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文系、理系、そしてその学部学科によっても、それぞれの道に進むメリットがあります。このページでは、理系に進んで勉強することで、その後の人生、特に生活の中にもたらされるメリットを4つ挙げたいと思います。

・家の中の壊れた物を自分で直す力が身に付く
・クルマ、自転車、バイクなどを自分で直せる
・就活は楽勝!
・物事を数字で解決できるスキルが身に付く

家の中の壊れた物を自分で直す力が身に付く

これは人生の生活において、大学で理系の科目も学ぶことで得られる最大のメリットと考えて良いと思います。
自分の家で発生する工事や取り付け、修理など、自分でやってみました。

1. リビングの照明を調光タイプ変更
2. キッチンに食洗機を取り付け
3. 庭のフェンスの増設
4. クルマのバンパーの凹みを修復
5. エアコン設置、移設

業者に依頼した見積もり:
1. 部品代と工事費 約7万円
2. 食洗機本体と工事費 約21万円
3. 部品代と工事費 約7万円
4. 凹み修正 約2万円
5. 設置費用 約2万円

合計 39万円

全て自分で修理した場合:
1. amazonで部品購入 1.5万円
2. amazonで食洗機購入 6万円
3. ホームセンターで部品購入 2万円
4. 自分で修理 0円
5. 自分で設置 0円

合計 9.5万円

およそ30万円が浮きました。
フェンスの取り付けやクルマのバンパーの修理などはやはりプロの仕事と比べるとやや素人感が出ますが、ほとんど問題ありません。
照明器具や食洗機の取り付けは説明書が付いていますので、それを見て理解できれば、あとはネジ締めや配線の基本的な知識を知っていれば出来ます。

ほんの簡単な技術的な知識だけで、自分で何でも出来てしまうので、技術の基礎を学ぶ理系の学部は非常に有効と言えます。




クルマ、自転車、バイクなどを自分で直せる

理系の学部では、物の構造を考える基礎を学べます。構造的に捉えると、「これはここで取り付いているから、こっちは恐らくこうだ」と大体予想がついてきます。

生活のなかで、クルマや自転車などに不具合があっても、クルマの安全に関わる機能的部分の本当に専門的な部位でない限り、自分で対応が可能です。

ちょっとカツンとぶつけてバンパーが凹んだ、というくらいなら、ここのパーツだけ外して、内側から軽く叩けば修理完了。という具合です。

また自転車がパンクしても、即自転車やさんに修理に出すのではなく、軽く分解すればどこが原因かは予想が付きます。むしろ自転車の構造をほとんど知らなくても分解することでその知識が深まります。その知識のための基本的な下支えとなるのが理系の知識です。ちなみに、このスキルをかなり高いレベルで習得したかったら、機械工学や建築など、構造により深くフォーカスする学科に進むことが必要です。

就活は楽勝!

就職活動では、どちらかというと理系文系より、大学の偏差値で振り分けられるという過酷な運命もありますが、それでも同偏差値で比較すると文系より理系のほうが有利なのが現実です。

特殊な専門職に就かない限り、法学、経済学、商学、文学などのいわゆる文系学部の大学での専門知識が就職後の会社の仕事で必要になることは理系学部に比べるとかなり少ないです。

理系学部で習う各種力学、電気、構造学、高分子工学、分子原子などの理系全般の専門知識知識に加えて、高校で学ぶ三角関数、微分積分、基礎物理学の知識は、技術系、研究職系の職種には即戦力で必要とされます。

基本的に製造業は理系の学生を多く求めます。大学の偏差値に関わらず、理系学部出身であれば、ひと通りの技術系の科目を履修してきており、即戦力にはならなくても、サインコサイン、運動エネルギー、分子間力、導電性などの用語を使って物事を説明したときに理解できる素養がある、ということになります。

会社側は、学生が理系の学部卒、イコールうちの仕事をこなすベース部分のお勉強をして来ている、と判断します。
文系学部の就活生は、興味関心や将来性、企業研究、やる気、など抽象的なものをアピールする形になり、理系学生より具体性を出すことが難しく、不利と言わざるを得ません。



