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英会話のスピーキングを上達させる方法~英語は物理的な表現で話す~

英語で表現する方法のコツをつかむ

英会話をマスターする上で、英会話教室やインターネット動画、テキスト、CD、テレビやラジオの英会話講座などさまざまな学習機会を利用して勉強する訳ですが、学んだことをそのまま吸収するだけでは大変非効率です。もちろん全て吸収できるくらいの記憶力や応用力があればよいですが、それも限界があります。



英語の表現力を倍増させる考え方があります。英語のスピーキングを学習する上で、世の中にはさまざまな英語の教材や指導方法があります。ここでご紹介する考え方は、筆者が短期間でスピーキングを上達した中で感じたことです。

スピーキングを上達するには、以下のことを意識することが重要です。

× ひとつひとつ表現を覚える
〇 表現の仕方の傾向をつかむ

表現の仕方の傾向をつかむ、とはやや分かり難いかもしれませんので、例をいくつか挙げてみます。

■日本語 / 英語
お目にかかる ⇒ to meet happily
手が掛かる ⇒ to take many things to deal with
ごり押しする ⇒ push through
焼き鳥 ⇒ grilled meat on a stick
納豆 ⇒ fermented soybeans

いかがでしょうか? 何か気づきませんでしょうか?
日本語の表現や語句に対して、英語の表現はかなり物理的な言い方になっています。




先の英語を更に和訳するとこうなります。

to meet happily  ⇒ 幸いにもお会いする
to take many things to deal with ⇒ 扱うたくさんの事を抱える
push through ⇒ 押し通す
grilled meat on a stick ⇒ 串に乗ったグリルした肉
fermented soy beans ⇒ 発酵した大豆

その表現・語句の、状況や状態を説明するような訳文になっていることが分かります。
(納豆や焼き鳥は、既に有名で固有名詞として、Natto、Yakitori と言われることもあります。)

情緒的に表現する日本語に対して、英語は、上のように物理的・科学的な表現が多いです。日本語の文字や単語を訳してしまうと意味が伝わらなくなります。日本をベースにして英訳の作業が入ると、「目」という言葉が入っているので、話す英語に「eye」を入れてしまうような意味の分からない表現になってしまいます。その状況や状態を的確に言い表すことが出来れば、伝わります。

「お目にかかる」という言葉は自分をへりくだって言う表現ですから、その相手に会うことへの喜びや、自分に会ってもらうことへの恐縮の意味合いの単語を使って表現すると、その日本語独特の「お目にかかる」という含みが出てきます。

・行為は、「会う」こと ⇒ meet や see を使う。
・相手は目上で、会うことは恐縮しているような雰囲気 ⇒ pleasure や happy を補助的に使う

ことでうまく言えます。

お目にかかる / to have a pleasure to see (会うことの喜びを持つ)

実際には英語で話す時には直接的な言い方が多いので、目上でも単にmeet youとしか言わないケースが多いですが、このような表現手法のコツを覚えていくと様々な場面での応用が利きます。



日本語を介さず英語でその状態を直接表現する感度を高めること

英会話でスピーキングを強化するには、

× 日本語の文を頭の中で英訳して話す
〇 その状態や状況を日本語を介さずそのまま英語で話す

ということが重要になります。ひとつ例を挙げて練習してみたいと思います。

彼は実業家です = He is an entrepreneur.

entrepreneur は、日本人にとってはマイナーな単語です。この単語を知らずに「実業家」を表現したければ、どうすれば良いでしょうか?

実業家の状態を意味する、
「リスクを負いながらも利益を得ようとビジネス展開する会社のオーナー」

の雰囲気を知っている単語で表現すれば良いのです。少し真面目に実業家を英語で言うと、

owner of business enterprise, who tries to make profits by taking risk

となります。しかし、これを言うのも一苦労なので、非常に簡単な単語を使ってこう言うことも出来ます。

He is a business person and runs his own company.

(彼はビジネスマンで、自身の会社を経営しています。)

実業家の本来の意味からは少し荒削りな意味合いになっていますが、言いたい内容は十分伝えることが出来ます。

この知っている単語での言い換えにひとつひとつ慣れていくと、自分の言いたい事をいくらでも表現できるようになって行きます。

自分の知っている単語で表現するためにも、単語力の積み上げが最低限は必要になりますので、地道な単語帳での学習期間もある程度持っても良いくらいです。知っている単語が多ければ多いほど、より簡潔に伝えることができ、また聞くときも助けになります。



スピーキングの強化のための英単語強化は「ほどほど」で十分

留学しないで日本で学習して2年程度で英会話をマスターするには、少なくともスピーキングにおいて、物理的に物事を表現する力をマスターすることが必須です。言い換えれば、英語圏の国々で話される多くの表現をひとつひとつ真面目に覚えるなんてことをしなくても、この物理的に表現する力を付けることで多くの外国人と英会話は可能だということです。

学習期間を重ねて行くと、明らかに意味がひとつしかないような単語に出会うことがあります。そういう単語はエネルギーを使って覚える必要はないと考えています。
例えば、先ほどの、entrepreneur は企業家、とか実業家といった意味しかありません。他に例を挙げると、

expertise 専門技術
hemorrhoids 痔
diagnosis 診察結果

など、たくさんあります。ちなみにこれらの単語はそこまでマイナーな単語というわけでもないので、ネイティブスピーカーとよりスムーズに会話したいという方は覚えて良いと思います。しかし英語を母国語としない英語話者と話す時には、もしかすると通じないかも知れません。diagnosis を doctors judgement result などと、とっさに言い換えることになるでしょう。

ひとつしか意味のない使い回しの利かない単語を覚えることにエネルギーを注ぐより、entrepreneur(実業家) の内容説明で出て来た profit(利益) について深く調べて、benefit(利益)との違いは何だ?(答え:benefitは、ためになる全般的な利益で、profit は、金銭的な利益のこと)とか、taking risk で、risk は take するものなのか、といった応用が利く内容理解に時間を割くべきです。

単語の意味を調べて意味がたくさんある物ほど、よりその使い道、用法などに時間を割いて下さい。as,when,take,if,have,on などなど会話の中に必ず出て来る単語の理解は必須です。

メジャーな単語の徹底理解により応用の幅を利かせる訓練

をすることが、英会話マスター、特にスピーキング上達の鍵です。

英語圏の国々で話される多くの慣用表現は、ある程度会話をマスターした後に、順々に吸収して行けば良いのです。英会話マスターへの習得する事項の優先度に関する話でした。

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