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会社では、人に説明したり、発表したりする機会がとても多いです。人に説明するにあたり、的確に分かりやすく伝わるように話すには、少しテクニックが必要になります。
この記事では、仕事で資料を利用したプレゼンテーション(発表)について解説します。
もし、「もう一回説明して」「何を言っているのかさっぱり分からない」などと上司に言われたことがあれば、是非参考にしてみてください。




プレゼンテーション(発表)を上手に行うのに必要なことは?

プレゼンを上手にやるには、しっかりした内容で構成を組み、明瞭に話し、そして発表資料も見やすく、といったところです。
このように上手く発表するための要素ひとつ一つについて解説します。

道筋を立てて話す

矛盾なく、一貫性を持った流れに、組み立てることが重要です。

序論、本論、結論

論文のような起承転結ほどストーリー組みをする必要はありませんが、
序論 全体の導入部分
本論 詳細や各項目の解説
結論 まとめ
のように、段階を経て話します。

序論:最初にテーマと結論を話す

つい背景から話したくなりますが、聴いている人にとっては、何が言いたいのか、何が出てくるのか、分からないまま聴き続けることになり、ストレスを与えます。最初に、簡潔に結論を話します。結論の言い方にも工夫が必要になります。以下のような言い方が望ましいです。

「今回のプロモーションで、目標としていた売上20%アップを達成出来ましたので、取り組みの詳細について説明します」

「来年リリースする新商品について、候補5つのデザインと性能をひとつずつ説明し、最後に当部門が最も推薦する案について解説します」

「半年かけて試薬Aの効能について研究を進めた結果、3つのメリットが明らかになりましたので、それらの詳細と今後の方針について説明します。」

発表の際の序論は、このレベルで十分です。時間が潤沢にあり、その取り組み背景や目的などをレベル合わせしておきたい、という場合には、上記の導入の語りの次に、簡単に述べると良いでしょう。




プロセス、ツリー、マトリックス

話の筋道を分かりやすく説明したり、漏れのないように項目を扱うためには、
プロセス構図
ツリー構造
マトリックス表

の考え方を利用すると便利です。
発表を聴いている人も、その詳細内容が全体のどこに位置するか分かります。

■プロセス構図
項目を時系列に扱います。
○○の次に△△、その次に□□、という感じで移り変わりや工程を示すことで、全体の流れを理解してもらいやすくなります。

■ツリー構造
決勝トーナメント表のイメージです。
上位の項目があり、その詳細説明として下位項目があります。そのひとつ一つの項目に対して更に下位項目、という具合に階層構造を明確にします。

■マトリックス表
星取表のイメージです。
横列と縦行で、項目同士の組合せを表現します。組合せパターンを漏れなく表現できるため、検討項目を網羅的に説明することができます。

ツリー、プロセス、マトリックスは、あくまで、明確に漏れなく伝えるための手段であり、必ずこの手法を用いなくてはならないわけではありません。他に、明確に伝える手段があれば、あえてツリーなどの構造を利用しなくても大丈夫です。




話し方に気を配る

発表は、自分の伝えたいことを多くの聴講者に一度に伝えることが目的のため、誰にも分かりやすく説明する必要があります。
内容やストーリーももちろん重要ですが、そもそも話し方がしっかりしていないと、内容に集中できません。
早口、声が小さい、言葉の癖が多い、などにならないような話し方を意識しましょう。

声の大きさ

発表となれば声を大きく、ということではありません。全体の広さや人数、最後列の人を意識して、適切なトーンで話します。
マイクを使用するときには、音が割れないように、またうるさすぎないように、事前にマイクチェックも実施します。

言葉遣い

聴講者の人種によります。自分と同等の職位であったり、顔見知りの人達ばかりであれば、極端にかしこまった話し方にする必要はありません。
しかし大抵の発表の場では、正しい言葉の使い方が求められます。大勢の前で話す言葉も、上司やお客様と話す言葉も基本的には同じです。自信のない方は、言葉使い関する記事を別途ご覧ください。
■会社で使用する言葉使い、尊敬語、謙譲語、丁寧語、これだけ押さえておけば大丈夫