物事を数字で解決できるスキルが身に付く

もちろん文系学部でも物事を理屈で考えるプロセスを養うことは出来ます。しかし、数字を並べて理論を組み立てるプロセスは理系ならでは、と言えます。

足し算、引き算、掛け算、割り算といった基本的な四則計算は、誰でもできますが、これらを組み合わせて駆使することは、理系の学部での勉強やその理系学部に進むための受験勉強の中で大いに養うことになります。
欲しい最終解答を求めるべく、得られた情報から必要な数字をひとつづつ計算で出していく、というプロセスです。

例えば、生活の中での以下のような事柄です。
「毎朝の朝食のパンを買うのをやめて、ホームベーカリーを買い、自分で作る。どちらが安いか?」
これをささっと2、3分で計算できるでしょうか。理系的な単純な考えに沿ってやってみます。

■どちらが安いか?ということは、ホームベーカリーを使った場合の費用がいくらになるか求めればよい、ということになります。
まず、8枚切りの食パンは、100円とします。
ホームベーカリーでパンを作る場合の費用を算出するには?
1.ホームベーカリーの費用
2.材料の費用
3.光熱費
を求めることになります。

・ホームベーカリーの費用 1万円
・材料の費用(代表的な材料)
強力粉250g 50円(200円/1kg*4分の1)
牛乳180cc 30円(150円/1L*5分の1)
バター10g 20円(400円/200g*20分の1)
砂糖20g 2円(100円/1kg*50分の1)
塩5g 0.5円(100円/1kg*200分の1)
イースト3g 5円(800円/0.5kg*500分の3)
・光熱費 15円くらい(詳細説明省略)

と算出できます。
ここで、ホームベーカリー代の1万円をどのようにカウントするか、です。
理系のセンスが活きます。
週5回作って4年使おう、となると、
一年当たり2500円となり、週5回作ると一年で250回使用します。
そうすると、1回あたり10円、と算出出来ます。
これで、ホームベーカリーで作った場合の、1回分の費用を算出できます。
・ホームベーカリー代 :10円
・材料費合計 :122.5円
・光熱費15円
合計:147.5円(買った食パン100円より大きい)

ホームベーカリーは、費用面だけで考えると格安の食パンより高い、ということになります。
上記の例では、粉代が高い、電気代の精査、マシンの使用年数、無添加で作れることや焼き立てを食べれるという付加価値など、細かくもっと検討の余地がありますが、重要なのは考え方のプロセスです。必要な数字を求める上記プロセスは、理系出身者にとっては非常に簡単なものです。

生活の中で発生する似たようなケースでも、数字をこねくり回すことにアレルギーなく進めるが出来ます。親兄弟、夫、妻と話す時にも、このように数字で語ることが出来ると、算出方法に落ち度がない限り、その説得力は絶大なものがあります。

会社で仕事をするときも同様です。「この取り組みを導入することは妥当か?」となった時に、ホームベーカリーの計算例のような材料費や電気代だけでなく、想定労働時間と賃率から計算する人件費や、場所代など様々な要素を取り入れて妥当性を難なく算出することが出来ます。

文系出身者も社会で働くようになると、職種によってはこのようなスキルが必要になり、仕事をする中で覚えて行きますが、理系出身者は働き始める時からこのようなスキルの基礎が身に付いていて、一歩先を行っていると言えます。

理系の学部のメリット、学べること

以上、理系学部に進むメリットについて解説しました。もちろん個人の素養やセンス、努力が重要であり、理系出身者よりスキルの高い文系出身者がいることも事実です。そして文系学部に進むことで得られるメリットもあります。しかし大学で4年間勉強するとしたら、その後の人生に少なからず直接生かせること、そして自分が関心のあることを学んだほうが幸せですね。本サイトの内容を少でも参考にして頂ければ幸いです。