リスニング練習はスピーキングと並行して進めましょう
2年という短期間で英語ペラペラになるためには、スピーキングと並行してリスニングも鍛えて行かないといけません。
自分が話せる事だけ一方的に話しても会話は成り立って行きません。自分が話していることを理解してもらい、そして相手の言っていることが理解できて初めて会話は成り立ちます。
「英語ペラペラ」というのは、言いたいことを英語で言えるだけでなく当然リスニングも同等にこなせることが重要です。
スピーキングと比べてリスニングは簡単か?
英語を話したい人、英会話学習に取り組んでいる人の多くが、外国人と英語で会話をする事に関してこう言います。
「相手の言っていることな何となく分かるんだけど、話す時は何と言ったら良いか分からない」
すなわちスピーキングよりもリスニングのほうが簡単、とも取れる意見です。この気持ちも分かりますが、英会話学習を続けて行くと様々な内容の話が繰り広げられていくため、リスニングの練習無しで、何となく言っている事は分かる、なんて単純には行かなくなります。
自分が英語をうまく話せないために会話が先に進まないので、相手が話したひと言ふた言をだけを何となく理解できただけで、相手の言っていることは分かる、という「リスニングのほうが簡単」との勘違いしてしまうのだと思います。ひとつ言えることは、
スピーキングに比べてリスニングが簡単、なんてことはない
ということです。スピーキングについては、難しい事を言う時も自分の言える単語やフレーズに落として簡略化しながら話して相手に通じさせることが可能です。しかし、リスニングは相手の英語力次第ですので自分でのコントロールが効きません。相手の英語をあまりにも聴き取れないと、「OK、OK」と言われて会話途中でも終了させられてしまうこともあります。私の考えでは、リスニングのほうが極めるのは難しい、と言えます。
英語話者からは様々な発音、イントネーションで飛んで来ます
スピーキングとリスニングについて簡潔に比較すると、
スピーキング
⇒単語やフレーズ、慣用表現などの決まり文句など、自分で覚えて使いこなすこと
リスニング
⇒単語やフレーズ、慣用表現などの決まり文句を耳で聴いて理解できること
スピーキングもリスニングも同等の取り組みのように聞こえますが、先に述べたようにリスニングは相手次第、書き現して同じ文でも様々な発音がこの世に存在します。
簡単なフレーズを書きます。
The refrigerator in your house has… (君の家の冷蔵庫は…)
ザ レフリジェレイター イン ユア ハウス ハズ…
と、日本人ならこのようなカタカナが頭に入ります。
しかし、アメリカ人から聞いてみると、
ダリフリジェレイラリニヨハウスヘァァズ…
という感じの発音のされ方になります。The から has まで長い1単語で聞こえるような時もあります。単語一語一語で覚えていたら、慣れないうちはまず聴き取れないでしょう。
refrigerator の末尾と in が くっ付いて、リン となるような現象を「リエゾン」などと言いますが、その発音学みたいなことは省略します。英語学としてしっかり習得するときは突っ込んで学んでも良いのですが、ここでは、傾向だけ掴みます。
上の例文、他の国の人に読んでもらいます、、(少し極端に)
中国人: ザ レフリジェレイトー イン ヨウ ホウス ホゥズ(アップダウン有り)
イタリア人: ダレフレジラ~ットリニョラァオサッッズ! (アクセント強く!)
フランス人: ダレフェレシェラトホァイニョホァオサァス (流れるように)
タイ人: ダレフリジェレイッタ~ インヨウア~ ハウ~ス ハ~ズ(伸びが特徴的)
カタカナで表記するのはしんどいですが雰囲気を掴んでもらえたでしょうか?
その国の発音の特徴によって聞き取り易い英語と、聞き取り難い英語があります。上の中では日本人にとっては、タイ人の英語は比較的聴き取り易いでしょうか。イタリア人の英語を聴いているとイタリア語そのものを聞いているような錯覚を感じます。
これらの国の人達全てから必ずしもこう聞こえる訳ではありませんが、、、つまり言いたいことは、英文の発音・イントネーションは幾通りにも成り得るということです。
全ての国々の英語を聴き取れるようになるのは、2年程度ではさすがに無理です!
学習の中で少しでも多くの外国人と触れ合う機会を持つことで、その国のお国訛りを感じて、その単語やフレーズの発音のされ方のバリエーションを一つでも多く積み上げる、くらいで良いと思います。
2年で英会話をマスターしてペラペラになるためには、まずはネイティブスピーカーの話す英語を聞き取れるようになること基本にお考えください。
リスニング教材をひとつは試すこと
まずリスニングを強化する教材について考えます。
リスニング教材に関しては、スピーキングに関する教材よりも世の中に多く出回っていると感じます。いきなり、ズバリ自分に合った教材に出会う、というのは難しいですが、いくつか試してみると自分にどのようなリスニング教材が合っているか分かって来ます。
色々ありますが、あまり手を広げすぎるとどれも中途半端になりますから、自分が良いと思った教材をとにかく一つ貫徹してみて下さい。出来れば2周くらい聴くと効果が倍増します。
リスニングは通勤通学の時のイヤホンで聴くことが出来るので学習時間の節約になりますが、聞き流すタイプの聴き方よりも、可能な限り、
その文章がどのように発音されているか
を意識して取り組んで下さい。リスニング教材には必ずと言って良いほどテキストが付属されていて、そのCDやDVD内で話されている内容が文字でも表記されています。
この学習方法により、
この英文はこのように発音されるのか!
