英語をはじめさまざまな外国語、どれを取ってもマスターするのはなかなか大変です。王道は留学やスクール、日本にいても語学スクールに通ったり家庭教師をつけたり、手段はあります。しかし、そんな時間もお金も確保できない、という人は多いです。
NHKのテレビ・ラジオ語学講座は、格安で、手軽で、短期間で上達できる非常に優れた語学学習ツールです。この記事では、NHKのテレビ・ラジオ語学講座の優れていること、会話の上達に大変おすすめ、ということについて解説します。
NHK語学講座が優れている10の理由
ほとんどの外国語学習者が、NHK語学番組を知っています。英会話スクールや流行りの教材で学ぶことはあってもNHKの語学講座を利用していない、という人におすすめです。その10の理由を以下に挙げます。
- テキスト+ラジオ/テレビで学習効果up
- 基礎を丁寧に解説
- 体系的に学べる
- その道のプロが講師
- ネイティブスピーカーのトークが聞ける
- 会話形式が多く会話練習向き
- その言語の国の旬な情報が聞ける
- 楽しい講義内容
- ちょうどいい、1講座あたり半年で学べる
- 安い、1講座あたり数百円/月
テキスト+ラジオ/テレビで学習効果up
NHK語学講座にはテキストがあります。そのテキストだけでも十分に勉強出来るような構成になっています。
しかし、せっかくテレビとラジオの番組も用意されていますから、テレビを観ながら、またはラジオを聴きながらの学習がおすすめです。
テレビまたはラジオと、テキストを併用することで、目と耳の両方から情報を得ることが出来ます。学習効果はより高まります。
テキストの情報量がもちろん多いです。本編の内容からワンポイントアドバイス、コーヒーブレイク的なプチ情報まで網羅されていて、読破すればかなりの物知りになれます。しかし能動的にその中身の情報を取りにいかないといけませんから、結構大変です。
その点、テレビは見ているだけ、ラジオは聴いているだけ、で学習できるように作られていますから、テキストがなくてもリスニングや会話の流れを学べます。
テキストにある外国語の文を見ながらの、テレビ・ラジオからのリスニングで、学習効果は上がります。
テキストは良質です。会話、解説、表現集、文法、語学情報、コラムといった総合的な情報がバランスよく載ったテキストはなかなかありません。かさばらないので、通勤通学時の持ち運びにも便利です。電車内で読むのにも向いています。1カ月で十分な読破できるボリュームが嬉しいです。
基礎を丁寧に解説
NHK語学講座は、テレビ語学講座とラジオ語学講座いずれもその言語の基礎をアルファベットから丁寧に解説しています。
アルファベット、単語、発音、表現など、自ら開拓しなくても、その言語の基礎を固めるために必要な情報がコンパクトにまとめられています。
基本的な文法の解説もあり、番組内でもポイントを取り上げています。テキストではより丁寧な解説により、会話に必要な最低限の文法を理解することができます。
体系的に学べる
文法だけ、とかリスニングだけではなく、その言語の習得に必要な要素をバランスよく、体系的に学べます。
英語に関しては、基礎、応用、上級、ビジネスなど複数のカテゴリーに分かれています。順番にすべて利用すれば、英語の知識にほとんど漏れのない学習ができます。それぞれの講座の中にほ、単語、文法、会話、慣用表現といった要素がまんべんなく含まれているので、偏りのない学習を期待できます。
フランス語や中国語、ドイツ語といった第2外国語は、講座数はテレビ・ラジオ共に基本的には1講座しかありません。
第2外国語講座でも、英語と同じく体系的に学べます。
テレビ番組は、週1回(+再放送)の放送です。番組の終わりの5分くらいで、以下のような上級者向けコンテンツが流れます。
- ビジネスインフォメーションを現地語で
- その国のプロの職人の密着取材
- 料理をその国の言語で解説しながら作る
- 現地レポートと街中でのインタビュー
- エンターテイメント情報をその国の言語で
学習者が聞いて勉強になるよう編集して作り込まれた映像なので、無駄がなく短い時間でネイティブスピーカーのナチュラルスピードを体感できます。
ラジオ番組は、平日毎日放映されます。たとえば、月曜日から木曜日は基礎編、金曜日は上級編といった構成で、曜日によりレベル分けされていることが多いです。基礎から上級までカバーされていて、自由に選べる使いやすさがあります。
