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英会話をマスターする上では、前置詞の上手に使いこなすことで、さらなる飛躍を期待できます。
この記事では、英会話を勉強する際の前置詞について解説します。

前置詞を使いこなせると質の高い会話が出来る

留学しないで英語ペラペラになるためには、日本に居続けて周りで日々英語が飛び交わないような環境の中でも、自分が学習・吸収した内容だけで様々な状況を的確に表現して行かなくてはなりません。そのためにあれもこれも勉強する、というのは効率が悪いです。

筆者がペラペラしゃべれるようになった時、これが良かった、と後で気付いたことがあります。まったく裏技などではなく、

前置詞の使い方をマスターする

というシンプルな事でした。

前置詞を使いこなせるようになると、英語の特にスピーキングは飛躍的に上達して行きます。 その時どきの取り巻く環境や物の動きなど、詳細な状況を伝えることが出来るようになるので、より質の高いコミュニケーションが実現できます。

言い換えると、前置詞をある程度使いこなせないと、いつまで経っても英会話が上達しないということになります。

よく日本人が英語を話そうとしても、全然英語が口から出て来ない、肝心な内容が言えない、という場面を見かけます。最初に何の単語を言うのか、動詞は何を使えば良いのか分からない、などが理由として挙げられそうですが、前置詞を的確に使用出来ないから、物事の詳細な状況が伝わらないという事が理由の一つと考えられます。

in, on, at, to など基本的に見える前置詞でも、様々な使い方があります。

例えば、in であれば、単純に空間的に「~の中」にある状態を表すだけでなく、以下のような意味合いでも用いられます:

in two weeks 2週間後に
in charge 担当して
in dress ドレスを着て
in English 英語で
in the direction その方向に

他にもいくらか意味はありますが、in ひとつでもこれだけ様々な用法があります。
また、他の単語と一体化して別の単語になったり、前置詞句になったりします。次のようなものです。

into ~の中へ
inside ~の内側で
in front of ~の前で
in terms of ~の点からすると
in comparison to ~と比較して

会話練習の中でも割と頻繁にこのような語句が出てきますので、ひとつひとつ覚えていくことで表現のバリエーションを増やして行くことは出来ますが、通常会話の練習の中から吸収できる量には限界があります。

自分なりに前置詞の強化に学習時間を割くことをお勧めします。

前置詞を上手に組み込むとどのように質が向上するか一つ例を挙げて見てみたいと思います。

英会話に慣れないうちでも、主語、動詞、場所などは、machine, move, floor, desk(マシン、動く、床、机) という感じに並べて、ジェスチャー付きで無理やり伝えることが出来ます。ここに前置詞を的確に加えることで、

This machine should be moved onto the floor from the top of the desk.
(このマシンを机の上から床に移動するべきだ。)

となります。onto, from, of の機能によりかなり物の動きや状況がはっきりした内容になります。上の文では should be や the などが入っていてより詳細な構成になっていますが、無くてもこの類の文では会話の中で前置詞と物がセットになっていることで、相手にこちらの意図が十分伝わります。

in や on は、「中にある状態」「上に乗っている状態」を示すのに対して、into や onto とすると「の中への」「の上へ」動きの意味が現れて、より状況を詳細に伝えることが出来るので、前置詞の使いこなしが表現の幅を広げてくれます。

相手からの情報でも、from, to, with, around などなど前置詞が入って来ることがほとんどですので、前置詞を着実に押さえておくことで、何がどこから来てどこへ行くのか、何と一緒か、何の周りかなど、リスニングの際にも情報をくみ取れるようになります。



英会話に役立つ前置詞の参考書購入の勧め

前置詞の使い方を特集した本は世の中にたくさんあります。ぜひ一冊購入して、どのような前置詞が存在して、どのように使用されているのか一度確認しておくことをお勧めします。

英会話を学んでいく上での学習の基本は、あくまで総合的に学べる教材を利用するべきですが、それとは別でスピーキングのより一層の強化、ということで前置詞に特化したハンドブックを一冊!と言いたいわけです。

今はインターネットで多くの本を探すことが出来ます。自分がこれから長い期間学習する本ですので、レビューなどをしっかり読んで、分かり易く自分に合っている本だと確認する必要があります。時間がある人は、本屋さんに行って、どのような本があるか見てみると良いです。
購入する際には、なるべく重点的に効果的に学べるよう、以下のような内容を網羅している本を選んでください。

  • どのような状態や物の動きの時に、どの前置詞を使うか解説している
  • ひとつの前置詞にどのような意味があるか、ある程度網羅している
  • 図解などによりイメージで理解し易く解説していること
  • 例文がごちゃごちゃ書いていないこと

「図解などによりイメージで理解し易く解説していること」については、イラストが多く盛り込まれていて、その絵から入って来る情報をそのまま単語のフレーズで丸ごと頭に入れる、という流れで覚えます。

単純明快な内容が記載されている参考書を探してください。



「いちいち例文がごちゃごちゃ書いていないこと」については、例文がたくさん書いてあって動詞などとセットで覚えたほうが効果的に思えるかも知れません。そう思う方は例文とセットで覚えても構いません。
しかし前置詞を使った表現は奥が深く、バリエーションもたくさんあるため、限られた学習時間で多くを吸収して行かなくてはならないので、「例文を覚える」という作業になってしまい、肝心の前置詞のバリエーションが増えていきません。

なるべく余計な情報がたくさん載っていない本をお勧めします。「英会話に役立つ前置詞」みたいな謳い文句があれば、お勧めです。
前置詞に関するハンドブックとして今後ずっと使える物をぜひお選びください。

購入したらある程度斜め読みでも良いので読破してみて、その使い方のバリエーションを増やして下さい。会話の中で敢えて使用してみて、相手の理解を確認してみてください。英会話学校の先生なら、間違っていれば正しく直してくれます。会話練習と参考書での学習の繰り返しにより、ある時、前置詞を器用に使いこなしている自分に気付くことでしょう。

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