と色々発見しながら進めて、耳を英語に慣らして行きます。
最近のリスニングの教材では、だいたいの英語の一般的な発音やイントネーションを網羅していることが多いです。ひとつ貫徹したら、余裕があれば、別の教材を購入してどんどん強化することもOKです。
しかしリスニングの学習がメインみたいになっても時間がもったいないので、英会話の実践の場に時間を割いたりしてバランスよく学習していくことが短期で英語ペラペラになるコツです。
英会話実践の場のためにリスニングを完璧にして臨む、なんてことは考えなくても良いです。
短期間でリスニングを上達するコツ(一例)
このサイトでリスニング学習を全て網羅することはさすがに出来ないので、リスニング教材に最後は頼ることになりますが、2年程度である程度聞けるになるためのコツをいくつか挙げてみます。
2年程度で英語ペラペラになるため、というよりは、リスニングを効率的に上達するための一般的な手法になりますが、私もリスニングを上達させる上で気付いたことです。
ちなみに英語を聴くことを、「ヒアリング」という人がたまに居ます。「ヒアリング」とは、単に耳に聞こえてくるだけの状態です。相手の言う事を理解しようと耳を傾けて聴くことは、「リスニング」になります。
聴いた英語を頭の中で日本語に変換しない
頭の中で英語と日本語の翻訳作業をしない、ということが基本になります。いちいち頭の中で翻訳作業が発生していたら、会話が進んで行きません。これを極めるためには、聴いて耳を慣らす練習と並行して、英語の脳を作ることが必要になります。例えば、
My father cleans the room, after he washed the dishes.
という英文があったとき、日本語訳は、
「お父さんは皿を洗った後、部屋を掃除する。」
ですが、この英文を聞いた瞬間にwashは「洗う」、fatherは「お父さん」と頭の中で翻訳してはいけません。絶対に英語ペラペラにはなりません。
こう処理します:
wash という単語に対して、何かを洗っているようなイメージで覚えます。
father という単語に対して、一般的な父親を想像します。
My father とその人が言ったらその人の父親を想像します。
英語を話している時は、頭の中で全て英語で考えることに慣れて行ってください。そうすると英語を話している時に、日本語とは別の脳の部分が機能し始めるようになります。ちなみに、通訳する時は、
英語を聴く
⇒その状況が浮かぶ
⇒そのままその状況を日本語で話す
という感じになります。単語の意味合いをそのまま頭で覚えると、ある時初めて聴くようなフレーズが外国人から出て来てもスッと頭に入って来ます。例えば、こんな事がありました。
ある友人Aが「財布を無くした」と言いました。
一緒にいた外国人Bが言いました。
Take all things out from the bag!
テイコーロティングザウ、フロンダベァッ
from the bag はまあいいとして、Take all things out は、もし初めて聞いたとしても、単語の持つ意味合いで、それぞれ
take :取り出したり持って来るような感じ
all :全て、あらゆる物のような感じ
things :物とか事柄な感じ
out :出て来るとか外にあるような感じ
と理解していれば、「全ての物を外に取り出すような感じ」とアクションが見えてきます。
その外国人Bは「カバンの中の物全部出してみ!」と言っていたのです。
このケースでは、財布を無くしたという前提もありますので、状況からその英文を理解でき易かったと思います。このようにしてリスニングの勘どころを積み上げて行くのです。
英語特有の話され方を押さえる
ネイティブスピーカーとたくさん話をすると、生の発音が非常に多く聴けます。様々なパターンがありますが、いくつか挙げてみます。
Think about it (考えてみて下さい)
⇒ティンカバゥレ
Ministry of foreign affairs (外務省)
⇒ミニスチュリーォブフォレノフェアス
want to do it (それをしたい)
⇒ワナドゥイ
get out of here (ここから退く)
⇒ゲラーゥロビーア
I’m from Connecticut. (私はコネチカット州から来ました。)
⇒アインフロンカネーディカッ
this year (今年)
⇒ディッシェァ
ゲラ、などは有名な英語の発音です。
字面からは想像も出来ないくらいの発音をされることが分かります。これらは、ある程度の発音のロジック(理論)を何となく理解しておき、あとは沢山のリスニング教材から吸収してバリエーションを揃え、実際に外国人と話して場数を踏む、という手順により自分のものになって行きます。
このサイトでは英語の学習そのものにはあまり深くフォーカスせず、優秀な英会話学校や教材での学習を勧めるスタイルですが、リスニングに関することで、おまけのリスニングのコツを少しお話しします。
★「t」の後ろに「r」が来ると、「t」は「チュ」で発音されます。
例)
try 試す チュライ
street 道 スチュリート
introduction 紹介 インチュロダクシュン
自分で話す時も、「t」 を「チュ」で発音したほうが話し易いと思います。
そしてこれがむしろ自然に相手に通じます。カタカナ的に「イントロダクション」と発音してしまうと、intoroduction と、t の後ろに o が入って別の単語に聞こえてしまいます。intoroductionついでに「-tion」は「ション」ではなく「シュン」で聞こえて来ます。
★set,get,put などの動詞の次に来る単語が 母音(a,i,u,e,o)で始まると、「t」 は「ル」で発音されます。
例)
put it into the bag それを袋に入れる プリリントゥダ…
set it on the desk それを机にセットする セリオンダ…
get it 持ってお行き ゲリ
字面からは、ラリルレロは見当たりませんが、話される発音にラリルレロが含まれているので、相手が何を言っているのか訳分からなくなるのです。
一例を挙げてみましたが、こういったある程度のリスニング理論+例文の内容が網羅されている教材をお選び下さい。外国人が話している英語を聴けるようになって来ると英会話の楽しさは倍増して来ます。