その道のプロが講師
講座の講師は、その言語のプロが担当します。主に以下のような人たちです。
- 大学の語学教授
- 語学一筋の教育者
- 同時通訳の第一人者
- ネイティブスピーカーのタレント
ほとんどの講座の講師が大学教授です。「ちょっと語学が得意な人」に教わるのとは違ってプロの講義です。トレンドに乗った話題や会話での注意点などを丁寧に解説してくれます。
その先生の大学の講義を受講したのと同じ、といっても過言ではありません。
ネイティブスピーカーのトークが聞ける
番組には、ネイティブスピーカーも出演します。単にしゃべるのではなく、しっかり計算されています。ネイティブスピーカーの出演によるメリットは、
- 学習する表現のネイティブな発音を聞ける
- 日本人講師との会話の掛け合いを聞ける
- ネイティブの自然な語りに慣れることができる
- 日本のその国と違いを聞ける
日本人講師から聞いても同じ、と思えることもありますが、ネイティブスピーカーからその言語で聞くほうが臨場感があります。日本語で聞いても語学の勉強にはなりません。
たとえば、英語の講座での、講師とネイティブ出演者のやりとりはこんな感じです。
日本人講師「こういう言い方もするんですね。日本ではあまりこういう言い方はしませんから、その国の文化や社会の影響があるのかもしれません。ちょっときいてみましょう。We don’t say this way in this situation. Why do you say it in your country?」
ネイティブ出演者「Oh, it’s a usually way in our society, because…」
リスニングしながら、その国のことも聞けるので中身の濃い学習になります。
会話形式が多い ⇒会話練習向き
どの外国語講座も基本的に会話形式のコンテンツです。
その言語の文法的な解説、表現の紹介も、ほとんどが自然な会話の中にあるものです。会話向けとしてプロが作った、凝縮された構成で、覚えて無駄がない内容に仕上がっています。効率の高い学習が期待できます。
英語も第2外国語も、読めるようになりたい、メールを書けるようになりたい、という人より、会話を出来るようになりたい、という人のほうが多いのではないでしょうか? 「会話に強くなりたい、でも語学学校に通うお金も時間もない」という人には、NHK語学講座は、うってつけです。会話に必要な要素が揃っています。足りないのは、受講者が話したことへのレスポンスが無いくらいでしょうか。
英語のビジネス編やテーマ系の講座、第2外国語の上級編になると、会話用に作られたスキットではなく、本物の会話から抜粋した、生のやりとりを扱うことが多いです。文化人やアーティスト、といった著名人の語りで、少し癖のあるアクセントのときもあり、まさに実践的なリスニングの練習になります。
私たちが受講する前提で適切な会話が紹介されているため、学習効率は高いです。
世の中には、以下の語学教材があります。
- 無料学習Webサイト
- 「1カ月でペラペラ」と謳う教材
- 本屋にある会話向け書籍
会話の上達を考えたら、上記でNHK語学講座にかなう品質を兼ね揃えているものはないと考えます。
講師の質や人数、ネイティブスピーカーの出演の多さ、アイデアの数々、レベルと種類を幅広く網羅したコンテンツ、各国の情報の多さ、と挙げたらきりがないくらい、NHK語学講座のクオリティーは、ほかと比べて桁違いに高いといえます。
その言語の国の旬な情報が聞ける
どの言語の講座にも、その国の旬な情報が盛り込まれています。
自分からインターネットに情報を取りにいく必要はありません。インターネットでもたくさんの情報を入手できますが、情報の取捨選択は大変です。NHK語学講座で紹介される情報は、その言語の学習者に役立つものがほとんどです。その言語を話す上で助けになる情報、知っていると会話が楽しくなる情報です。
プロの講師や制作陣が監修した内容なので信憑性が高く、ポイントも絞られています。その上、リポート内容の後、解説やコメントも講師によって添えられますので、効率の良い情報収集になります。
インターネット限定での情報提供でそこまで手の込んだ作り込みをすることは予算的にも困難といえます。体系的に仕上がった教材でも、大量生産となりますから、情報は一般的なものや、やや古い情報がほとんどです。