言葉使いとの関連で、以下のことも注意が必要です。
・批判的なことは言わない
・個人的な本音は言わない
・余談、関連事項で脱線し過ぎない

発表が波に乗ってくると、つい舌が滑かになり、調子に乗ってしゃべり過ぎてしまうこともあります。尺に収まりきる範囲で、脱線し過ぎないようにしましょう。




ええ~、は不要

口癖は誰にでもありますが、発表の時だけは、口癖を言わないように心掛けてください。よく年配者にある口癖ですが、
「ええ~、今回は、あ~、先日の一件を、お~、受けまして、え~、このように、い~、進めていくことに、い~、なった、あ~、次第で、え~、あります。」
というものを聞くことがあります。誰も指摘してくれないのだと思います。言葉癖に気を取られて、何を言っているのか分からなくなります。

発表の中には、「ええ~」「え~と」や、「そうですね~」などは、一切不要です。発表中に意識しないと出てしまいますので、注意が必要です。

この言葉癖「ええ~」がなくなると、分単位で発表時間を節約出来ます。ぜひトライしてみてください。

聴く人全員を見る、キーパーソンは特に意識

発表資料を投影したスクリーンをずっと見ながらの発表はあまり印象が良くありません。聴いている人達に語りかけるように話すことで、「聴いてほしい」という気持ちを汲んでもらいます。

発表の最初に会場を見渡し、目線を向けます。タイトルコールの際にも、スクリーン側ではなく聴講者に話し掛ける感じが良いです。

重要ポイントについて話すときには、キーパーソンに向かって訴えかけるように話すことも大変有効になります。会社での発表の時には、キーパーソンは大抵前列に座っています。事前にチェックをしましょう。

ジェスチャー

棒立ちて話していると、非常に違和感があります。発表資料の見出しに対して指差しして強調、「~全体の」と言うときに両手で大きな輪っかを描いてみる、など、動きがあると、メリハリのある発表になります。
差し棒やレーザーポインターを使用することもあります。それらのツールを振り回しすぎて目障りにならないような注意も必要です。

内容、着眼点

テーマがしっかりしていることが重要です。色々と要素を盛り込むより、伝えたいポイントを絞るほうが、一層伝わりやすくなります。

キーワードをバランスよく盛り込み、それらが伝えたいテーマに結びつくよう工夫します。

内容が、
・コスト削減をアピール
・取り組みの新規性をアピール
・社員への利便性を周知
・新商品の存在を伝える
・プロジェクトが完結した
など、伝えたいポイントが明確になっていることが大切です。




発表資料を分かりやすく作る

発表資料を上手に作ることは大変難しい、と言わざるを得ません。発表を上手に行うことが難しいのと同じで、完璧を目指さず、聴講者に分かりやすく伝えることに主眼を置きます。

資料作成は、もはや「デザイン」の領域であり、「上手な資料作成」をテーマに書籍がたくさん存在します。よって、このページだけで完結させるのは無理なので、ポイントだけ解説し、最後に資料作成を上手に行うページを参照して頂きます。

■ポイント
・1ページあたりの情報量を少なく
・色を多用し過ぎない
・適度にスペースを取る
・ピシッと整列させる
・文字は大きく
・伝えたい所を目立たせる
・各ページで規則性を持たせる
・なるべく写真やイラストを使う

などを気をつければ、最低限伝わる発表資料になります。文字や色、写真や表グラフなど、各要素も使い方のルールがありますが、まずはレイアウトをしっかりやりましょう。

仕事で資料を上手に作るコツ、例を挙げて資料作成の基本を解説

発表資料を上手に作るには、

まずデザインのルールを理解
⇒日々たくさんの資料を作る
⇒デザインに詳しい人に指摘してもらう

これを繰り返すことで上達します。資料作成、デザインのノウハウの書籍をバイブルとして一冊持つのも良いと思います。

完璧を目指さない

プレゼン(発表)を上手に行うのは大変難しく、ベテランの社員や課長クラス以上でも、本当に上手に話す人は一握りです。語りのスペシャリストを目指すのではなく、限られた時間で相手に的確に伝えることを目標にします。

まとめ

プレゼンテーションを上手に行うには、
・扱う内容が明確で、
・構成を分かりやすく、
・話し方や態度に気を配る、
・発表資料も分かりやすく

ということを意識した上で、
・キーパーソンを意識した発表内容で
・完璧を目指さない
ということに集約出来ます。
上達していくと、「すごく分かりやすい発売だった」と言われる時が来ます。