品、プラスチック部品の設計、CAD操作など

経理
月次決算報告書作成、経営層向け決算書作成、損益計算、給与計算、通常出納管理など

研究
研究テーマと対象となる製品、論文の内容、所属学会、院時代の専攻科目など

営業
成約率やリピート率向上などの営業戦略立案、販売拠点拡充、価格決定、セールストークなど

薬剤師
外科病棟、薬剤管理、栄養サポート、抗がん剤調製、所属委員会など

上記にない職種でも、テクニカルスキルがどんなものか、だいたいイメージ出来ると思います。具体性があるとなお良いです。

ヒューマンスキル(対人関係能力)

対人関係を良好に構築できる能力ですが、この実績をひとつの文で表現するのはなかなか難しいですね。

・どんな人とでも上手に会話をしてきた。
・気難しい同僚もいる中で、共に実績をあげた
・配属当初、ギスギスしていた職場を明るい雰囲気に変えた

などです。3つ目の「職場を明るい雰囲気に変えた」という部分には、対人関係能力に加えて、組織風土を良化させる力がある、との評価にも値し、大変質の高い履歴書に仕上がります。

コンセプチュアルスキル(地頭力)

考える力が強い、という能力です。近年注目されてきているスキルで、難しい問題を解決するための思考力があることを求められます。なかなか履歴書にこのことを書くのは難しいですが、ぜひ盛り込みたいものです。

・少ないデータからに仮説を組み立てて結論を出す
・現状に満足せず本質に迫り、最適な解を見つける
・虫食い的にちょこちょこアイデアを出すのではなく、体系的に漏れのない案出しが出来る

などです。これら要素も履歴書の狭いスペースに書くことで、質の高い仕事が出来ていると分かります。

記入する際のポイント

テクニカルスキル、ヒューマンスキル、コンセプチュアルスキルについて書き、更に問題解決力やら語学力などを全て書いていたら、紙面の都合上、足りません。
ひとつの文章の中になるべく多くの要素を盛り込むよう心掛けて下さい。
例えば自己PRのところに、
「海外出張時には、現地メンバー五人に協力を自ら要請し、生産ラインの更なる性能向上を5日間で達成するなどの成果を…」
と書けば、そこには、
国際性
積極性
問題解決力
が明らかに現れています。また、それ以外にも、
「現地メンバー(外国人)とやり取りしている」
英語を話している
「協力を得ている」
人間性を発揮している
「更なる性能向上を達成した」
思考力を働かせた結果である
「5日間で達成」(短い期間)
効率的な進め方を出来る
「海外出張」(部門の代表として海外に出張)
→部門内で信頼が置かれている立場

といった具合いに、書き方の工夫で様々な要素を含めることが出来ます。




志望動機欄に書く内容

入りたい気持ちを正直に書けば良いのですが、不純な動機も少しはあるでしょうから、審査者の心に響くような内容にアレンジすることが重要です。

記入しておきたいポイント

・その会社の強みを3つくらい書く
・その中でも最も関心が高いものを述べる
・自分の強みを挙げ、その会社の強みとつなぐ
・自分のなりたい姿を書く
・なりたい姿と会社の将来像をつなぐ
・その会社にはあり競合他社にはないものを挙げる

こんなところでしょうか。紙面の都合もあるので、全てを網羅する必要はありません。最後の競合他社との比較ですが、これを挙げておくと、その志望動機に信ぴょう性が上がります。この定番とも言える、会社や業界研究ですが、新卒の就職活動みたいです。こんな当たり前のようなことでも、意外と評価は高いのです。「この候補者は、しっかり他も押さえている。定番とも言うべき事前調査もできる」と見られ、会社に入ってからも、手落ちなく様々な関連要素を押さえることが出来る人材、と判断されます。当たり前のことが出来ない社会人も会社には多くいます。少なくとも当たり前のことは出来る、というさりげないアピールも含めるわけです。

では、書き方の一例を挙げてみましょう。
「○○における高いシェアや独自の技術による新サービスの短期リリース、そして社内教育の充実など、競合の××社にはない様々な魅力に惹かれました。私は現職でも、集中して短期で成果を出すことをモットーに取り組んできたため、短期リリースの方針には、私の強みを生かせると感じています。また今後はスピード感だけでなく、より高品質な・・」
といった具合いに、意気込みも含めて書きます。

履歴書で書く志望動機の内容は、そのまま面接でも使えますので、書くときには面接で話すことも想定しながら書くと後で困りません。
参考:会社の面接試験に合格する! 中途採用試験、昇進試験の面接のコツ、対策を解説




配慮すること

・自分に無いものまで書かない
・書く内容と、面接での詳細説明をセットで考える
・文末の表現を統一する(です・ます。だ・である。)
・謙譲語(へりくだる言い方)の必要はない
・履歴書とは別で、職務経歴書を用意する場合、あまり細かいことを書き過ぎない
・志望する会社が何を重視しているかによって、書く内容の配分を調整する
・内容が多岐に渡る場合には、箇条書きも良い
・誤字脱字などは絶対に修正する

最後の「誤字脱字」は、当たり前のようでかなり重要度が高いです。自分の人生を左右する、会社への自己紹介書に間違いを検出できていないということは、最終チェックなどが不得意、すなわち、品質管理が不得意、品質の軽視、とみなされる可能性があり、残念な結果を招く場合もあります。




手書きとPC入力、どちらが良い?

結論から言うと、どちらでもいい、というのが現実です。
それぞれのメリットは、
手書き
・丁寧に書けば、真面目さが伝わる
・字がきれい=教養が高い、とアピールできる
 (字がきれいな場合)

PC
・最低限のPCスキルがある、と証明ができる
・データとして整理が出来る
・間違いの修正、書き直しができる

もし履歴書を添付ファイルとしてメール送信受付されていれば、当然PCで作成したほうが良いです。会社側も電子データ受け取るほうが都合がよく、印象は悪くありません。