1カ月ごとに発売されるNHKの教材は、鮮度はインターネットには少し劣りますが、情報の新しさの度合いは十分です。総合力という点でも、インターネットやほかの教材とはかけ離れて優れています。
楽しい講義内容
講義は、楽しい内容に仕上がっています。楽しいだけでなく、飽きさせないような工夫が多く取り入れられています。
NHK語学講座の楽しさや工夫は、以下のようなものです。
- 会話スキットは普通の会話だけでなく、物語や空想、少し飛躍した内容もある
- ひとつの項目をひたすら解説するのではなく、次から次へスピーディーに展開する
- この重要ポイントをもう一度見たい聞きたい、というときにちゃんとリピートしてくれる
- 講師とネイティブ出演者の会話の生の会話やりとりがある
- 講師のワンポイントアドバイスからフリートークまで、メリハリがある
講師の色を少し出して、その言語でのジョークやだじゃれを言って楽しませてくれる講座もあります。
テレビの講座では、映像の利点を生かして、「単語+そのイラスト」のような解説や、現地の本職の俳優さんを起用した会話やりとりの映像が見ものです。
スタジオの出演者についても工夫があります。2000年代くらいまでは無名のタレントが務めていることが多かったですが、最近では有名なタレントも起用され、バラエティ色があって飽きない作りになっている講座もあります。
勉強、というより、楽しく長く続けられるようにしっかり構成された作りになっています。
ちょうどいい、1講座あたり半年で学べる
1講座、半年で完結します。この短さにより受講しやすいものになっています。
何年も同じ講座を受講し続けるのは集中力も続かすマンネリ化します。半年という長さは実際に受講してみると、言語の基礎的な要素をまんべんなく網羅するのにちょうどいい長さです。
大学の講義はひとコマ半年、週1回90分。NHK語学講座も、ラジオ講座なら1週間あたりおよそ90分で大学の講義のボリュームとほぼ同じです。
大学の講義のようにその言語を学問として学ぶわけではなく、会話中心の内容ですから、半年でも会話の上達には十分です。
だいたい4月と10月が開講です。さあ受講してみよう、と思ったときに中途半端な時期であれば、とりあえず、テレビなら観るだけ、ラジオなら聴くだけにします。観て聴きながら勉強方法の想定をしておき、開講のタイミングでテキストを買って本格的に学習します。
たとえば基礎英語1の半年が受講し終わったら、次の半年は基礎英語2、次は3という具合いに半年ごとにステップアップを図れます。速すぎず遅すぎず、着実な上達を期待できます。
短期間で英語を話せるようになる、学習方法を速攻でポイント解説
安い、1講座あたり数百円/月
1講座の学習に使うテキストは、月に一冊です。価格は5百~7百円程度です。半年の講座でテキスト代5千円以内でおさまります。
NHKの受信料を年間で1万円以上支払っている人が多いでしょう。語学講座を利用しなくても受信料は払うわけですから、その金額は語学講座の受講料とは考えないほうが安さを実感できます。
低価格といっても書店に買いに行く手間があります。その場合には、定期講読を申し込むと自宅に送られてきますので、おすすめです。
英会話スクールでは、レッスンで使用するとの名目で一冊8千円のテキストや、会話集5千円、CDやDVD六千円といった高額なグッズを購入する場合が多いです。英会話教育の対価だけで、場所代や人件費などの経費、利益をまかなうのにはこのような売り方をしなければなりません。
民間の出版社や教育機関も同じです。NHK語学講座のクオリティーを実現させると、数百円でテキストを作るのは難しいでしょう。
NHKが番組とテキスト共にこれだけ良質なコンテンツを格安で提供できるのは、国民からの徴収あってのことです。せっかく受信料を支払っているなら、利用しないと損ですね。
まとめ
講座の質の高さ、低価格なテキスト、適切な講座期間、とメリットか多いのが特長のNHKテレビ・ラジオ語学講座。会話のやりとりに重点を置いた内容、ということもあり、英語をはじめ外国語会話の上達に便利な学習ツールとしてご利用ください。
語学の上達には、留学やスクールが王道ですが、事前に半年~1年、NHK語学講座を受講することで、その中身をより充実させることができるでしょう。
まずは半年、ぜひがんばってみてください。